前回はBMWのMINIクーパー(3ドア)にミニベロが載るかどうかを検証した。今回も輸入車コンパクトカーの流れで、フォルクスワーゲンさんにDahon(ダホン)Mu P8を持ちこんで、『UP!』を拝見させていただいた。



フォルクスワーゲン川口さん、ご協力ありがとうございます!

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フォルクスワーゲンの『UP!』とは?

エンジンは1リッターで直列3気筒。トランスミッションは5速のセミAT。ルポの後継車という扱いで、フォルクスワーゲンのラインナップでは最小のモデルです。ウィキペディアのリンクはこちら



トランクは狭い印象だが、果たして載るのか?

リアハッチを開ける。トランクスペースは一見は狭い。パンダよりも気持ち小さいような気がする。しかし!フィアットとフォルクスワーゲンの公式ウェブサイトで確認したところ、なんと数値上はUP!のほうがパンダよりも広いことが判明。



UP!の荷室容量は251リッターで、パンダは225リッター。26リッターも差があるのだ。(トランクを畳まない状態の広さね)



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「深さでスペースを稼いでいるのか?」という気もするが、写真で比較してみても、UP!がパンダより深い印象はない。見た目はパンダが広いのに、実際はUP!のほうが容量で勝る。人間の感覚なんぞ、こんなものなのかもしれない。



ミニベロがばっちり収まった!

ダホン(Dahon)のMu P8を畳み、シートは倒さずにトランクに入れてみる。(もちろん、トノカバーは外す)




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ちょうどぴったり収まった。リアディレーラーはどこにも接触しておらず、ゴムバンドで固定さえすれば、安心して車を走らせることができそうだ。パンダと似た、垂直に切り立ったリアハッチのおかげで、背の高い荷物でもガラス面に触れないというわけね。





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リアの視界もしっかり確保されているよ。




ただ、パンダよりも開口部は狭い。サイドからリアのコンビネーションランプがせり出しているため、重い荷物の出し入れはパンダの方がはるかにやりやすい。UP!の場合、バイクをそぉーっと上から下に置くように持ち運びせねばならないのだ。

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UP!の床下スペースが秀逸

UP!のトランクも床のカバーは、一段下に下げることができるという特徴がある。スペアタイヤがそもそも装着されておらず、電動補修キットが内蔵されているのみなので、ここのスペースを有効活用しているわけだ。



ちなみに、電動の補修キットは、電力でエアとシーラントをタイヤ内に送り込むそうで、ジャッキアップが不要。時速80キロくらいまでのスピードで走れるんですって。最近はこの方法が主流なんだとか。




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そのおかげで251リッターなのだろう。しかも、トランクの床は取り外す必要がなく、そのまま下にキレイにスライドできてしまうスグレモノ。



パンダにも床下スペースはあるんだけど、発泡スチロール製の上げ底をゴッソリ抜く必要があって、これが相当に大きくてジャマ(笑)。家の中で保管するしかないけど、こんなでかいもの、どこに置けばいいというのか。寝室の押入れの上のスペースがたまたま空いていたので、(オクサマにはナイショで)そこに突っ込んでおいた。


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※パンダのトランク床を抜き取ると、こんなに大きなモノが……



UP!の走りは侮れないらしい

今回は、試乗はさせていただかなかったが、営業さんの話によると、「マニュアルモードで走らせると楽しいってよく言われます。エンジンブレーキをきかせながら走る男性のお客様が多いですね」とのこと。



セミATの変速ショックがあることが、国産の無段階ATに慣れている日本人ユーザーには賛否あるそうだが、カチカチと変速させて意のままに操るって意味では、こちらのほうが乗ってて楽しめるんだとか。


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この点はオレサマも大いに同意する。シングルクラッチのパンダも変速ショックは大きいのだが、ワインディングの山道などでマニュアルモードで走らせると、めっぽう運転が面白い。「変速ショックがある=不快」とも限らないのだ。



インパネデザインは簡素で色気はない

ストレートライン&左右対称な構成で、正直「ワクワクドキドキ」するデザインではない。が、日々の足として使い倒す道具と考えれば、むしろこれくらいでちょうどいいのかも。



エアコン等のダイヤルは目線を下げなくてもよい上の方にあるし、操作もしやすそう。実用性というキーワードにかけては、フォルクスワーゲンの右に出るものはいないような気がする。



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シートヒーターが内蔵されているモデルもある

UP!のもうひとつの特徴が、「シートヒーターが内蔵されている」ということ。運転席も助手席もだ。しかも、座面だけが暖かくなるのでなく、背中(肩のあたりまで)にも内蔵しているというから驚き。(High UP!の4ドアのみ)



「エンジンをかけて、すぐ暖かくなりますよ。エアコンが温まる前から効果を発揮します。特に女性に人気の装備です(^^)」


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とのこと。ボルボのような北欧の寒い車にしか採用されない機能だと思っていたが、フォルクスワーゲンのベーシックモデルに備わっているとは……。



オーナーズボイスが公式サイトに掲載されていた。購入検討中の方には参考になるかなと。



オール国産車&輸入車完全アルバム2015-2016



結論としては、「フォルクスワーゲンUP!のリアシートを畳むこと無く、ミニベロを積むことができる」である。もちろん、リアシートを倒せばミニベロ2台も積めるよ。



フォルクスワーゲン川口店さん、ありがとうございました!

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