皆様は自転車に乗るとき、ヘルメットをかぶっていらっしゃるだろうか?



自分は必ずかぶる。なぜなら、かぶらないことのリスクが余りにも大きすぎるから。



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6月には、自転車ヘルメット委員会が発足された。記事内では、「自転車死亡事故による損傷部位の統計では頭部が64%」とのことだ。手足の損傷はまだ命には関わらないが、頭はそうはいかない。



つい最近では、安田大サーカスの団長が転倒してケガをされた。意識不明になってしまわれたが、幸い命に別状はないそうだ。「ヘルメットをしていて本当に助かった」ともおっしゃっている。

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自転車に乗るときは法律どうこう関係なく、ヘルメットを装着すべきだと声を大にして言いたい。


でも、ヘルメットって高いんだよね

発泡スチロールで造られたものなのに、数万円もするってボッタクリじゃん


という声を、ヘルメットをかぶらない方々から聞くことがある。



今回は、Global Cycling Network(GCN)の、カスクのヘルメットが工場でどのように製造されているかを紹介する動画をお届けしたい。


“How a kask bike helmet is made”




「へぇぇぇ、ロードバイクのヘルメットってこんな行程で作られているんだ・・・」ってわかっていただけると思う。



ペラペラのパネルがシェルの基礎になる

ヘルメット制作は、1枚のパネルからスタートする。ぺろーんとしてて柔らかそうなプラスチックパネルだ。側頭部とか、前頭部など、パーツに合わせたカッティングがされ、着色を5回も施し、オーブンで120度で1時間焼き、熱でもって固めるわけ。


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その後の水抜き(ドライ・プロセス)が大事

水分が残ったまま生成すると、使いものにならないそうだ。で、シェルはバック、サイド、トップという3つのパーツで構成される。クオリティ・コントロール(QC)プロセスを経て、マシンで空力の穴が削り取られていく。ようやくロードバイクのヘルメットらしい形状になる。



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※とても、ヘルメット工場には見えない仰々しさ




衝撃緩衝材は米粒のようなビーズ状のモノ

ここまでがシェルの話。内側の発泡スチロール素材は、顆粒状のプラスチックのようなモノが原材料である。これがくっつき合って、シェルの内側を構成する。



さらに、ここでも脱水プロセスがあり、ここの行程で6gほど軽くなるそうだ。意外に水分が多く含まれてしまうことに驚き。ロードバイクヘルメットにとって、水分は敵だということがわかった。


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ということは、雨の中を走ったり、汗をかいたあとは、乾燥した涼しい場所で保管するほうがいいのだろうか。直射日光の当たる場所にさらすと、劣化が早まってしまうのは常識なので、気をつけようね。



仕上げ作業はカンタンではない

ここまできたらほぼほぼ完成。パッド、ストラップ、後頭部の調整ネジ、アウターに貼るロゴシール等をあてがう。GCNの元プロレーサーのインタビュアーが挑戦してみたが、意外に難しいそうで、女性作業員からダメ出しを食らう(笑)。


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女性はイタリア人らしく、言葉が通じないようで、身振り手振りで教えていらっしゃった。



このようにロードバイクヘルメットが造られていることを知ると、「まあ、多少値が張るのも仕方あるまい」という気分になってくる。


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この動画を観るまでは、ヘルメットなんて、プレスマシンで発泡スチロールを「ガチャコンッ!」って圧接して、パネルをぺたっと接着して一丁上がり……なんだろうとてっきり思っていた。人の手作業がけっこう入る、地道なプロセスを経ているんだね。



自分の愛用ヘルメット、スペシャライズドのPrevail(プリヴェイル)も大切に使おうと肝に銘じた。



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ひとつアドバイスとして、レストランとかで休憩するとき、ヘルメットを逆さにしたらダメよ。お椀のようにしてアイウェアとかグローブを入れる人が多いけど、頭頂部に圧がかかり、寿命を短くしてしまうの。栗村修さんも言ってたから、間違いない。


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※テーブルに置くときはこう!




というわけで、『GCNのyoutubeチャンネル』の動画コンテンツは抜群に面白い。英語がわからなくても、見ているだけでも彼らの熱すぎる「ロードバイク愛」がヒシヒシと伝わってくる。



まだ見たことがないなら、ぜひ視聴してね!