これまで11回にわたってお届けしている海外の自転車事故動画。悲しいことに、いつ何時検索しても新しい事故動画が見つかってしまう。しかもそれらは全体のほんの氷山の一角にすぎない。

自転車事故は万人に平等に起こり得るので、他人事と思わず、学びを得たいものである。

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ということで、第12回目のまとめです。

Van and Cyclist Crash



事故発生時間:2分13秒

歩道を走るクロスバイクの女性が、横断歩道を直進で渡ろうとしたところにタイミング悪く左折してきた 商用バンに弾き飛ばされる。車のスピードが遅かったおかげで、サイクリストはほぼケガはなさそう。

この状況、当然ながら車側に非はあるんだが、サイクリストが無実かというとそんなことはない。女性は「青信号を渡ってんのよ、アンタなにやってんのよ?」と怒りをあらわにしているが、バン側だって「いや、こっちも青なんですけど」と主張するだろう。

サイクリストが轢かれた大きな原因は、歩道から横断歩道にノンストップでつっこんだこと。車が止まってくれると思っていたのだろうが、車のサイドミラーから歩道までは広く見渡せない。自転車が車道を走っていたのであれば、サイドミラーの確認でおそらく発見されたとは思う。

あと、商用バンは車体の後方と両面が白く塗られており、なおさら視界が悪い。こういう車からはサイクリストは視認されにくいと思ったほうがよく、なるべく近づかないほうが良い。

自分が同じ状況だったら、「車から自分は確実に視認されていない」と考え、横断歩道侵入時には徐行(いつでも止まれるくらいノロノロ)でドライバーとアイコンタクトする。このアイコンタクトがひじょーに大事で、ドライバーと眼が合えば「おっと、どうぞ」、「どうもありがとうございます」と無言の意思疎通ができるものだ。(アイコンタクトできなかったら、「こっちに気づいてねえな」と判断してストップし、先に曲がってもらうようにする)

Crash with a cyclist



事故発生時間:19秒

直線の道からナナメに曲がったところで、歩行者用横断歩道を直進してきた別のサイクリストに接触し横転。(コメント欄によると)接触したのは右の手首だったそうな。事故原因となった黒人男性サイクリストは助けようとせずにそのまま逃げてしまった。激しく転倒したものの、自力で立ち上がってなんとか復帰できたもよう。

信号は青だったわけで被害にあったサイクリストは非はないっていえば非はないし、コメント欄でも擁護する言葉が並んでいた。が、黒人男性のほうも青信号だったわけで(歩行者信号があるかどうか、動画からは確認しにくい、「こっちだって青信号を直進してたんだよ」という言い分はあると思う。

あと、交通量が多くて狭い道のわりにスピードはやや出し過ぎだったかな…とも感じた。横断歩道に差し掛かる手前でちょっとスピードを落とし、左右から人が来ないかな…という意識があれば防げたと思う。

ただ、事故原因を作ったサイクリストが介助しないのはマズかった。倒れたサイクリストは「待てや、ごるぁ!」と叫んでもそのまま逃走。警察もしくは救急車を呼ぶべきだった。

動画投稿者によれば、「お尻と左右の腕を擦りむいただけで大ケガはなかったよ。バイクもちょっとキズがついただけで済んだ」とのこと。

Cyclist Hits Pedestrian



事故発生時間:30秒

街中の工事現場的な状況。仮設の一方通行の道を数台の自転車が走っていて、道を横断する歩行者群に差し掛かるも、そのまま歩行者の間をぬうように通過しようとした一人が女性歩行者に接触。追突ではなかったのでケガも転倒もなく、大ごとにはならなかった。

歩行者用信号は設置されていたが、まだ利用できていないよう。が、歩行者は気にせず大勢横断している中にサイクリストが突っ込んでいったわけで、ここはサイクリストは止まるべき状況。

運が悪かったのは、別の歩行者のせいで自転車が死角になっていたこと。まあ、スピードが出ていなかったので互いに悪態をひとつ言い合うだけで済んだのは良かった。

よく、青の横断歩道で歩行者が歩いているにもかかわらず、信号無視して歩行者をすり抜けていく自転車を目撃する。こういうことは起きるので、歩行者の側もせめて横断歩道ではスマホ歩きはしないほうがいい。

Black cab u-turn Cycle crash



事故発生時間:22秒

ロンドンでの事故。信号のない場所でタクシーが右ウインカーを出してUターンしようとしたところを、車の右側、つまり道の中央から通過しようとしたサイクリストに接触&転倒。

サイクリストは「タクシーが停車するようだ。では外側から抜こう」と思ったはず。ところが、進路を塞ぐように曲がってきたので反応できなかった。タクシーは後方確認せずにUターンしようとしたのはマズかったが、サイクリストも「車はどんな挙動をするかわからない。ウインカーを出さずに右左折するかもだし、ハザードを出さずに急停車することもある」くらいに思っておいたほうがいい。

びっくりしたのは警察の反応。たまたま通りかかったであろうパトカーのバンが急停車し、ワラワラと警察官が出てきて介助に入った。

Cyclist hit by London Taxi



事故発生時間:13秒

これもロンドン。(なんか、事故動画ってたいていロンドンばっか見つかるなぁ…)

ゆっくり交差点に差し掛かったサイクリストが、左折しようとするタクシーに接触して転倒。スピードは出ていなかったのでケガはなし。バイクにもダメージはほぼなかったようだ。

最初は互いに

サイクリスト 「何やってんだよ~オレの進路を塞ぐなよ~」
ドライバー 「こっちが左折しようとしてんのに、なんで突っ込んでくるんだよ~」

的なことを言い合っている様子だったが、最後は双方が「いやいや、オレも悪かったよ。ごめんね!」と握手してわれている。事故動画ではほぼお目にかからないホッコリムードで終わってとても後味はよかった。

この状況、個人的にはドライバーに同情してしまう。曲がろうとしている車の前を塞ぐように通過しちゃダメだ。轢いてくださいと言っているような危険な行為でしかない。

車から自分はしっかり認識されており、自分の動きに合わせて車は止まるべき」って盲目的に信じているサイクリストにときどきお目にかかるが、その身勝手な思考がいつか身を滅ぼすよ…と思ってしまう。

まあ、自転車は停止すると再発進で体力が奪われるので、なるべく勢いをキープして走り続けたいって心理があるのは(同じサイクリストとして)わかる。クリートをいちいち外すのもめんどくさいしね。でも、車や歩行者は知ったこっちゃないし、「サイクリストって、なんでそんな横着をするの?ほんの数秒すら待てないの?動き続けないと死んじゃう生き物なの?」って思われることもあるだろう。


そろそろ春になり、お出かけする人も増えるし、新学期で新しい道に慣れていない学生さんらも多い時期だ。いつも以上に安全運転を心がけるべき季節である。

注意一秒ケガ一生という標語を心に刻み、安全運転でサイクリングをお楽しみくださいませ…。


過去のリンク一覧も掲載しときますね。

【事故動画から学ぶ】 自転車事故動画コンピレーション その11

【安全運転マジ大事】 自転車事故動画コンピレーション その10

【注意一秒ケガ一生、ヘタしたら命落とす】 自転車事故コンピレーション その9

【事故動画を見て学ぶ】 自転車事故コンピレーション その8

【事故動画を見て学ぶ】 ロードバイクの事故コンピレーション7

【事故動画を見て学ぶ】 自転車事故コンピレーション その6

【事故動画を見て学ぶ】 自転車事故コンピレーション その5

【事故動画から学ぼう】 自転車事故コンピレーション その4

【対岸の火事ではない】 自転車事故動画コンピレーション その3

【注意一秒、ケガ一生】 海外の自転車の事故動画コンピレーション その2

【明日は我が身かもよ?】 ロードバイクの事故動画コンピレーション


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