Rapha さんからお借りした冬用サイクリングアウター、「クラシックソフトシェルジャケット」のインプレッションの続きである。

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今回は、実際に着用して50キロほど走ってみたインプレッションをお届けしよう。自宅の川口市から、原宿まで走ってきた。
※ちなみに天候は晴れ、風はやや強め(風速7メートル)、気温は6度。体感温度はまあまあ寒い。


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試着したときも感じたのだが、乗り出してすぐ思ったのは、「ものすごく動きやすい」ということ。

とくに腕の付け根から手首にかけてがしなやかで、シフト&ブレーキ操作はもちろん、ハンドサインも出しやすい。それと、後方を目視で確認するときに片手になって上半身と首を後ろに曲げるときも、ウェアがツッパる感じがないく、ストレスなく動くのだ。


冬用のサイクリングウェアって、保温性を高めるためにどうしても厚手になってしまう。よって、暖かさとトレードオフでしなやかさは失われがち。しかし、なぜかクラシックソフトシェルジャケットはその名の通りにソフトで、しなやかで、かつ暖かい。さすがに高価なだけあって、ものが違う。

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※腰もしっかりカバー。前かがみになっても、しっかりと腰&お尻を包み込んでくれる。

ベンチレーションジッパーは伊達ではない

向かい風がかなり激しかったにもかかわらず、寒さはない。しっかりと冷風をシャットアウトしてくれる。ちなみに下に着込んでいるのは、アンダーアーマーのコールドギアと半袖の夏用ジャージ。合計3枚だ。


10キロほど走り、王子に差し掛かったあたりで身体が火照ってきたので、両脇のベンチレーションジッパーを全開にして走ってみた。

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なるほど、脇がス~ス~して気持ちいい。風が直接当たるわけではないので、寒くはない。程よい感じでベンチレーションになってくれる。この状態で気持よく後楽園まで走ると、今度はやや寒くなってきた。信号待ちでジッパーを元に戻してこのまま原宿まで進む。

温度調節が脇のジッパーの開閉だけで、瞬時にできるのは助かる。

背中(バックポケット)へはアクセスしにくい?

後楽園での信号待ちで写真を取ろうと、背中に入れたiPhoneを取り出そうとしたのだが、ものすごく取りにくい。手を伸ばしてポケットに手を突っ込むも、iPhoneが取り出せない。

なぜなら、ポケットがかなり深い構造になっていて、iPhoneがポケットの底までしっかりと沈み込んでいたから。そこでグローブを外し、裸の手をポケットにぐっと突っ込んでようやく外に出せた。

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※キーポケットもあります

ポケットへのアクセスがしにくいのはマイナスかもしれないが、個人的にはむしろプラス。だって、モノをしっかりとキープしてくれることがポケットの役割だし、落下の心配をしながら走りたくないもんね。

それにしても、ポケットの深さと生地の堅牢さには驚いた。まさに”堅牢”って表現がぴったりって思うくらい、どこもかしこも質実剛健なのよ。このバックポケットは頼りにできるね。

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袖がかなり長い

気になったのは袖の長さ。サイクリングウェアということを差し引いても、明らかに長い。自転車乗車時のポジションを考慮しての造りなのだろう。手首が少々だぶついたが、欧州人との骨格差が影響しているはず。
※ちなみに、私物のクラフトのジャケットよりも8センチほど袖が長かった。

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このおかげでどんなに腕を伸ばしても、袖口から風が入り込んでくることはなく、手首はずっと暖かかった。

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首元もやや高め(ハイネック状)に作られているので、首も寒くなかったね。というわけで何の問題もなく、原宿に到着。

不思議と汗をかいていない!

25キロノンストップで走ってこれまた驚いたんだけど、「ほとんど汗をかいていない」ことに気づいた。ふつう、冬であっても20キロ以上も走れば嫌でも汗をかく。それも、結構な量を。で、インナーの中で冷えた汗のせいでジワジワと寒くなってくるのがふつう。

それが、ぜんぜんないのだ。

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※シャレオツ空間極まる表参道。駐車されているのは高級外車ばかり。

その証拠に、インナーウェア(アンダーアーマーコールドギア)もミドルウェア(夏用ジャージ)も濡れておらず、タオルや着替えが必要なかった。保温力だけでみれば、もともと持っているクラフトの冬用アウターと大差ないのだが、決定的に違うのが「通気性」だ。

一休みして元来た川口市まで25キロ戻った。戻っている途中で陽が落ちて真っ暗になり、さらに気温は下がったのだが、帰宅してもほとんど汗をかいていないのだ。いや、正確に言うと汗はかいているが、通気性が高いのでどんどん揮発してしまうのだろう。


いったいどういう構造になっているのか、どうやって優れた通気性を実現しているかはさっぱりわからないんだけど、この通気性の高さは衝撃レベルだ。

正直、「これ1枚あったら、もう他には何も必要ないなあ」って感心してしまったよ。0度近い天気であれば、この上にウインドブレーカーを着こめば完璧だろう。

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あまりにもクラシックソフトシェルジャケットを気に入ってしまったので、もうちょっとお借りして、ロングライドでも使ってみることにした。ちょうど週末に房総半島にロングライドに行くので、そこでのインプレッションも別途レポートします。


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