トランス脂肪酸がアメリカで規制されることが発表された。
トランス脂肪酸は牛肉や羊肉、乳製品などに天然で微量に含まれはするが、規制対象は「液体の植物油に水素を加えて固体化する過程で人工的に作られるもの」である。
※フライドポテトのうまさは殺人的だよね…
40代になると健康が気になるもので、自ずと食べ物にも関心を払うもの。いつまでも健康を保ち、末永くロードバイクを楽しむのがオレサマの人生の(プライベートにおける)目標。
ということで、軽く調べてみた。
「トランス脂肪酸」で検索すると、まっさきに農林水産省のサイトがHITする。
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省庁の発表するコンテンツは、正確性を過剰に期すがために読みやすさと理解のしやすさは二の次になっていることが多い。代わりに要点をまとめてみる。
1.脂肪酸ってなに?
炭素の二重結合がない「飽和脂肪酸」と、炭素の二重結合がある「不飽和脂肪酸」の2種類がある。
※かれこれ10年以上、マーガリンは塗らないようにしている
2.トランス脂肪酸ってなに?
不飽和脂肪酸には、炭素の二重結合のまわりの構造の違いにより、「シス型」と「トランス型」の2種類がある。炭素の二重結合が云々かんぬんとのことだが、トランス(trans)型の二重結合が一つ以上ある不飽和脂肪酸がトランス脂肪酸だ。
事実だけ並べられても、「で?」となるよね。さらに掘り下げよう。
3.食品にはどうしてトランス脂肪酸が含まれるの?
「なぜわざわざ身体に悪いものを食品に添加しているんだろう?」と思ったが、油脂の加工・精製によって生成されてしまうものらしい。
油脂製造の加工技術に「水素添加」というものがあり、水素添加によって製造されるマーガリン、ファットスプレッド、ショートニングや、それらを原材料に使ったパン、ケーキ、ドーナツなどの洋菓子、揚げ物などにトランス脂肪酸が含まれるのだ。
わざわざ添加しているのではなく、油脂製造過程の途中で意図せず出来上がってしまうものということか。
さらに、植物から油を絞る工程で、臭いを取り除くために高温で処理を行うのだが、植物に含まれるシス型の不飽和脂肪酸からトランス脂肪酸ができてしまう。よって、サラダ油などの精製した植物油にも微量のトランス脂肪酸が含まれてしまうのだ。
日本中の一般家庭の台所には、ほぼ確実にトランス脂肪酸が存在するということになる。怖いな。で、これがいかに身体に悪いのかを知るため、さらに読み進めた。
※カツ丼、天丼、唐揚げ、大好きなんだけどね…
4.トランス脂肪酸にはどんな種類があるの?
鎖の長さや二重結合の数と位置によって沢山の種類があるらしい。一覧化しても意味は薄そうなので、見たい方は上記リンクからどうぞ。
5.トランス脂肪酸が体に悪いって本当?
もっとも気になるのはここだ。以下、上記の農林水産省のページから引用する。
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トランス脂肪酸については、食品からとる必要がないと考えられており、むしろ、とりすぎた場合の健康への悪影響が注目されています。具体的には、トランス脂肪酸をとる量が多いと、血液中のLDLコレステロール(いわゆる悪玉コレステロール)が増えて、一方、HDLコレステロール(いわゆる善玉コレステロール)が減ることが報告されています。日常的にトランス脂肪酸を多くとりすぎている場合には、少ない場合と比較して心臓病のリスクを高めることが示されています。
善玉コレステロールが減る、摂り過ぎると心臓病リスクが高まる、と身体への悪影響が指摘されている。
さらに引用しよう。
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トランス脂肪酸による健康への悪影響を示す研究の多くは、トランス脂肪酸をとる量が多い欧米人を対象としたものであり、日本人の場合にも同じ影響があるのかどうかは明らかではありません。
アメリカの食品医薬品局(FDA)が16日、マーガリンなどに含まれる「トランス脂肪酸」の発生源となる油の食品への使用を、2018年以降原則禁止すると発表したが、農林水産省は断定的な書き方はしていない。
アメリカで規制される「トランス脂肪酸」、日本でも規制すべきか?(The Page)
「欧米人の身体には悪影響が認められたけれど、黄色人種には十分な研究がされていないし、もしかすると大丈夫かもしれないから、国家はまだ判断を下さないよ!」なんて話はありえないと個人的には感じるのだが……。
さらにさらに、引用しよう。
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油脂の加工でできるトランス脂肪酸と天然にあるトランス脂肪酸では、健康に及ぼす影響に違いがあるのかどうか、また、たくさんの種類があるトランス脂肪酸の中でどのトランス脂肪酸が健康に悪影響を及ぼすのかについては、十分な証拠がありません。
農林水産省の立場上、重箱の隅をつつくような調査をせねばならないのはまあ理解できる。安易な憶測で発表はできないし、十分な証拠を集めたい気持ちもわかる。
しかし、だからといって、「じゃあ、報告書が完成するまで、安心してトランス脂肪酸を摂ろう!」と我々が考えるのは早計だと思う。
6.トランス脂肪酸の目安量はどのくらい?
以下、引用する。
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トランス脂肪酸の摂取量を、総エネルギー摂取量の1%未満とするよう勧告をしています。日本人が一日に消費するエネルギーは平均で約1,900 kcalですので、平均的な活動量の場合には一人一日当たり約2グラム未満が目標量に相当します。
「トランス脂肪酸については、食品からとる必要がないと考えられている」と書いているのに、2グラムまでならOKってのも不思議。健康を害しないと推測される数値であって、けっして摂取が推奨されているわけではない。ゼロにすべきだと思うのだが、そのへんは断言できないしがらみがあるのかもしれない(笑)。
※パンケーキ、美味しいよね・・・
7.脂肪や食塩のとりすぎにも気をつけて!
こんな記述もあった。
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日本人において、一番の問題と考えられているのは、食塩のとりすぎです。厚生労働省の調査では、日本人の男性で約6割、女性で約7割が目標量(成人男性10グラム未満、成人女性8グラム未満)を超えていることが示されています。食塩をとりすぎると高血圧やがん、脳卒中のリスクが高くなることが示されており、減塩はこれらの生活習慣病の予防に有効であると考えられています。
トランス脂肪酸ばかりに注意するのではなく、塩分過多にも注意せよとのこと。ごもっともだ。
厚生労働省の調査では、日本人の男性の約2割、女性で約3割が目標量の範囲を超えて脂質を摂取していることが示されており、この脂質をとりすぎている人の割合がだんだん増えていることが報告されています。トランス脂肪酸だけではなく、飽和脂肪酸などを含めた脂質のとりすぎ、食塩のとりすぎにも十分に注意してください。
トランス脂肪酸だけでなく、そもそも脂質を取り過ぎている現代人は多いだろう。特定の栄養素だけを取り沙汰するのではなく、食生活全体を俯瞰せよという、「木だけではなく、森を見る」メッセージだと理解した。
農林水産省では、健やかな食生活を送るためには、トランス脂肪酸という食品中の一成分だけに着目するのではなく、現状において日本人がとりすぎの傾向にあり、生活習慣病のリスクを高めることが指摘されている脂質そのものや塩分を控えることを優先すべきと考えています。
トランス脂肪酸への注意を別のものに背けさせようという意図が見え隠れしないでもない……と思うのは勘ぐり過ぎかな(笑)。
日本でも食品事業者による自主的な努力によって、トランス脂肪酸の含有量が従来よりも少ない食品が販売されています。天然にあるトランス脂肪酸を減らすのは難しいと考えられていますが、油脂の加工でできるトランス脂肪酸は新たな技術を利用することで低減することができます。食品事業者は、食品に含まれている油脂の加工由来のトランス脂肪酸をできるだけ減らすとともに、同時に飽和脂肪酸についても減らしていくことが望まれます。
民間企業に努力を促すのはけっこうなことなのだが、これだけでは心もとない。
怖いと思ったのは、この記述。
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現時点では、日本において食品中のトランス脂肪酸について、表示の義務や含有量に関する基準値はありません。また、トランス脂肪酸だけではなく、不飽和脂肪酸や飽和脂肪酸、コレステロールなどの他の脂質についても表示の義務や基準値はありません。
ウェブサイトは2015年6月24日更新なので、最新にアップデートされているが、念のため、問い合わせてみた。電話したのは農林水産省の消費・安全局消費・安全政策課の担当者(食品危害対策班、製造流通安全企画班)
その方いわく、
「現時点では、日本の食品にトランス脂肪酸が含まれているかどうかの表示義務はありません。よって、トランス脂肪酸が入っているのかどうか、どれくらい含まれるのかはわかりません」
とのことであった。完全にブラックボックスということか。怖え……。
トランス脂肪酸はマーガリンやファットスプレッド、ショートニングに含まれるほか、これらを原料にしたパンやケーキ、クッキーやドーナツなどの洋菓子類、スナック菓子、生クリームなどにも含まれている。
ただ、農林水産省のサイト内に「食品に含まれる総脂肪酸とトランス脂肪酸の含有量」というページがあった。どの食品にトランス脂肪酸が含まれているかを知りたい方はご覧ください。
ここを見ると、菓子パン、スナック菓子、スイーツ、乳製品、ジャンクフード全般を食べる意欲が失せてくるね。
こういう食事を心がける!
こちらも興味深い記事だった…

コメント
コメント一覧 (4)
しかし、ちょうどその1990年頃からトランス脂肪酸が話題になり始め、スーパーでマーガリンなどが急速に減っていったように覚えています。
農林水産省は今頃そんなことを言っているのか、という気もしますが、あちらの人に比べれば脂肪分の摂取量がそもそも違うので、まあぼちぼち、ということなんでしょうね。
なので、幼いころは嬉々としてマーガリンを塗りまくってた記憶があります。思い出すだけで恐ろしい・・・(笑)。
長生きしたいとは思ってませんが、長患いで寝込むのは嫌なので気をつけます。
でも誘惑に弱いからな~。
揚げ物とかフライドポテトとか好きなんですよ(;_;)、控えられるか自信がありません( ̄Д ̄;;
完全にゼロにはできないし、私もするつもりもないですが(外食すれば入っているでしょうしね)、やはり末永い健康寿命を維持したいものです。
オッサンになればなるほど、身にしみて感じますね・・・