Rapha(ラファ)
ローディなら、たぶん知らない人はいないサイクルウェアのブランドだ。2004年にサイモン・モットラムによって創業されたサイクリング専用アパレル&アクセサリーメーカーである。(詳細ストーリーはこちら)
ブランド名は当然知っていたんだが、買ったことはなかった。人様のブログのレビューを読むと、機能性は絶賛されており、さぞかしクオリティの高い製品であることなのだろう。しかし、周囲で着ている人がおらず、実物は見たことがなかった。
そんなRaphaが、2014年7月に東京の千駄ヶ谷にリアル店舗&カフェ、RAPHA CYCLE CLUB TOKYO(以下、CCTYO)をオープンさせた。すでにオープニングイベントの模様を伝える記事を読み、「ほほう、こんなかんじのショップなのか」と興味津々な方も多いのではないだろうか。
<参考リンク>
タイムアウト東京
産経Cyclist
サイクルスポーツ.jp
シクロワイアード
サイクリングティップス
※リンク先はすべてCCTYOの取材記事
実は、CCTYOは自分の職場(赤坂)からわずか4キロしか離れていない。自転車で立ち寄れる場所なのだ。そこで、サイクルガジェットとして取材を申し込んだところ、快く受け入れてくださった。
RAPHA CYCLE CLUB TOKYOの場所はこちら。
※ 原宿駅と北参道駅の間くらい(両駅から徒歩圏内)
明治通りから1本入ったところに位置する。周囲はマンションが多く、閑静な住宅街といった雰囲気。
1Fがカフェで、B1がショップという構成なのだが、CCTYOはカフェでもショップでもなく、「れっきとしたサイクルクラブ」である。単純な商品購入の場だけでもないし、飲み食いするだけの場でもない。ファンが集い、交流しあう場なのだ。
※ガラス張りのオシャレな雰囲気
まずはB1のショップエリアを拝見させてもらった。天井が高くて照明が明るく、開放感があって驚かされる。いわゆる地下特有の閉塞感がない。大型TVにはサイクルレースの様子が流され、若い店員さん(女性が多い)が接客されている。
そもそも、Raphaってどんなブランドなのかを、広報の小俣さんに説明してもらった。
「ネットでしか見たことがなくって、高級で高品質ってこと以外、あまり知らないんです(汗)」
「もともと、オンライン販売をメインにしていたんですが、もっと認知してもらいたいのでリアルの店舗も展開し始めました。サンフランシスコ、ニューヨーク、シドニー、ロンドン、東京、大阪の6店舗あります」
「今後の新規オープンの予定はあるんですか?」
「マンチェスターやアムステルダムにもオープンさせる予定です」
※資料も織り交ぜながら、熱心&わかりやすく説明してくださる小俣さん
小俣さんによると、Raphaは単なるウェアブランドではなく、イベントやライド、旅行商品も扱っており、「ロードレース文化を育てる」というミッションがあって、売ってオシマイということはしないのだそうだ。
むしろ、お客さんとのライドとイベントにエネルギーをつぎ込んでいて、定期イベントはもちろん、女性限定の大規模なイベントやシクロクロス等も主催している。ちなみに旅行商品は日本でも展開している。(ただし、全て英語での旅程となるのでご注意ください)
The Cents Cols challengeという10日で100の峰を越える超ハードなツアーもあれば、ほぼ手ぶらで参加して、ピナレロのドグマをレンタルでき、サポートカーがフォローしてくれ、食事もホテルもばっちり手配してくれるというゴージャス極まるライドもある。聞いただけで行きたくなった。
画像引用元 ©www.rapha.cc
一生に一度は参加したいですな…。
媒体にお金を払って宣伝するアプローチはほとんどせず、ファンとの直の接点を積極的につくり、交流してさらにファンを増やす、という地道な活動をしている。
なるほど、Raphaはただのウェアブランドではないということが、わかってきたぞ。
ただ、オンライン販売が中心ということもあって、どうしても顧客比率は関東関西が中心になり、地域格差は少なくない。
「地域の差を是正するためにいろんな試みをしています。たとえば、モバイルサイクルクラブといって、このサイクルクラブにある商品を大型トラックに積み、全国をキャラバンするんです。出没するエリアはソーシャルに流して参加者を募ります。もちろん、コーヒーマシンも持って行き、参加者の皆さんに振る舞って楽しんでいただくという、移動できるサイクルクラブですね」
これも面白いではないか。ぜひ、自分の住む埼玉県にも来てほしい。
「ところで、名刺の住所が長野県南佐久郡の野辺山になっていますけど、なぜ野辺山なんですか?」
「Raphaの本拠地は野辺山なんですよ」
※ 野辺山は八ヶ岳のやや東に位置する
「へ?野辺山っていったら、八ヶ岳のほぼ麓じゃないですか。そんな場所になぜわざわざ?」
「自転車で走って楽しいロケーションだからです(笑)」
「(な、なんだと…)ふつーは東京に拠点を置くものですよね?」
「たしかに広報の仕事をしていると東京に出張せざるをえないです。が、基本は長野です。八ヶ岳周辺って天候、気温も過ごしやすいし、自然が豊かで走ってすごく気持ちのいい場所なんです」
「本当に自転車で走るのが好きなんですね(笑)。ということは、小俣さんは長野在住?」
「はい、そうです」
様々なイベントを主催するRaphaはシクロクロスにとくに力を入れており、野辺山で開催されるスーパークロスが有名。テレビ番組のチャリダー(NHK)で見たこともある人が多いのではないか。なお、このレースは世界中で主催されているとのこと。
<参考リンク>
2013年の大会の様子はリンク先のFlickrでたっぷり閲覧できます。
「初のイベント参加が、シクロクロスはちょっとハードル高いわ・・・」という方は、CCTYO限定になるが毎週2回、水曜と土曜の早朝におこなわれるレギュラーライドがオススメ。集まった人がRaphaスタッフと共に2時間ほど都内を走る、体力的にもキツくないライドだ。
※ 東京の情報
※ 大阪の情報
「Raphaウェアの着用義務とか、バイクはピナレロ以外は認めないとか、ルールはあるんですか?」
「ないですよ~(^^)。どなたでも参加してください。なんならロードですらなくて構わなくて、ミニベロやクロスでいらっしゃる方もいますよ。僕らは楽しみと交流の場を作っているだけです」
「じゃあ、僕も来ようかな・・・。でも、週2回ってけっこうな頻度ですね。運営が大変そうだ。ちなみに、Raphaのどんな方が帯同されるでしょう?」
「スタッフは交代でやりますが、元メッセンジャーだったスタッフもいます。都内の道を知り尽くしているので、“ここは安全な道”、“あそこはこの時間帯は車が少ないので走りやすい”って考えたコースを走ります」
「適当に走っているんじゃないんですね」
「そりゃもう(笑)。じつは、週3回にしたいんですけど、スタッフの人数の関係でまだ2回しかできていないのが実情です。世界中のRaphaでは毎週欠かさず定期ライドをおこなうってことが決められています。曜日はバラバラですけどね」
「えっ、週3回にしたいって、ほぼ隔日開催じゃないですか。でもですよ、変な話、定期ライドを増やしたってウェアの販売に直結するとは限らないですよね。売上的には手間のわりにあんまり貢献しないんじゃ?」
「販売目的ではないのでいいんですよ。ヨーロッパのサイクルクラブって、コーヒーとカフェが切っても切り離せない存在で、あちらのライダーはライド前にカフェに集まり、エスプレッソとかを飲みながら仲間を待って、ライド後はまたカフェに寄ってコーヒーを楽しむって文化があるんですが、そんな拠点に我々もなりたいし、文化を根付かせたいですね」
※書籍やガイドブックもある。
うーむ、これまで勝手に「Rapha = 高級ウェアブランド」という認識しかなかったが、ライドをこよなく愛するスタッフばかりの会社で、本気で自転車文化を育もうとする情熱がヒシヒシと伝わってきた。
好きが高じて野辺山に本社を置くなんて、その最たる例である(笑)。
次回は、Raphaのウェアを中心に紹介していくぞ。
<関連記事>
>> 【RAPHA CYCLE CLUB TOKYOを取材してきた】 おいしいコーヒーと、チームSKYも採用する補給食を賞味した
>> 【RAPHA CYCLE CLUB TOKYOを取材してきた】 Raphaのやや高めの価格設定には、120%納得できる理由があった
**********************************************************
Rapha Cycle Club Tokyo
住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷3-1-6 コモンガーデン原宿北参道 B1F/1F
電話:03 6434 5571
メール:cctyo@rapha.cc
<営業時間>
平日:カフェ/8:30~20:00、ショップ/12:00~20:00
土:10:00~20:00
日祝:10:00~18:00
※レース放送時は終了まで
お問い合わせ/ TEL : 03 6434 5571 Mail : cctyo@rapha.cc
店舗URL http://pages.rapha.cc/ja/clubs-ja/tokyo
**********************************************************
大人のウェア、だね!こういうジャージが似合うオッサンになりたいよ!
コメント