フィアットから「500X」という新型車が発表された。

チンクエチェント派生のクロスオーバーで、最近流行りのトレンドをしっかりと追ってきたようだ。

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※写真はチンクエチェント

自分はパンダに乗って1年ちょいになるが、今も大好き。ぜんぜん飽きが来ない。むしろ愛情が増している。ロードバイクに乗るのも楽しいけど、東北道や関越道をドライブして日帰り温泉に行くのも捨てがたいのよね。


500Xがヨーロッパで一足先にお披露目されたのは知っていて、海外のインプレッション動画はほぼチェックした。


2ドアのコンパクトカーであるチンクエチェント(500)は女性っぽさと可愛さがあって、実際女性購買者も多い。しかし、500Xは横幅が1,800ミリもあり、SUVチックなデザインなので、やや男性を意識したクルマである。

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CM動画はコレ(いかにも欧州らしい、ユーモラスな広告)


500X=セクシーでマッチョな男性」という打ち出し方をしている。



アメリカでのインプレッション動画チャンネル「Fast Lane Car」でも、いかにもSUV好きそうなオッサンふたりが好き放題に評価している。



しかも、500Xはジープのレネゲードの兄弟車だ。味付けやデザインは異なるが、かなりのパーツを共有している。レネゲードは見ての通り、マッチョもマッチョ。完全に男性がターゲットなクルマである。


上位モデルである2.4Lエンジンは、「タイガーシャーク」と名付けられており、これまた男らしいネーミングだ。



このような動画を見ていたので、日本に導入されるときも同じような打ち出し方をしてくると思っていた。しかし、日本の500Xの公式サイトを見てずっこけた。


「10のスタイルを体現する10人の生き方」と題し、10名のライフスタイルを語るショートインタビューが流れる。しかも、その人選が予想外すぎた。


安藤美冬さん




料理制作ユニットGOMAさん




はあちゅうさん




青木俊介さん(ロボット開発者)





(7月30日の時点で)10名中、4名しか公開されていないが、女性3名、男性1名。しかも、動画内では500Xは一切登場しないし、クルマについても語っていない。ひたすらに自己の生き方(働き方)を語っていらっしゃる。すごくフェミニンなトンマナだ。


「自動車プロモーション動画として、果たして成立しているのだろうか?」と勝手ながら心配になってしまった。てっきりマッチョなイメージでくると待ち構えていたので、思い切り肩透かしを食らった気分である(笑)。

なんとなく、ベイマックスの日米でのプロモーション動画の差に近いものを感じてしまった。


果たして、FCAジャパン株式会社は誰を500Xのターゲットに据えているのであろうか。動画から解釈するに、「30代以上で自分のこだわりのライフスタイルを持ち、人の価値観ではなく自分の価値観を大切にする男女…」なのだとは思う。チンクエチェントからの乗り換えは、用途もサイズも違いすぎるので、ちょっと考えにくい。

500x

※画像引用元は「500X特設サイト

これまでフィアットに接点のなかったユーザーを取り込もうとしているのかしら。ジューク(日産)、ミニ・クロスオーバー(BMW)、ヴェゼル(ホンダ)、CX-3(マツダ)、キャプチャー(ルノー)、V40クロスカントリー(ボルボ)といった、コンパクトSUVの選択肢の1つに入り込もうとしているのかも。

となると、気になるのはお値段ですな……。


ちなみに導入されるのは「シティルック」と「オフロードルック」の2種。ルックという名前から想像できるとおり、けっして本格的な四駆ではないのは、走破性は気にしない方がいい。あくまで、町中用のSUVね。(シティルックはFFで、オフロードルックは4WD)

FIAT 500X (CARTOPMOOK ニューカー速報プラス)


もちろん、日本公開されたらロードバイクが積めるかどうかをチェックしてくるね。