これまで、海外の自転車事故動画を集めては紹介する…ということを繰り返してきた。ときどきユーチューブ動画を検索しては、「むぅ…この事故からは何を学べるのだろう」と感じた動画をまとめてきた。

今回も4件の自転車事故動画を発見したので、コメントを入れながら紹介していこう。自転車事故は対岸の火事ではなく、すべてのサイクリストが平等にさらされている危険である。

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※これまで4回ほどローラーから落車しています(ケガはゼロ)


オレ(私)はそんなマヌケな事故なんて起こさないよ

とは思わないようにしていただきたい。

オタワでの左折巻き込み事故

Cyclist struck on Ottawa bike lane

事故発生:37秒から



カナダの首都、オタワでの事故。日本同様、左側通行らしいが、左折しようとした商用バンがサイクリストを弾き飛ばす。信号直前まで互いに並走しており、ドライバーがサイクリストの存在に気づいていなかった可能性が高い。

車はそんなにスピードを出していたわけではないが、自転車はポーンと弾かれ、乗っていた人は頭を思い切り打つ。ヘルメットはしておらず、倒れたまま動けない。もしかすると、頭蓋骨を骨折したかもしれない…。

車道を走る以上、常に「ドライバーの視野に入る&死角には留まらない」ことをサイクリストは意識したほうがいい。ちなみに自分は車の真横を走ることはゼッタイにしない。スピードダウンし、先にクルマに行ってもらう。交差点の手前では、「左折してきても止まれるスピード」で走る。


( ´ー`)y-~~「ウインカーを見ておけばいいんじゃね?」


たしかにウインカーはひとつのサインにはなるが、(岡山県のように)ウインカーを出さずに曲がることが一般化している恐ろしい地域もあるので、全面信用してはならない。

>> 日本で一番ウインカーを出さない県は岡山県らしいので、事故発生件数を調べてみた結果

>> 日本一ウインカーを出さない岡山県が作った安全運転啓発動画がスゴイ

駐車しているクルマのドアが急に開き、サイクリストが餌食に

Bicycle crash into car door

事故発生:再生開始すぐ



すごく痛そう…。結構な勢い&ほぼブレーキをかける余裕がなかったようで、真正面から開いたドアに激突。肩と鎖骨部分を打ち付けているので、鎖骨を折ったかも。それくらいの衝撃。

これ、後方確認を怠ったドライバーに非があるんだけど、自転車側もそれを見越したライン取りをしなくてはいけない。マージンの目安は1メートル。

乗用車やタクシーに注意しなくてはならないのはもちろん、個人的に輪をかけて注意しているのが大型トラックとかダンプカー。車高が一段高い大型車両では、運転席から見落とされる可能性が高い。加えてドアそのものの面積も大きいので、勢いよくバーンと開いたら、逃げ場がない。

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※「開くかも…」と考えつつ通過しましょう


大型車両横を通過するときは、万が一に備えてやや大きめのマージンをとって走るようにしている。

あと、動画は昼間だが、さらに危険なのは夜間走行。無灯火だと高い確率で見落とされる。無灯火で走ってドアに弾き飛ばされても文句は言えない。フラッシャー(ライト)は己を守るために必須である。

並走する自転車同士が接触して転倒

Cycle Superhighway 5/8 Cyclist Crash - 'Is everyone okay?' edition

事故発生:再生開始すぐ



無茶な走り方をしているわけでもなく、スピードを出しすぎてもおらず、交通ルール違反もしていない。しかし、それでも事故は起きるというよい例。

信号が青になり、何台かの自転車が並走する形で一斉に走り出し、そのうちの2台が接触して一緒に倒れてしまう。


(-。-)y-゜゜゜「一体何があったんだ、すぐ近くにいるのになんで見落としているんだ」


という気になるが、意外に自転車って真横が死角になるものなのだ。車の運転もそうだけど、真横ってものすごく見落としやすい。しかも、タチが悪いことに、互いに「真横にオレ(アタシ)がいるんだから見えてるだろ。見えないなんてありえないだろ」って思い込みがあるので、なおさら危険発見が遅れやすい。自転車において「並走はリスキー」だと心得ていただきたい。

スピードが出ていないので双方重症ではないが、女性の方は右手を傷めたそうな。あと、ヘルメットを装着していない。この程度の落車でも頭を打ち付ける可能性は十分にある。
※女性はヘルメットしています!私の完全な見落とし(節穴かっ…)。コメント欄にてご指摘いただきました。ありがとうございました。

スピードが出てなければ、ヘルメットがなくても大丈夫だろう」という考えは、この動画をみれば「そうではない」ことがわかる。

サンタバーバラでのレース時の集団落車

Santa Barbara Road Race 2017, Cat 3 - Final Sprint Crash

事故発生:再生開始すぐ



アマチュアのロードレースでの集団落車。カテゴリーは不明だが、相当なスピードが出ている中での事故でかなり怖い。

原因は不明だが、前方で1台が落車し、後続が避けきれずに次々に巻き込まれる。急ブレーキをかけているのでホイールが完全にロックしているのもわかる。バイクコントロールもへったくれもあったものではない。

恐ろしいのは、倒れた中の1台が大きく跳ね上がり、バイクが道路外に吹っ飛ばされてしまう。乗っていた人も道路外に落ちそうになるが、間一髪で欄干にしがみついて難を逃れた。ちなみに、現場は地上30メートルフィート。落下していたら、この人は死んでいた可能性が高い。
※30フィートの間違いでした。よって9mですね。まあ、それでも十分に高いですが…コメント欄にてご指摘いただきました。ありがとうございました。m(_ _)m

先日の東名高速道路での起きたバスと乗用車の正面衝突事故が記憶に新しいが、勢いがついた乗り物は少々の高さをいとも簡単にクリアしてしまうことがある。

R0000207

自転車もそれは同じで、ダウンヒルのコーナーを曲がりきれずにガードレールに突っ込んで、乗り越えるように落下してしまう事故もある。

動画の落下未遂は不可抗力であり、乗り手に罪はないのだが、高速度域ではこのような常軌を逸した挙動をすることもあることを覚えておいてほしい。


以上、4つの事故動画を解説してみた。自転車というものは、ちょっとバランスを崩しただけでいともたやすくコケてしまうものだということが、よくわかるのではないだろうか。

どんなに安全運転を心がけようとも、巻き込まれることはあるし、不可避な事故もある。パッシブセーフティの一環として、最低限でもヘルメット、前後のフラッシャー(ライト)は必須である。あと、落車の際に手のひらを守ってくれるグローブは地味に重要。疲労軽減だけでなく、事故の際のプロテクターにもなるので強くオススメしたい。

海外の事故動画ではあるが、同じ事故はどこでだって起こり得る。どうか皆様におかれましても、安全運転で事故のないサイクルライフをお楽しみいただきたい。




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