細かすぎるジャパンカップサイクルロードレースの続き。

4回目なので辟易している人もいるかもしれない。すまないが、もう少しおつきあい願いたい。



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10時きっかりにレースは開始。

数分後、先導バイクやサポートカー、ニュートラルカーがけっこうなスピードで目の前を通り過ぎていく。道の両脇には人だかりがいるので、「大丈夫?ミラーで人を引っ掛けない?」って心配で仕方ない。




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※二人乗りの後ろの人はバランス取るの難しそう


しばらくして、下から歓声が湧き上がる。選手がやってきたらしい。




すると、ゆっくり目のペースで集団が現れた。観客は大喜びで、声援を送ったり、応援用風船をバンバン打ち鳴らす。




選手らは全然本気出してない様子で、談笑している選手もチラホラ。選手が通り過ぎるのは一瞬なので、サッと静かになる。





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10周の周回方式のレースなので、何度も見れるのがジャパンカップのいいところだ。15キロ弱のコースで、1周を23~25分程度で走るらしい。ということは、30秒観戦して、25分待つ、を繰り返すわけだ。




で、ここからが他のスポーツにはない、ロードレースならではのユニークな楽しみ方なのだが、観客は「コースを自由に歩いて移動してOK」なのである。




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※ポイント賞のときになると、ワラワラと人が集まって、KOMはこんな状態に



ふつう、プロスポーツの観戦といえば、観客と選手はゾーンがくっきりと分けられる。プレーゾーンに入れるなんて、ありえない。

高速で走るクリテリウムはさすがに柵で分けられているが、ヒルクライムの方のロードレースには制約がない。

ジャパンカップにかぎらず、ヒルクライムレースってこういうものらしいんだけど、初観戦のオレサマにはすごく新鮮だった。「え、選手が走ってるコースに勝手に入ってもいいの?警備員のおじさんに捕まらない?」ってビビってしまった。




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プロトンが通り過ぎると・・・






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※こんなかんじに観客は入り乱れる。




坂を登るのも降りるのも自由。立ち食いしたり、立ち飲みしたり、子供がはしゃいだり、おしゃべりしたり。

で、選手がそろそろ来るってなると、観客も感づき出すし、先導のレヴォーグがクラクションを鳴らしながら突っ込んでくる。




すると、人垣が両脇にそれて、選手の到着を待つ、という流れ。このゆるさ、不思議だわー、面白いわー。

KOM地点では、3周目にやって来るポイント獲得まで見た。ゲットしたのは宇都宮ブリッツェンの阿部選手




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※写真は阿部選手ではなく、その後来た新城選手。ポイント獲得の瞬間は写真撮ってない(笑)。


2人で猛スピードでなだれ込んできたんだけど、僅差で勝った。わーーーーーっと大歓声。地元のチームが結果を出して、大盛り上がり。


で、ここから徐々に坂を下って観戦ポイントを変えていく。選手が通り過ぎた後のコースはすげえ人人人。過去最高レベルの集客(8万人)をしたそうで、その大半がスタート地点から古賀志林道の1キロちょいに集結しているわけなんで、この混雑もまあ納得。




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※この道はクルマ優先。バンバンに通り過ぎていく。






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※大盛り上がりのブリッツェン応援団


ところどころ、良さげなポイントで選手の到着を待ち、通り過ぎたらまた下るを繰り返す。
10%かそれ以上の斜度の坂を、色とりどりのジャージの大集団が揃って駆け上がって行くサマは息を飲むというか、ただただ圧巻だ。それも、手を伸ばせば触れられるくらいの至近距離をだ。




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チェーンのチャリチャリ音がするのみ。そして「ヒュンッ」っていう風切音。静かに爆走するのが自転車レースなのね。選手と観客がこんなに近いというか、同じ空間を共にするスポーツって、ちょっとないんじゃないかな。

しかもさ、ロードレースってプロですら観戦が無料なんだよね。こんなに人が集まっても、お金があんまし落ちないんだよね。なんか、もったいないっていうか、申し訳ない気分になる。

個人的には、クリテリウムに1000円、ヒルクライムレースに1500円くらいなら払ってもぜんぜん構わない。この日のためにむっちゃ告知して、準備して、地元地域や警察署、消防署と連携しながら運営しているわけでしょ。




そーゆー費用は観客も少しは負担すべきじゃないかな。その仕組みをどう考えるか、作るかってのはまた別の大きな課題なんだけどさ。




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それにしても、坂を登る選手も速くて呆れるが、平坦地のかっ飛ばし方っていったらないね。近づくのが身の危険を感じるもん。赤川ダムのほとりが一瞬だけ平坦ストレートになるんだけど、この区間は選手がぶん回す。文字通り目にもとまらん。速すぎ。


なにしろ、プロトンを追いかけるチームカーのぶっ飛ばし方がヤバイ。「ヲイヲイヲイ!観客が大勢両サイドにいる一本道をそのスピードで突っ込んだら轢いちゃうって!子供飛び出したら確実に死ぬって!」って恐ろしくなるスピードで選手を追いかけてんの。大丈夫か。





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このスピードでレースするなんて、想像をはるかに超えてたね。これがトッププロなのか。
ただ、クリテリウムでも同じことを感じたんだけど、6、7周見てると、徐々に飽きてきちゃうんだ(笑)。




ラジオの実況があるとはいえ、音声だけなのでレースの全容はわかんないし、せいぜい「逃げが何人で誰か」と「プロトンとの時間」がわかるレベル。





あ、そういえばカンチェラーラが来てて、ファンに手を振ってた。




Photo


※サポートカーに乗って、颯爽と去っていった。



最後までいると渋滞に巻き込まれそうな雰囲気だったので、9周目の手前で帰ることにした。どうせ、ゴール地点はすんごい人でごった返してて、とてもじゃないが選手を見ることはムリだった。




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<参考リンク>
自転車置き場に戻ると、すでに帰った人もいるようだ。混雑もなく自転車を回収し、坂を下っていく。




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すると、遠くにプロトンが見えた。そうか、まだ我々は周回コースの内側にいるのだ。コースを出る直前、直線コースがあったので、そこでもうひと目だけ選手を見ることにした。



見通しの良いストレートなので、本気でぶん回す姿が拝める。



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逃げはすでに吸収され、プロトンはほぼ外国人選手ばかりのように見えた。




コントロールしているのはスカイ。ほぼ全員が先頭を占めてた。まだ体力を残しているような余裕がうかがえる。



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数十秒遅れで、見るからに限界を超えてへばった日本人選手や日本チームの外国人選手がやって来る。さらに数十秒遅れで、下のクラスの日本チーム選手が通り過ぎる。


後になればなるほど、疲労困憊しているのがよくわかる。左右に体を揺らし、苦悶の表情を浮かべている。世界のトッププロ(UCIプロチーム)とコンチネンタルチームの間には、まだ越えられない壁があるんやろなあ・・・。素人だから、詳しいことはわからんが。




<参考リンク>
で、選手が全員通り過ぎると、警備員のおじさんが道を通してくれる。さすがにここはハイスピードゾーンなので、古賀志林道にあったようなホノボノ感はなく、事故のないよう厳重な警備をしていた。




レヴォーグなんて、「制限スピードの2倍以上出てんじゃねーか?」くらいのスピードで文字通りぶっ飛ばしてたね。(まあ、レース中なのでその辺は問題なしなんだろうが)




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ここから宇都宮までは12キロほど。順調に走って駅前まで戻り、輪行組の坂バカ氏と別れ、東側のコインパーキングに向かう。


そーいえば、昼ごはんを食べていないことに気づく。腹が減った。着替えを済ませ、どうしようか一瞬考えて、「今日もマサシに行こう!」って決めた。





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そしたら、店先に20人くらいサイクルジャージ姿の観客の人たちが並んでた。帰り道の途中にあるから、つい寄りたくなるよね。

食べたらさっさとお客さんは出て行くので、回転は早い。10分かそこらで着席し、昨夜と同じメニュー(焼き餃子2人前、水餃子2人前、ごはん)を注文。やはりうまい。


登りの東北自動車道は、佐野藤岡IC前後でちょい渋滞したけど、概ね快調に走ることができたよ。

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ミニベロで行って正解だった。殆どの人はロードバイクで来場してたけど、宇都宮駅からならほんの10数キロなので、ミニベロでも苦にならない距離だよ。




総括、まとめは別途書きますね。




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