週末、Dahon(ダホン) Mu P8でかるく50kmほど走ろうと思い、産業道路をあてもなく大宮方向に走った。いつもは南側の荒川を走るが、いつも同じコースだと飽きるからね。で、「ワイズロード大宮でも寄ろう」と思い、立ち寄った。



ロードバイクって、眺めているだけで目の保養になるよねw



お店の開店時間の11時ちょうどに到着。ロードを見たり、ミニベロを眺めたりして、秋用のグローブを買ったりした。近い将来、ロードバイクを買うつもりなので、ミニベロを買うことは多分ないのだが、そんな中でも「もしミニベロ買うなら、これがいいな」って思ったのが、タイレルとKHS(P-20R)のふたつ。



20インチ(451)の方が、経が406より大きいぶん、スピードは出るだろう。この2台は、デザインも抜群によく、高級感漂う。ただ、どっちも値段が20万円を超えるので、ちと現実的ではないのだが。



ふと試乗車コーナーに目をやると、なんとタイレルがあるではないか。ドロップではなくてブルホーン(STI)、451ではなく、406を履いた、やや古いアルミの折りたたみモデルだ(FXのブルホーン仕様。コンポはオール105)。

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お値段はなんと26万円弱!初~中級の完成ロードバイクが買える値段だよ・・・。
タイレルの試乗車ってめったにないので、試乗をお願いしてみた。


くわしい写真を見たい方はワイズロード大宮の紹介ページをご覧あれ



10分ほどの試乗ではあるが、Dahon(ダホン) Mu P8とはずいぶん乗り心地もハンドルのクイックさも、直進安定性も異なったので、インプレを書いてみるね。タイレルのインプレってあまり読んだことないので、参考になるかも。





1.低速だとふらつく

発進時や停車時の低速のとき、ややふらつきやすいと感じた。ホイールベースが長いせいだろうか。信号で停車中の車の左側を通過するのに、ちょっと気を使った。第一印象は、『あれ?大したことないのかな、タイレルって?』って思ってしまった。


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2.直進安定性はいい

低速は得意ではないが、スピードに乗ると、とたんに気持ちよくなる。悪かった第一印象が、一気に逆転。さすがのロングホイールベースだ。安定感が抜群によいし、どんどんスピードを上げたい衝動にかられるね。



Dahon(ダホン) Mu P8と同じホイールサイズ(406)ということもあって、絶対的スピードは似たようなものだろうと思う。

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3.乗り心地は格段によい

Dahon(ダホン) Mu P8と大きく異なるのが、乗り心地。これは、タイレルFXの圧勝だ。


クロストップチューブとダウンチューブに加え、さらに一本通ったフレーム(スラントデザインと呼ぶ)、シートステーとチェーンステーのお陰だと思うが、舗装の継ぎ目を乗り越えたとき、ガツンというアルミ特有の衝撃が来ない。



「うわ、この乗り心地なら、Dahon(ダホン) Mu P8より快適に長距離行けるなー」って感じた。折りたたみモデルではあるが、フレームを折るタイプではなく、フレームがしっかりしていると思った。


言われなければ、折りたたみモデルとは気づかないくらいだよ。ちなみに、乗っている間はクロモリかな?って感じてしまったくらいで、アルミとわかったのは、バイクを降りて店員さんと話をしているときだ。


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アルミでも、作り方次第で全然違う乗り味を作ることができるんだね。



4.ブルホーンのSTIって、見た目よりもはるかに使いやすい

写真で見ると、STIが水平になってて、「使いにくそうだな。手首に負荷がかかりそうだな」って思ったんだが、実際に運転してみると、まったく違和感なし。左右のシフトアップ、シフトダウンもふつうにできた。



それにしても、ふだん(バーコン式)ブルホーン使ってると、やはりSTIの便利さは格別ですわ。
(バーコン式)ブルホーンはシフトのたびにせわしなく右手を動かさねばならない。


この操作がマニュアル車っぽくて、それはそれで個人的に好きなのだが、STIは、ブレーキングしながらであったり、カーブを曲がりながらシフトチェンジできるわけで、圧倒的に便利&快適のヒトコトに尽きる。



105のコンポもなんの不満もない。気持よくスパンスパン決まってくれる。マジ系のレースに出ないオレサマ程度の乗り手なら、105でまったく問題ないと思う。



強いて欠点を挙げるとすれば、105はシフトチェンジの音が安っぽいというか、官能的なかんじではないかな。あと、チェーンリングとクランクのデザインがアルテグラに比べて、急に劣る。(ロードにも乗ってないくせに、生意気言ってすまん)




5.キャリパーブレーキがコントロールしやすい

Vブレーキより、やっぱしキャリパーがいいなあ。スッキリしたデザイン上の美点もさることながら、じわーっと効くコントロール性がとってもいい。Vブレーキ特有の、異音も発生しないしね。


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6.ただし、折りたたみはしにくい

シートステーの付け根にクイックがあって、それを緩めてネジを抜いて縦方向に折りたたむのだが、畳む様子を見てて、「あぁ、こりゃめんどいな」って思った。



店員さんも「タイレルFXは折りたたみはしにくいので、頻繁に折りたたみたい方には向いていないかも」と話していた。折りたたまない派のオレサマには、これはデメリットではないが、輪行にはあまり向いていないだろう。



タイレルFXは、街中でチマチマ乗るようなポタリングモデルではない。サイクリングロードや幹線道路をハイスピードで突っ走るのが向いている。とにかく、「もっとスピードを出したい!」って思わせてくれる。ちんたら走るような用途なら性能がもったいないね。



店員さんとちょっと雑談してて印象的だったというか、やっぱりなって思ったのは、



「ミニベロでスピードを追求するユーザーは少数派であって、どうしてもどこかのタイミングでロードバイクに進む。よって、(モノは良いのだが)タイレル的なモデルの需要は低めである」





たしかに、25万円を超えるミニベロは、さすがのオレサマでも二の足を踏む。そのお金があれば、キャノンデールのCAAD10のアルテグラモデルとかフル105のパナモリにも手が届くしな~って考えちゃう。



タイレルを見かける機会がめったにないのも、そういうことが一因なのだろう。まあ、オレサマのDahon(ダホン) Mu P8も、ショップの大将には、「ここまでカスタマイズする人、うちの店でオレサマくんだけだよ」って言われてるし。



そういう意味では、オレサマも、ミニベロでスピードを追求する少数派の一人なのだろう。


折りたたみ自転車&スモールバイクカスタム2015



※ミニベロに限らず、自転車は総じて「雑誌で眺めるのと、実車ではぜんぜん印象が違う」ものだ。ぜひ店頭で己の目でしかと確認してもらいたい(笑)。



ってなわけで、ワイズロード大宮の皆様、試乗させていただきありがとうございました。金額を気にしなくて良いのなら、絶対に一台欲しいミニベロです。

m(__)m