ロードバイクでのツーリングは楽しいので、暇さえあれば走ることにしている。1日休めるときは100キロ超のコースをたっぷり時間をかけて走るし、「午前中しかない」って場合は早朝の車の少ない時間帯に都内をサクッと周り、途中でスタバに立ち寄ってスコーンとコーヒーを食べて帰る…ということをする。

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個人的に好きなルートは、皇居→赤坂→青山一丁目→表参道→原宿のあたり。道路幅が広く、路面がキレイで都内の割に景色がいい。あと、恵比寿とか代官山のオシャレゾーンを走ると、自分がハイソサエティ側の人間になったような錯覚が味わえる(笑)。

>> ロードバイクで地元界隈を走るのに飽きてしまったときの対処法


ただ、である。

ソロで走ると退屈というか、時間を持て余すときもあるのよね…。とくに向かい風だとショートカットして早めに家に帰ろうかなとか、河川敷を走っていたら、「目的地を180度変えて、逆向きに走ったろうかな」とか考えてしまうことも。

いくら自転車が好きでも、この「ぼっちライドの退屈さ」とは無縁でいられない。ということで、totalwomencyclingで紹介されていた、「ロングライドに付き物の「長い→退屈だ→帰ろう」を撃退する方法(How to Avoid Boredom On The Bike and Cutting Your Long Rides Short)」という記事を翻訳してお届けしたい。

1.ルートを決める

退屈を乗り越えるのに必要なのはモチベーション。なんの動機もなく、いつでも辞められる状況は心が折れやすい。厳密でなくても構わないので、ざっくりしたルートは頭の中に描いておこう。あるいは、スマホやガーミンにルートを設定できるならそうしても良い。

自分がやりがちなミスは、「何の目的も持たず、適当に走り出し、走りながらどこに行こうかな…と思案するパターン」。これ、想定していた走行距離を大幅に短縮すること請け合いだ。100キロ走るか…と思って家を出たのに、帰宅したらサイコンは60キロを示していた的な。

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※google map を眺めているだけでも楽しかったりする

定めたルート(スケジュールと呼んでもいいかも)があれば律儀に守ろうとする思考が働くけども、完全なノープランは人間を怠惰にする。少なくとも、自分はそのタイプ。

2.目的地(ゴール)を定める

上記に関連する話で、ルートを描いただけでは不十分。せっかくなら目的地がほしい。円を描くだけのルートではいくらでもショートカットできてしまうが、明確なゴールがあるとそこを外すわけにはいかなくなる。よって、想定距離をキッチリ走れるというわけ。

目的地は何でもよくって、美味しいパン屋さん、話題のカフェ、キレイな景色(湖、峠の頂上)、観光名所とか、何かしらのランドマーク(スカイツリー、川の源流)が一般的。
※そういえば、ゼブラカフェに行くと宣言したけど、まだ行ってなかった…行こう。

>> 相模原市にあるカフェ、「ゼブラコーヒー」に行ってみようと思う

なんなら、「しばらく会っていない友人」に挨拶に行くでもよい。遠い親戚縁者に「こんにちは」して帰ってくるのもナイス。長距離走れて、人間関係まで良好になる。なんなら、食事をおごってもらえるかもしれない(笑)。

個人的に試そうと考えているのはスポーツ観戦で、地方開催のサッカーを観に行こうかなと。観戦といっても、J1とか2のプロリーグではない。セキュリティが無いも同然のスタジアム駐輪場には何時間も停めておけない。

行くのはハイレベルなアマチュアリーグだ。関東サッカーリーグは市民公園とか大学のピッチを利用することがほとんどで、スタンドがない場所も多い。その代わりピッチ横のかなり至近距離で観れるし、元Jとかユースだった選手がゴロゴロ。しかも観戦無料。バイクは傍に置いたまま観戦できるので、安心である。

関東リーグは都内でも多摩とか町田のような僻地開催が多く、神奈川県、千葉県、茨城県でも中心街から離れた場所で行われることがほとんど。幸か不幸か、埼玉県からは自ずと長距離コースになってしまうのだ。

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※目的があれば意外に走れてしまうもの

60キロ走り、サッカーを観戦しながら補給し、飽きたら60キロ走って帰る、あるいは群馬とか山梨開催の遠方試合に行き、輪行で帰る方法もある。

いずれにせよ、慣れない道を走る場合は時間が読めなくなることもあるし、つい観戦時間が伸びてしまうこともあるので、電車で帰りたくなるかもしれない。不慣れな土地に行く際は、輪行袋とライトは持参することをオススメする。

3.赤い車を目撃したらもがくルール

こんな方法があるのかと驚いたのだが、「赤い車(色は何でもいい)を目撃したら、20秒フルパワーでもがく」というやりかた。

やってみるとわかるが、「赤い車の多さに辟易する」らしい(笑)。ロングライドにつきものの退屈感をこれで撃退できるかというと、ちょっと違う気もするが…。まあ、変化を加える、刺激と負荷を与えられるので、意味はあるのかなと。

ただし、これを本当にやろうとするのは難しいと思う。道路状況にもよるし、一時停止の交差点や信号もあるので、律儀に実践すると逆に危険だ。個人的にはオススメはしない。

4.短時間の登りを意図的に混ぜる

変化を加えるという意味で、ルートのどこかに坂を織りまぜるのは賢い方法だ。平坦路は楽ちんだけど、変化のない道を20キロ、30キロ淡々と走るのは足は疲れなくても心が辛い。

高い峠でなくてもよい。ちょっとしたうねりとアップダウンがある場所をルートに組みこもう。日本は山の国なので、田舎に行けば自然にそういう地形が増える。

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個人的によくやるのは川口市の自宅から物見山を目指すパターン。ちょうど50キロなので、行って帰れば100キロ。物見山を数周走れば120キロほどになってちょうどいいツーリングになる。物見山山頂の駐車場をゴール設定しているので、途中で逃げ出すことはしない。

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※物見山は周回なのでちょっとしたトレーニングにもなります(自分は3周で「もういいや…」となりますがw)


「山はちょっと苦手なんだよなあ…」という方は、尾根幹(おねかん)はいかがだろうか。

南多摩尾根幹線(みなみたまおねかんせん)とは、多摩ニュータウンの南縁を東西に横断する形で東京都調布市の多摩川原橋から、東京都町田市小山町の町田街道までを結んでいる道路の通称。東京都道路通称名公告では「南多摩尾根幹線道路」(整理番号151)であり、起点が町田市小山町(町田街道交点)、終点が稲城市百村(鶴川街道交点)とされている。略称は「尾根幹線」「尾根幹」。


こないだ初めて仲間と走ったんだけど、ほどよいアップダウンがじつに気持ちよい。高負荷かけてガシガシ突っ走る人も多い、トレーニングコースのメッカでもあるそうだ。が、べつに殺伐とした空気はないので、ツーリングの一部に取り入れるのはぜんぜんアリ。高台に有る公園から見下ろす景色はキレイで、休憩場所としてはもってこいである。

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ただ、良くも悪くもすごくスピードに乗りやすい場所なのと、交通量はそれなりにあるので、左折車に巻き込まれないようスピードは出しすぎないように。対向車線の右折車に注意するのも言うまでもない。

5.ケイデンスに集中する

ケイデンスに集中して、ペダリング向上と割り切って走るという手法もある。それが楽しいかどうかは別にして、トレーニングだと考えれば多少の苦しみも受け入れられる。

一般論では、ケイデンスは「90rpm(1分間に90回転)」が望ましい。意識せずに漕ぐと、70とかせいぜい80rpmになる。90rpmで回すには、それなりに意識しないと実践できない。(上級者は無意識にできる)

傾向としては、体重が軽く痩せ気味のライダーは高めのケイデンスで主に遅筋で走るのが得意。マッチョ系ライダーは逆に低めのケイデンスで速筋で走ることが多いそうな。

どっちが上とか優れているとは断定できないが、ロングライドに適しているのは「高いケイデンス × 遅筋」の組み合わせ。より脂肪燃焼効果が高く、長時間安定してパワーを発揮できる。

速筋を駆使しすぎると、エネルギー源であるグリコーゲンを多く消費し、疲労も早くやってくる。効率はよろしくない。

ただ、ハイケイデンスで回すのに慣れていないと、それはそれで「やけに疲れるな…」と感じるだろう。足が疲れるというよりは、心肺がしんどい」と表現したほうがいいかもしれない。そんなときは、「5分間ふつうにペダリング→5分間ハイケイデンス」を繰り返し、徐々に体に覚えさせていこう。

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※自然にペダリングが上手になる三本ローラートレーニング

6.ソロではなく、仲間と走る

むちゃくちゃ効果的で手っ取り早いのがこれ。もしもソロライドしかしたことがなければ、ぜひ試してほしい。効果てきめんである。

楽な道ならおしゃべりしながら、ハードな登りでは励ましあいながら、雨でずぶ濡れになったら「こんな日もあるさ」と笑い飛ばしあいながら走ると、本当に不思議なんだけど頑張れてしまうものなのだ。

1人ではぜったいにくじけていたに違いない激坂を仲間と登りきったとき、「人間のフィジカルコンディションは、メンタルと密接に関係しているんだな」とつくづく思う。フィジカルが万全でも、モチベーションが低ければ達成できないし、その逆もしかり。

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※スブ濡れで走るエンデューロも楽しい(半ばヤケクソだが)

仲間の数は何人でもいい。二人でも三人でも楽しいし、十人以上も賑やかでよろしい。楽しくない人数なんてない。ただ、人数が増えるにつれてグループで安全に走るのは難しくなるし、信号で引っかかってしまうので、六人以上になるなら3&3とか3&4とか、2個の小グループで移動するのが走りやすく、先頭を牽く人も後方確認しやすい。

あと、ハンドサインは全員使うように出発前に周知徹底しましょう。

7.たくさん飲み食いする

腹が減ってはライドは出来ぬ。目的地があり、ルートもバッチリでも、エネルギー源がなければ身体は動かない。

目的地の途中に自分なりの補給ポイントを設けておくも良し、お気に入りの補給食をバックポケットに忍ばせておくも良し。食べるためにはそれなりの距離を走ってカロリーを燃やさねばならないので、自然とペダリングにも力が入るはずだ。

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※エンデューロ会場で食べる鍋は、通常の10倍ウマイ

以上がtotalwomencycling で紹介されていた内容。以下はオマケ。

8.おまけ:ちょっとキツめのサイクリングイベントにエントリーしてしまう

数ヶ月先のイベントにエントリーしてしまうのは個人的なハック。ハードなヒルクライムとかチームエンデューロへの参加を決めてしまったら、「少しでも速く走れるようになりたい」と思うのが人情じゃないですか。

まあ、おっさんが週末にちょっとがんばったところでほぼ変化なんてないんですが、「努力しよう」って感情が大事でして、そのおかげでいつもより少し長めの距離を走ろうとか、巡行速度を数キロ上げてローラーを回そうとか、夜食は控えて体重が増えないようにしようって気持ちになれる。メンタルを整えるのに、数ヶ月先に控えたイベントほど役に立つものはない。

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※ツール・ド・妻有2016の様子

ということで、8月上旬に北信州秋山郷で開催される、『グルッとまること栄村100キロサイクリング』に参加してきます。走行距離100キロに対して、獲得標高は2,500メートル。昨年、一昨年と参加してきたツールド妻有かそれ以上にキツいそうで、ほぼアップとダウンしかないんですって…。今から武者震いしております。


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