新橋のアヴァンサイクルさんで、バイクフィッティングを受けてきました。
診断してくださったのは、メカニックの岩田さん

これまでいろんな場面でプロメカニックさんらからご指導は受けてきて、そのつど調整&変更してきました。が、ペダリングモニターとマシンを使って正確に計測した診断は初めて、です。

受けたのは『シマノ バイクフィッティング』というサービスで、結論から言うと、やって大正解でした。

「まさかそんな指摘をされるとは…」「自分ってこんな癖があったんだ」と驚くことしきり。ポジションも結果的に変わりまして、走りやすく、力を出しやすくなりました。


※ちなみにこれは娘がフィッティングを受けたときの様子です

目次


シマノ バイクフィッティングって?

最初に身長、腕、股下、胴の長さを測り、その数値をもとにセッティング位置を算出して、専用のフィッティングマシンでペダリングモニターにペダリング効率を数値で表示し、改善アドバイスしてくれるサービスです。

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レーザーポインターを使って超最適なポジションも出してくれます。
これで自分の漕ぎ方の癖や修正箇所を発見します。


用意するもの

愛車、普段使っているペダル、シューズを持参しましょう。
シューズ、ペダルが変わるとサドル位置も微妙に変わってしまいますからね。

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あと、1時半~2時間かけてみっちり診断する&回すのでけっこう汗をかきます。飲み物も必須です。

ステージ1と2をやってみた

ステージ1

まず、身体測定してセッティングを算出します。
身長、腕、胴、股下の長さを測ります。

ちなみに、腕と胴に関してはフィッティングサービスによって計測の仕方が異なる(どこからどこまで…の定義)そうで、自分のデータを別のフィッティングサービスにそのまま持っていっても、当てはまらないこともあるそうです。

で、算出したデータをもとに、テスト用マシンのセッティングをしていきます。

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マシンが物々しくてかっこよくないですか?万力をぐるぐると回して、ハンドルやサドル位置を微調整しつつ、レーザーポインターでサドル位置やペダル位置も完璧に合わせてくれます。


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まずは、「いま乗っている愛車のセッティング状態」をフィッティングマシンで再現します。
どんなペダリングを現状しているか?を確認し、微調整して改善していく…という複数のステップで進みます。

ペダルも付け替えて、準備完了。

ステージ2

テスト用バイクを走らせ、ペダリングとポジションのデータを出します。

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両足のパワーバランス、ペダリング効率、ケイデンス、ワット数、そして「左右の足のペダリング時のロス、癖、踏み位置のズレ」を赤裸々に指摘してくれます。

1回目(今のポジション)の診断結果

こんな結果が出ました。

  • ペダリング効率:42%(一般的な人よりはややベター…なレベルだそうな)
  • 左右のバランス:ほぼ均衡で、これは問題なし。(左右差が出るのはふつうらしい)
  • ペダリングの上げ下げ:左のほうがうまく、右が下手。「最もトルクが出る位置がやや遅い=ロスしている」という指摘を受けました

ペダリングシート1-1

ペダリングシート1-2

ペダリングシート1-3

アキレス腱とふくらはぎが硬い→9時~12時の抜けがスムーズにできていない、ということのようです。

今のポジションの改善点を指摘してもらう

サドル高とステム長を変えました。

なんと、サドルを15mmも上げることに。これまでは低すぎたのか…。

岩田さんは「バイクを見た瞬間にサドルが低いって思った」と話してました。
プロの眼力ってすごい…。

ちょっと昔話をしますと、ロードに乗り始めた最初の半年(2014年)、異様にサドルを上げすぎた状態で走ってました。足の短さをカバーしたい…サドルが高いほうがカッコいい…という素人判断で、ショップで出してもらったポジションを無視して自分で勝手に変更していたという…。

その指摘をされてからというもの、「高くすることに罪悪感」を感じていたんですよね。それが裏目に出たようです。サドル位置って本当に見極めが難しい。

15mmサドルを上げたのに合わせ、ステムは10mm短いのが最適解とのことです。

2,3,4回目(修正後のポジション)のテスト

ハンドルやサドル位置を微調整→回してテスト、を繰り返します。

ただ、計測データだけを元に算出したポジションに合わせていくと、かなり大胆に変わりすぎることもあるそうで、そこはメカニックさんがちょうどいい塩梅に落とし込んで、微調整してくれます。

ポジション変更後、同じようにペダリングしているつもりなのに、ペダリング効率がウソのように改善しました。サドルが上がったことで、踏み降ろしやすく、力をかけやすくなったわけです。


以下、2回めの結果。

ペダリングシート2-1
※ペダリング効率が51%に一気に改善

ペダリングシート2-2
※ほんの数分でこんな変わるんだ??

ペダリングシート2-3


ちなみにペダリング効率ですが、

  • 30~40%:ごくふつう
  • 40~50%:ホビーサイクリストの中ではよいほう
  • 50~60%:ホビーサイクリストとしてはかなり良い

プロは余裕で60%を超える」そうです。すごい。


ペダリングの踏み降ろし&上げ戻しの比率については、

  • 80-20%:ふつう
  • 85-15%:まずまずよい
  • 90-10%:素晴らしい

プロは10-90%は当たり前、トップレベルなら5-95%を求められる」んですって。 どんな世界や…。


ペダリング技術は、一朝一夕でどうこうなるものではなく、年月をかけてトレーニングして身体に染み込ませていくしかありません。なお、ペダリング効率を10%改善するのは「めっちゃくちゃ努力を要する…!」そうです。5%でも相当きついんだとか。

ポジション面で指摘されたこと3つ

ペダリング指導を受けると同時に、ポジションについてもいくつか指摘いただきました。

  • ブラケットポジションでもドロップポジションでも背中の姿勢が同じ(身体が張っている印象)
  • 上半身がやや硬い
  • ハンドルにやや体重を乗せてしまっている
  • 肘はもう少し曲げてもOK

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長年の蓄積って、自分では気づけないものなんですよね。言われて初めて「え、そうだったの」って驚かされます。で、指導されたとおりやると「ホントだ、走りやすい…」ってなります。

経験年数、年齢、性差ではペダリングの上手い下手はわからない

ペダリングの上手い人とそうでない人の違いに方程式はないそうです。

自転車の経験年数、筋肉量、体格…はペダリングの上手さに比例せず、男女差や年齢差も「あまり関係ない」とのこと。

むしろ、女性の方が筋力が男性より低い分、ペダリング効率を意識するのか、無駄が少ない傾向もあるくらいだそう。下手にパワーがある人だと、筋肉に頼った走り方をするかもしれません。

経験年数が少なくても上手い人はいるし、その逆もある、と。

「自信満々でフィッティング→めっちゃ指摘されて凹む」

もあれば、

「自信なさげでフィッティング→意外にできてて褒められる」

もあります。
診断してみるまでわからないものなんですね。

柔軟性は超大事

ひとつ確実に言えることは、柔軟性がある人はそれだけで有利ってこと。身体が柔らかくて損をするスポーツなんて無いですが、自転車も同じ。

岩田さんも「走る前、走った後、柔軟運動は習慣にしてください」と力説してました。

参考までに、

これまで自分がやってた肩甲骨のストレッチ

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※肘を寄せて持ち上げる

で、これが岩田さんに教わった肩甲骨ストレッチ。

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※肩甲骨がかなり開きます。呼吸は止めないよう注意。

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※マジで効きます。毎日やってます。

改善されたポジションで100キロ走ってみた

抜群に踏みやすくなりました。「こんなに変わるんだ~」ってかんじ。

平地はもちろん、とくに変化を感じたのが「シッティングでの登り」です。いつもより力が低めのペダリングで、いつものように走れます。パワーを正しく&ムダだなく使えているんでしょう。

もちろん、べつに速くなったわけではなく、楽に登れるようになっただけですが。

指摘された背中や腕の位置は、気を抜くと元の姿勢に戻ってしまいそうなので、当面は指導を忘れないように意識しながら走るようにします。

フィッティングは1回やっておしまいってものではなく、課題修正に取り組んで後日再度受ける…のが理想。


岩田さんによれば「ポジション修正後、最低でも3ヶ月は走り込んでください」とのことでした。よほど飲み込みの速い人でもない限り、それくらいの時間をかけないと身につかないものなんですって。

なので、数カ月後に再診断を受けてみるつもりです。

シマノ バイクフィッティングをオススメしたい人

  • 自転車を買って以来、我流のまま走っている
  • プロに診断してもらったことがない
  • 自分の中のムダ、非効率、癖を発見したい
  • より快適に、余力を残してロングライドを楽しめるようになりたい
  • 痛みや違和感がある or 走ってて苦しい
  • バイクを新調した、ペダルシステムをがらっと変えた
  • 単純にもっと速く走りたい、タイムを縮めたい

初心者の人~アスリートまで、目的やレベルに合わせた診断ができます。

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