サイクリストにとって、自分の愛車のメーカーの中の人にお会いするのはウレシイものだ。
クルマでもそうだよね。ロードスター愛好家はマツダのイベントに喜んで行くし、スバルの開発者と交流したいインプレッサ乗りとかも少なく無いと思う。
オレサマの愛車はBOMAのリファール。埼玉県三郷市に本社(株式会社ASKトレーディング)があるんだけど、ご縁があって中の方(川村さん)にお会いし、試乗する機会をいただいた。
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試乗させていただいたのは、「Rasor(ラソア)」
Rasor のコンポーネントは電動デュラエース! 「電動コンポはいいよ!一度使ったら紐(ワイヤー)には戻れないよ!」という話は周囲でよく聞かされる。電動が便利であるのは左脳(論理)では理解できるのだが、右脳(感情)でいまひとつピンと来ていなかった。
「途中で電池が切れたらどーすんの?」
「なにもかも機械任せにすることが正しいとは思えん。むしろ、操る喜びが失われてしまうんじゃねーの? 男は黙ってワイヤーだろ」
という思いが、どーしてもぬぐいきれなかったワケ。
電動デュラエースとは、一度真正面から向き合わねばと思っていたところなので、ちょうどよい機会だったのだ。
ちなみにBOMAの中の人(川村さん)によれば、「Rasorは、リファールからの乗り換えがものすごく多い」らしい。いま、BOMAのラインナップの中で一番人気がRasorで品薄になっているとのこと。理由は、「硬いのに柔らかいフレーム性能のため」なんですって。固くて柔らかい?? 話が矛盾しているが、どういうことなのか。
※サドルの高さをあわせて……
フレーム形状はエアロで見るからに硬そう。で、実際に硬いそうだ。柔らかいのはシートステー。ブレーキがBB側に付いているため、シートステーにブレーキを受け止めるだけの強固な構造が不要となり、ぎりぎりまで極細にできたとのこと。路面からの衝撃をこの細いシートステーが吸収してくるんだって。
つまり、シートチューブやトップチューブといった前半分は硬いので踏んだパワーを推進力に変える。でも、衝撃は細いシートステーでいなす。よって、レースにも投入できるポテンシャルを備えつつ、ロングライドでも疲れずに快適に走れる、という一台二役をこなせるというのだ。本格的なレーサーからツーリングローディまで、幅広く選ばれている理由だそうな。
※シートステーは極細なのに、チェーンステーはガッチリというアンバランスな構造
説明だけを聞くと、「そんなうまい話、あるんだろうか?」と訝しんでしまうのだが、試乗して驚いた。
乗り心地が優しくてしなやか。ぜんぜん不快なところがない。カーボンホイールとチューブラータイヤのお陰もあるだろうけど、ザラザラした路面をけっこうなスピードで乗り越えても、お尻がぜんぜん痛くない。見た目がいかにも硬そうなだけに、ギャップ萌えである。
川村さん
「坂でダンシングして、強めに踏んでみてよ。推進力を感じることができるからさ!」
江戸川CRに入る上り坂でえいっと踏み込んでみた。「なるほど、よく進むわ……踏み込むとカーンと反応してくれるが、乗り心地は失われないとはこのことか」とナットクした。文字だけですべてを伝えきる自信がないので、ぜひRasorは実車に乗って体感していただくことをオススメする。
唯一の欠点が「カラー展開がなく、マットブラック×ショッキングイエローの一色だけしかない」ということ。男性には似合うが、女性だと地味(あるいは男性的すぎる)と思う人がいるかもしれない。
あ、フレームの良さに感心しすぎて、肝心の電動デュラエースのインプレッションを忘れていた(笑)。
ワイヤー好きのオレサマではあるが、電動デュラエースの快適性には呆れてモノが言えない(もちろんいい意味で)。リアのシフトアップはまあ想定内の操作性だとして、フロントメカのそれの気持ち良さといったら、文句のつけようがないね。笑いが止まらない。
「ジッ」と軽い電子音をさせて、スッとギアを上げ下げしてくれるのが素晴らしい。ロングライドの後半とかアップダウンの繰り返す地形で嫌になってくるのが「フロントメカの操作」だよね。指に力をかけずにフロントメカを操作できることの素晴らしさを知ってしまった。フロントだけ電動にしたいって強く思ったね(笑)。
操作性の良さ以外にうれしかったのが、ブレーキタッチのフィール。
「6800系(11速)のアルテグラは、6700系に比べて相当良くなった」という評判は散々聞かされているんだが、アルテグラユーザーのオレサマもデュラエースのタッチの軽さとコントロールのしやすさは「レベルがひとつ上や……」って脱帽した。これはモノが違うわ。
※ルックのペダルがなかったので、仕方なくフラペで乗りました(笑)。
電動デュラエース、快適であるのは間違いない。ワイヤーに戻れない人が続出しているのもわかる気がする。
ただ、操作していて気になったのが、(前も後も)スイッチを押しても反応しないことがちょいちょいあった。押す角度、押す箇所、押す力のどれかがミスっているのだろうが、何度か押し込まないと変速してくれないことがあって、「ワイヤーならこういうことはないんだけどな」とは思ったね。まあ、このあたりの操作は慣れだけの問題ではあると思う。
結論としては、お金に余裕がある人は電動デュラエースにしてなんの不満もないだろう。ただ、これにしてしまうとロードバイク人生の上がりというか、これ以上カスタマイズの楽しみが無くなってしまうだろうが(笑)。いいお値段だし、個人的には迷うところだ。
例えば、「ワイヤーのデュラと電動アルテグラのどっちを選ぶか?」と問われたら、個人的には即答で「ワイヤーのデュラ」。
電動とワイヤーのデュラエースで比較しても、個人的にはワイヤーを選ぶような気がする。やはり、スイッチのギアチェンジでは「操っている感が希薄」で物足りないんだよね。快適なのは認めるんだけど、ロードバイクって快適であることと同時に、意のままに自分の手足で操るのは醍醐味だって思っているから。
というわけで、「いつか、(ワイヤーの)デュラエースを買おう!」って心に誓った次第である。
川村さん、ありがとうございました!!

コメント
コメント一覧 (3)
でもミニベロにデュラエースのフルコンポ・・・間違いなくおバカの仲間入りです。もう1台ミニベロ買えますからね、ホントに。
いつかは、管理人さんに呆れられるぐらいのおバカになってみたいものです。(*^.^*)
Muにデュラは、漢のマロンですヾ(´ε`*)ゝ エヘヘ