もてぎエンデューロ用にオクサマのボードウォークをカスタマイズしたんだが、それを借りて、ためしに勤務先(赤坂)まで通勤してみた。Mu P8とどれほどの差があるのか、確かめてみたくなったからだ。

ゴリゴリにカスタムしたMu P8と、プチ・カスタムのボードウォークで、スピード、快適性、所要時間を総合的に比較してみたので、レポートしよう。

17
※リビングにどかんと2台並べています

まずは、両車のおさらいをば。

Mu P8(ダホン)

44

  • フレーム: アルミ製
  • 重量: 8.9kg
  • ハンドル: ブルホーン
  • コンポーネント: 10速(リアディレイラーは6700系アルテグラ スプロケット11~23T チェーンリング52T)
  • ホイール: キネティクスプロ
  • タイヤ: シュワルベ(SCHWALBE)のデュラノ
  • ブレーキ: ショートVブレーキ

走行性を重視した軽量モデルで、ギアもかなりクロスレシオにしてある。

ボードウォーク(ダホン)

17

  • フレーム: クロモリ製
  • 重量: 11kg前後
  • ハンドル: ストレートのバーハンドル
  • コンポーネント: 10速(105 スプロケット11~25T チェーンリングはたぶん50~52Tくらい)
  • ホイール: 謎(たしかダホンのSpeedのモノを移植した)
  • タイヤ: SCHWALBE(シュワルベ) のKOJAK(コジャック)
  • ブレーキ: Vブレーキ

街乗りには十分すぎるスペック。ポタリング以上、レーシング未満なミニベロ。

今回の比較検証のメイン目的は、「片道24kmの自転車通勤で、Mu P8 がボードウォークよりも、どれだけ速く到着できるか」である。

なお、乗り心地の比較の条件を同じにするため、サドルとシートポストはMu P8のモノを使用しタイレルた。同じ人間が同じパワーで運転すれば、(軽くて転がり抵抗の少ない)Mu P8のほうが速いはずだ。24㎞の通勤でどれくらいの差があるのか、楽しみである。ちなみに、Mu P8では80分で着く。ボードウォークだと90分くらいかな?と予想した。

結論から言うと、なんと「ボードウォークでもぴったり80分で会社に着いて」しまった…。いつもと同じコースを、信号を守りながら、同じ時間帯に走ったのに、1分もたがわず走れてしまったのだ。ちょっと拍子抜けした。

「ちょ、ボードウォークすげえじゃん」って思った。と同時に、今までのカスタマイズは何だったのか…とも(笑)。

22

実験結果を、以下にまとめてみよう。

Muとボードウォークの快適性

ボードウォークの圧勝。アスファルトの継ぎ目やマンホールを、Mu P8だと「カッツゥゥゥン」って乗り越えるのが、ボードウォークだと「ミィィィィン」って吸収するようにいなす(擬音語で伝わりますかね…)。こういうのが無数に繰り返されるわけだから、振動吸収性のよいフレームのほうが快適である。

なお、サドルとシートポストはMu P8で使っているオレのなので、それのせいではない。タイヤの太さとエアボリュームの差が多少は影響してそうだが、やはりイチバンはフレームだろう。クロモリって乗り心地いいんだな。

シフトは、Muのバーコントローラーよりも、ラピッドファイアのほうが快適。指をハンドルから離さずに、パチパチと小気味よく操作できるのはカーブ等で安心感がある。あと、バーコンはパキッ、パキッと曲げるように変速するのだが、ラピッドファイアは指を(銃の引き金を引くように)ほんのすこし動かすだけでいい。久しぶりにラピッドファイア使ったけど、いいな、これ。

6280045e.jpg

※しっかりしたホールディングを得られる、大振りなグリップ。

手の小さいオクサマにも好評なので、たいていの女性なら問題ないはずだ。

ボードウォークのスピード

大差ないが、瞬間的な速さでは軽さに勝るMu P8が上。ただ、街中では本気でぶん回すシチュエーションってほぼない。となると、デュラーノよりやや太いコジャックでも、ほぼ同じスピードで走れてしまうのだ。所用時間にまったく差がないのが、なによりの証拠。

ボードウォークでの登り(&ダンシング)

Mu P8が上だが、これは単純にハンドル形状の差だ。バーハンドルではダンシングはやりにくい。それだけのことで、できなくはない。クロモリならではのフレームのしなり(とパワーロス)は、ほぼ感じなかった。まあ、Mu P8のほうが固いのは間違いないけど。

ボードウォークでの下り

これも、Mu P8が上。ブルホーンのもたらすポジションゆえ、低めの体勢がとれる。やはり、ストレートなバーハンドルだと「スピードを出そう」という気にはなれない。

ボードウォークでの所要時間

繰り返しになるが、完全に同じでどっちも80分。機材の差って、思っているほどはないんだね。コジャックって、レースのような鬼こぎには向かないけど、自転車通勤や街乗りにはデュラーノのりもいいかも。快適性とスピードのちょうどいいバランスを備えていると思う。あと、見た目のロゴもけっこうカッコイイのがポイント高い。

8afb5cd4.jpg

まとめ

絶対的なスピードを求めるならMu P8に分があるけど、総合力ではボードウォークのほうが、こと通勤に限っては適していると感じた。正直に告白すると、カスタムするまでは、ボードウォークを「どうせ、女子供のミニベロでしょ」って、心のなかでちょっとバカにしてた。でもね、撤回する。クロモリのほうが、アルミより街中ではずっと走りやすい。

「ひとつの体勢しかとれないバーハンドルで、長距離はどうよ?」という疑問はあるだろうが、片道24㎞(往復で50キロ程度)のジテツウには問題ない。まあ、80kmを越えるライドだと、バーハンドルではややしんどいだろうけどね。

26

それにしてもボードウォークのクロモリフレームは、衝撃吸収が圧倒的によくて、とっても気持ちよく街中を走れる。多少の路面の荒れは気にせず、オラオラ~ってなかんじでまっすぐ突っ切ることができるのよ。

重さが気になるかもしれないが、街中を走る程度なら、アルミとクロモリの重量差(1.5kgくらい)は意識しなくていいレベル。



正直、「ボードウォークで通勤したいな」って真剣に思ってるくらいだよ。それくらい、ボードウォークのポテンシャルは高い。ただ、オクサマも通勤で使っているので、それはムリなわけだが・・・。