サイクルガジェット ロードバイクが100倍楽しくなるブログ

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カテゴリ: ヒルクライム・峠

自分はヒルクライムは好きだが、好きなのはあくまで「マイペースで仲間たちと楽しく登る」ほう。 順位を競う系とかタイムアタック系のガチヒルクラレースはあまり興味がない。 /観戦は楽しい\ そんな自分には「レース中に敵を千切るテクニック」とか「心理的に追い詰 ...
自分はヒルクライムは好きだが、好きなのはあくまで「マイペースで仲間たちと楽しく登る」ほう。

順位を競う系とかタイムアタック系のガチヒルクラレースはあまり興味がない。

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/観戦は楽しい\

そんな自分には「レース中に敵を千切るテクニック」とか「心理的に追い詰めて蹴落とすノウハウ」は必要ないんだけど、個人的に興味はある。

Global Cycling Network でエマ・プーリーさんという元プロ女子選手が「ヒルクライムで敵を上手に蹴落とすためのテクニック(How To Climb Like A Pro: Emma Pooley's Guide To 'Climbing Nasty')」を披露していて、とても興味深く視聴させてもらった。

ヒルクライムレースをする人は知っておいて損のない情報なので、翻訳してご紹介しますね。



エマ・プーリー(Emma Pooley、1982年10月3日 - )さんは、イングランド、グレーターロンドンのワンズワース出身の女子自転車競技(ロードレース)選手。

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/中央がエマさん\

ヒルクライムレースは単純なパワーウェイトレシオの勝負ではない

理屈だけで言えば、ヒルクライムの速さは「パワーウェイトレシオ」で決まる。体重が軽い方が有利だが、痩せているだけでパワーがなければ意味はない。

その逆で、筋肉モリモリでも体重が重いとレシオ的に相殺されてしまう。要はバランスである。(が、痩せ型で体重が軽い方が総じて有利なのは事実)

ただ、これがレースになってくると勝敗は単純な「パワーウェイトレシオ」だけでは決まらず、別の要素も入ってくる。

なぜなら、レースは一人ではなく複数で走るわけで、敵がいれば揺さぶり、心理戦、駆け引きが存在するから。これはどんなスポーツでも同じだし、醍醐味でもある。

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ウェイトリフティングのように完全な個人戦で他人からの邪魔が入らない競技であれば、純粋なフィジカル勝負になりやすいけど、それでもプレッシャーの掛け合いとか心理戦はあると思う。

つまり、競技の世界ではパワーウェイトレシオだけを突き詰めても勝てない。心理戦で揺さぶる、相手を苛立たせたり焦らす、負荷をかけて消耗させるテクニックを織り交ぜることで弱者が強者を打ち負かすこともある。

Full Gas(全力でもがく)

相手より長時間もがき続けることができる確信があればこれで千切れる。

まあ、それはその通りなのだが、汚いテクか?というと別にそうでもない。

あと、己の力量とペース配分を把握していないと墓穴を掘るだけになるので、繰り返しトレーニングして見極める必要がある。

Armpit Stalking(敵の脇腹にくっつく)

敵よりほんの少し後ろを走るテク。前にも出ず、並走もしない。あえて1メートルほど下がった位置をキープする。敵の周辺視界に入ることで目障りになれるし、こっちはペースがつかみやすい。

あと、敵の息遣いも聞きやすく、ボディランゲージも観察しやすいので、消耗度と疲労具合が推し量れる。ひいては、アタックをかけるタイミングも見極めやすい。

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/右側のエマさんが仕掛けている\

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/ライバルにとって目障りで気になる存在に\

なるほど、この付かず離れず感はたしかにうっとうしいかも。

そういえば、山の神の森本誠さんも雑誌がテレビで「敵の呼吸を聴いて観察し、披露具合を把握すると良い」と話していた。なぜなら、「呼吸はごまかしがきかないから」らしい。

後ろを走るだけでは、呼吸音は聞こえないので、斜め後ろってのがポイントである。

Fartlek Approach(一定ペースで走りつつじわじわ引き離すワザ)

Fartlekはスウェーデン語で「地形の変化に関係なく長い距離を一定ペースで走るトレーニング」を指す言葉らしい。

そこからエマさんが偶然発見した戦術なのだが、「いつの間にかじわじわとペースアップし、相手を追い込んで蹴落とす」のが有効らしい。

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たとえば、自分が集団先頭で、後ろに数人が付いてきている状況だとしよう。

このとき、エマさんはしきい値(threshold)よりちょい低めのややきつめのペースをキープして走る。で、徐々にペースを上げていくのだが、ポイントは「ダンシングを使わず、シッティングのまま」でいること。そうすることで、後続には先頭がペースアップしていると悟られないようにするわけ。

仕掛けていることを敵に勘付かれないように、「自分は全然ペースアップしていませんよ?同じペースで走ってますよ?だから苦しくもなんともないですよ?」というフリはしなければならない。

後続の敵は「おかしいな……前の奴は同じペースで走っているはずなのに、こっちは苦しくなってきてる。自分の調子が悪いのだろうか…」という感情を芽生えさせることができる。

現役の頃によく使ってて、かなり有効だった」と振り返るエマさんだが、

ただ、これを使うなら事前のトレーニングが欠かせないわ。かなりの負荷が自分にもかかるわけで、どれくらいのペースで何分続けられるかも見極めておく必要があるからね。さもないと、自分の脚が先に売り切れてしまうハメになるわよ。

と忠告している。

「15秒アタック→2分のペース走」の繰り返し

昔からある伝統的なアタックテクニックがこれ。

「15秒間全力でもがく → 2分ペース走」……一旦仕掛けたら、ゴールするまでひたすら繰り返す。聞いただけで吐きそうな気分になる戦い方だ。

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これも悪くない方法だが、エマ・プーリーさんは

私はシッティングでアタックするトレーニングを積んで、実戦で使えるようにしたわ。シッティングでアタックをかけられるのってとても効果的よ。

と力説されていた。

誰でもすぐマネできる心理攻撃

さきほどのArmpit Stalking(敵の脇腹にくっつく)とか、並走してるときに使う技。

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敵の息遣いを観察し、「疲れてきているな」と思ったらわざと会話を仕掛ける。中身はなんでも良くて、どうでもいい雑談を振るのだ。


「あら、ステキな色のバーテープね」

「今日の天気、ちょっと曇りだけどむしろレース向きでよかったね」

「ほら見て、あの景色いいわねー」

「このレース終わったら、コーヒー飲もうと思ってるの」

「ねえ、今日何時に起きた?」


ヒルクライムをしたことのある人ならわかるだろうが、心拍が上がってキッツイときに喋るのはダブルで苦しいし、消耗が激しい。歯を食いしばっている状況で口を開いて言葉を発するのは、疲労が加速する。

まあ、それを悪用するわけである(笑)。

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仕掛ける側は当然余力がある状態でやる。リラックスしており、会話がぜんぜん苦にならないよ(つまり疲れてませんよ)アピールにもなり、与えるダメージは計り知れない。ただし、多用すると嫌われるのでご注意をば。

プロでもこういう細かいテクニックを使うのかと驚いた。

現役時代にもっとも効果的だったテクはどれ?

ダンさんとサイモンさんが、「現役時代にもっとも多用したテクは?どれがうまくいった?」と質問しており、それに対してエマさんは、

シッティングのままアタック」がいちばん効果的だったわね。アタックしていることが敵に悟られにくいから、意表を突くことができるし、アタックが成功しやすかったわ。

と語っていた。うーむ、勉強になる。


以上、Global Cycling Network でエマ・プーリーさんが紹介されていた「ヒルクライムで敵を上手に蹴落とすためのテクニック(How To Climb Like A Pro: Emma Pooley's Guide To 'Climbing Nasty')」の翻訳でした。


余談だが、実業団選手選手といっしょに山を走ったとき、自分の後ろを走っていたその人が「あ、中山さんはジュニアスプロケットを使っているんですね」とことも無げに言い当てて驚いた。

回転しているスプロケットを一目見て、どのタイプのスプロケットを使っているかはふつうにわかるようだ。

まあ、自分のような素人ですら「ローが28Tだな」とか「32Tか34Tっぽいな」くらいは目視でわかるので、実業団クラスの選手が正確に言い当てられるのは驚きでもなんでもない気はする。

そういう意味でも、敵のちょっと後ろを走っているとき、息遣いだけでなく「どんなスプロケットを使っているか」も観察すると良いかもしれない。


最強ホビーレーサー6人が教える ロードバイクトレーニング


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サイクルガジェットストア そろそろ品切れに差し掛かってきました…

ぼっちライドにはぼっちライドの、グループライドにはグループライドの、それぞれの良さがある。 >> 【サイクリングとは基本的に孤独なスポーツ】 ぼっちライドは超楽しいのでみんなやるべき…というお話し グルーライドには大きく2種類あって、斜度アリ(ヒルクライム ...
ぼっちライドにはぼっちライドの、グループライドにはグループライドの、それぞれの良さがある。

>> 【サイクリングとは基本的に孤独なスポーツ】 ぼっちライドは超楽しいのでみんなやるべき…というお話し

グルーライドには大きく2種類あって、斜度アリ(ヒルクライム)とナシ(平坦基調)である。

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平坦基調のライドであれば、体力差は顕著には現れず、わりと全員が一緒に走りきることが亜できるのだが、ヒルクライムが混じると途端にフィジカルの差がハッキリしてしまう。

つまり、中には遅れてしまう人がいるわけですね。体力差はあって当然で、誰かが誰かを待たせてしまうのは致し方ない。速い人は遅い人を励ましたり、サポートしたりして共同で登ることになるのだが、どうせなら全員が楽しく走れるように工夫したいものだ。

そこで、Global Cycling Network で紹介されていた「グループでヒルクライムするとき、速い人も遅い人もいっしょに仲良く登るコツ(The Best Way To Climb In A Group)」を翻訳して紹介しつつ、自分なりのHackもお伝えしよう。



遅い人は、無理にペースを上げて速い人を追いかけるべからず

(そのグループの中で)体力が劣る人は、「速い人に山頂で待たせてしまっては申し訳ない」と考えてしまいがち。その意識が働くせいで、無理して追い込んで後を追い、序盤で脚が売り切れてしまっては元も子もない。

一所懸命に走るのはいいのだが、他人のことはいったん忘れて、まずは自分のペースを守ること。ヒルクライムで無理すると、後で必ずツケを払わされる。

ちなみにだが、先頭が待っている時間なんてたいしたものではない(せいぜい数分)。ちょっとおしゃべりしていたら経ってしまう程度の時間しか待たないので、待たせている方は心理的負担があるかもだが、あまり気にしなくても大丈夫です。

出発前に合意しておく(待ち方)

出発前に確認しておくべきなのが、集団内のルール。山頂で待つのは当然のこととして、道が分かれる(T字路とかY字路とか)場所では後続を待つべき。

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万が一、後続が道を間違えたら、互いに探し合うために多大な時間とエネルギーを浪費する羽目になる。(あと、後続者の不安を煽ることになるので、無茶な走りと事故を誘発しやすい)

全員が道を知っていれば、「◯◯◯で待ち合わせね」と合意することでかなり先に目標を置けるが、そうではないのなら、道に迷う可能性のある手前で待つことを取り決めておこう。
※あと、パンクによる予想外の足止めリスクもあるし

コースを知ってるのなら、知らない人にドンドン教えてあげよう

坂の情報ってものすごく大切。

そのルートが初めての人は、山頂まで何キロあるのか、最大斜度はどれだけか、斜度の変化は大きいのか、一定の斜度なのか、アップダウンの変化が激しめなのか、ひたすらアップなのか、途中で足を休ませられる区間があるのかないのか…何の情報もないまま走るのは、終わりのない苦行になり、心理的にきついし、ペース配分もわからない。

コースを知っている経験者は、積極的にプロファイル情報を提供してあげよう。

序盤は楽だけど、ラスト300メートルで激坂になるから体力温存させながらね

休む場所はない代わりに、斜度はほとんど変化しないから、一定ペースで行けば大丈夫

って具合に教えてもらえると、心がラクになって、ぐっと走りやすくなる。

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あと、距離情報も大事。ラスト2キロ!とか教えてくれると、歯を食いしばって登れるものだ。


「あのコーナーを過ぎたら、その先がきっとゴールのはず…ハアハア…違った…(涙)…くっそ…あの次のコーナーで最後だといいな…ちくしょう…ぜんぜん最後じゃない…ハアハア…このつづら折り…いつまで続くの…(涙)」

……という不毛な希望→絶望→希望→絶望ループを繰り返さずに済む。
※人はなぜか、「コーナーの先はきっと頂上」という勝手な希望を抱くものなので(笑)。

ゆっくり降りながら、追いつくのを待つ

冬以外の季節であれば、頂上で待つのはさして苦ではない。ところが、冬に標高の高い場所でじっと待つのはかなりきつい。体温が下がって身体が自由に動かなくなるため、ダウンヒルのときのバイク操作が危険でもある。

なので、気温が低ければ、「山頂で待つのではなく、ゆっくり下りながら待つ」という待ち方も可能。あらかじめ、そういう取り決めにしておけば、後続はダウンヒル途中でペースを落としてくれていた先頭に合流できる。

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ただ、この場合も道が分岐しているポイントではきっちり待つほうがよいのは当然である。

たた、個人的には、冬の間はヒルクライムは積極的には出かけないほうがよいと考えている。理由は、気温差による路面凍結、落ち葉(&落石)による路面コンディションの悪化、登坂時の発汗&そこからのダウンヒル時の身体の冷え…があるから。

頂上まで登ったら来た道を下り、お代わり

先の登頂した人が、元来た道を戻って(降って)後続に合流し、坂道をお代わりするパターン。体力に自信のある人だとか、体力差が激しいグループであれば、この方法は何気に使える。
※ただし、体力に自信のある方限定でどうぞ(^○^)

全員で一緒に登ることができるし、励ますこともできる。後続の人にとっても、「待たせて申し訳ない感」が薄まるし、ひとりぼっち感もないので楽しく登ることができる。

遅い人は、誰かの後ろについて走ろう

不思議なもので、ヒルクライムのように「(かなり低速で)ほぼ空気抵抗なんて関係ない」状況であっても、先頭を牽くのは心理的にきつい。目の前に目標物(前を走る仲間)があるのとないのとでは、「こんなに心理的な差があるの!?」ってくらい違う。

なので、遅い人は仲間の後ろにつかせてもらい、目の前を走る仲間を利用してペダルを漕ぎましょう。それだけで、気持ちがかなり楽になるだけでなく、実際のペダリングもしやすくなる。

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あと、可能であれば、遅い人を速い人2人が前後から挟むようにしてあげると、前の人は目標物になり、後ろに人がいることで「自分は最後尾ではない」という安心感も持てるのでベストではある。

イベントでバラバラになるのは仕方ない

最後に、ロングライド系イベントであるが、体力差が著しければ、バラバラになってしまうのは受け入れるしかない。長距離イベントでの無理はご法度なので、各自が出せるペースを守って走ろう。

いったんはぐれたら、無理に探し合うのはやめておいたほうが良いと思う。注意散漫になってしまうし、それが原因で事故やトラブルになるのも本望ではない。

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有料イベントであれば、ルートで間違うこともまずなく、補給食や水分切れで立ち往生する危険もほぼない。

せめてエイドステーションで待つとか、LINEグループで互いの現在地を共有し合うことで、

「事故は起きてない」
「DNF(Did Not Finish;途中棄権)してない」
「わりと近くにいるっぽいので、では待とう」

ってことがわかるので、判断ミスが少なくなる。
※まれにではあるが、ケガやタイムオーバーによって、「回収車にドナドナされてしまった」ってケースもあったりするので、それも可能性の一つとして想定しておく

このへんの「待つか、待たないか」とか「エイドステーションに着いたらLINEで現在地を共有し合おう」ってことも事前にとり決めておくのがオススメである。


最後に、登頂後は「ちょっとオーバーじゃないか?」ってくらい大げさに「思いっきり、互いに労をねぎらう」のがとても気持ちよくてオススメ。体力差はあれど、全員が等しく苦しい坂を登った事実に変わりはないですからね。

大人になると、仕事も何でも「できて当たり前」ってなってしまい、なかなか労いあうってことをしなくなるので、せめてヒルクライムでは思う存分褒め称えあいましょう。日常生活では味わえない、グッとくるものがありますよ。


以上、Global Cycling Network の「グループでヒルクライムするとき、速い人も遅い人もいっしょに仲良く登るコツ(The Best Way To Climb In A Group)」と自分なりのノウハウのご紹介でした。


>> ダウンヒルの恐怖を克服するための7つのコツ 

>> 自転車のバランス感覚を鍛える方法 

 
そろそろ暖かくなってきて、ヒルクライムが楽しめるシーズンになりますが、どうかお気をつけて…。


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ヒルクライムはわりと残酷なスポーツというか、数字で決まってしまうモノでして、重量に対して出力できる力、つまりパワーウェイトレシオ(Power-weight ratio)の数値で優劣が計れてしまう。 つまり、筋力が同じ者同士なら、バイクが軽いほうが有利。体重が同じ者同士な ...
ヒルクライムはわりと残酷なスポーツというか、数字で決まってしまうモノでして、重量に対して出力できる力、つまりパワーウェイトレシオ(Power-weight ratio)の数値で優劣が計れてしまう。

つまり、筋力が同じ者同士なら、バイクが軽いほうが有利。体重が同じ者同士なら、筋力があるほうが有利。

筋力を増やすのは時間も努力も必要だけど、それ以上に手っ取り早い効果が見込めるのが「体重減」ですね。筋肉は同じままで、脂肪が落ちて体重が軽くなれば、それだけでグッとスピードも上がるし、楽に登れる。

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自分は2017年夏から始めた減量でようやく5キロ落とし、その成果を如実に感じられるのが坂。

がっ!「筋力アップもダイエットも、どっちもしたくないなぁ……」という場合はバイクを軽量化するしかない。お金さえかければ軽量化は可能なので、以下のCycling Weekly の動画(How to become a better climber | Operation Hill Climb | Cycling Weekly)で紹介されていた軽量化にくわえ、自分がこれまでに見聞きしてきた軽量化のコツを並べてみよう。



効果絶大!なロードバイクの軽量化

軽量フレームに交換する

クロモリよりはアルミ、アルミよりはカーボンが一般的に軽い。そして軽いフレームは漏れなく高い。しかし、効果も高い。予算に余裕があれば、なるべく軽いものを選びたいところだ。べつにヒルクライムをしないサイクリストでも、軽くて困ることはなく、メリットしかない。

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軽いホイールに交換する

鉄よりはアルミ、アルミよりはカーボンのほうが軽さを追求できるのはフレーム同様。これもフレームと同じで、軽さと価格は比例する。

個人的な目安としては、
  • 1,600グラム以上 やや重め
  • 1,500グラム台 標準的
  • 1,400グラム台 軽めの部類(アルミクリンチャーで1,400グラムを切るのはかなり難しいような気はする)
  • 1,300グラム台 そーとー軽い(昨今のカーボンクリンチャー辺りはこのへん)
  • 1,200グラム台 むちゃくちゃ軽い(カーボンチューブラーあたりがこのへんで、お値段もすごい)
  • 1,100グラム以下 異次元の軽さ(経験したことはないが、夢のような世界が待っている気がする。当然価格も異次元クラス)
※初めてホイールを買うなら、「1,500グラム台からスタートし、1,400グラム台に近づけていく」のがバランスが良く、お財布にも優しいかなと。

エントリーモデル的なアルミクリンチャーホイールは5万円前後からスタートし、小刻みに15~19万円くらいまで上がって、そのへんでストップする。が、カーボンクリンチャーやカーボンチューブラーホイールは20~40万円もザラで、最高峰はホイール(前後セット)だけで100万円(!)になるものもある。

ちなみにオクサマは「フレームが高いのはなんとなく許せるけど、ホイールがフレーム並に高いのがいまだに理解できない。針金と輪っか状の鉄を組み合わせただけのくせに…」とかいまだにほざいている。

効果まずまずなロードバイクの軽量化

消耗パーツに軽いタイプを選んでみる

たとえばチェーンやカセットスプロケット……見た目はどれも似たように見えるが、デュラエースはアルテグラより軽く、アルテグラは105より軽い。

サードパーティ製のチェーンやカセットスプロケットの中には、えげつない軽さを誇るものもあるが、コンポーネントとの相性(変速性能とか快適性)が若干犠牲になるという話は聞いたことはある。

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ただ、チェーンもカセットスプロケットも消耗品でどのみち交換するものだし、1回トライしてみる価値はある。なお、カセットスプロケットよりはチェーンの方が断然安い。

タイヤを細くする

細くすれば軽くなるし、パワーを掛けたときのグリップも良い。25cでも十分なグリップはあるが、「登坂でトルクを掛けたときのかかりが23cのほうが良いので、平坦レースでは25cを使うけど、ヒルクライムレースは23cを使う」ってプロ選手もいるくらい。

自分は彼らのようなパワーはないけど、なんとなく太いタイヤよりは細いタイヤのほうが思い切り踏み込むことができる(安心して踏み込める)ような気がしている。よって、自分は25cではなく、23か24cタイヤを常用している。

決戦用軽量チューブを使う

多くの人が見落としているのがチューブの軽量化。外からは見えない部分だけど、前後で50グラムくらいならわりとカンタンに落とせる。チューブは高いモノでもたかがしれているので、コストパフォーマンスは超高い。ただし、軽量=薄手なので、パンクリスクは高まるのはトレードオフとして受け入れよう。

ちなみに自分がチューブを買うときは、必ず軽量モデルを選ぶ。乗るたびに空気圧をチェックし、しっかり規定量まで入れるのを心がけており、それでパンクしたことはほとんどない(ここ3年半ほどパンクは皆無)。

心がけ次第でパンクは避けられるので、レース用軽量モデルの恩恵を味わってはいかがだろうか。

アウターリングを取り外す

ロードバイクのチェーンリングはだいたい大小2枚で構成されている。ヒルクライムでアウターリングを使うことはまずない(瞬間的に平坦路があるコースもあるので、なくはないが)ので、「だったら取っ払ってしまえ」という理屈。同じ発想で、フロントディレイラーも取り外してしまえばさらに軽量化できる。

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/デカいほうを外すという手\

効果はまずまず高いものの、気軽に脱着できないのがデメリットだ。イジるスキルがある方&苦にならない方は、試す価値はあるかもしれない。
※ここまでやるなら、いっそヒルクライム専用機にしてしまうのもアリだ

パンク修理キット(サドルバッグ等)を取り外す

ツーリングとしてのヒルクライムではなく、レースに限られるワザとして、サドルバッグやミニ空気入れを取っ払ってしまう…がある。万が一レース中にパンクしたら修理する術はないが、パンクしたらどのみちタイムは狙えないので「まあ、いいじゃん」ということか。

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/自分はココにケージを付けてます\

あと、サドルバッグは重心が高い場所にあり、それを取っ払ってしまうだけでもダンシング時の振りが軽くなって、走りやすいというメリットがある。

ボトルに水をいっぱい入れない

これもレースオンリーのテクニック。ヒルクライムは(速い人で)1時間前後で終わるレースが多く、長くても1.5時間前後で終わる。満タンにしても全部飲みきらないのであるなら、水の量を半分とかにしてその分を軽くするわけだ。

ただ、気候や気温、乗り手の所要時間、その日の体調にも影響されるので、どれだけ水を飲むかは個人差が激しい。レース本番に、走ったこともないコースで、適当に水を減らすのはちょいとリスクが高すぎる。

そのコースを何度も走ったことがあるとか、自分の必要水分量をしっかり把握している経験者でないのなら、安全を考慮して満タンを入れておくことをオススメする。途中で水が切れたら命に関わるので。

最後の手段

バーテープを取り外す

ここまでやる人は少数派だと思うが、気持ち程度軽くできる。むき出しになったハンドルバーはやや滑りやすいので、そこだけはご注意を。

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/カーボン地をあえて出し、最小限にしかバーテープは巻かないです\

あと、ドロップハンドル先端のキャップがグラグラになり、取れやすくなるのも覚えておいてほしい。レギュレーションによっては、キャップがないと走行を許可しない場合がある。

ヘルメットをエアロにする

スピードがでないヒルクライムでは、ヘルメットの形状をエアロにしても大きな効果は見られないかも。むしろ、形状よりは「軽さ重視」で選ぶ方がいいかと思う。

下ハンドルを切り取る

これに手を出せば、完全なるご病気である(褒め言葉です)。「ドロップ部分は握らない」って人なら検討の余地ありだ。下ハンドルで登坂でもがくのが好きなクライマーもいるが、そうでない専用機をお持ちの人は試しては?

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/ややブルホーンバーちっくなルックスになります\

下ハンを切り落としたルックスは「こ、こいつ、只者ではない…」感が溢れており、「相当なツワモノに違いない…」と会場で周囲を威圧できるかもしれない。

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ただ、動画内で「けっこうな軽量化になると期待して切ったけど、そうでもなかった(笑)」とコメントしていた。

髪の毛を切る

正直、やってもあまり意味は無い 。が、心理的な効果というか、試合前に己を高ぶらせることはできるかと思う。ロン毛の人なら数十グラムは落とせるだろうか。

その他

ダイエットに励んで体重を落とす

ぶっちゃけ、フレームやホイールを新調するよりも圧倒的に効果があるのがこれ。自分も5キロ落とせたおかげで、びっくりするほど登りが楽になった。

5キロといえば、やや重めのアルミクリンチャーホイールセット3組に匹敵する。標準的なフレーム(1.4キロ)とホイール(1.5キロ)を足しても3キロかそこら。自転車1台分に近い脂肪が剥がれ落ちるということが、こんなに快感だとは…。

「んなこと、わかっとるわ!」と言われるのを百も承知で減量をオススメしたい。
※パワーはちっとも上がっていないので、平地での変化は感じない。

ヘルメットを被らない(レギュレーションで許されれば)

上記動画内のレースでは、ヘルメットを被っていない参加者もけっこういた。「プロではない、一般人の大会とはいえ、ヘルメットを装着しなくてよいなんてことがありえるかしら?」と訝しく思って視聴し続けていたら、後半で「ヒルクライムレースではスピードがさほど出ないこともあり、装着するかしないかは参加者の判断に委ねられている(ものもある)」とコメントがあった。なるほど。

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※もちろん、事故って頭を打って何かあっても自己責任だろうが…。
※下りのときどうすんだ…と思うが、預ける手荷物に同梱しておけば良いのだろう


以上、ヒルクライムレースのために軽量化を徹底追求するコツとかノウハウをご紹介しました。自転車にとって「軽量化は正義」であり、「揺らぐことのない真理」なので、できるところからパーツ交換したり…されてはいかがでしょうか?


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タイレル(Tyrell)のCSI で富士山に登ってきました。(登ったのは8月下旬です) 車で五合目までは何度か行ったことはあっても、スバルラインを自転車で登るのは人生初。ふつうの山では味わえない素晴らしい(&苦しいw)経験だったので、今後富士山に自転車で登りたい方 ...
タイレル(Tyrell)のCSI で富士山に登ってきました。(登ったのは8月下旬です)

車で五合目までは何度か行ったことはあっても、スバルラインを自転車で登るのは人生初。ふつうの山では味わえない素晴らしい(&苦しいw)経験だったので、今後富士山に自転車で登りたい方への参考としてレポートします。

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いっしょに登ってくれたのは、dahondego.comオーナーのMr.津田圭です。

氏のレポートはこちら

スタートは河口湖駅から

河口湖駅近くのコインパーキングに駐車。終日駐車でも600円と安い。そこを出発して5分も経たないうちに登りが開始。五合目までジャスト30キロ、ひたすら登りのみである。

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/ こんなコースです \


過去に登ったことのある最長の坂でもせいぜい17~18キロ程度。30キロ途切れない坂は個人的には未踏の領域なので、少々ドキドキした。

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/ チェーン落ちたw \

ちなみに、持ち物はこんなかんじ。

  • サイフ
  • 塩タブレット
  • ハイチュウ
  • カロリーメイト
  • ボトル(600ccを1本)
  • チェーンロック(2本)
  • ウインドブレーカー

五合目の気温は下界より15度くらい低いので、五合目の天気予報は事前にはもちろん、走る直前にもチェックしましょう。山頂付近の天候は変わりやすく、気温は一気に落ちるので。

>>富士山五合目の週間天気予報

上記サイトのデータによれば、7~9月の最高気温はそれぞれ13.8度、13.6度、15.5度。最低気温は0.6度、-4.1度、-1.8度で、平均気温は5.5度、6.5度、4.9度です。外界のそれとは想像ができないくらいのギャップ。

なにしろ、スバルラインからアプローチする五合目の標高は2,305メートル。ちょっとした山など目ではない高さを目指すわけだ。

富士山五合目のライブカメラもあるので、合わせてご活用ください。

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ちなみに今回の五合目の気温は13度で、「半袖ジャージ1枚じゃ冷えるな」って感じでかなり涼しかったのだが、これでも最高気温だったようだ。(8月末時点の情報です)

スバルラインの入り口から本格スタート

さて、肝心の坂であるが斜度は5%前後が延々と続くので、ラクではないが苦しくもない。淡々と漕げばヒルクライム初心者でも大丈夫。瞬間的に6%になる場所もあったかもしれない。

IMG_4005

前半は、地面に埋められた「五合目まであと何キロです」というサインがあるのだが、途中から消滅する。というか、疲労でどうでもよくなってくる(笑)。

あとなキロ走るかわからないまま登るのは精神的に非常にキツいので、サイクルコンピューターはあったほうがベター。とくに、「登りをするサイクリスト」には欠かせない機材だと思う。

30キロ(河口湖駅から五合目)をひたすら登るのは、わかってはいたけど「こんなに長いんか…」ってくらい長かった。登っても登っても終りが見えない。ところどころで休憩を入れながら進む。

30キロという距離を可視化してみるとこうなる。

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※「東京駅から半径30キロ」の図。直線距離ですが、東京駅からこれくらいが30キロです。

給水できる場所は、四合目までない

走り出してしばらくして気がついたが、ボトル1本は誤りだった。2本にしておくべきだった。スバルラインの有料道路入り口か、一合目あたりに自販機があるだろうという読みは外れてしまう。これは誤算だった。

料金所のオジサンに自販機の有無を確認したところ、「四合目の駐車場にだけ自販機はある。五合目まではそこしかない」とのこと。1本だけで足りるかちょっと心配になったが、「涼しいのでギリ持つだろう」と判断した。

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/ ここまで来てようやく給水できる\

気温の高い日であれば、「富士山五合目にはボトル2本がマスト!」と覚えておいていただきたい。

あと、関係ないが富士スバルラインの自転車での通行には200円(往復)かかる。原動機付き自転車(125cc以下)も同様に200円。普通自動車は2,060円なので、10分の1以下。
※富士山にはマイカー規制がある。平静29年は7月10日(月)17時から平成29年9月10日(日)17時からまでの連続63日間、マイカーでは通れません。

で、水の残量を意識しつつ、二合目、三合目…とクリアしていく。四合目までの距離はわかっているので、とくに問題はなかった。

サイクリストは多くはないが、ちょいちょい見かける

道中、何人かのサイクリストに出会った。ほぼ全員がロードバイクで、我々のようなミニベロ組はいない。まあ、富士山をミニベロで登る物好きはそう多くはないはずだ。

しかし、二合目の駐車場でピスト3台組&ロードバイク1台というパーティに出くわす。ピストバイクで五合目を目指すと言うでわないか。固定のシングルギアで登るだと…?本当に大丈夫なのだろうか…。

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「スキッドで下るのはさすがに厳しいので、ゆっくりセーブしながら下る予定です」

ですって…。下りも大変だろうが、登りだってシングルスピードですよ…。どんだけ豪脚なんだろう、と開いた口がふさがらなかった。

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「ピストで富士山なんてクレイジーですね!バカ(←褒め言葉)ですね!」と伝えたら、「いやいやいや!ミニベロで登るほうがよっぽどバカ(←褒め言葉)ですよ!」、「いやいやこっちはギアがあるし」「いやいや…」と褒め殺しをしあってから別れた。
※山頂で再会した(笑)

ピスト組以外では、ほぼほぼロードバイクばかりだったと記憶している。

路面はキレイで走りやすいが、観光バスがバンバン真横を抜き去っていく

さすが有料道路だけあって、路面はちゃんと整備されているのでわりと走りやすい。しかし、週末の観光地ゆえ交通量は多く、とくに観光バスの台数がハンパない。我々の真横をバンバンと通り過ぎていく。

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片側1車線なので、後方から近づいてくるバスはどうしても気になる。でもって、かなりのスピードで追い抜いていく。スピードを緩めつつ、サイクリストを意識して…ってかんじではなく、「こちとら急いでいるんで!」なトーンでスピードを落とさず抜き去ってくる。

世界遺産認定後は、きっと外国人旅行客も多いのだろう。週末の送客量はすごかった。こんなにバスが五合目を目指して大丈夫なの?収容できるの?って心配になったほど。

街中のバスとはぜんぜん違う走り方に、最初は「お、おぅ…」と少し面食らったが、すぐに慣れた。ただ、スバルラインを走る観光バスのスピードはかなり速いのは間違いない。

四合目から五合目は近い。が、斜度が瞬間的に上がる

四合目に到着したら、五合目はすぐそこ。距離にして6キロほどだ。ちょうど空になったボトルに給水を兼ねて休憩。給水が終わってペットボトルを捨てようと思って辺りを見回してもゴミ箱がない。山で出たゴミは各自持って行きなさいというメッセージだと理解し、バックパックに詰めて五合目を目指す。

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四合目を出てちょっと行くと、斜度が1~2%アップする区間があってややキツいが、すぐ終わる。その後はほぼ平坦に近い道を走って登頂だ。

自転車で行ける、日本で最も標高の高い場所に自力で到着できて達成感は大きい。(よく云われることだけど)富士山は遠くから見るぶんには美しいが、実際に登ると視界を木々に遮られてその美しさを味わえない。

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道中はずっと樹木の間をすり抜けただけで、絶景は1箇所もなく、そういう意味では「富士山は、登って楽しい坂ではない」のは確か。ただ、それを差し引いても、「日本一の山に自転車で来た!」という事実にはテンションが上がる。

見渡してみると、我々以外にもロードバイクが10台近くあった。「お互い、同じ坂を制覇しましたね…」的な親近感を覚えてしまう。

ランチを食べ、すぐ下山

腹ペコだったので、レストハウスでカツカレーを食べる。ダイエット中だが、サイクリング中は解禁しているので(笑)。

R0001569

さて、食事を終えてしまうとやることがない。登山をするわけでもないし、記念撮影といっても数カ所で撮れば「もういいか」となる。

オマケに五合目は曇っていたので下界を拝むこともできない。あと、単純に気温が低めで「長居すると身体が冷える」と悟ったから。

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真夏の半袖ジャージにウインドブレーカー枚を羽織ってちょうどいいくらい。しかし、津田圭氏は「冬用アウターを着てちょうどいいくらい。ウインドブレーカーだけでは寒すぎる」と話していた。気温の感じ方には個人差がある。寒さに敏感な方は、秋用ジャージ+ウインドブレーカーを持っておくと安心できるかなと。

下り始めてすぐに気づいたのは、「ぜんぜんペダルを回さずに下山できてしまうやんけ…」という事実。30キロ延々と登ってきたご褒美はウレシイんだけど、それにしてもラクチンすぎて、ウインドブレーカー1枚では少々寒かった。
※体温を上げるためにペダリングしたくても、スピードが出すぎてしまって怖い…というジレンマ(笑)

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ただ、四合目を過ぎたあたりから気温が上がり始め、快適になる。一合目に差し掛かったら、「暑い…」となった。スバルライン料金所で暑さに耐えきれず、ウインドブレーカーを脱ぐ。富士山の標高差を改めて実感。

出発地点の河口湖駅まで、「ほぼカロリーを使わずに下山したのでは」ってくらい疲れがない。いや、正確に言うと、ブレーキを引き続けていた指先はくたびれた。でもせいぜいその程度。さっき食べたカツカレーがまだ胃袋にそのまま残っている。

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走行距離は60キロ。半分頑張って、もう半分は何もしない…という珍しいヒルクライムとなった。

「30キロずっと下りっぱなしだと、カーボンバトンホイールが熱膨張してしまうのではないか」

という懸念があったので、下りは2回ほど小休止を入れてみた。リムを触ると、熱いほどではないが、「お、暖かい…」とハッキリわかるくらいにはなっていた。でも、ホイールは問題なし。

富士山サイクリング、何度もしたい

帰りは河口湖温泉で一休みし、帰京。都内からでも富士山は日帰りで行けてサイクリングにはもってこい。「五合目まで登るのはちょっとな…」という方は、富士五湖を周遊するもよいし、富士山の周りを周回するのもアリ。

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富士山周辺は観光スポットも多いので、半分はサイクリング、もう半分は観光・・・という楽しみ方でも良いかもしれない。1日で楽しみ尽くすのは無理なほどスケールが大きい。まだまだ走れていないコースがあるので、今後も何度も訪れる予定である。


そうそう、MALEROADS サイクリングバッグ 10L-12Lを夏から使っているんですが、サイズ、背負心地、収納力的に日帰りツーリングにもう最適。めっちゃ気に入ってます。


>> 日帰りツーリングに最高だと思う MALEROADS の小型サイクリングバッグ(10-12L)のレビュー



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平地専門サイクリストだったオクサマが、奥日光、筑波山、太平山、物見山などを走っているうちに、すっかり山好きオバサンになってしまった。 人間、何事も慣れであるという良い例である。 いつか子の権現坂とか白石峠にも連れて行ってみたいのだが、たぶんまだ早い。 ...
平地専門サイクリストだったオクサマが、奥日光、筑波山、太平山、物見山などを走っているうちに、すっかり山好きオバサンになってしまった。

人間、何事も慣れであるという良い例である。

いつか子の権現坂とか白石峠にも連れて行ってみたいのだが、たぶんまだ早い。埼玉県内でちょうどよい秩父の山はどこだったかな…と考えて思い出したのが、定番ヒルクライムコースの「定峰峠」。

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ということで、定峰峠越えをして100キロ走るライドにオクサマを連れて行きましたので、そのレポートです。

定峰峠とは

定峰峠とは、東秩父村にあり、比企郡小川町へと抜ける峠道で埼玉県内のサイクリストには有名な場所。白石峠、奥武蔵グリーンラインともつながっている。 ちなみに白石峠の斜度はもっと厳しいので、今回はパスしておいた。

無題
 
定峰峠の最大斜度は7.8%。平均は5%ちょい。斜度は割とマイルドで変化が激しくなく、淡々と登れると評判。5キロと短めなので、初めてのヒルクライムにも適している。

そういえば、2013年に自分が初めて(ダホンのMuで)ヒルクライムに連れられたのが定峰峠だった。
※登り方のコツを全く知らなかったため、けっこうキツかった記憶がある…


斜度とかコース特徴が詳しく書かれた記事で、参考になります( ◠‿◠ )

「定峰峠(東秩父村側)」~初心者から上級者まで楽しめる楽しい峠~(比企・奥武蔵CYCLE情報局)

定峰峠はミニベロでも普通に登れます

オクサマはダホンのボードウォーク、自分はタイレルのCSIで走る。

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組んだルート(108キロ)は以下のとおり。

入間市駅

日高市

越生

小川町

東秩父村

定峰峠

降って秩父市内へ

飯能

入間市駅


行きは登り基調、帰りは下り基調。全行程で108キロ。ヒルクライム付きで100キロ超えはオクサマは未体験ゾーンだが、なんとかなるでしょう。
※ビビらせたくなかったので、「峠を越える」とは伝えなかった

なお、入間市駅周辺のコインパーキングに駐車したのだが、終日駐車で700円前後だった。こんなものかと。

小川町までは緩やかな登り基調

多少のアップダウンはあるものの、越生まではゆるい坂しかないのでわりと楽チン。オクサマも余裕の表情。

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25キロ地点のときがわのコンビニで小休止し、補給食をつまみ、東秩父村を目指す。小川町を経由して行くのだが、道中にきつい場所はなく、景色を眺めながら走れるくらい。

ただし、休日だからか、交通量はそれなりにある。あと、トラックやダンプカーもけっこうな台数に出会った。片側1車線なので、それになりに気を遣う。

東秩父村からも緩やかな坂が延々と続く

息が上がってしまうほどではないが、終わりの見えない坂が延々と続くゾーン。定峰峠のスタート地点に着くまでもずっと登りである。

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…この坂、なかなか終わらないわね

「そうね。(峠を)越えたら秩父市だよ。もうちょい辛抱」

越えるって、目の前にあるあの峠のこと…?

「うん」

先は長いわね…

「焦らず、マイペースでいきましょう」


励ましながらゆっくり坂を登る。

※注意点※

飲み物は峠に入る前に購入しておきましょう。坂にばかり集中していると、ボトルの残量を忘れてしまう。夏場の峠越えをボトル一本で試みるのは得策ではないです。

自分は、小学校や公民館、市役所、村役場、郵便局等が道中にあるかを事前に地図アプリで探しておく。「それらがある場所=それなりの人口がある=自販機がある」という目安ですね。

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/ いったん登ると、もう自販機はない \

定峰峠は序盤がキツめで、徐々に緩やかになる

定峰峠は平均斜度が5%ちょっとで比較的マイルド。うれしいことに、序盤にキツめの斜度が来て、登り進めるに連れて緩やかになるのでペース配分がしやすい。

しかも、定峰峠は2015年春に舗装工事が施されているそうで(上記リンクの情報)、そのおかげで路面がキレイ。これ、地味にありがたい。

というのも、路面が荒れた状態でのヒルクライムはそれだけで神経を使うんですよ…。ガタゴト乗り越えるときのショックで疲労も増す。路面が整っているだけで、その坂が好きになってしまうほどだ。

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ただ、峠の交通量もそこそこあって、オートバイとスポーツカーでツーリングされる方々のも多い。ちゃんとキープレフトで登りましょう。(カーブで横着なライン取りをすると、マジで命取りになります)

定峰峠を登ってみての感想

想像より遥かにラクに登れたのが驚きだった。前に登ったのが4年前(2013年)で、当時は20インチ(406ホイール)のダホンMuだった。同じ20インチとはいえ、 タイレル(Tyrell)のCSI は451ホイールだし、重量はMuより1キロは軽い。

今のほうがずっと楽をさせてもらえるバイクではあるのでそれを差し引かねばならないが、「スイスイ登れた!」のが第一の感想。初の定峰峠は相当苦しかった記憶なので、ちょっとうれしい。

この4年で登りに慣れたというのもあるけど、それ以上に8月6日から始めたダイエットの効果が大きい。腹回りの重量が2キロほど落ちたせいで、ペダルがクルクル回った。体重落とすって、効果てきめんですね…。

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オクサマ

それぞれのペースで登ったので、オクサマはやや離れてしまったのだが、彼女も時間をかけてゆっくり、しかし足は着かずに登頂できた。

私でも楽しく登れた!筑波の不動峠や太平山は距離こそ短いけど、定峰峠よりずっとキツかった

ですって。それはよかった。筑波山(茨城)と太平山(栃木)はどちらも3キロそこらで、定峰峠は5キロ。登っている時間は定峰峠が長いが、斜度的に一定に近かったので、それもあったのかもしれない。

ただ、いつ終わるか全くわからないのはヒルクライムではストレスだね…。コーナーを曲がっても曲がっても坂が待ち構えていると、心が折れそうになる(笑)

走行距離、コースプロファイル、所要時間は登り始める前に共有していこうと思った。

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峠の茶屋からはひたすらダウンヒル。秩父市内を走り、昼食は「からあげ きすけ食堂」で。

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メイン料理にサラダバー、カレー、ドリンクが付いて980円とお値打ち。外から見ると、「狭そう」に感じるけど、入ってみると奥行きがあって過ごしやすい。なんとなくだが、沖縄にある料理屋さんなトロピカル感があってよかった。

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入間市駅まではひたすら国道299号線を走る。この道を走るのは初めてだったんだけど、「基本は下り基調だろうし、少々のアップダウンこそあれ、ラクに走れるのではないか」と想像していた。

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事実、登り3、下り7くらいの比率で気持ちよく走れる。しかし、振り返るとオクサマがいない。下りが苦手(怖いらしい)なのを忘れていた。走っては待つ、を繰り返したので想定以上の1.5倍の時間がかかってしまった。

長めの正丸トンネルが鬼門か

正丸峠まではやや登り基調。飯能市と秩父郡横瀬町の境界にある峠(標高636m)で、Wikipediaによると、江戸時代に江戸と秩父と結ぶ道の一つとして秩父札所巡礼などに用いられたらしい。

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で、その峠を越える山頂部分に、2キロ弱というやや長めの「正丸トンネル」がある。「2キロか…長いな」とは思ったものの、自転車進入禁止サインはなかったし、迂回のしようもないので行くしか無い。
※後日、迂回路の存在を知った…あったんだ…

トンネル内は狭い片側一車線で自転車の通行帯はなく、しかも道路中央に分岐用のポールが立っており、車が自転車を追い越しにくい構造になっている。ダメ押しとして、路肩が凸凹の構造になっているので、高速で走るのがとても怖い。

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走り終えて、オクサマを待つ。数分後現れた彼女は、

「死ぬほど怖かった…」

と話しており、申し訳ないことをした。次回以降は迂回路を通ろうと決心した。正丸峠を自転車で通過するサイクリストも多いと思うが、慣れていない人、女性は迂回路を使うほうが良いと思う。


正丸トンネルはこんなかんじ。自転車通行禁止を示す標識はない。 バッテンマークのサインは「駐停車禁止」を意味する。 

正丸トンネル
/ Google ストリートビューより \


正丸トンネルの次に現れたのが、「吾野(あがの)トンネル」。

吾野トンネル2

570メートルと短いが、明確に「自転車進入不可」の標識があったので、示されていた迂回路を通行。吾野トンネルは2015年に開通された比較的新しいトンネルだそうで、Google ストリートビューを見たら工事中(2014年の画像)だった。

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/ 直進できないので、右折して迂回 \

道路幅員が狭く大型車のすれ違いができない箇所やカーブが連続する箇所だったらしい。その旧道を自転車は走らねばならないが、迂回しても大した距離ではない。

その後は下りメインでたいして体力を使うこともなく、無事に入間市駅に帰着。秩父と飯能の間の数カ所のトンネルだけが危険だけど、それ以外はじつに楽しいサイクリングでした。

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山に苦手意識がある人は、ヒルクライム関連の書籍&ムックを読んでみるのもいいかもです。

「本格的なヒルクライムはちょっとな~、でもやってはみたいんだよな~。どっか優しすぎず、キツすぎない適度な坂はないかな~」という方、定峰峠がオススメですよ。(*^^*)


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新幹線を使って宿泊込みの輪行をするには、ちょっとしたコツが必要。荷物が多すぎると運べないし、少な過ぎても現地で困る。必要なものを必要なだけ持参すべきなのだが、その加減が難しい。 ということで、長野県栄村の信州秋山郷で開催された「グルッとまるごと栄村100キロ ...
新幹線を使って宿泊込みの輪行をするには、ちょっとしたコツが必要。荷物が多すぎると運べないし、少な過ぎても現地で困る。必要なものを必要なだけ持参すべきなのだが、その加減が難しい。

ということで、長野県栄村の信州秋山郷で開催された「グルッとまるごと栄村100キロサイクリング」を例にとり、こんな感じで荷物を用意し、運びましたよ…という経験談をお伝えしたい。 

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メッセンジャーバッグか、バックパックか

ぶっちゃけ、どっちでも良い。周囲を見ていると、圧倒的にバックパック派が多い。9:1でバックパック。背中に均等に重量がかかるので、40キロとか50キロ走るにはバックパックのほうが適していると思う。  

個人的にメッセンジャーバッグが好きなので、自分はミッションワークショップのrummyを使った。容量的には申し分ないビッグサイズ。 詳しいレビューは下記をどうぞ。

>> ミッションワークショップ(missionworkshop)のメッセンジャーバッグ、『Rummy』のロングターム・インプレッション(4年10ヶ月)

>> ミッションワークショップのメッセンジャーバッグ、「Rummy(ラミー)」を3年ちょい酷使しての正直な感想

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新幹線輪行を踏まえて持参した荷物

Rummyに詰め込んだのは以下の通り。
  • 2日目(イベント用)のジャージ上下
  • サイクリング用ソックス(1足)
  • Tシャツ、短パン、下着(各1枚)
  • 小さめのタオル
  • メガネ
  • コンタクトレンズケア用品
  • 歯ブラシ&糸ようじ
  • 日焼け止め
  • ワイヤーロック(2本)
  • 財布
  • iPhone用外付けバッテリー&ケーブル
  • 自宅の鍵
  • 輪行バッグや紐等一式
  • TIMBUK2の小型メッセンジャーバッグ
※ヘルメット、グローブ、アイウェア、サイクルキャップ、シューズ、腕時計は着用していくのでここには記載していない

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土曜に移動&宿泊、日曜にイベント&宿泊、月曜に戻る…という2泊3日の行程なのだが、宿用で着るシャツ、短パン、下着は1セットのみ。つまり、2日間同じ服を着る。荷物はなるべく減らしたいので、多少のことは我慢する。

なーに、荷物が増えることを考えたら、連続着用などたいしたことではない。 初日に着ていくサイクルジャージ上下とは別に、もう1セットを持っていった。上級者は初日の晩に洗濯して部屋干しし、翌日に同じのを着ることで荷物を減らすこともある。

ただ、自分はビブショーツで新幹線に乗る度胸はまだなく、おとなしくサイクルパンツを着用するしかなかったためである。

電源の確保は外付けバッテリーで充分

うれしい発見だったのが、アンカーのモバイルバッテリー(Anker PowerCore 10000)が2泊3日の旅程を余裕でカバーしてくれたこと。途中で切れるどころか、半分くらしか使わなかった。今回の旅で300枚ほど写真を撮りまくったのでそこそこ電池は使ったけど、Anker PowerCore 10000ひとつあれば、ぜんぜん余裕である。実に頼もしい。

コンセントと充電ケーブルだけでもよいのだが、外付けバッテリーのほうが「移動中に充電できる」点においてベター。旅の際は移動しながら充電できるとなにかと助かる。外付けバッテリーは輪行に必須のアイテムである。

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/ 移動中も充電可能 \

財布もスリムにしよう

財布も断捨離してあげるのがよろしい。ふだんの長財布をそのまま持っていくとかさばってしまう。現金以外は「クレジットカード、健康保険証、キャッシュカード、イマージェンシーカード(血液型とか緊急連絡先を書いたモノ)」のみにした。

診察券とかポイントカードとかJAF会員カードとか、不要なものは極力持参せず、小ぶりな財布にまとめる。  CHUMS Eco Small Wallet (エコスモールウォレット)がとても気に入っていて、輪行の際は必ずお世話になっている。

サイクルジャージのバックポケットにきれいにおさまるサイズ。防水性もなかなか高く、汗を滝のようにかいても中のお札が濡れることはない。

>> 【サイクリング用にぴったりの財布】 CHUMS Eco Small Wallet (エコスモールウォレット)のインプレッション

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TIMBUK2のカタパルトもRummyに突っ込んでおいた

メッセンジャーバッグの中に、小さいメッセンジャーバッグを入れるというハック。ぺったんこにすればさして容量を食わないし、たいして重くもない。 大きいメッセンジャーバッグで現地を走るには邪魔なので、宿に荷物を置いておいて走りたいこともある。そんなときに小型メッセンジャーが重宝するわけ。

後述するが、帰宅前夜にRummyに不要な荷物をつめこみ、宿から宅急便で自宅に送ってしまえばかなりの軽量化になる。その際の最低限用のバッグとして、カタパルトがあるとちょうどいいのだ。

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長丁場イベントに腕時計は必須

「スマホがあれば時間わかるし、わざわざ腕時計はめるなんてナンセンスっしょ」という意見がある。一理あるのだが、長丁場のサイクリングイベントには腕時計があるほうがゼッタイによい。

イベント中って時刻を知りたい瞬間がわりと多いの。「さっきのエイドからなん分走ったかなー、次のエイドまでは20分くらいかー」って予測するのもできるし、「足切りタイムがあと30分に迫っているから、休憩は短時間にしておこう」って目安にも使える。

サイコンで確認してもいいのだけど、使っているうちに時間が狂ってくるし、いちいちボタン操作するために片手運転になるのも危険。あと、ヒルクライムで疲労の極限状態にあるときは、「サイコンを触るのすら面倒クセェ」ってなる。やはり、腕をチラッと見て時間が確認できるほうが便利。

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なにしろ、山の中とか自然の中では時間を把握するヒントが圧倒的に少ない。いや、ほぼ無いといってよい。時刻がさっぱりわからないと、「オレはいったい何分走り続けているのだ…」となり、無間地獄をさまよっている気分に陥る。そんな精神状態で漕ぎ続けるのは想像以上にツラい。腕時計はしていきましょう。(もちろん、防水性があるもので)

あと、ちょっとしたことだけど、バンドは運動に適したものがベターかなと。汗や水分に弱い皮革製は禁物。ナイロンのようなそのまま丸洗いできるタイプが劣化を気にせず使える。

もうひとつ、デジタル表示よりもサイクリングにはアナログ(針の表示)が適していると思うのは自分だけだろうか?デジタルだといちいち脳内で経過時間を計算させられる気がして、直感的では無い。疲労MAXのヒルクライムでは、とにかく肉体&精神のストレスを最小限におさえよう。

帰宅前のちょっとしたハック

声を大にして言っておくが、100キロを越えるヒルクライムイベント後は、「何もしたくない。スマホを持ち上げることすら面倒。誰か俺を風呂場に運んで体を清め、口元に食事を持ってきてほしい。オレはただ上を向いて横になっていたい」状態になる。体力の有り余った上級者ヒルクライマーならともかく、ふつうのおっさんなら確実にそうなる。

要するに、むちゃくちゃ疲れてダルいんですね。翌日もやはり疲労は残っており、その状態で輪行帰宅しなければならない。前述した荷物をすべて背負って運ぶのは、テンションの高い行きならまだしも、帰りはひたすらに邪魔でしかない。

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/ 行きはともかく、帰りもこの荷物を背負って移動はけっこうシンドい \

そこで、余ったダンボール箱を宿でいただく。輪行バッグや貴重品類以外をRummyにぶち込み、バッグごとダンボールに詰め込んで着払いで自宅へ送ってしまう。これ、帰りの移動が超絶ラクチンになるのでマジでオススメ。

くれぐれも、家の鍵、輪行バッグを詰め込まないよう、ガムテープを貼る際にはダブルチェックをお願いします。疲れ切っているときに作業すると、信じられないイージーミスを犯す可能性がある(笑)。


以上、新幹線等を使って長距離移動し、宿泊込みの輪行をするときの荷物の運び方コツでした。


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長野県と新潟県の県境にある栄村で行われた「グルッとまるごと栄村100キロサイクリング」の続きです。 どんな感じのレースだったか、事細かにレポートしますね。 6時半に会場集合、7時にスタート 5時に起床。イベント当日はやることが多い。荷物の整理、身支度、バイ ...
長野県と新潟県の県境にある栄村で行われた「グルッとまるごと栄村100キロサイクリング」の続きです。

どんな感じのレースだったか、事細かにレポートしますね。

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6時半に会場集合、7時にスタート

5時に起床。イベント当日はやることが多い。荷物の整理、身支度、バイクの取り出しと最終チェック、朝食、チェックアウト…とわりとドタバタするので、気持ち余裕を持った起床時間となる。

6時半前に会場に向かう。宿(トマトの国)から会場のさかえ倶楽部スキー場は5分程度。スタート地点に近い宿であることのメリットがこれ。

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すでに多数の参加者で賑わっている。村長さんの挨拶や地元警察からの交通ルール等の諸注意があり、7時にスタート。400人ほどいるので一斉にスタートはできず、30秒ほど間隔をあけながらの出発となる。レースではないので、焦る必要はない。

序盤は下り基調で快適。ただ、108キロで獲得標高2500メートルなのはわかっているので、この後にハードモードに変わるのは時間の問題。テンションがアガやすい序盤は意図的にセーブして走り、これからの坂に備えておく。

コースの特徴(序盤:0〜30キロ)

そこそこの斜度(7〜8%くらい)が続くけど、淡々と登ることができる程度の斜度が何度も繰り返される。

斜度がマイルドなのと、ひとつひとつの坂の距離が短いため、メンタルに来ないのがありがたい。ツールド妻有との大きな違いがここで、妻有は一つの登りの単位がでかいというか、「かなり登ってかなり下る」地形である。

対する栄村は「登っては下りるを細かく繰り返す」感じなので、疲労が溜まる前に一休みできる。感覚的に、「栄村のほうが1~1.5割ほど脚に優しい」ような気がした。

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エイドステーションが頻繁にあって助かる

公式ステーションの他に、「私設ステーション」と呼ばれる地元の方々による非公式のエイドポイントがいくつも用意されていた。

すべて数えたわけではないが、だいたい10キロに1箇所はあったので、全部で10~11箇所はあったと思う。給水はもちろん、ボトルへの給水、しょっぱいもの(漬物、塩飴、タブレット)、果物(バナナ、スイカ)、甘味(チョコ、キャンデー)が用意されていた。

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/ 素敵な笑顔 \

折り返し地点では蒸したジャガイモもあって、貴重な炭水化物も摂取できた。

ランチはオニギリと唐揚げのお弁当にお茶。疲れた体に染みる味であった。あと、漬物やキュウリ&味噌がうますぎていくらでも食べられてしまった。

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ただ、エイドステーションの充実度はツールド妻有が頭一つ抜けていた印象。

そば、冷汁、豚汁、パエリア、豆腐、笹団子、カレー、桃、グレープフルーツ、オレンジ等、「食事を充実させすぎだろ」ってなった妻有とは違い、エネルギー源になる炭水化物がほぼなかったため、補給食(カロリーメイト小サイズを3個)をバックポケットに忍ばせておいて正解だった。
※過去に参加したことのある人が仲間にいて、事前に「補給食は持っとけ」と教えてくれていた

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/ 手作り感がたまらない \

ただ、私設ステーションの数の多さ、地元の方々のホスピタリティは栄村も引けを取らない。おばあちゃんらと一緒に記念撮影をする参加者も多く、良い風景だった。

中盤から後半にかけて徐々にきつくなる(30〜70キロ)

疲労度のせいかもしれないが、苦しさがだんだん増してくる。小刻みだったアップダウンが気持ち長引く印象。

全行程で最も死にそうになったのが折り返し地点直後で、10~16%以上の斜度が2キロ続く場所。道幅が狭く、蛇行はできない。真っ直ぐに走るしかない。

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瞬間的に斜度16%になるポイントもあり、たまらず足をつく方もチラホラ。頂上まで休む緩斜面もないまま、なんとか歯を食いしばってクリア。

「ここが一番キツイ箇所で、ここ以上の斜度はもうないよ」

と言われ、ちょっとホッとした。その言葉通り、ゴールまでは斜度的には大したことのない7~8%ばかりだった気がする。

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90キロ地点でドシャ降りの夕立に遭遇

ずっと晴天で、ヒリヒリする暑さに苦しめられていたのだが、90キロを過ぎたあたりで突然豪雨が。山の天候は変わりやすいという言葉通り、前触れなく降り始めて面食らう。

レインジャケットは当然ない。どうせ後20キロ未満だし、涼しくてむしろ走りやすいし、ということでそのまま走る。

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/ この後、突然の夕立が… \

ステムに装着したiPhone7が、「あまりにも雨足が強いぞ…防水仕様とはいえ大丈夫か?」って不安になったが、どうしようもなく、そのまま走らざるを得なかった。防水ではないiPhone6を使っている知人は、さっとビニール袋で包んでいた。
※結果的にiPhone7は大雨でも問題なかった。7にしておいてよかったーと思った瞬間である。

ただ、雨足が猛烈に強く、視界が奪われそうになった。豪雨の下りほど危険なものはないので、十分に減速して走る&コーナリング、を繰り返す。

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/ 雲行きが怪しくなってくる… \

2週間ほど前に交換したタイヤ(Aspite Pro アスピーテプロ)の雨天時のグリップ力を期せずして確かめることができたわけだが、期待以上の性能。

パナレーサーRace Evo 3 よりグリップ力があって、安心して下ることができた。アスピーテプロにはウェットモデルもあるが、「自分が使うドライタイプでも十分なグリップだ」と思った。

ゴール直前にダサい落車をしでかす

仲間とずっと一緒に走り続けたので、「ここまで一緒にだったんだから、ゴールラインを揃って通過しよう」ってなり、ウェーイってかんじでノロノロ低速でゴールインしようとした。

そしたら、ゴール20メートル前にあったグレーチング横の溝に隣を走ってた仲間のタイヤがスポッとハマり、右にパタンと倒れて落車。「え?」と思ってペダリングを止めたら、そのタイミングで自分のタイヤも溝にスッポリ入り込んでしまう。「ん?」と下を向いた時にはすでに遅く、気づいたら同じく右に倒れてしまった…。

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/ ゴールイン後に振る舞われたきのこ汁 \

立て続けに2台の落車が発生したわけで、互いにポカンとあっけにとられた。ノロノロだったせいでケガはなし。右腕に擦り傷を作っただけで終わってよかった。このように、ゴールイン直前は安心感から気が緩むものなので、ご注意いただきたい。
※我々のゴールイン後にも、同じポイントで落車する人を目撃した

ゴールしたあとはきのこ汁をいただく。これが抜群に美味しかった。リンゴを煮詰めたモノにヨーグルトをかけたデザートもあって、これもうまし。

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もう一泊して翌日に帰る

若者ならいざ知らず、オッサンは疲労回復に時間がかかる。108キロのヒルクライム直後に新幹線輪行して帰宅、翌日仕事…は無いなってことで、事前に申請した有給で翌日に帰宅する。

あらかじめ取っておいた宿まで、12キロほど走ってたどり着く。部屋に入るやいなや、オッサン全員畳にひっくり返って休憩。

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「スマホ画面をスクロールするのもメンドクセエ…」
「風呂に入りたいけど、そこまで歩くのが億劫…」

ではあったが、なんとか体力を振り絞って温泉に入り、夕飯をいただく。とても豪勢でボリュームも満点で、腹ペコだったのにお腹いっぱいになってしまった。朝食も同じく大満足。すべてが最高に美味しかったです。

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翌日は飯山経由で大宮へ

帰りのルートは津南駅から飯山駅を経由し大宮を目指す、というもの。宿の目と鼻の先にある津南駅から輪行する。

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使わない荷物はダンボールに詰めて宿から自宅に宅急便で送る。こうすることで、帰路の移動がグッと楽になる。

驚いたのが、飯山線の電車本数の少なさ。でもって1両編成であること。8時56分のを逃すと、13時近くまで間が空いてしまう。「絶対に乗り遅れるわけにはいかん」ということで巻きで朝食を食べて身支度を整え、9時前の列車に乗った。

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/ なんだかバスっぽい雰囲気 \


途中、飯山駅で新幹線に乗り換え、大宮へ。12時過ぎには到着できたので、復路は3時間ちょっとかかった計算になる。

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大宮駅からは自走で川口の自宅まで15キロほど走る。全行程の走行距離180キロ。素晴らしい自転車旅となった。またぜひ来年も参加しようと思うが、ツールド妻有の開催時期とわずか2週間ほどの間隔で被ってしまう。さすがに両方参加する予算も時間もないのが悩ましい…。


グルッとまるごと栄村100キロサイクリングの感想まとめ

1 ツールド妻有よりは坂が楽(疲労度もマイルド)
2 地元の方々のホスピタリティが素晴らしい
3 景色も空気も食事もサイコーに美味い

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グルッとまるごと栄村100キロサイクリング実行委員会の皆様、エイドステーションのボランティアの皆様、道中で声援を送ってくださった村の皆様、本当にありがとうございました。
\(^o^)/


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サイクリストは大きく、「ヒルクライム好き派」と「ヒルクライム好きじゃない派」の2種類に分かれるもの。 もともと坂が好きな人はそうはおらず、たいていは後天的に好きになる。自分がヒルクライムに初めて挑戦したのは、最初のバイクを買ったちょうど3年後だった。それも ...
サイクリストは大きく、「ヒルクライム好き派」と「ヒルクライム好きじゃない派」の2種類に分かれるもの。

もともと坂が好きな人はそうはおらず、たいていは後天的に好きになる。自分がヒルクライムに初めて挑戦したのは、最初のバイクを買ったちょうど3年後だった。それも、人に誘われてしぶしぶ…だったことを告白しておく。こんなキッカケがない限り、自発的に峠に行くことはなかなかない。

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※笑顔ではなく、苦悶の表情です

それまでは、「坂をわざわざ登るなんて、なんとまあ物好きというか、体力が有り余ったお方たちなのだろう…」と思い、ひたすら平地専門だった。自分が峠を好きになるなんて、1ミリも想像できなかった。ところが今ではある程度の勾配がないと楽しめなくなってしまっていて、人間って変わるもんですね…。

GCNで、「体力を一切アップしなくても、ヒルクライムが速くなる5つの方法(5 Tips To Climb Faster Without Being Fitter | GCN 's Pro Tips)」が紹介されていたので、翻訳してご紹介しよう。



ヒルクライムは心の持ちよう

いきなり身もふたもない精神論だけど、メンタルの充実は大事。心身共に整っていないのであれば、峠は登らない方がいいと思う。とくに寝不足で山に行くのは自殺行為でしかない。

まあ、充実していても坂は苦しくて辛い。引き返したくなることはしょっちゅう(引き返したことはないけど)で、「ちきしょうめ…」と斜度を呪いながら無心で漕ぐ。どのみち坂はしんどいし、その事実は変わらないので、ならばいっそ受け止めてしまおう。苦しいかな、つらいかな…と心配するのはムダ。だってどうせ苦しくて辛いのだから。

ちなみに、「体力が付けば苦しさが紛れるのではないか。楽に走れるのではないか」と考えるかもしれないが、甘い。そうはならない、ただ「速く登れるようになる」だけだ。何をどうあがいても、体力がいくらつこうとも、ヒルクライムは苦しいものなんだと受け止めてしまえば、辛さも薄まる。心拍、乳酸、痛み、すべてを当然のものとしてしまおう。

ギアの選択を侮らない

精神力がある程度大事とは言え、ギアの選択も大事。根性だけで峠は越せない。プロは最近では軽めのスプロケットを使うことも多く、だったらアマチュアやホリデーライダーが使わない理由はない。

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アルテグラの11-28Tを使ってます

ゴリッ…ゴリ…としかペダリングできてないとしたら、それはギアが重すぎ。体力に自信がないならチェーンリングはコンパクト(50T)にして、スプロケットには最大32Tがあるものを選べば、ゆっくりではあるが激坂を足をつかずに登り切ることができるだろう。

自分は1年ほど前には25Tだったスプロケットをアルテグラの11-28Tに交換したことで、脚力をセーブしながら登ることができるようになった。

>> シチュエーションに合わせてスプロケットを交換するという楽しみ方(ロードバイク編)

>> シチュエーションに合わせてスプロケットを交換するという楽しみ方(ミニベロ編)


25Tしかなかったころは、「こ、このギアでクリアするしかないのか…軽いギアはもう残されていないのか…」と絶望し、激坂が怖かった。

シッティングか?ダンシングか?

どちらが良いかの絶対的な回答はない。なぜなら、その人の体力、コースレイアウト(斜度&距離)、走り方の好みに左右されるからだ。

一般論として言えば、「95%はシッティングで、残りの5%を意識してダンシングするとよい」とのこと。自分の感覚でも同意できる。お尻周りの血流がよくなるし、シッティング時には使えていなかった、違う筋肉を利用できるのでリフレッシュ効果も得られる。


でも、ダンシングって余計にパワーを消費して、結果的に疲労を早めるのでは?


自分もそう考えていた時期があって、その頃はなるべくダンシングしないよう心がけていた。が、「休むダンシング」もある。シッティングしっぱなしで疲労したハムストリングを休ませたいので、わざと立ち上がって回すこともする。


その方法は、ウォークライドの須田さんに実走セミナーで学ばせていただいた。

>> 実走セミナーでプロに指導を受けたら、ダンシングと体重移動が劇的に変化した

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※実演して講義してくださる須田さん


ギアを2段ほど重くして、体重を利用して漕ぐ。足の筋力で踏み降ろすのではなく、ペダルに自重を乗っけるイメージ。10秒ダンシングしてはシッティングに戻り、ちょっと疲れがたまってきたなと感じたらまた立ち上がる・・・を繰り返す。

身体でコレを知れたのは大きかった。 今も登りで必ず意識している。

ヒルクライム上達の近道は「痩せる」こと

ぐうの音も出ない正論だが、ほんとこれ。「軽さは正義」はロードバイク本体だけでなく、体重にも当てはまる。山でもがいているときほど、己の腹の脂肪を呪うことはない。

Global Cycling Network でも過去に実験してたんだけど、荷物なしで登るのと、5キロのバックパックを背負って登ってかかったタイムを比較したら大きな差があった。

ハードなトレーニングですでに低い体脂肪率を実現できている方でない限り、大抵の現代人は痩せる余地があるはず。数キロ落とすことができれば、パワーは同じであれば、確実に速く登れる。 もしくは同じスピードでラクに走れるようになる。高価な軽量パーツを買う必要もなく、コスパは非常に高い。

仮に2キロ体重を落とすだけでもぜんぜん違う。「たかが2キロか」と思うかもしれないが、牛乳パック2本ぶんだ。ジャージのバックポケットに2本牛乳パックを突っ込んで2キロ増し登るの、ぜったい嫌でしょう?体の脂肪がそれだけ減ったら、走りやすくないわけがないのである。

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ペーシング

ヒルクライムレースに初参加した人あるあるは、序盤に張り切り過ぎて、後半にヘタること。アドレナリンが出まくって、ついつい調子に乗ってしまいやすい。

他の速い人に惑わされず、マイペースで回す。人にバンバン抜かれても気にしない。マイペースがどれくらいかわからなければ、「ちょっと楽すぎるかな?」と感じる程度と覚えておくといい。体力は後半半分に温存させておこう。

あと、スタートラインに立つ前まではなるべく体力を温存しておきたいので、スタート会場まで自走で行くのであれば、あまり追い込まないように。時間に余裕を持ってのんびり行けるスケジュールを組みましょう。

視聴者からのアイデア

以上が「体力を一切アップしなくても、ヒルクライムが速くなる5つの方法(5 Tips To Climb Faster Without Being Fitter | GCN 's Pro Tips)」の翻訳紹介でした。

上記以外にも、動画のコメント欄で視聴者が各々のアイデアをシェアしていたので、それも添えておきますね。

軽いバイク(A lighter bike)


定番の対策。高いバイクを買えなくても、ライトを外す、軽量タイヤを使う、ボトルは1本、アウターのチェーンリングを外してインナーだで走る…のも可能。

適切な空気圧(good tire pressure)


何が適切なのか断定は難しいところなんだけど、やや高めにした方がトラクションはかかりやすい。が!山頂は気圧が上がってタイヤがバーストしてしまうこともある。上級者は山頂に到着するやいなや、バルブをチョンチョンと触って少し空気を抜くのだそうな。(自分はやったことない)

自分は山に行くときもそうでないときも空気圧は一定に保っていて、フロント7.0BAR、リア7.3BARにしております。これで問題が起きたことは一度もない。

よく寝る(sleep well)


言わずもがなですね。最低でも6時間を切ってはダメだと思う。できれば7時間。理想は8時間の睡眠。

バイクの整備(maintain bike)


これも当然。山でのトラブルは季節によっては命に関わるし、仲間にも迷惑がかかる。パンク修理キット、予備チューブ、小型ポンプ等は万全に整えておきましょう。

適切な食事(eat with care)


疎かにしやすいですが、当然ですね。

ドラフティング(draft)


斜度が緩い場所では、ヒルクライムであってもドラフティング効果が得られます。

トイレをレース前に済ませる(go to the toilet before you start)


何気に大事。膀胱を軽くするという意味もあるし、尿意を抱えたまま走るのは大きなストレスだから。大きいほうは、なるべく前日にひねり出しておきましょう。


あとは、財力に物を言わせて、電動アシスト付きのロードバイクを投入するのもアリかも(笑)。 

>> ヤマハの電動ロードバイク、「YPJ-R」に試乗してみた(機材紹介編)

>> ヤマハの電動ロードバイク、「YPJ-R」に試乗してみた(ヒルクライム@檜原村)

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※激坂を実業団選手のスピードで登れます(^o^)


自分は目下、アンジェラ・ダックワース氏著の「やり抜く力 GRIT(グリット)」を読みつつ、減量に励んでおります。


以上、皆様の楽しいヒルクライムのお役に立てば幸いです(^o^)


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サイクリストは大きく2種類に分かれる。坂が好きなサイクリストと、平地専門のサイクリストだ。 まあ、大半の人はその中間なので、2種類なんてことはないんですが、ちょっとカッコつけた言い回しをしてみたかっただけです(笑)。 自分はアップダウンはわりと好きなほ ...
サイクリストは大きく2種類に分かれる。坂が好きなサイクリストと、平地専門のサイクリストだ。

まあ、大半の人はその中間なので、2種類なんてことはないんですが、ちょっとカッコつけた言い回しをしてみたかっただけです(笑)。

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自分はアップダウンはわりと好きなほう。スピードはノロノロだけど、坂があるほうが達成感が味わえてモチベーションが上がるタイプ。もともとはヒルクライムのことを「体力を持て余したおバカさん達の戯れ」(←褒めてます)だと思い、長年にわたって平地しか走らなかったんだけど、2013年に初体験してまんまと魅力にハマってしまった。

それから3年、オクサマも2016年からヒルクライムに目覚めまして、奥鬼怒を皮切りに、日光、太平山、物見山を制覇してきた。(全部、小さめの山…)

>> バトンホイールのシェイクダウンを兼ねて、オクサマを太平山(栃木県)に連れて行った

>> 沖縄出身のオクサマ、人生初の気温5度でのライドで85キロ走る

>> サイクリング好きな夫婦&カップルのメリット・デメリット


今回は、茨城県の筑波山に連れて行ってみたお話です。

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埼玉県南部から筑波山は意外に近い

筑波山とは、つくば市北端にある標高877mの山だ。西側の男体山(標高871m)と東側の女体山(標高877m)からなる。勝手に「茨城ってど田舎だし(←失礼)、ものすごく遠くにある」って思い込みがあったんだけど、川口市からの距離は70キロそこそこ。逗子(90キロ)、秩父(90キロ)、宇都宮(100キロ)より近い。がんばれば自走で行って帰ってこれそう。

常磐道の土浦北インターで降り、15キロほどで筑波山の麓に着く。利用したのは平沢遺跡横にある「市営平沢駐車場」だ。無料で利用できる。ありがたいことです。

市営平沢駐車場
〒300-4213 茨城県つくば市平沢

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※こんなかんじのだだっ広い駐車場です


駐車場周辺は少々の民家と田んぼが見えるだけで自販機はない。その駐車場から1キロくらいの距離にセブンイレブンがあるので、飲み物等を調達するならそこですね。

駐車場から400メートルくらいですぐに坂が始まる

筑波山へのルートはたくさんあるみたいなんだけど、自分が知っているの平沢駐車場から登る方法ひとつだけ。

ここを走るのは2回目でして、路面とコースの感想をお伝えしておきますと…

1 道幅が細い

そのくせ車はときどき通過するし、降りてくるサイクリストやジョガー(まれに登山客)もいらっしゃるので、コース全体を使って登ってはダメ。見通しもよくはないので、身勝手な登り方は慎みましょう。

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2 路面がそこそこ荒れている

メンテナンスはあまりされていないようで、あちこちに凸凹がある。登りはさほど気にならないが、スピードが出る下りは細心の注意が必要。雨上がりは枝が落ちていたり、木々に覆われたせいで路面が濡れたままなのでなおさらだ。くれぐれも降りるときはスピードは控えめに。

3 全体的な斜度は激しくはないが、ラストだけ10%になる

距離は短めで、3.5キロほどしかない。本気で追い込めば相当苦しいだろうが、淡々と登れば女性でも大丈夫。オクサマも無事にボードウォークで登りきった。ただ、ラスト100メートルくらいが斜度10%になり、ちとキツイ。(ダンシングでえいやっとクリアできるレベル)

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※職場の仲間と登ったときの写真

4 S字コースで見通しは良くない

コース幅が狭い上にS字がずっとつづくので、初めて登るとペース配分がわかりにくい。オクサマは、「いつ終わるのだ…まだか…まだなのか…このコーナーを越えればきっと終わ…終わ…らないのかよ…くっそ…」と毒づきながら登ったそうな。

ヒルクライムはあらかじめ走る距離を知っておいたほうがいい。知っているだけでペース配分もできるし、精神的にずいぶんとラクになる。

表筑波スカイラインを走る

坂を登りきると、表筑波スカイラインに着く。尾根を適度にアップダウンしながら走れるので、トレーニングにもなるし、ダウンヒルの爽快感も同時に味わえるステキな場所だ。しかも標高が少し高いので、下界よりやや涼しい。片側一車線ではあるものの、交通量も少ないので快適である。

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ただし、走り屋さんのスポットでもあるようで、ロードスター的なスポーツカーや速そうなオートバイがエンジンをウォンウォンさせながら爆走してもいた。後ろから追い抜かれるときはちょっと怖かった。まあ、走るに快適な道路は車、オートバイ、自転車、みんな好きですわな。

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朝日峠展望公園の駐車場でひと休みし、来た道を戻って筑波山ロープウェイ発着場所のあるつつじヶ丘レストハウスを目指す。道中はやはりアップダウンが続き、所々で息が上がりそうになるが、ヒルクライムってほどではない。

スカイライン上には信号はなく、いたって快適。純粋に走ることを楽しめる。スカイラインの端まで来たところで信号に差し掛かる。

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※ここからちょっぴり斜度があがります

信号からつつじヶ丘レストハウスまでが約2キロで、斜度がちょいと上がる。ガーミンを持っていないので正確な斜度は不明だが、体感的に8~9%くらいじゃないでしょうか。ラクではないが、歯をくいしばるほどもでもない。

ループを描く瞬間だけ角度が瞬間的に増し、「うおりゃっ」って回す必要がある。でも、本格的にヒルクライムしている人からしたら、距離もハードさも「ちょい物足りない」のではないかなと。(自分は十分満喫しましたが…)

頂上には休憩スポットがあります

つつじヶ丘レストハウスにはレストラン、飲み物、アイスクリームなどがある。ロープウェイに乗れば、筑波山のてっぺんにいけるようだ。

サイクリスト以外にも車で来る人、登山客がいらっしゃって、なかなか賑やか。サイクルラックも用意されているのがありがたい。

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時代遅れの不可思議な懐メロが駐車場に鳴り響く以外は、申し分のない休憩スポットである(笑)。

風返し峠で山を下るも、さほど快適にあらず

元来た道を帰って駐車場に戻っても良かったのだが、「同じ道を何度も走るのも芸がないよね」ということで、風返し峠経由で降りることにした。初めて走る道だったが、斜度がやや急なのと、路面が荒れているせいで、まったく快適ではない。隆起も何箇所かあって、ガツンとハンドルが跳ね上がりそうになった。

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個人的にはこの道はオススメしない。自分ら以外のサイクリストはまったく見掛けなかったので、あまり人気コースではないようだ。(さもありなん)

オクサマは「むっちゃ走りにくかった…ブレーキをずっと握っていたせいで、手首の感覚がなくなってしまって、途中で(腕の休憩のために)立ち止まらなくてはならなかったよ…」コメントしている。

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ただ、(利用はしなかったけど)温泉施設があったり、(やや寂れてはいたが)筑波グランドホテルという宿泊施設があったので、ちょっとした観光地でもあるようだ。お土産屋さんもいくつか発見した。 

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※でっかい鳥居もあった

筑波山を降りた後は、一般道を走って駐車場へ戻る。ダンプカーやトラックがバンバン走り抜けるので、ちょっと緊張を強いられたけど、まあよくある田舎道ですね。所々にコンビニもあります。

風呂としゃぶしゃぶで締めくくる

というわけで、走行距離はわずか33キロ。サイクリングにしてはかなり短い。


J( 'ー`)し 「たった33キロしか走ってないのかー」

(´・ω・`) 「じゃあ、今日のコースをお代わりして66キロにしたい?」

J( 'ー`)し 「体力的に持たないと思うので、もういいです…」

(´・ω・`) 「わかりました」


ということで、これで筑波山ヒルクライムは終了。土浦市にあるスーパー銭湯「湯楽の里」でひと風呂浴びて、食べ放題のしゃぶしゃぶを食べて帰って来ました。ちなみにオクサマには「ヒルクライムの後は必ず肉を食う」というマイルールがある。高強度の運動の後は、身体がたんぱく質を欲するのだそうな。それは自分もなんとなく理解できる。

二人揃って米は一口も食べず、ひたすら肉→肉→肉→野菜→肉→肉→肉→野菜をエンドレスリピートした。「余は満足である。また連れてこい」とのことで、オクサマ的には筑波山はお気に召したようだ。


最後に、山嫌いだったオクサマがなぜヒルクライムにハマったかを訊いてみたところ、3つの理由を挙げてきた。

オクサマがヒルクライムを好きな理由

1 景色がキレイ(森林浴効果)

木々の中を走るのがリラックス効果が高くてよいとのこと。沿岸線沿いよりは、山間部の方を好む。空気もうまいとかんじるそうな。

2 まるで日帰り旅行に出かけたような満足感がある

ロードバイクツーリングには、「ドライブして、登山して、スキーして、風呂入って、たらふく食べる」がオールインワンセットなので、宿泊をしていないのに「旅行した感」が味わえてしまう。実にコスパの良いレクリエーションなのだ。オクサマもそのことに気がついてしまったようだ。

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3 肉がうまい

普段は魚少々と野菜中心生活のくせに、サイクリング後だけは人格が入れ替わったかのように「肉だ肉!肉もってこい!」と豹変する。怖い。

「寿司はいかがなものか…」とか余計な提案をすると噛みつかれるので、心ゆくまでお肉を食べさせるよう夫の自分は心がけている。

肉にもいろいろあって、しゃぶしゃぶ以外にもハンバーグとかステーキ、焼肉もある。オクサマ的にナンバーワンはあっさりしててたくさん食べられるしゃぶしゃぶだそうです。「野菜も同時に摂取できるのもメリット」ですって。

筑波山は楽しいサイクリングコースであること、サイクリング後のしゃぶしゃぶは美味いという2点を強調して、締めくくろうと思う。



湯楽の里(土浦店)
〒300-0053 茨城県土浦市真鍋新町20-43
TEL:029-825-1526
公式サイト


しゃぶ葉 土浦北店
〒300-0054
茨城県土浦市西真鍋町1-36
029-825-1058 
公式サイト



※娘も登ってみたそうです(^^)

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You Tubeチャンネルもやってます

埼玉県はフラットなので、たまに山に登りたくなる。ヒルクライムでいくのは、秩父、奥多摩のどちらかが多い。比較的アクセスがしやすいのがその理由だが、毎回同じ場所では飽きてしまうので、「3年ぶりにヤビツ峠に行こう!」と考えた。 で、「世界にひとつだけのDAHON」 ...
埼玉県はフラットなので、たまに山に登りたくなる。ヒルクライムでいくのは、秩父、奥多摩のどちらかが多い。比較的アクセスがしやすいのがその理由だが、毎回同じ場所では飽きてしまうので、「3年ぶりにヤビツ峠に行こう!」と考えた。

で、「世界にひとつだけのDAHON」オーナーの津田圭さんをお誘いし、表からヤビツ峠を登ってた。

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※ロードバイクとミニベロという組み合わせで…(汗)

こんな記事にもしていただいた(^^)

ヒルクライム初心者が折りたたみ自転車Tyrell FXでヤビツ峠に挑戦した話(その1準備編)

ヒルクライム初心者が折りたたみ自転車Tyrell FXでヤビツ峠に挑戦した話(その2攻略編)



秦野駅までのアクセスは新宿から

東京、埼玉方面から秦野駅を目指すには新宿からからの小田急線が便利。新宿駅からは約1時間。座れると助かるが、季節と時間帯と目的地による、登山客が多い奥多摩とか秩父方面の電車だと、なかなか座れる機会はない。

秦野駅はわりとこじんまりしており、輪行はしやすい場所。さっと組み立ててスタート地点のコンビニに向かうと、すでに多数のヒルクライマーな方々がたくさん。ここで水分補給、補給食を仕入れておくのがオススメ。ここを過ぎてからは、山頂までコンビニはないし、山頂以降もしばらく補給できる場所がないので。

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名古木交差点のこのセブンイレブンから山頂までは約12キロ。平均勾配は5.6%。3年ぶりなので、どんな緩急だったのか、どのあたりがキツかったのか、記憶が薄らいでいる。

2014年に行ったときの記事

>> ヤビツをロードバイクで軽くねじ伏せてきたった(前編)

>> ヤビツをロードバイクで軽くねじ伏せてきたった(後編)


ということで、ボチボチ出発。

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前半がキツく、後半は淡々と登れる

ヤビツ峠は前半の住宅地がキツイ。実に苦しい。休み所がないまま延々とキツめの斜度が続く。この日は暑かったせいもあって、なおさらしんどかった。

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住宅ゾーンを過ぎてからは、緑の中を走れて影もあるので対案温度はある下がる。あと、斜度もマイルドになるので、淡々と登ることができる。前半がラクで後半キツくなる峠よりも、前半に山場のあるヤビツ峠のほうが登りやすいと感じた。

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昨年登った榛名山では死にそうになったのだが、前半が淡々としてて、後半の神社を過ぎてから突然斜度がグイッと増すので心がくじけそうになる。個人的には、榛名山の苦しさが10だとすると、ヤビツ峠は7であろうか。

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ところどころで一息入れながら、丹沢大山国定公園の駐車場でひと休み。オートバイでのツーリングの方々も多い。

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山頂には自販機があるので、ここで給水は可能

しかし、こういう場所でがスポーツドリンクやミネラルウォーターは売り切れになっていることがっままあるので、あまり期待し過ぎてはいけないだろう。やはり、麓(ふもと)のコンビニで給水はしておくべし。

あと、山頂にはトイレもある。設備的にはややボロく、水が出ないので流せなかった…サーセン。
※小のほうです

まさか大のほうで水が出ないことはないと思うが、小で出なかったのでやや不安。ヤビツ峠のトイレに過度な期待はしてはダメ!というどうでもよいアドバイスです。

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※シャマルミレは登りやすいです

さて、ヤビツ峠の山頂は風光明媚な景色が見えるわけでもなく、あまり長居したくなる場所ではない。よって、我々も早々に下山することにした。

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裏ヤビツは良い景色、ただし路面が荒れる場所もあり

裏ヤビツは表に比べて斜度がマイルドで、そのぶん距離が長い。下山中にも、登ってくる多数のサイクリストとすれ違った。

1キロほど下ったところにある湧き水ポイントで、空になりかけたボトルに給水する。「そのまま飲まないように」と書かれていたが、飲んでしまった・・・。(飲んでからサインに気づいた…)

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まあ、3年前も今回もお腹はなんともなかったので、たぶん大丈夫でしょう。(自己責任でお願いします)

裏ヤビツは斜度も緩めで下りやすい。ただ、路面がところどころで荒れているのと、道幅が広がっては細くなる・・・を繰り返すので、ぶっ飛ばすことのないように。車もフツーにバンバン登ってくるので、かーぶではしっかり減速し、膨らんだ走り方(アウトインアウト的な)はしないように。車にも、他のサイクリストにも迷惑になってしまう。

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昼食は宮ヶ瀬湖なので、そこを目指すのだが、そこまでは下りだけではなく、何度もアップダウンがある。地図を見ると、なんとなく下り基調のような気がして、「ああ、ここから(ヤビツ頂上)からは下るだけだ。よかった…」となるかもだが、そうではない(笑)。

宮ヶ瀬湖はサイクリストが休むのに最適な場所

2016年の暮れに、ウォークライドの須田さんのヒルクライムセミナーを受けた場所でもある。景色が良いので、サイクリスト以外のカップルや親子連れもたくさん。

>> 実走セミナーでプロに指導を受けたら、ダンシングと体重移動が劇的に変化した

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食事する場所、軽食やオヤツ、お土産類を買う場所も揃っており、ちょっとした観光地。ここからゼブラカフェを目指す手もあったが、時間の関係でそれはやめておいた。まだ行けていないのだが、今度の機会までお預けにしておこう。

>> 相模原市にあるカフェ、「ゼブラコーヒー」に行ってみようと思う

宮ヶ瀬湖から府中本町駅を目指す。武蔵野線で輪行し、南浦和まで輪行するため。宮ヶ瀬湖から府中本町駅までは35キロあるが、下り基調なので比較的らくちん。

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秦野駅からヤビツ峠、宮ヶ瀬湖、府中本町駅までちょうど70キロ。距離にするとやや短いが、ヒルクライムをいれたツーリングとしてはちょうどよいかんじ。天気も良く、素晴らしいサイクリング日和であった。

ひとつ学んだこととして、府中には競馬場があり、大きなレースがある日は観客(?)と駅でバッティングすることがある。そうなると大きな荷物を抱えたサイクリストは迷惑な存在になるので、府中本町駅を利用するときは、事前に大きなレースがないか、ちょっと調べておくといいかもしれない。

自分は競馬をしたことがないのでまったく気づいていなかった。駅ナカのカフェで小一時間ほど過ごして競馬客の方々が過ぎるのを待ち、武蔵野線に乗る。

まあ、武蔵野線は比較的いつでも混んでいるイメージがあるが…。

ヤビツ

ということで、ヤビツ峠は楽しいですよ!ただ、産経サイクリストの下記記事もあるので、地元の住人の方々の迷惑にならないよう、節度ある走りを心がけたいものである。

>> クライマーの聖地、ヤビツ峠が走れなくなる? 規制される前にもう一度マナーの確認を (産経サイクリスト)



ロードバイクで山に登る……サイクリスト以外には苦行以外のナニモノでもなく映る行為だ。いや、サイクリストの中にも平地専門な人は多いし、「山は行かない」って決めている人も少なくない。 でもですね…ヒルクライムでないと味わえない快感というものが存在するんです ...
ロードバイクで山に登る……サイクリスト以外には苦行以外のナニモノでもなく映る行為だ。いや、サイクリストの中にも平地専門な人は多いし、「山は行かない」って決めている人も少なくない。

でもですね…ヒルクライムでないと味わえない快感というものが存在するんですよ。坂を登ると、自分の体力の限界をイヤというほどハッキリと思い知らされる。これは、体力がある人もそうでもない人も同じ。 誰にだって限界はあるし、限界がなくなることはない。

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そして思うのだ。「もうちょっとだけ、ラクに登れたらな…」と。自分のようなまったりヒルクライマーからすると、豪脚の主には「あんた、もう十分すぎるほど速いでしょ。それ以上速く走る理由なんてないじゃないすか」と言いたくあるが、それは無粋というもの。

己の限界を超えたいと思う気持ちは年齢、性別、レベルを問わない。ということで、Global Cycling Network の「ヒルクライムをもっとラクにするコツ(Climbing Made Easy)」という動画を翻訳して紹介しよう。



ペースを一定に保つ

出だしは体力があるので、ガッとねじ伏せてやりたい気持ちになるだろうが、まずは落ち着こう。しゃかりになってはダメ。イベント参加でのあるあるなのだが、スタート直後はアドレナリンが出まくっており、つい他の参加者に引っ張られてハイペースで走り、早々にバテてしまう、がある。 

スタート直後にみんなが一斉に飛び出して、おいてけぼりを食らいかけると、「遅れるわけにはいかねえっ!」って衝動に襲われる。しかし、惑わされてはいけない。序盤は意識してゆっくり、リズムを守って軽めにペダリングすること。息が整い、リズムが安定してきたら、徐々にスピードアップしよう。

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小さな坂が連続して現れるコースプロファイルの場合、ペースを上げてアタックし、下りで回復するもよし。ただし、筋肉系の疲労は心肺機能よりも回復しにくく、パワー任せに走ると後半にタレる可能性が大。丘レベルの小さい山を複数上り下りするコースであっても、ペースを守ることが大事。

シッティングか、ダンシングか

どっちが正しいのか、どっちが効率的か、けっこう意見が分かれる部分。ハッキリ言ってしまうと、どっちも悪くないし、どっちも使おう。

好き嫌いがあるし、骨格や筋力の差もあるし、得手不得手があるもの。ダンシングを多用して登るのが好きな人もいるけど、傾向としてはシッティングを好む人の割合が高い。

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ただ、スタートからゴールまで一度も立ち上がらず、シッティングのみで走り切るのはちょっとありえないかなと。ときどきダンシングを織り交ぜることでお尻の血行をよくしたり、足のストレッチをしたり、シッティングでは使わない筋肉を使うことで、疲れた筋肉を休ませることができる。

ダンシングはオラオラと力任せに踏み込むイメージがあるけど、もがかない、筋肉をリフレッシュさせることを目的とした「休むダンシング」もあって、それができるとヒルクライムはグッとラクになる。

以前参加した講習会@宮ヶ瀬湖で学んだので、その時の記事もどうぞ

実走セミナーでプロに指導を受けたら、ダンシングと体重移動が劇的に変化した


あと、斜度が瞬間的にきつくなったときは、あえてダンシングで出力を上げて、サクッとクリアするのもよい。

>> ロードバイクで激坂を上手に走るノウハウ


ギアの選択

どの斜度であれば、フロントはこのギアを選んで、リアはこれを選ぶ…といった法則はない。体力やレベルや疲労度はみんなバラバラなので、人によりけりとしか言えない。

注意したいのは、「初心者サイクリストは、坂でも重めのギアでゆっくり回す傾向が高い」こと。でも、それではすぐに疲れてしまう。

目安としては、ケイデンス80(1分間のクランクの回転数)が初心者でも走りやすく、かつペダリング効率もよい。それ以上のケイデンスで回すには、慣れと練習が必要で、初心者にはちょっとキツイだろう。

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「ケイデンス80とか90とか、いちいち数えられんし、それが計れるサイクルコンピュータもない。自分のケイデンスってどうやって知るの?」

…という方は、ハイテンポな音楽を脳内再生してみよう。童謡の「おさるのかごや」の、エーサッエーサッエッサホイノサッサ、お猿のかごやだホイサッサ…のリズムに合わせて漕げれば、少なくとも低すぎるケイデンスにはならない。 (高めのケイデンスで回そうとすれば、お猿のかごやさえゆっくりに聞こえてしまうが…)

余談だが、「ケイデンスが高い=効率が高いとは科学的には証明できていない」そうな。(へぇー)

坂道は練習あるのみ

ヒルクライムに慣れるには、楽に走れるようになるには、それはもう場数を積むしかない。

平地で負荷を高めれば、それでもヒルクライムの練習になるでしょ?

たしかにその通りで、やらないよりはずっと良い。こないだ「坂がない地域に住んでいる人向けのヒルクライムトレーニング法」という記事にもしたくらいである。

しかし、登りで使う筋肉と平地でのそれはちょっとばかし異なるそうで、となると、やはり山でトレーニングするのが手っ取り早いし確実。

要するに、「効率的で効果的なヒルクライムとは何なのか…」と脳内でいくら考えても答えは出ない。「考えすぎて行動できないんじゃ意味がない。まずはやってみること」が大事。

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1960年代末に結成したファンクバンド、『ファンカデリック(Funkadelic)』は、こんなセリフを残している。

Free your mind, and you ass will follow(心を解放しろ。そうすりゃケツはついてくるものさ)

つべこべ言わずに走る。そして登る。Just Do It の精神だ。

登坂の距離を予め(ざっくりでもいいので)把握しておく

体力とかテクニックとは別次元のメンタル面の話なのだが、なるべく楽にロードバイクでヒルクライムするには「坂道の距離を知っておく」ことがわりと大事。何キロ走るかわからないのに、ペース配分もへったくれもない。それに、人間はなにかしら目標があったほうが頑張れるものだ。

出発前にグーグルマップでチェックするのもいいし、現地でいざ登るぞってタイミングで頂上までの距離を測るのもアリ。というか、これをせずに登るのって、自分ならちょっと躊躇する。初めて予備知識無しで登る坂が辛い理由はコレで、その証拠に同じ坂をもう一度登ると、「あれ?初回より楽だぞ…。体力が上がったわけでもないのに不思議だな」と感じるだろう。人間のメンタルなんてこんなものだったりする。


走り慣れるうちに、きっと山が好きになるはず。何度走ってもぜんぜん楽しくない!という方は…ごめんなさい。平地専門を目指してください…><


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なぜサイクリストの中には、一定数の割合で坂バカが存在するのか。 坂の魅力とはなんなのか。 自分がヒルクライムというものに初めて挑戦したのは、2013年の秋。ダホンのMuを買ってちょうど3年後のことだった。それまでは、ヒルクライムする人を、「わざわざ辛い峠に好き好 ...
なぜサイクリストの中には、一定数の割合で坂バカが存在するのか。 坂の魅力とはなんなのか。

自分がヒルクライムというものに初めて挑戦したのは、2013年の秋。ダホンのMuを買ってちょうど3年後のことだった。それまでは、ヒルクライムする人を、「わざわざ辛い峠に好き好んで出かけて、苦しんで登るなんて…いったいどういう脳みその構造をしているのだろうか。自転車は平坦路を走るのが当たり前だろうに」と首を傾げていたものだった。

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定峰峠、白石峠等の秩父方面の坂に先輩サイクリスト達から誘われ、「えー、どうせつまんないじゃん…なんでわざわざ苦しみに行くのよ…。でも、まあ何事も経験だから1回だけ付き合おう。何か発見があるかもしれない」って割り切って出かけたのだが…。


「むっちゃ面白い!また行きたい!」


ってなった。まず景色が美しい。大自然に囲まれるヒーリング効果。ただただ無心になれるひととき。なによりでかいのが達成感。これが病み付きなのだ。(ヒルクライムをがつまらないと決めつけていたことを、諸先輩方にジャンピング土下座でお詫びしたいキモチ)

で、一度ヒルクライムの魅力に取り憑かれると、今度は「もっと体力をつけたい。あの苦しかった坂をラクラクとねじ伏せたい」という情熱がこみ上げてくる。しかし、あいにく自分が住む埼玉県南部(川口市)には坂がまっったくない。

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※埼玉県南部は基本フラットしかない

周辺の蕨市、戸田市、越谷市、さいたま市、草加市、東京都内、、、ぜんぜん練習できる場所がない。物見山もいいけど、本格的なトレーニングには物足りない。秩父は地味な遠いし、たいていの山は冬は登れないし…。

そんなときに観たのが、Global Cycling Network の「坂が近くにない地域に住んでいるサイクリストはどうやってヒルクライムの練習をすればいいの?(How To Train For Climbs When You Live Nowhere Near Them)」という動画。まさに知りたかったことなので、翻訳してご紹介しよう。



ヒルクライムに求められる力

ヒルクライムとはシンプルな作業の繰り返し。「ハードにペダリングする + 長時間休まず続ける」以上である。

よって、これに似た状況を作ればよい。サーキットを延々と回る、渋滞や信号のない道路で走る、下りやコーナーなど、ペダリングを止める要因をつぶすのだ。

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※頂きが途方もない先になると、心が折れそうになるけどね…

逆時計回りに走る

元プロサイクリストのダンさんは、現役時のトレーニングとして、「1周10キロの周回コースを、”逆時計回り”に走る」ように心がけていた。そうすることで、片方の交差点にだけ注意すればよい状況が作れる。イギリスは日本と同じ左側通行なのでこの方法が当てはまる。アメリカなど、右側通行の地域であれば、時計回りに走ればOK。

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これ、自分も物見山でやっている。交差点での信号に引っかかる回数が少なくて済むので、よりトレーニング効果が高いのだ。

逆時計回り

グラベル(砂利道)を走る

ダンさんが現役時代を振り返って後悔していることがあって、こう語っている。

家の近所にグラベル(未舗装路の砂利道)があったのに、そこをトレーニングに使わなかったんだ。今思うと、現役のころのトレーニングに使えたからもったいなかったね。

信号はないし、交通量も少ないし、さらに、砂利道を走るには舗装路以上のパワーが求められる。山を登るときに求められるパワーに似た状況が作りやすいんだ。

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平坦な田舎に住んでいるサイクリストには参考になるかも。ただ、パンクリスクが高いので、ふつうの23cタイヤのロードバイクでゴリゴリ走るのはオススメしない。パンク耐性が強いタイヤを履かせたシクロクロスとかグラベルロードなら大丈夫。

屋内でのトレーニング

てっとり早く、高い負荷を休みなくかけたいのであれば、屋内トレーニングがベスト。誰にも邪魔されず、一心不乱にもがくことができる。事故の心配はなく、天気も時刻も気にせずできるのもメリット(近所迷惑にならなれればだが)。

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三本ローラーではたいした負荷はかけられないが、それでもギアを重めにしてケイデンスを上げ、スピードを落とさないように維持すれば心肺は鍛えられる。(筋力トレーニングにはあんましならない)

自分がやってるのはこれ。自分はスピードを追求しないまったりヒルクライマーなので、欲しいのは豪脚ではなく、淡々と、しかし確実に大きな峠を越えられる心肺能力。三本ローラーは心肺を鍛えるにはちょうどよい器具である。

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さらに、負荷を変えられるタイプの固定ローラーやZwift とスマートトレーナーを組み合わせれば、勾配を再現してくれるので、実際に山を登っているかのような状況を人工的に作り出せる。

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※さすがに一般家庭にこれを置くのは無理だが…

予算と本気度があるサイクリストは検討してはいかがだろうか。

プラスアルファで負荷を生み出す

平坦路であっても負荷は追加で生み出せる。ブレーキをかけながら走ることでも負荷は生めるが、当然ながらオススメしない。ではどうするか?



向かい風を利用するのである!


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サイクリストに最も嫌われる気体、、、それが向かい風。とくに冬の北風は寒いわ、強いわ、メリットゼロ。しかし、物は考えようで、向かい風に突っ込んでいけば負荷が作れる。

河川敷サイクリングロード等、風を遮る場所で使えそうな方法ではある。

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※ただし、サイクリスト以外の人たちとも共有する場所であることを忘れずに

ただ、これだと自然現象任せになってしまうので、もっと賢い方法はないものか?ということで生まれたのが「AIRhub」というデバイス。プロもトレーニングに取り入れているらしい。

カンタンにいうと、わざと回転性が悪く設計されたハブを使うのだ。スピードを上げなくても、平坦路でも、比較的安全に高負荷のトレーニングができる。 自分は使いたくはない(笑)。

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※サイクリングの楽しさをすべて奪い去る製品なので、そこは覚悟してほしい(^_^;)

理想の負荷とは

科学的に攻めるなら、FTP(functional threshold power = 機能的作業閾値パワー)を意識したトレーニングも導入しよう。

FTPとは、選手が疲労しないで1時間出し続けることができるパワーの最高値です。もう少し分かりやすく言うと、1時間自転車を漕ぎ続け、ゴールした途端、倒れ込んで起き上がれないくらい追い込んだ時に、サイクルコンピューターに記録されている平均出力、それがFTPなのです。

引用元: パワトレの始まり「FTPテスト」 そして目標設定、4カ月後の私は…これだけ強くなる!(産経サイクリスト)


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自身のFTPに対し、83~97%でのトレーニングが最も効果が高いそうな。そこがスイートスポットとなる。FTPが250ワットだとすると、204~240ワットを維持するのがよい。 

トレーニングを続けることでFTPが上がってゆく。これがトレーニングの最大の目的。同じ体重でFTPがアップすれば、より速く登れるという理屈ね。

しかも、ヒルクライムをしているときって、自分自身のスイートスポットのゾーンで走ることになるので、まさにFTPのを意識したトレーニングはヒルクライムにもってこいというわけ。


以上、Global Cycling Network による「坂がない地域に住んでいる人向けのヒルクライムトレーニング法」でした。

仕事で達成感を味わうのって、何気に難しいよね

ちょっと考えてほしいんだけど、仕事で(リアルに)ガッツポーズする機会なんて、数年に1回あるかないか。ひとりだけで完結できる仕事ってなかなかないし、チームワークが必要。 そのぶん、結果が出ても「まあ、自分だけの手柄じゃねーし」って、心の底から喜べないものなのよね。(嬉しくないわけじゃないけど)

かといって独りでできる仕事は限られており、スーパーマンでもない限りでっかいことを単独で達成するのも難しい。

プロアスリートが勝負に勝ってガッツポーズしたり、得点を決めて狂喜乱舞するのを見ると、「あー、オレは仕事であんなガッツポーズしたことないなー、うらやましいなー」って思う。

それが、(レベルは違うけど)ヒルクライムなら数時間で達成感を味わえる。「己の脚力(&精神力)だけで頂きまで登りつめたぞ!」って何かに対してドヤ顔できる。それと、ヒルクライムのよいところは、スピードは関係ないところ。タイムトライアル的に速さを競って登るのもひとつの方法だが、そうではなく、マイペースでいくら時間がかかってもよいから、誰の力も借りずに登りきる。それだけで達成感に包まれる。

スピードを競うレースと異なり、誰でも必ず達成感を味わえる。それがヒルクライムの素晴らしさ。

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※次は足をつかずに子の権現坂を登ったる…


ということで、そろそろ春がやってきます。ヒルクライムに行かれる際はくれぐれも事故のないようお気をつけてお出かけくだされ。



群馬県の山はこれまで登ったことがなかったので、一度ぜひ行きたいと思っていた。 「榛名山に初めてヒルクライムに行くので、恐る恐る事前調査してみた」でも書いたように、群馬県は赤城山、榛名山、妙義山の3つが有名。いわゆる上毛三山(じょうもうさんざん)ですね。その ...
群馬県の山はこれまで登ったことがなかったので、一度ぜひ行きたいと思っていた。

榛名山に初めてヒルクライムに行くので、恐る恐る事前調査してみた」でも書いたように、群馬県は赤城山、榛名山、妙義山の3つが有名。いわゆる上毛三山(じょうもうさんざん)ですね。そのうちのひとつ、榛名山を知人サイクリストと登ってきた。
※調べてから、実際に登るまでに半年もかかってしまった

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榛名山のコースプロファイル情報がほぼない状態で挑んだのだが、聞いた限りでは「序盤が緩やかで、徐々にきつくなり、神社を越えるとかなりの激坂がゴール(榛名湖)まで続く」とのこと。 徐々に斜度がキツくなるのはペース配分が難しく、ヒルクライムにおいてはけっこうな曲者。

無事に登りきれるかどうか、ちょっぴり不安を抱えながら登ったのだが、結論からいうと予想以上にキツかった。

群馬って、大宮からでも意外に近い

高崎駅までは新幹線で行った。大宮駅からはなんとたったの25分。京浜東北線だと、大宮>>赤羽が23分なので、その所要時間の短さに驚かれると思う。自分もビックリした。

ちなみに大宮から高崎までの距離は「70キロ」で、大宮から赤羽までは「20キロ」である。 勝手なイメージで、「輪行で群馬まで行くのか~。遠いな~~、むっさ時間かかりそうだな~」って思っていたのに、この近さ。

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たったの25分なら、指定席を確保するまでもないので、自由席にして(案の定満席だったが)ずっと車両の間に立って過ごしていた。25分なのでべつに苦にもならない。

これなら、関越道で向かうよりも時間が短縮されるし、渋滞に巻き込まれることもないので時間の計算がしやすい。今後、週末の群馬遠征の際は輪行で行こうと思った。(※土日の関越道はたいてい所沢~川越~東松山で渋滞するので)

高崎駅から自走で榛名支所に向かう

生まれて初めて高崎駅で降り立つ。ごく普通な印象。雰囲気は宇都宮駅前をじゃっかんこじんまりさせた感じ。調べてみたら、高崎市の人口は375,396人で、宇都宮市は519,819人だった。うむ、第一印象に相違はなかった。

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高崎市から榛名支所までは距離にして18キロほど。1時間ほどで着く距離だ。しばらく走るとすぐに街を抜け、一気に田舎の風景になる。榛名支所まではほぼ平坦でキツい場面はほぼないんだけど、山に近づいてはいくのでほんの少しだけ登り基調ではある。

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※榛名支所。思っていたより大きい建物だった。

榛名支所からはいきなり登りです

榛名支所はサイクリストに駐車場を無料開放してくれるそうで、とてもありがたい。知人はBMWミニ(コンバーチブル)で来ていたのだが、なんとホイールを外せばフレームがぴったり収まる。フレームの上に毛布をかぶせて、両ホイールを乗せるだけ。

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しかも、コンバーチブルなので荷物の出し入れが超カンタン。(雨天の場合は難儀するだろうが…) 無理をすれば、ロードバイク2台積めそうな気がする。

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※MINIの積載力もあなどれない

支所からはすぐに榛名山に向かえる。いきなり普通に坂が始まって面食らった。序章とかまったりしたイントロとか無いんですね…(笑)。所々で一直線の坂がずーーっと続いているのがメンタル的にしんどい。「えー、あそこまでこの斜度が続くの…?」という気分になってくる。

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ヒルクライムをする方ならわかると思うが、坂は適度に曲がってくれているほうがよい。あまりにもひたすらに直線すぎると、マラソンでいうところの、「あの電信柱を目標にがんばって、またひとつ先の電信柱までがんばって…」メソッドが使えないからだ。

あと、「あのコーナーを曲がれば、ちょっとは斜度が緩やかになっているかも…」という希望が持てるから。(希望通りにならないことがほとんどではあるけどw)

神社から頂上までが一気にキツくなる

ゴールがどこにあるかわからない状態、何キロ走ればいいのかわからないヒルクライムほど苦しいものはないので、ざっくりコース長を書いておきますと、榛名支所から榛名神社までが13キロほど。榛名神社から榛名湖までが5キロ。合計18キロ。ヒルクライムとしては、一般的な長さではないかなと。

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神社そばの公衆トイレで小休止してから頂上を目指したのだが、ここからがキツかった…。ほぼほぼずっと苦しい斜度が続く。ひたすら続く。休みどころはほとんどないっす。

上級者に言わせると、「どこそこのカーブを曲がったところから、どこそこまでがやや平坦なので、そこで息を整えて~」だそうだが、こちとらイッパイイッパイで走っていて、そんなポイント、ついぞお目見えしなかった。

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※ここが神社スポット。ここまででもまあまあキツいですが、さらに一段キツさが増します

神社から榛名湖まではむちゃんこキツいです。よく覚えておいてください。初心者サイクリストとか、人生初のヒルクライムに榛名山はあんまし向かない気がします。

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※登っても登ってもゴールが見えてこない…

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※このつづら折りはいつになったら終わるのか…

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※マジでキツいです

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※途中にご神体もありました。苦しいので眺めている余裕はないです><

榛名湖はコンパクトでとっても美しい

息も絶え絶えに登りきると、そこはもう榛名湖。快晴だったこともあって、湖面にきれいに榛名山が映し出されている。まるで絵ハガキのようにキレイな風景。じつに美しい。

これが榛名富士。たしかにシルエットが富士山っぽい。 標高1,084mに位置しており、中禅寺湖(栃木県日光市)に次いで2番目に高い場所にある湖なのだ。

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>> 中禅寺湖にオクサマと走ったときの記事はこちら

榛名山について、ウィキペディア情報を引用しつつまとめると、なんでも榛名湖はカルデラ湖らしい。カルデラとは、火山の活動によってできた大きな凹地のことで、そこに水が溜まって湖となる。

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周囲をいくつかの山が囲っており、最高峰の掃部ヶ岳(かもんがたけ:標高1,449 m)、烏帽子岳(1,363 m)、鬢櫛山(1,350 m)などが囲んでいる。よーく見ると、けっこう複雑な地形をしているようだ。

せっかくなので湖を一周(6キロ)してみた。湖なので平坦かと思ったら、地味に幾つか登りがあって面食らった。それにしても、榛名湖って静かで閑静な空気に包まれていて、時間がゆっくり流れている気がした。

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榛名湖畔には「県立榛名公園」も併設されている。昭和天皇皇后両陛下の御成婚を記念し、御料地の払い下げを受けて設置された県立公園…であって、なんと大正13年に開設されたそうですよ。

御料林の払い下げってなんじゃらほい?」と思ったので調べてみた。どうやら明治憲法下での皇室所有の森林を指すらしい。現在はすべて国有財産となっているんですって。知らない土地へ行くと、勉強になるなあ。

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※湖畔でBBQしているグループもいた。楽しそうだった。

下りの途中で「三杉屋」で焼きまんじゅうを食べる

榛名神社まで下ったついでに、神社入り口そばにある「三杉屋」で焼きまんじゅうを食べた。200円と良心的な価格。

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まさか食べログ情報はあるまいて…と思って検索したらしっかりありました


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味噌ダレを塗り、何度もひっくり返してじっくり焼いてくれている。てっきりみたらし団子の巨大版かと思って受け取ったら、妙に軽い…。噛んでみたらフワッとした食感。原材料を聞いたら「小麦粉だよ(*^^*)」ですって。つまり、パンに近い触感だった。これはこれで美味しい。
※ただ、お腹は膨れない(^_^;)

道路がキレイなので、下りがむちゃくちゃ快適

たいてい、峠道って舗装が汚かったり、凸凹だったり、穴が塞がっていなかったりするものだけど、榛名山の下りはすんごく快適。路面が全然荒れていないので、榛名支所まで一気に下れた。素晴らしい路面。

この下りだけが味わえただけで、榛名山に来た甲斐があった。 神社からの登りはキツかったけど、とても楽しかったです。 それにしても、なかなか坂が得意にならない…。常に苦しい。「ロードバイク ヒルクライム」の書籍をもっと読むべきなのだろうか。

ただ、ヒルクライム関連の書籍ってそうそう新刊が出ない。まあ、山が早く登れるようになるには近道など存在せず、地道に鍛えるしか無いのだろう。

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以上、榛名山ヒルクライムをお届けしました。今後は寒くなるので、標高的にもしばらくは行けないけど、暖かくなったらぜひ再訪したいオススメの場所です。



前回、ミニベロ(ダホンのMu)でジュニアスプロケットを愛用していた話とそのインプレッションについて書いた。 今回はロードバイク(BOMA の Refale)で使ってきた「12-25T(CS-6800)」と「「11-28T(CS-5800)」のスプロケットの比較について。 無難な「12-25T」をまず ...
前回、ミニベロ(ダホンのMu)でジュニアスプロケットを愛用していた話とそのインプレッションについて書いた。

今回はロードバイク(BOMA の Refale)で使ってきた「12-25T(CS-6800)」と「「11-28T(CS-5800)」のスプロケットの比較について。

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無難な「12-25T」をまずは選択

BOMAは完成車販売をしておらず、すべてフレームから組んでいく方式。2014年1月に購入した当時、デュラエースで組む度胸はなかったので、まずはフル・アルテグラで組むことにした。

トップギアに関しては、豪脚でもないし、レースでぶん回す乗り方もしないので11Tは捨てて、12Tで十分と判断。ローギアは23Tだと(見栄えは良いが)登りがキツい。かといって28Tはサイズが大きくなってルックスがいまいち。そこで中間を取って25Tに落ち着いた。

という思考を経て、人生初ロードバイクは「12-25T(CS-6800)」で始めることに決めた。ちなみにギア比は「12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25」である。

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「12-25T」のインプレッション

トップを12Tにしておいたことは正しい判断だった。12T、13Tですらめったに使わないので、11速は不要だった。エンデューロレース等で、サーキットコースの下りでぶん回して時速50キロを越えると、ようやく12Tを回しきってしまうことがある。

しかし、それもほんの一瞬のことに過ぎない。それ以外のシチュエーションで11Tがほしいと思った瞬間はない。ちなみにBOMAのチェーンリングは「50-34T」のコンパクトクランク。

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※50-34Tのコンパクトクランクです

三本ローラーでけっこうがんばって回しても、トップの12Tを使い切ったことはない。使うのはせいぜい8速(15T)か9速(14T)までで、10速(13T)と11速(12T)は無縁。なお、ふだん三本ローラーを回すときは、時速30~34キロの間で漕いでいる。

ぶん回すというよりは、淡々と回す…程度のペースである。もっと高速でトレーニングする方だと、トップに11Tが欲しくなる可能性はあるね。

ヒルクライムでは、「12-25T」が不満

平地巡航や少々の坂しかない街乗り(埼玉県内&東京都内)ではなんの不満もない「12-25T(CS-6800)」だけど、激坂ではしんどい。登りが得意な方は25Tでも大丈夫らしいが、自分はアップアップ。

1~2時間もの長時間、ひたすら登り続けるヒルクライムでは、筋肉ではなく、ケイデンスを高めにして心肺機能で登る必要がある。さもないとあっという間に疲労が溜まってしまう。

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これまで登った峠は、白石、山伏、定峰等の秩父の山々。その他にもヤビツ、箱根、美ヶ原、奥多摩、物見山、嬬恋、子ノ権現、妻有等を登ってきたが、そのすべての場所で「もう1枚ギア(28T)があれば…」と思っていた。

25Tでなんとか誤魔化しながら登ってはきたが、子ノ権現坂でついにギブアップ。自分の脚力では25Tで子ノ権現無理ということがわかった。

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重すぎるギアで登って筋肉痛に

2015年に参加したツールド妻有の120キロのヒルクライムイベントでも、「28Tがないと身体がボロボロになるぞ」と思い知らされた。走行距離が120キロで、獲得標高が2,600メートルあるツールド妻有は、ほぼ終日登っては降りるをひたすらに繰り返す。

元気な序盤は25Tで問題なくても、70キロを過ぎたあたりで徐々に疲労がたまり、25Tを回すのが苦しくなる。「もうコレ以上軽いギアがないのか…」ってわかった上で登るのって、精神的も辛いし、脚にも来る。

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※終りが見えず、延々と続く坂はペース配分が難しい

とくに長距離のヒルクライムでは、筋肉をなるべく使わずにケイデンスを高めて心肺で登るべきなのだが、それを知っていても軽いギアが選べなければ、重いギアで筋肉をいじめて踏むしかない。

昨年のツールド妻有では、筋肉痛のせいでイベント終了後にホテルの階段を登るのが辛、ペンギンのようによちよち歩きしかできなかった。筋肉痛は翌日も続き、リカバリーで軽く走ることすら無理だった。今年はそれは避けたいと思い、もう1段軽い「11-28T(CS-5800)」を導入しようと決心したわけ。

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28Tのおかげで筋肉痛ナシ!

2016年のツールド妻有の詳細はこちらに書いたので省略するが、結論から述べると、「CS-6800 11-28T(11速)のおかげで筋肉痛がゼロ」。昨年よりもはるかに快適に完走できた。レース後もふつうに歩けたし、筋肉も痛くない。これはハッキリとした差となって現れた。

ツールド妻有での最大の難所のひとつ、ラスト7~8キロあたりで登場する激坂がある。10数%の急な斜面が延々と続き、休みどころがない場所だ。 「坂を登りきったところでカレーライスが振る舞われるあそこ」といえば、参加された方々は「ああ、あのキツいとこね」とピンとくるはず。
※難所だらけなので、どこが最大とは言いにくいが(笑)

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※ココが問題の坂


ツールド妻有における最後の坂とあって、ここにたどり着くまでにかなり消耗しきっている。115キロほど走ってからの激坂は本当にしんどくて、漕げども漕げども進まず、頂は遠く、心臓が口から飛び出しそうになる。

昨年、12-25Tで挑んだときはたまらず足をついてしまい、50メートルほど歩いてしまったのだが、今年は28Tのおかげで(息も絶え絶えではあったが)足をつかずに登り切ることができた。「ありがとう、28T。君のおかげだ…」という感謝の気持ちでいっぱいになった。

いけるところまで25Tでいき、保険として28Tを残しておく走りをすることで、「28Tがオレには残されているんだぜ…使おうと思えば、いつでもシフトダウンできるんだぜ…フフフ」という精神的余裕を持つことができたのは大きかった。

ツールド妻有後も「11-28T」を使い続けることに

イベント終了後は「11-28T(CS-5800)」から、元の「12-25T(CS-6800)」に戻すつもりだったが、いまのとこそのまま。今後も頻繁に坂を登るつもりだし、その都度スプロケットを脱着するのもめんどうなので、当面「11-28T」で過ごしてみることにした。

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なお、「11-28T」と「12-25T」をギア比を比較するとこんな感じ。

11-28T(105)

11-12-13-14-15-17-19-21-23-25-28T

12-25T(アルテグラ)

12-13-14-15-16-17-18-19-21-23-25


11-28T(CS-5800)」には15Tと18Tがないのが殘念なポイントではあるが、今のところ山以外のシチュエーションでも違和感、使いにくさは体感していない。街中や(平地メインの)ツーリングではたして「11-28T(CS-5800)」で支障がないか、「12-25T(CS-6800)」のほうがベターなのか、結論はもう少し検証を重ねてから下そうと思う。
 

サイクリングを始めた6年前(2010年)も、なんなら今もなのだが、「坂を登るときってダンシングとシッティング、どっちが適しているの?」という疑問を持ち続けている。 サイクリストの間でもたまに話題になることはあるものの、もちろん結論は出ない。なぜなら時と場合によ ...
サイクリングを始めた6年前(2010年)も、なんなら今もなのだが、「坂を登るときってダンシングとシッティング、どっちが適しているの?」という疑問を持ち続けている。

サイクリストの間でもたまに話題になることはあるものの、もちろん結論は出ない。なぜなら時と場合によるし、個人の好み、適性もあるし、どちらも組み合わせて使うものだから。それに、どれくらいの距離を何分かけて登るかにも左右される。よって不動の正解はない。

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それは百も承知のうえで、それでも「どっちがベターなのかなあ」というモヤモヤ感は残っていた。

そんなタイミングで見たのがGlobal Cycling Network のこの動画。 「30%の激坂で検証!ダンシングとシッティングがどちらが速く登れるのか」である。撮影場所は坂の多い街で有名なサンフランシスコ。


In The Saddle Vs Out The Saddle: Which Is Better On A 30% Hill?!


斜度が30%!!!

一般的なサイクリストなら、聞いた瞬間に尻込みするレベルだ。足を地面につかずに登りきれる人は相当な健脚と呼べる。子ノ権現阪がマックスで40%だがあくまで部分的の話で、大半は10%後半から20%そこそこ。(自分は子ノ権現でたまらずに地面に足をついてしまった

修善寺にある日本サイクルスポーツセンター(CSC)の坂でも、最大斜度は12%らしい。それを踏まえた上で動画をご覧いただきたい。

チャレンジしたのはサイモンさん。サイモンさん自身、「自分もシッティングとダンシング、どっちが速く登れるのか、試したことがないからわからないよ」と話していた。

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※サイモンさん背後の坂の異常具合いに注目


サンフランシスコがどれくらいの激坂の街かは、この方の記事を読むと一発でわかる。ちょっと引用させていただくと… 
サンフランシスコは坂の多い街です。かつては、登坂には馬車が使用されていたそう。でも過去には、馬が坂で足を滑らせ、馬車が坂の下まで落ちて5頭の馬が死ぬという事故があったのだそうです。

自転車やクルマはもちろんのこと、徒歩ですら滑らないよう、転げ落ちないよう、慎重に歩かねばならない。

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この付近の坂を走る際には、オートマチック車をおススメします。理由は、坂の途中に何度も一時停止サインがあるため。ここでの坂道発進では、AT 車でもかなりの勢いで車が下がります。MT 車での坂道発進は、あまりにアドベンチャーでおススメできません。
引用元:車が消える?…サンフランシスコの坂で、ジェットコースター体験! 


前置きが長くなってしまった。ではサイモンさんのシッティングとダンシングを比較してみる。

まずはシッティングから。 そもそも、シッティングだけで30%の坂を登れてしまうサイモンさんがすごい。さすが第一線で走ってらっしゃった元選手。自分はとてもマネできない。なんと、シッティングだけで登り切ってしまった…。

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※階段(写真左)が用意されるレベルの激坂

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ここでサイモンさんからの「シッティングで登るときのコツ」を紹介すると、”サドルの先端に近い方に座るほうが登りやすい”とのこと。

理由は2つあって、ひとつは体重をペダルに乗せやすくし、ペダリング効率を高めるため。 もうひとつは、体重を後輪にかけすぎて、前輪が浮いてしまうのを防ぐため。15%以下の坂なら前輪が浮き上がることはまずないが、15%を越えると、乗り方によってはウィリー状態になってしまう。30%の激坂なら、なおさら意識する必要がある。

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※かなりサドルの前に座っているのがわかる


あと、ギアチェンジについてもサイモンさんからアドバイスがあった。
ダンシングしながらの変速はしにくい。というか、激坂途中でそれをすると危険だよ。コツとしては、坂を登り切るときに使うであろうギアを最初から選んでおき、そのギアのまま登ること。最初はペダルが軽すぎると感じるかもしれないけど、結局はそのほうが速く&無理なく登ることができる

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しばし休憩を入れて復活してから、2本目はダンシングでおこなった。

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※さすがのサイモンさんも、30%の坂はキツいようだ


で、気になる結果だが、予想通りというべきか、よりトルクをかけられるダンシングのほうが速く登れた。

  • シッティング:30秒
  • ダンシング:24秒

とはいえ、「ダンシングのほうが速いのか。じゃあ、どんな坂でも&いつでもダンシングで登り続ければいいんだ!わーい」と考えてはダメ。なぜならダンシングで力を発揮できるのは短時間だから。

基本はあくまでシッティング。ときどき現れる急なポイントをダンシングでクリアしたり、シッティングとは違う筋肉部位を使って体を休ませたりって感じで組み合わせていただきたい。 まあ、自分はただのオッサンサイクリストなので、きちんとした情報を網羅されたい方はヒルクライム系の書籍&雑誌を読まれることをオススメします。

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2016年のツール・ド・フランスは、クリス・フルームが総合優勝を果たした。 果たした…なんて偉そうに語っているが、スカパーに加入していないのでレースは一切見ていないし、途中経過も追いかけていなかった。レース最終日に知人から「フルームが勝ちましたね」と言われ、 ...
2016年のツール・ド・フランスは、クリス・フルームが総合優勝を果たした。

果たした…なんて偉そうに語っているが、スカパーに加入していないのでレースは一切見ていないし、途中経過も追いかけていなかった。レース最終日に知人から「フルームが勝ちましたね」と言われ、「あ、そうだったんですか」ってマヌケな返答をしたくらい。

さて、レースの勝ち負けにあまり関心のない自分でも興味を持たざるをえないユニークな動画がGlobal Cycling Network からリリースされた。 「ツール・ド・フランス出場選手のようにヒルクライムする方法」というタイトルである。これは観ないわけにはいかないので、翻訳してお届けしよう。


How To Climb Like A Tour De France Contender




ヒルクライムはパワーウェイトレシオで決まる

もうこれがすべて。 速く坂を登るには
  • 出力できるパワーを上げる
  • 体重を減らす
  • バイクを軽くする
のいずれかをするしかない。(全部できれば効果高し)

ツール・ド・フランスに出場する選手のバイクは、UCI規定による6.8キロギリギリに寄せられているのでバイク軽量化はまずありえない。よってパワーアップと体重減に注力することになる。

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出力できるパワーを上げる

強いサイクリストたるもの、パワーは必須。スプリンターであれば5~30秒の短時間に一気に放出できる力が、クラシックレースの選手であればもうちょっと長い1~5分はもがける方がいい。

しかし、ツール・ド・フランスで勝ちたいなら、さらに長時間パワーを出し続けられなければならず、10分から最大で1時間(!)持続できる能力が必要なんですって。これは山岳ステージだけではなく、タイムトライアルでも活きる。 ヒルクライムのステージで同じパワーレベルの選手同士が競い合ったとしたら、体重が軽い選手のほうが速く走れる計算になる。

体重を減らす

パワーアップよりもやや危険が伴う行為が体重を減らすこと。ツール・ド・フランスクラスの選手の体脂肪率はだいたい5%で、もっと絞っている選手もいる。

当然、体脂肪率5%は年間を通じて維持できるようなコンディションではない。彼らは本線に備えて、極限まで「パワーアップ」し、同時に「限界まで痩せる」……という、ボクサー並みのタフなトレーニングを積んで臨んでいることになる。

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ただ体重を減らすのであればわりとカンタンで、食事を減らせばいいだけ。しかし、プロアスリートはことは単純ではない。必要な栄養とカロリーは摂取せねばならないし、摂り過ぎて脂肪として蓄積されてもダメ。その細い道を綱渡りのように歩んでいるのだ。

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パワーウェイトレシオ

では、ツール・ド・フランス出場選手が、いかに「オレは十分なパワーを持ち、無駄な脂肪をそぎ落とせたのか」を判断するか?

ざっくり言うと、「体重1キロあたり、6ワットのパワーを1時間維持できる」ことがツールクラスの選手の条件。
※近代ではさらにパワーアップしている傾向にある。

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たとえば

体重68キロの選手: 410ワット
体重68キロの選手: 480ワット

を1時間キープできる必要がある。

パワーメーターでトレーニングする方であれば、この数字がいかに常軌を逸しているかピンとくるはず。480ワットを1時間維持できる選手はなかなかおらず、よってツール・ド・フランス総合優勝選手に大型選手がいないのだ。

参考値 クリス・フルームの体重 ナイロ・キンタナの体重 マーク・カベンディッシュの体重 ペテル・サガンの体重 なお、「体重1キロごとに6ワット」はあくまで平均値。現実では、疲れの溜まるステージ後半戦でもこのパワーを維持し続けねばならない。つまり、超人的なのパワーと回復力をセットで持つことが、ツール総合優勝には欠かせない。

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先頭集団を走る

レースで勝つには先頭集団の中にいなければならない。自分のような素人は、「ちょっと後ろの集団にいて、ゴール手間で追いつけばいいんじゃないの?」と思うんだけど、後方集団から単独で追いつくのは数回はできてもすべてのレースのあらゆるシチュエーションで行うのは土台無理。

追いつくために費やさねばならないパワーによって徐々に疲労が蓄積され、最終的にタレてしまう。勝つには先頭集団を走ることが絶対条件だ。

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強いチーム(アシスト)がいる

単独で強いだけではツール・ド・フランスのような長丁場を勝つことはできない。強いアシストがいると風よけになって引っ張ってくれて、エースは体力を温存しながら走ることができる。

自分は「山なんてスピード遅いじゃん。風よけなんてあってもなくても変わらんだろ」と失礼千万に考えていたんだが、あのクラスの選手の登るスピードと自分のそれを比べてはならない。十分な意味がある。

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あと、実際にヒルクライムをするとてきめんにわかるけど、一人ぼっちで走るのはペースがつかめずに精神的にも肉体的にもキツい。目の前で牽いてくれる人がいるだけで、一気に楽になるの。

「なんなんだ、この効果は!一人ぼっちが10の労力だとすると、牽いてもらうと8.0~8.5で済むぞ」って驚いたもん。これは経験してみるまではわからなかった。

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※ソロの登りはキツいです…

クリス・フルームとチームスカイがそれがうまくできているよい例。レース前半の山岳ステージでなるべく先頭を維持できるようアシストが引っ張って時間を稼ぎ、その後に控えるスプリントに参加しなくてもよいように導いてくれるとのこと。これは体力温存になるし、落車の危険性もおさえられていいコトずくめ。

ペーシング(ペースを守る)

ツール・ド・フランス選手のようなパワーも体脂肪率も叶えられない我々のような一般サイクリストでもマネできる点がひとつあって、それは「ペースを守って走る」こと。

プロ選手も我々も同じ人間であり、彼らであっても無限のパワーを出力できるわけではない。当然、彼らだって疲労する。プロ選手は通常はペースを守って走り、「パワーアップを維持できる」と判断した場所でのみペースを破る。

周囲に惑わされず、前半で力を使いきってしまわないようマイペースで走ることが、自分にできるとっかかりのようだ。

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あと、個人的なことだけど、腹回りのだらしない贅肉を落とすべく絶賛減量中。

8月28日に越後で開催される「ツールド妻有」に出場するんだけど、このイベントはとにかく山岳が多い。登りと下りしかない120キロで、登りの間中ずっと自分のお腹の脂肪が憎らしくて仕方なかった。

「ツールド妻有2015」に参加したときの記事

【ツールド妻有・参戦記】 新潟で日本の原風景を愛でつつ、魚沼産コシヒカリに舌鼓を打つ ~前編~

【ツールド妻有・参戦記】 新潟で日本の原風景を愛でつつ、魚沼産コシヒカリに舌鼓を打つ ~後編~

ツールド妻有実行委員会に感謝の意を込めて、僭越ながら改善点を申し上げたい


パワーアップすることはあきらめて、少しでも体重を落としてパワーウェイトレシオを改善しようというワケ(笑)。アルミクリンチャーホイールとしては最軽量に近いシャマルミレで走るし、バイクはフルカーボン。コンポはアルテグラなので十分に軽い。思うように登れなくても、バイクのせいにはできない。

やっているのは

  • 朝食: ヨーグルトかフルーツのみ
  • 昼食: 自由に食べてOK
  • 夕飯: 少なめ&炭水化物をほぼカット

の3点。はたして効果は出るのだろうか…。


以上、ツール・ド・フランス出場選手クラスのスピードで山を登る方法をお届けしました。
\(^o^)/

 

馴染みのショップの常連さんらと、物見山で一緒に走ってきた。 昨年にも一度走りに行ったことがあるんだけど、物見山はコンパクトな周回コース型の丘で、トレーニングにはもってこい。 もちろん、トレーニング目的でなくても適度に都会の喧騒から離れてサイクリングを楽し ...
馴染みのショップの常連さんらと、物見山で一緒に走ってきた。

昨年にも一度走りに行ったことがあるんだけど、物見山はコンパクトな周回コース型の丘で、トレーニングにはもってこい。 もちろん、トレーニング目的でなくても適度に都会の喧騒から離れてサイクリングを楽しむ場所としてオススメ。埼玉県民サイクリストの間では、わりかし有名な場所だと思う。

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他のサイクリストさんのブログでも取り上げられている。

貧脚に優しい坂を求めて:物見山を越えてシロクマパンへ

貧脚に優しい坂と噂の物見山に行ってみた

記事タイトルに「貧脚に優しい」とあるが果たしてそうか?と訊かれれば、「たしかにそうですね」と自分も答える。 何キロも延々と登り続けなければならないいわゆるヒルクライムとは違って、周回(ざっと5キロ)をくるくる回るだけだし、斜度もたいしたことはない。初めて上りに挑戦するって人も、物見山であれば安心してトライできるだろう。

今回は、物見山を何周か走り、その後でパン工房シロクマと豆腐レアチーズケーキ屋さんに足を伸ばし、〆に川島町の郷土料理「すったてそば」を食べて帰るというプランで挑んだのである。

改めて、物見山とは

くわしくはウィキペディアを読んでいただくとして、かいつまんで説明すると、物見山とは埼玉県東松山市にある標高135mの小山。山麓一帯を物見山公園として、東松山市が都市公園(総合公園)として整備、公開しているとのこと。 春はつつじの名勝地としても有名だそうだ。 

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※山頂に無料の駐車場があります

日産のキャラバンは自転車を運ぶワンボックスカーとして最強

川口市からだと物見山まで自走してちょうど50キロ前後。行って帰ればちょうど100キロ。周回することと寄り道を考えると140キロになってしまうので、車載輪行で物見山までバイクを運ぶことにした。

使わせてもらったのは、ショップ常連さんのマイカーである日産キャラバン。この車、初めて乗ったんだけど自転車が趣味の人にとったら最強のチョイスかもしれない。
※オートバイが好きな人も、運搬用にキャラバン使っていることがい多いね。

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前輪を外すだけでバイクを固定できるミノウラのスタンドがトランクスペースに3台分用意されているし、外した前輪を固定しておくスタンドまで用意されている。バイクとバイクの間にスペースがあるので接触せず、傷の心配も無用。見た感じはまるで実業団の選手みたい。

後席は超広々で快適すぎる。成人男性が脚を余裕で組めるスペースがあるよ。シートはリクライニング機構も備わっているので、傾けて休むこともできる。言うことなし。 パンダにキッチキチに詰め込んでいる自分とは大違いでちょっぴりうらやましい。

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※中で着替えることもできる広さ

三浦半島にセレナで行ったときは4台積んだんだけど、さすがにトランクはいっぱいになってしまった。

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※キャラバン、イイっす!

まずは定番の反時計回りで

物見山は周回コースなので時計回りでも反時計回りでも走ることが可能。実際に現地を訪れたら、ちょうど半々の割合にバラけていた印象だった。

我々はまずは反時計回りから始めた。左側通行の場合、周回するなら反時計回りのほうが都合が良い。なぜなら、時計回りだと信号で二段階を数か所で強いられ、スローダウンにつながるから。 反時計回りのほうが内側を走るために止められる回数も少なく、スムーズに走れる。

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※反時計回りの登り

それと反時計回りは山頂からスタートして下り区間が長く、スピードに乗って流せるのだ。唯一苦しむのが、下りきった信号から山頂を目指す登り。 いきなりキツ目の斜度が現れるので初体験の方は面食らうかもしれないが、物見山はしょせん標高135メートルの大きめの丘でしかないため、坂はじきに終わる。坂の終わりが見えている。

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よって、心が折れることもないはずだ。 人並みの体力さえあれば老若男女関係なく物見山はクリアできる。貧脚に優しい…はウソではない。

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次に時計回りで

反時計回りに走って山頂の駐車場に着いてから、今度は時計回りに走ってみた。「逆に回ったところでたいした変化はないのでは」との予想は見事に外れた。ただ逆方向に走っているだけなのに、体感するキツさとポイントが違うのだ。

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時計回りに走ると、ずっと緩やかな坂を走らされる気がする。反時計回りでは快適に流していた区間が、まんま坂となってボディブローのように脚にくる。そのかわり、最後の坂はたいしてキツくなく、ふつうに登れる。

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反時計回りで3周、時計回りで2周した結論としては、「反時計回りのほうが快適」だね。もし物見山を周回する機会があったら、ぜひどちらもためしてほしい。

ひとつ注意点だが、時計回りの際は下り坂の途中の砂と砂利が撒かれたゾーンに注意していただきたい。下り終盤のもっともスピードに乗る区間なので、ここでスリップ転倒したらシャレにならない大怪我につながる。

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脚力に差があっても大丈夫

物見山は本格的なヒルクライマーにとっては「物足りない」環境のはず。登りの区間が短いので、力があるサイクリストだとトレーニングにならない。自分くらいのオッサンサイクリストだとちょうどいいかんじ。

あと、物見山の何が良いって、力量の異なる仲間がそれぞれのペースで走ることができる点だ。「11時に駐車場に集合ね」って決めてしまって、あとは時計回り、反時計回り、好きなコースを好きなだけ時間内走れば良い。周回コースのメリットだね。

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シロクマパンは旨さもさることながら、ロケーションが抜群

5周ほど走った後、物見山山頂から8キロ離れた「パン工房シロクマ」まで走ってみた。サイクリストの間では有名なパン屋さんだ。

サイクリストが多数集う場所だけあって、ラックやスタンドも完備。イートインのコーナーもあってくつろげる。予想以上に(いい意味で)へんぴなロケーションでとても気に入った。そしてパンが旨い。そして安い!すごく良心的な価格設定に感激した。

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※びっくりするほど大勢のサイクリストさんらが休まれている


シロクマパンで食事することだけを目的に川口市から越生町まで来る価値はあるね。知人はごぼうパンを「これの評価が高いんですよ!おいしいっ」って語っていたので、今度はごぼうパンを食べてみようと思う。 食べログは3.49点と高評価!  

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店主のブログも見つけたのでリンクを貼っておこう。 

以下、ブログからの引用

土日はサイクリストの皆さんが多くいらっしゃいますが製造で忙しく、あいさつも出来ない事をお許し下さい。自身も自転車でのポタリングをこよなく愛していますがとっても軟弱なサイクリストです(笑)

ですって(*^^*)

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※休憩用デッキからの景色がのどかで良い

豆腐チーズケーキの藤屋にも立ち寄った

パン工房シロクマから1キロも離れていないところに偶然見つけた「藤屋」というお豆腐屋さんにも立ち寄ってみた。「お豆腐のレアチーズケーキ」というメッセージが気になりすぎたから(笑)。

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店内で試食させていただくまでは、 「豆腐でつくったレアチーズケーキ…?美味しくなさそう…」 と半信半疑(←失礼)だったのだが、旨すぎてびっくらこいた。これがもう完全なレアチーズケーキそのもの。豆腐だとは思えないお味。何も言われずに食べたら、豆腐だとは気づけない。

というか、豆腐と知っていても豆腐で出来ているとは思えないほどだった。
※ちなみに豆腐も湯葉も大好きです。「デザートには成らないだろう…」という固定概念を覆してくれた。

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あまりの旨さに1つ買って、隣接されたテーブルで食べさせていただいた。ぜひお土産に買って行きたかったが、さすがにナマモノなので諦めた。ぜひ藤屋の豆腐で冷奴や湯豆腐を食べてみたい。

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※めちゃくちゃ美味しそう


その後は元来た道を引き返し、物見山の頂上の駐車場に戻って、すったてそばを食べて川口市まで戻った。

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物見山、良いですね。車で現地まで行くもよし、川口市、さいたま市から自走で行って帰ってくるもよし、の絶妙な距離。たいした山ではないとはいえ、それなりにはキツいですよ。ヒルクライムで早くなりたい方は、ヒルクライム用の書籍やムックをお読みになることをオススメします。

埼玉県民はもちろん、他府県のサイクリストさんにもおすすめしたい場所である。 

 

自分はダウンヒルが苦手である。 ヒルクライムは(遅いけど)わりと好きなのだが、その後に来る下りですごく緊張する。理由はカンタンで、スピードが出て怖いから(笑)。 スピードに対する恐怖のリミッターが、平均よりかなり低いこともあって、わりと早い段階で「怖い怖 ...
自分はダウンヒルが苦手である。

ヒルクライムは(遅いけど)わりと好きなのだが、その後に来る下りですごく緊張する。理由はカンタンで、スピードが出て怖いから(笑)。

スピードに対する恐怖のリミッターが、平均よりかなり低いこともあって、わりと早い段階で「怖い怖い……ブレーキングしなくちゃ」ってなって、スピードを殺しながら下るのだ。 よって、仲間と走ると確実に待たせてしまうことになる。誠にもって申し訳ない気持ちになるのだが、コケて怪我するのだけはなんとしても避けたいのだ。

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とはいえ、できれば人並みの速度で風を切りながら下ってみたい気持ちもある。が、ダウンヒルの上手なやり方なんてだれも教えてくれないし、本を読んでもいまいちコツがつかめない。 そこで、Global Cycling Network を検索し、役に立つ動画を見つけることができたので翻訳しつつご紹介したい。

How To Descend Faster | GCN's Pro Cycling Tips

限界まで押してみる

いきなり「限界まで押せと言われて驚いたが、自分の限界を知ることは大事。自分に何ができて、何はできないのか、客観的に把握しておくことには意味がある。 しかし、だからといって急坂で無謀な運転はしてはダメ。失敗した場合のリスクがあまりにも大きいからだ。

ではどうやって自分の限界を知るか?それは、「自分よりスキルがあって、速く下ることのできる先輩ライダーの後ろにつく」である。スペースのマージンはしっかり確保しつつ、先輩の動きを観察しながら真似していくわけだ。

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観察するポイントはボディポジション、ブレーキングのタイミング、そしてライン取りの3つだ。 できるだけついていき、「これ以上はもうダメ(怖い、曲がる自信がない等)」と思ったら、追尾を諦めて離れればいい。これを繰り返せば、ダウンヒルのコツがつかめるだろう。

バイク上のポジション

ダウンヒルを効果的かつ素早くするには、身体も心もリラックスしている必要がある。緊張感が高まりすぎていると、その影響は身体にも現れる。ポジションはぎこちなくなり、筋肉は固く収縮してよいことはない。

恐怖感を感じるなら、いったん減速して、深呼吸を数回おこない、身体を弛緩させよう。下ハンドルを握り、肘を軽く曲げ、重心を落とす。このとき、「背中を低くしなければ!」と思う必要はなく、重心を下に持っていく感覚でOKなのだそうだ。

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ブラケットよりも下ハンドルを握るほうがより安全だし、重心も下げることができる。あと、ブラケットだと地面からの急な突き上げ時に指がすっぽぬけてしまうことがあるのを覚えておこう。ブラケットを握って下るのであれば、しっかり指をブラケット全体にかけて、外れないようにしておこう。

視線は前方(進行方向)に

これは自分もついついやってしまうので自戒を込めて書くのだが、下りがヘタな人はつい目の前の地面に視線を落としてしまう。

恐怖心がそうさせているのだと思うが、これはマイナス。 常に進行方向に視線を送ること。不思議なもので、進行方向に身体(とバイク)は向いていくものなのだ。

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※進行方向である、(道路の)色のついた部分に目線を持っていく

それに、進行方向を見るということは、路面の荒れやヒビ、石や砂利等の危険物を回避するのにも役に立つ。 スピードが出るダウンヒルだからこそ、視線は前に据えておく必要がある。

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※前を見ていれば、こんな感じに予測しながら走ることができる

ブレーキとコーナリング

コーナーでのブレーキのコツは、「コーナーに入る前に減速しておき、コーナリング中はなるべくブレーキを握らない」である。ハイスピードでコーナーに突っ込んで、慌ててブレーキをかけるのは危ないし、周囲の迷惑。

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※外側の足はおろして踏んばり、内側は持ち上げて地面との接触を避ける

これも上記の「前方を見る」に繋がるのだが、前を見れていれば予測しながら運転することができる。 なお、ブレーキングの際は前後輪の両方をかける。ただし、フロントブレーキをやや強めに。6:4=前:後が目安。

エアロダイナミックなポジションをとる

スピードが出れば出るほど、エアロダイナミックなポジションには意味がある。プロロードレースでこんなかっこうで走るシーンがあるが、素人はぜったいに真似してはダメ。

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一般ライダーでもできるエアロダイナミックなポジションとしては、腕をしっかりと内側に絞り込んで、頭を下げ、下ハンドルを握って、ペダルは水平に保つ…くらい。

これでも十分にハイスピードで走ることはできるし、これ以上の努力を積み重ねてスピードを追い求めるのは……本職レーサでもない限り、やめておいたほうがいいかもしれない。

このところ、すっかりサイクリングが趣味としてオクサマの生活に定着した。「できることなら毎週でも行きたい」とのたまうほど。 車道があまり好きではないオクサマの定番コースは、荒川CR経由の榎本牧場なのだが、「さすがに毎度毎度では飽きる」とのことで、霞ヶ浦周回を ...
このところ、すっかりサイクリングが趣味としてオクサマの生活に定着した。「できることなら毎週でも行きたい」とのたまうほど。

車道があまり好きではないオクサマの定番コースは、荒川CR経由の榎本牧場なのだが、「さすがに毎度毎度では飽きる」とのことで、霞ヶ浦周回をしてみたりした。 霞ヶ浦も悪くはなかったそうだが、「あまりにも風景に変化がないので連チャンはちょっと…」らしい。

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※強風の中、必死に前に進むオクサマ@霞ヶ浦

秩父に行こうかと思ったが、ボードウォークはフロントシングルなので坂に遭遇したとき立ち往生してしまう危険がある。そもそも、秩父で坂を登らずに長距離走るコースはなかなか見つけにくいしね。

ということで、今回選んだのが宇都宮の森林公園。ジャパンカップの開催場所で有名な場所だ。もちろん、ジャパンカップのコースは走らずに、駐車場として利用させていただく。

走るのは、「小来川周回コース」だ。cyclesports.jp で紹介されていたコースで、アップダウンも控えめとのことだったので、「フロントシングルでも大丈夫だろう」と考えた。

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宇都宮近郊のロード乗りにはおなじみで、朝練でも使われる定番コース。ジャパンカップのスタート&ゴール地点となる宇都宮森林公園駐車場から出発するコースの周回部分は川沿いの涼風が気持ちよく、一周してもすれ違う車が10台程度という田舎道らしい。

コースは56キロなので、霞ヶ浦周回の約半分。サイクリングコースとしてはお手軽に楽しめる印象だ。サイクリング後には温泉に浸かり、餃子を食べるという、まさに「陸海空を制覇する完璧なプラン」である。

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というわけで、ボードウォークとタイレル(Tyrell)のCSI をパンダに積んで行ってきた。

宇都宮森林公園周辺は車が少ない

公園内の開放された無料駐車場にはたくさんサイクリストがいらっしゃった。あと、シニアな方々がトレッキングの準備をする姿も目立った。鹿沼ICから20分ほどしか走っていないのに、すごく静かで緑が豊か。 これだけでオクサマは上機嫌になってくれた。

走りだしてわかったのだが、うれしいことに交通量が少なく、車道ではあるがストレスが少ないのがよかった。 車道に慣れてはいるオクサマであるが、都内のようなクルマがひっきりなしに行き来する環境は「緊張する…」らしい。

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「宇都宮森林公園周辺ならぜんぜん大丈夫!」とのこと。個人的には、秩父とか飯能に似た環境で、適度に人里離れた感が気に入った。

道路がキレイで風景もGOOD

日差しの強い日ではあったが、杉並木の日光例幣使街道(国道121号線)のおかげで、オクサマは「まるで森林浴をしているみたいで気持ちいい」と、これまた喜んでくれた。

少々のアップダウンはあったけれど、緩やかなのでフロントシングルで十分走れるコース。霞ヶ浦とはうってかわって、適度にカーブと上下があるので飽きが来ない。杉並木があったと思えば、次は田園風景が来たり、川のせせらぎが聞こえてきたり、パラグライダーが飛んでいたり、実に楽しい。

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あと、オクサマの評価が高かったのが道路の舗装がキレイであること。彼女は割れた路面、荒れたアスファルトのあるコースを「お尻が痛むから」と極端にいやがるのだが、小来川周回コースは全体的に舗装が整っていて、ひやっとするような穴ぼこやクラックはほぼゼロに近かった。

そのおかげで、ダウンヒルは快適に下ることができたのだ。 田舎道を走るときは、どうしても舗装が荒れていたり、修理が追いついていないことが多いのだが、これも自転車の街、宇都宮の底力なのだろうか。

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※路面がとてもキレイです

コンビニはおろか、自販機さえもない田舎

これはメリットでもあり、デメリットでもあるが、小来川周回コースにはコンビニが1つもない。自販機は数える程度。 コンビニは森林公園の駐車場からおりたところにある田野町交差点のセブン-イレブンのみ。ここで飲み物と補給食は用意しておこう。

ちょうど半周したあたりに黒川神社があるが、そこに自動販売機はある。飲み物はここで補給しておくことをオススメする。それ以降は15キロほど補給箇所はない。あと、公衆トイレも黒川神社のそばにあるので、ここを利用しておくのが良いだろう。(男性は最終的には茂みで済ませることもできるが、女性はそうもいかない)

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※ここにだけ自販機があります

 ちなみに「56キロだから補給食はなくても大丈夫」と言ってでかけたのだが、あとで少々後悔することになった。(オクサマは1個ソイジョイを持っていたが、自分はラスト5キロで腹がグーグー鳴っていた…危なかった)

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オクサマ、山で息絶える

日光小来川オートキャンプ場までは適度なアップダウンしかなく、オクサマも上機嫌で走っていたのだが、日光小来川オートキャンプ場を過ぎてすぐに現れた登りで息絶えてしまった。

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※ついに足をつく…

自分もオクサマの脚にあわせてフロントアウター縛りで走っていたのだが、たしかに「こりゃ、インナーないときっついわ」な斜度だった。体感で、8~9%だっただろうか。オクサマは途中で2回ほど、「もうダメだ」と足をつき、数分休んで息を整えることに。

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※「この坂、いつまで続くの…」 「わかりません…」

気温が高かったこともあり、この坂でけっこうな水分を消費してしまった。「黒川神社で給水しておいてよかった」と心底思った。 オクサマは急坂にもめげず、降りて歩くこともせず、なんとか自力で登り切った。

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※12-25Tのスプロケット(28があったほうが良かったか…)

その後のダウンヒルは快適で、「もう登りはないのかな?ないといいな」と願っていたのだが、そうは問屋が卸さない。ウィングフィールドゴルフ倶楽部へのアプローチが再びそこそこの斜度で、やはりここでもオクサマは息絶えてしまった。

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※オクサマは二度死ぬ

自分も、フロントアウター縛りで登るのはけっこうキツかった。ただ、距離は短かったので、途中で1回足をつくだけでオクサマも登り切ってくれた。 「ボードウォーク、ぜひともフロントダブル化しておいて…!」という彼女の叫びをしかと受け止め、近日中にダブル化する予定。

そのあいだ、この本でも読ませようかな…

自転車で100kmをラクに走る ~ロードバイクでもっと距離を伸ばしたい人に


腕も痛くなるので、ブルホーン化も同時に行う決心をした

オクサマのボードウォークのハンドルはストレートのバーハンドル。エルゴン形状&バーエンドのグリップも備え、出来る限りの対策は施してあるものの、「長距離走ると、腕がしびれる」と訴える。 酷いときは、二の腕から手首まで全体的にしびれるそうな。

ドロップハンドルのタイレル(Tyrell)のCSI だと持ち手を複数選べるので腕に疲れが溜まりにくいのだが、バーハンドルはそこが弱点。

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そこで、フロントダブルに合わせてブルホーンに交換することにした。ちょうどMuで使っていたブルホーンバーとバーコントローラーが余っていたので、そのまま流用することに。これならコストもおさえることができる。

ただおみ温泉&マサシの餃子で有終の美を締めくくる

サイクリング後はただおみ温泉(源泉掛け流し)に立ち寄って、綺麗さっぱりしてから餃子を食べに行った。ただおみ温泉は宇都宮ICからクルマで5分。アクセスが最強にいいのでお気に入りである。

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そして餃子はもちろん正嗣(駒生店)である。リンク先は食べログだが、3.52点。ここは自分が10年以上通う餃子屋さん。あちこち食べて回って、我々夫婦が下した結論は「正嗣 駒生店こそ最強!」である。

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※何度食べても飽きが来ない、素晴らしい餃子

自分は別にグルメでも食べ歩きが趣味でもないのだが、正嗣より美味しいと思う餃子屋さんに出会ったことがない。いつ来ても、大勢のお客さんで賑わっている。

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※家の近所にあったら毎週でも行きたい

アルコール類は置いてなく、餃子(焼きと水)とご飯だけ。それ以外にメニューはない。だが、それでいい。見た目は何の変哲もない、ただの餃子。奇をてらった具が入っているわけでもない。つけダレが珍しいわけでもない。ただたた直球ど真ん中勝負の餃子だ。

宇都宮餃子のAmazonで検索する
と、 すごくたくさんHITする。自分がよくやるのは、実家に帰省するときにマサシの冷凍ギョウザを実家を配送先にして、100個くらいオーダーするパターン。で、それを水餃子にして家族全員にふるまう。

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注文するのは決まって、「焼き2人前、水一人前、ご飯大盛り」だ。ノーマルのご飯はやや量が少ないので、餃子三人前注文するなら大盛りを選んでちょうどよい。 あえて個人的な要望を言わせてもらえば、「正嗣の揚げ餃子」をぜひ味わってみたいものだ。それ以外にリクエストはない。いまのままの正嗣であり続けてほしい。


サイクリング >> 源泉掛け流し温泉 >> 正嗣の餃子というパーフェクトなプランにオクサマも「でかした!」とお褒めの言葉をかけてくださった。

宇都宮餃子公式ガイドブック



さて、次はどこにでかけようか…。 

近々、ヒルクライム好きの知人と、群馬県にある「榛名山(リンク先はウィキペディア)」に行くことになった。もちろん、ヒルクライムである。 何人かの仲間同士で、速さを競わず、ワイワイと登るだけではあるが、榛名山は初体験なので、予備知識無しで行くのはなんとなく怖 ...

近々、ヒルクライム好きの知人と、群馬県にある「榛名山(リンク先はウィキペディア)」に行くことになった。もちろん、ヒルクライムである。

何人かの仲間同士で、速さを競わず、ワイワイと登るだけではあるが、榛名山は初体験なので、予備知識無しで行くのはなんとなく怖い。


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※松本市から美ヶ原高原を、何の情報もなしに登ったときは、マジで死ぬかと思ったね…


榛名山といえば、「榛名山ヒルクライムin高崎」(通称ハルヒル)が有名で、なんと5,000人もエントリーするんですって。富士ヒルクライムには及ばないが、ヒルクライムレースとしてはかなり規模が大きい。


そんな山に、なんの予備知識も持たずに挑戦するのは命知らずな行為。ということで、榛名山のヒルクライムについて、いろいろ調べてみた。榛名山に行こうかな~どうしようかな~と悩んでいる方のお役に立てばこれ幸い。

榛名山とは

ウィキペディア情報をサイクリスト的にまとめると、こんなかんじ。

  1. 群馬県にある上毛三山(じょうもうさんざん)のひとつ。※残り2つは赤城山と妙義山
  2. 山頂にはカルデラ湖である「榛名湖」と、中央火口丘の榛名富士溶岩ドームがある。
  3. 榛名山周辺には伊香保温泉をはじめ各種の温泉が出ている。
  4. 中腹の展望台からの眺めが良く、渋川市を一望できる。



ただ、ウィキペディアには肝心の斜度情報がない。(当然だ)

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※前橋市、高崎市の左上のほうにある山です。



ということで、ハルヒルの大会要項ページをチェックしたら、コースごとの平均斜度が書かれていた。


  1. 榛名湖コース  総距離16.1km (計測距離14.7km・平均斜度6.0 %)
  2. 榛名神社コース 総距離11.6km (計測距離11.4km・平均斜度5.21%)
  3. 初心者コース  総距離6.7km  (計測距離6.5km ・平均斜度4.64%)



ふむ、平均斜度6%なら楽勝じゃね?」と思ったのであれば、考えが甘いか、相当な脚の持ち主だ。


ハルヒルのコースマップを見ると、なんと、後半(神社を越えて)からがきつくなっている。当たり前だが、ヒルクライムは後半になればなるほどキツいスポーツ。よって、このコースプロファイルはなかなか厳しいということがわかる。


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※榛名湖という湖が頂上にあるようだ。榛名湖で画像検索すると、すごくキレイな写真がいっぱい!


しかも、一緒に行く榛名山経験者によれば、「平坦区間もあるし、序盤はアップダウンがあります」とのこと。


この言葉をよく解釈すれば「休める区間がある」だし、悪く解釈すれば、「ってことは、平均6%って斜度は当てにならん…(楽をしたぶん、どっかで借金を返すことになる)」である。


なお、榛名神社~ゴール区間の3kmの平均勾配は「9.7%」だ。個人的感覚だと、8%を越えるとキツい。10%以上は息も絶え絶えである。


ルートラボで公開されている榛名山ヒルクライムin高崎の全行程を見ても、前半と後半で明らかにキツさが変わる。


詳細なレポートを書かれていらっしゃる方のブログがあったので、参考として貼っておく。(すごく詳細な情報で助かる)


やはり、後半に苦しむことになりそうだ…。


youtubeで「榛名山 ヒルクライム」で検索すると、それはそれはたくさん動画がヒットする。


この動画を見てたら、序盤で落車が起きて、ビビった。一瞬、時速40キロ以上出てたけど、こうやら一時的に下り区間があったようだ。それにしても、本気のクライマーの選手らはすごいスピードで走られるんですね…。


ミニベロやクロスバイクで出場している出場者もいらっしゃった。すごいなあ。


このように、登りに行く山を事前に映像でチェックしておくのは良いと思う。「あぁ、こういう感じの坂と景色なのか」と知っているかいないかだけで、気分的にずいぶん変わるものだ。


あと、個人的にぜったいオススメしたいのが、「坂の距離を知ったうえで走る!」こと。ゴールの見えないマラソンは頑張れないのと同じで、頂上が何キロ地点なのかわからないままではペース配分もできないし、心が折れる。


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※ヒルクライム経験者は首がちぎれるくらい頷いてくれると思うけど、「キツかった山も、ようやく終わりか!?」と思った直後に、延々と道が続いていると、「殺して…いますぐ殺して…」って思うよ(笑)


あと、ヒルクライムの「ラスト2キロ」が、えげつなく長い。平地の2キロはあっという間だが、登坂で2キロ走るのって、けっこう時間がかかるし、体力も消耗するので、距離が短いからって侮るのは厳禁です(笑)。

皆さまは、「右カーブと、左カーブってどっちがどっち」って、とっさに答えられるだろうか? いきなり答えを書くけど、自分から見て右に曲がっていくのが、「右カーブ」。左に曲がっていくのが「左カーブ」だ。 ※つまり、これは右カーブ 文字にすると当たり前なんだけど ...

皆さまは、「右カーブと、左カーブってどっちがどっち」って、とっさに答えられるだろうか?

いきなり答えを書くけど、自分から見て右に曲がっていくのが、「右カーブ」。左に曲がっていくのが「左カーブ」だ。


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※つまり、これは右カーブ


文字にすると当たり前なんだけど、突然、「次、右カーブだよ」ってダウンヒル中に言われたら、「え、右に曲がるの?それとも左?どっちだっけ!?」って焦りはしないだろうか。自分はなってしまうかもしれない。


そんなわけで、今回は安全にダウンヒルするための自分なりの心がけについて書くが、その前に左カーブと右カーブの特長について。


左カーブと右カーブの特長

左カーブの場合

対向車線は狭く見えて、手前の走行車線は広く見える。よって、視点は自分が走る走行車線に向かいがちになり、イン側へとハンドルを切ってしまいやすくなるそうだ。もちろん、スピードを出し過ぎると遠心力でセンターラインへと吸い寄せられてしまう。


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右カーブの場合

上記の逆で、対向車線が広く見えて、自分の走行車線は狭く見える。視線は対向車線に向いてしまいやすく、ハンドルも対向車線側に切りやすくなり、センターラインに近づいてしまったり、最悪踏み越えてしまう。


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べつにどちらがより安全などという話ではなく、どちらも注意を要する。ただ、人間の無意識の傾向を知っておいて損はないだろう。また、人によって「左カーブより、右カーブが苦手(もしくはその逆)」という苦手意識もあったりするようだ。


このあたりは、脳内でイメージしていただくと「うんうん」とわかっていただけると思う。



次に、ダウンヒル時の自分なりの心がけ。

ダウンヒルでは殿(しんがり)を走る

自分は登りをゼエゼエ言いながら走るのはわりと好きなんだけど、下りは怖いので苦手。


下りでトレインを組んですっ飛んでいくグループを見るたびに、「だ、大丈夫ですか、そのスピードで…。もし何かあったら確実に大怪我ですけど…」と心のなかでヒヤヒヤしている。


ローディ仲間らとヒルクライムに行くと、たいてい下りでものすごく距離を開けられてしまい、下りきった場所で仲間を待たせてしまう。非常に申し訳ない気分になるのだが、こればかりはどうしようもない。


どうせ遅くしか走れないので、割りきって殿(しんがり=最後尾)を走るようにしている。そうすれば、自分の後ろに迷惑をかけないで済むからだ。(少々待たせてしまうけど…)


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とにかく事故だけはしたくない。だから、路面を(砂や石がないか)しっかり観察し、グレーチングや橋などの継ぎ目の段差手前ではスピードダウンしてお尻を浮かせ、穴ぼこがあれば余裕を持って避けられるスピードで巡航するように心がけている。


とくに、初めて走る峠であればなおさら慎重になる。次のカーブがどの程度の角度なのか、路面は濡れていないか、荒れていないか?など、いくつもの不確定要素が重なって、怖くなってしまうのだ。


スピードに対する免疫がない

じつは「スピードに対する免疫のなさ」は生来のもので、車を運転するときもなるべくスピードは控えめにして、追い越し車線はなるべく走らない(追い越し車線にいると、それだけでドキドキしてしまう)。


高速道路をチンタラ走っていると、家族には、「もっとスピード出しなよ、軽自動車にも追い抜かれているよ」と文句を言われる。それでも、頑なにスピードは出さない。これはたぶん生涯変えられないと思う。


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きっと、スピードによる恐怖心の沸点が、平均よりかなり低いのだ。ダウンヒル中は、「もしたった今、急停車せねばならなくなったら、どうすればよいだろうか」なんてことを考えながら下っているので、そりゃあもう遅い遅い。でも、安全のためには譲れないのだ(笑)。


余談だが、実家にはプレイステーションの『グランツーリスモ』というゲームがあるんだけど、自分はまったく楽しめない。


だって、車同士がドッカンドッカンぶつかったり、コースアウトして壁に激突したりするんですもの。心臓に悪いので、こういうゲームには手を出さないことにしている。


個人的には右カーブが苦手(理由はうまく説明できない)

もしもズルっとタイヤが滑ったとき、右に倒れてしまうわけだが、とっさに右足のクリートを外せるか、あまり自信がない。というのも、クリートを外すのは常に左って習慣づけられているから……かもしれない。


走るのは左カーブのほうがしやすいけど、スピードは右カーブよりも控えめだ。なぜなら、左カーブは見通しが悪いから。カーブの先に何があるかわからないから、かなり慎重になる。逆に右カーブは自分のコースの見通しがよいので、その点はやや安心。


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個人的に厳禁なのが、ショートカット(アウト・イン・アウト)で走る行為。キツいカーブもラクに曲がれはするが、対向車線から車がはみ出してきたら、こちらの命はない。


スピードがつい出てしまう見通しの良い、綺麗な路面を気持よく下っていると、ショートカットの誘惑に駆られてしまうが、安全のためにはしないほうがよい。


殿は事故れない

いつも殿(しんがり)を走ってて痛感させられていることは、「仮に自分が落車したら、前を走る仲間は絶対に気づいてくれないだろうな」ってこと。

下っている間は誰しも自分のことで精一杯だし、後ろへの意識はどうしたって希薄になる。それは仕方がない。だからこそ、最後尾を走る自分は何がなんでも無事に下らなければならないのだ。


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徐々に気温は暖かくなってはいるものの、冬山はまだ路面が凍結しているかもしれないし、雪解けのために濡れているかもしれない。落ち葉もまだ路面に残っている場所もあるだろう。


くれぐれもダウンヒルは安全運転で、サイクリングをお楽しみいただきたい。

『ツールド妻有』の体験がとても素晴らしかったので、2回にわけてレポートしています。今回はその後編。>>前編はこちら前編では「会場に行くまで」、「宿の確保」、「天候にあわせた準備」、「補給食の美味さ」について書いたんだけど、今回はイベント中に感じたこと&イベン ...

ツールド妻有』の体験がとても素晴らしかったので、2回にわけてレポートしています。今回はその後編。


>>前編はこちら




前編では「会場に行くまで」、「宿の確保」、「天候にあわせた準備」、「補給食の美味さ」について書いたんだけど、今回はイベント中に感じたこと&イベント後のお話です。

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※全員が支給されるお揃いのジャージを着て走る。一体感がスゴイが、道中で知り合いを見つけにくくなる(笑)


ボトルは1本でOK

真夏の120キロのライドだと、水分補給が心配だが、ツールド妻有に限って言えばボトルは1本でOK。エイドステーションで水、スポーツドリンクをいくらでも補充してもらえるからだ。



エイドステーションの間隔は長くても14キロほどなので、1本あれば十分に持つ。ヒルクライムなので、2本持つと重量増になってしまうしね。



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走行中は、周囲と積極的にコミュニケーション&意思表示を

いくらバラけて走るといっても、1,000人規模のイベントとなると前後に人は常にいるし、ひんぱんに抜いたり抜かれたりする。



人を抜くときは「右通りまーす」とか、車が前後から来たら「車!」って周囲に警告したり、路肩をあるくお婆さんがいたら、ハンドサインで後続に伝える、といったことはせねばならない。



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公道を閉鎖しているわけではなく、人も車も普通に生活されている中を走らせていただくイベントなのだ。こちらは地元の道をお借りさせていただいている身分なので、感謝と礼儀を持って走らねばならない。


下りはくれぐれも安全運転で

あと、ツールド妻有はヒルクライムイベントなので、ダウンヒルもたくさんある。直線だったり、ワインディングだったり、見通しが良かったり、悪かったり、様々なシチュエーションを走るんだけど、やはり下りは事故が起きやすい。



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自分は目撃しなかったが、「下りで事故があった」と他の参加者が話しているのを耳にした。



あまりの気持ちよさについついスピードを出したくなるが、ダウンヒルでは飛ばしすぎず、自分の力量を越えた走りをしないようにしよう。大規模になればなるほど、サポートカーへの伝達や救急車の到着も遅れるだろうしね。



あと、雪国であるせいかもしれないが、路面が荒れている箇所もまずまずあった。くぼみでガツンときて、ブラケットを持った指がスッポ抜けそうになったことも数回あったしね。初めて走る道は路面の予測ができないので、ご自身のスキルを過信しすぎないようにしていただきたい。

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※えげつない斜度を登るということは、その後えげつないダウンヒルをすることを意味する


運営者とボランティアの方々のホスピタリティにうるっとくる

走行中に地元の人達が声援を送ってくれるんだけど、それがすごくウレシイよ」と聞いていたとおり、街中の方々が沿道で「がんばれ~」と手を振ってくれた。


Cheer

※ ツールド妻有公式サイトより引用


地元のおじいちゃん、おばあちゃん、小さな子どもたちが笑顔で見守りながら応援してくださる姿を見せてくれると、こちらも「ありがとうございます~!」、「おはようございまーす!」と喋りながら走ってしまうね(笑)。



道を占拠して走っている立場の我々を、このように暖かく迎え入れてくれるホスピタリティがありがたかった。



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坂道で苦しんでいるところを背中を叩いて励ましてくれたり、ブンブンと旗を振ってくださるパワフルなオバサマたちもいらっしゃった(笑)。



ツールド妻有は9年目で、サイクルイベントとしては歴史があるほうだが、これもきっと運営事務局の尽力の賜物のはず。イベントを1回だけやることはできても、毎年開催してしかも成長させていくのは相当な努力が必要だからね。

Chindonya

※ 盛り上げ役のちんどん屋さん。場所を移動しながらずっと応援してくれていた。(ツールド妻有公式サイトより引用)


イベント終了後、もう1泊する手もある

レースのスタートとゴールは「ミオンなかさと」という温泉宿泊施設だったんだけど、レース終了後はここに泊まることにした。この判断は正解だった。



なぜなら、7時20分に走りだし、16時20分ゴールの9時間を走り終わったあとは、疲労で1ミリも動きたくなくなる。そのまま会場横にあるミオンなかさとになだれ込み、温泉に使って生き返ることができた。



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ほとんどの参加者はイベント終了後にバラバラに帰っていくのだが、ローディ先輩と自分は有給を使ってミオンなかさとに宿泊した。お互いおっさんなので、「翌日は仕事にならないだろう…」という先見の明である(笑)。



ミオンなかさとは田園に囲まれ、すぐそばには信濃川の流れる開放感のあるロケーション。泉質は弱アルカリ性の単純温泉。湯船も露天も広々としていて、開放的なロケーションなので身も心も休まった。夕飯前、夕飯後、翌朝の朝食前の3回も入ってしまった。お食事は朝も夜も和食だったが、どちらも美味しかった。



埼玉に戻る途中で、「道の駅 南魚沼 雪あかり」に立ち寄ってお土産を購入。地元で採れた野菜と魚沼産コシヒカリ、お漬物やジャム、ヨーグルト、お菓子などなど販売されていた。食事できるスペースもあったよ。公式サイトには紹介動画もあったよ。


バイクは入念に洗い、注油しよう

今回のイベントは濡れた路面も多少走ったので、バイクがものすごく汚れた。


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ディレーラーとキャリパーブレーキには砂がびっしり入ってしまったし、タイヤを外し、水洗いで砂を完全に落とし、水分や埃をエアダスターで吹き飛ばして自然乾燥。その後、駆動部分にグリスを注油してピカピカに戻した。


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ひとつ驚いたのが、シャマルミレのホイールの汚れがすごく少なかったこと。あんなにも濡れた路面を走ったのに、ブレーキシューの黒みがないし、洗浄しても汚れがほとんど出ない。


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これがプラズマ電解酸化処理のおかげかどうかは分からないが、そういえばブレーキングは120キロの道中で常に思うように効いてくれて、不安を感じさせるシーンは一度もなかった。



シャマルミレのヒルクライム&ダウンヒルのインプレッションは別の機会に書くので、しばしお待ちを。




ツールド妻有の関係者のみなさま、本当にありがとうございました! 来年も参加させていただく予定です。m(_ _)m

新潟県の妻有地方で開催された『ツールド妻有』に参加してきた。勤務先のローディ先輩はこれまで8回参加していて、事あるごとに「ツールド妻有はいいよ!まず景色がいい、エイドステーションの補給食が絶品、でもって人々が温かい」と口癖のように語っていた。しかし、これま ...

新潟県の妻有地方で開催された『ツールド妻有』に参加してきた。



勤務先のローディ先輩はこれまで8回参加していて、事あるごとに「ツールド妻有はいいよ!まず景色がいい、エイドステーションの補給食が絶品、でもって人々が温かい」と口癖のように語っていた。



しかし、これまでエイドステーションで食事するイベントに参加したことがなかったので、話を聞いてもいまいちピンとこなかった。

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「エイドステーションの補給食がいくら美味しいっていっても、しょせんバナナとかキュウリでしょ?」

「田舎の景色だったら、わざわざ新潟まで行かなくても、秩父の峠があるじゃない」

「人のぬくもりって、そういうのは昭和までの話では」


……と、ほんの少し思ったことは否定しない。




しかし、余りにも熱心に勧めてくださるので、「体験したことがない人間には想像のつかない世界があるのかも」と考えを改め、エントリーしたのだ。



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イベントを終え、川口市に戻ってこのブログを書いているんだけど、結論から言おう。



ツールド妻有サイコー! 新潟県の食事と景色に感激! イベント運営&ボランティアの人々のホスピタリティに感動!」だった。お世辞抜きで、素晴らしいイベントだった。





期待をはるかに上回るステキなイベントだったので、ぜひここでも紹介したい。あまりほめすぎると、来年のエントリーがしにくくなってしまうかもしれないが、やはり良い物は良いと伝えたいのだ。



そもそも、ツールド妻有とはどういうイベントか?

TOUR DE TSUMARI(ツールド妻有)は、新潟県妻有(十日町市・津南町)地方で、3年に一度開催される現代アートの祭典「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」において、建築家伊藤嘉朗氏が、2006年に企画・発案されたサイクリングイベントです。

伊藤嘉朗氏は、美しい里山の風景やアート作品、建築作品などを楽しみながら自転車で巡るアートツアーとして、移動そのものを作品のテーマにしました。

2006年以降、伊藤嘉朗氏を中心に、地元の大勢の皆さんのご協力のもと、毎年開催されており、2009年と2012年は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の開催年であり、芸術祭の公式イベントとして開催されました。

Start

ツールド妻有公式サイトから引用



ツールド妻有はただのサイクリングイベントではなく、芸術祭の一部なのだ。走っている我々サイクリストにとってはイベントでしかないかもしれないが、主催者からすると、走っているサイクリストたちも芸術作品の一部という位置づけなのである。コンセプトが大きい!



用意されているのは70, 90, 120キロと3タイプのヒルクライムイベントだ。レースではないので、順位やタイムを競うことはしない。12~14キロごとに用意されるエイドステーションでの補給食に舌鼓を打ちつつ、マイペースで制限時間内に走る。



マイペースで走ってよいとはいえ、高低差はけっこうある(120キロコースの獲得標高は2000メートルちょい)。平地はほぼなく、登りと下りをひたすら繰り返す。



ちなみにエントリーしたのは120キロコース。せっかく新潟まで出かけるのだから、思い切りもがきたいではないか。

Course


ということで、時系列&ポイント毎にまとめて、2回にわけてレポートしますね。


輪行で行くか?クルマで行くか?

これはかなり迷ったがクルマにした。今回は2泊するつもりだったので、荷物がそこそこの量になる。それらをすべて背負って移動するのはきっついので、パンダに全部詰め込んで移動することにした。



勤務先からは他に2名参加したのだが、輪行移動だったので現地合流することにした。



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結果的に、車にして正解だったと思う。まず現地の足にもなるし、買い物をしたり荷物を移動させるためにも使える。あと、イベント前日は雨だったのでなおさら助かった。車移動だと、バイクスタンドとかフロアポンプといった、「輪行ではどうしても運べない器具」も持っていけるのもGOODポイント。



車があったおかげで、宿から15キロ離れた『ナステビュウ湯の山』という日帰りの松之山温泉にも行ったんだけど、泉質も露天からの風景もよくてくつろげた。ちなみに源泉は95度(!)だけど、もちろんぬるめてあるので心配無用(笑)。



川口市から妻有まで片道210キロ。まずまずの距離ではあったものの、パンダでドライブも楽しめたと思えば悪い話ではない。藤岡ジャンクションまでは軽い渋滞があったけど、群馬に入ればほぼほぼスムーズに走ることができた。

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※もうちょい走れば日本海




宿泊先はレース会場の近くがいい

ツールド妻有の参加者は1,000名。これくらい出場人数が多いイベントになると、「ひとつの村だけでは、宿泊キャパが足りない」事態が起きる。



朝の7時に出走するので、どうしても前泊する必要があって、ちゃんと宿を確保しておかないと、「イベントにエントリーはできたけど、泊まる宿がない!」なんてことになり、会場から数十キロも離れた町まで走らねばならなくなったりする。(現にそういう人はいる)


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※会場のミオンなかさとからほど近い「和泉屋」さん




そこは(すでに8回もツールド妻有に参加している)ローディ先輩が機転を利かせて、スタート地点からたった2キロの宿を確保してくださった。これはすごく助かった。なにしろ、当日は4時半に起床したからね。



5時過ぎに食事をし、身支度を整え、バイクを用意し、荷物を預け、クルマを所定の位置に移動させ…なんてやっていると、あっという間に時間が過ぎてしまうものなのだ。遠くに宿泊していたら、3時起床で寝不足のまま走るはめになっていただろう。



ちなみに宿泊先は「和泉屋」さん。公式ウェブサイトかブログを探したのだが、発見できなかった…。家族で運営されている小さな旅館で、ボリュームある食事が美味しかった。

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雨を想定しておくべし

前日の昼に全員が宿に集合し、荷物を預けて昼食をとり、コースチェックを兼ねて試走したのだが、試走終わりと同時にザーッと雨が降ってきた。どうにか止むことを祈ったが、雨は夜通し降り続け、翌朝の起床時(4時半)もまだ降っていた。



路面はびしょ濡れ。「夏とはいえ、雨の中を120キロ走るのはしんどいな。下りはスピードも出るから身体も冷えるし、スリップの危険性も増すし」と心配してしまった。

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※スタート前まで小雨がシトシト




山の天気は変わりやすい。週間天気予報はアテにならない。経験豊かな先輩方は(ヘルメットにかぶせるための)シャンプーハットとかシューズカバー、アームカバー、袖なしのウィンドブレーカー等を用意していて感心した。こっちはといえば、なんの雨対策もしておらず、準備の甘さを反省した。



ちなみにレース開始直前に雨はやんでくれたからよかったものの、雨の中を走ることになっていたら、かなりつらい思いをしたであろうことは間違いない。雨対策は必ずしておこう。

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※あいにくの天気だけど、霧がかった山々と田園風景に見とれてしまう


パンク修理キットはぜったいに携行すること

まさかロングライドに出場する人で「パンク修理ができない」とか「修理キットを持っていない」なんてことはないと思う。実際、パンクはあちこちで起きた。120キロの道中で、ざっと30件はパンク修理を見かけた。



まずスタート500メートルでパンクしている人がいたし、数キロごとに修理している人を目撃したね。どなたも慣れた手つきで軽々と修理していたが、空気入れを持っておらず、主催者側のサポートバイクの空気入れを持ってきてもらっている人もいた。レース開始直前まで雨だったことも、パンク多発の原因だと思う。



100キロを越えるイベントではチューブ1本では心細い。予備は2本は持っておきたいところだ。

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※20キロ地点にて。左にはパンク修理中の方々が


日本の原風景を堪能せよ

新潟県には冬のスキーシーズンにしか訪れたことがなかったせいか、「新潟=雪国(白い)」という固定観念があった。(失礼にもほどがある)



ところが、夏の新潟の美しいことといったら!



坂の上から見下ろす延々と続く棚田。稲穂がなびく一面の田園風景、人の手が入っていない自然のままの山々、澄み切ったおいしい空気。まるで、日本昔ばなしのワンシーンを切り取ったような日本の原風景を味わうことができた。



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別に自分は田舎で生まれ育ったわけじゃないけど、にもかかわらず「これぞ日本!」って声に出したくなったね。秩父の峠も悪くはないけれど、スケールが違いすぎる。



この風景のおかげで、120キロの道中がまったく退屈ではなかった。この風景は、お金を払ってでも愛でる価値があるよ。



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エイドステーションの食事の旨さはハンパない

半信半疑だったエイドステーションの補給食だが、とんだ誤解をしていた。うますぎるのである。


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エイドステーションは8箇所あって、甘いもの、しょっぱいもの、温かいもの、冷たいものをこれでもかと提供してくれる。



バナナやグレープフルーツ、スイカ、トマト、桃はどれも甘かった。漬物類も充実してて、キュウリやナスにボランティアの方々手製の味噌をつけて食べるのだが、絶妙のお味なの。



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地元のオバちゃん、お婆ちゃんたちの手作りなので、さらに有り難みが増す。そして魚沼産コシヒカリでつくったオニギリにとどめを刺された…。


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炊いた米に塩を混ぜて握っただけなのに、なぜこんなにも人の心を打つのか…。塩握り飯だけではなく、鮭、昆布、梅と具のバラエティも豊富。たぶん、おにぎりだけで10個は食べた。


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※家に持って帰りたくなる美味さ!


途中、ツールド妻有名物の魚沼産コシヒカリで作った巨大パエリアにも出くわした。ほっくほくで具もジューシー。思わずおかわりしてしまった。


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パエリアの隣にあった冷や汁もいい仕事をしていたね。地元で採れた夕顔が入っていた。



「夕顔」とは聞いたこともない野菜だが、ウリ科の植物で巻き寿司などの具に使われる「干瓢(かんぴょう)」の原料である。冬瓜に似ているね。ホッとする味だった。


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あと、手作りの豆腐にも衝撃を受けた。



醤油かけずにたべてみてよ!」とオバちゃんに言われ、「味はするのかな?」と恐る恐る口に運んだら、なんと甘い!ほんのりではなく、ビシッとしっかり甘いの。これはもはや大豆のプリンと呼ぶべきお味だ。


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醤油をかけずにそのまま食べたほうが美味しいと思った。大豆の味がこんなにしっかりした豆腐は久しぶりだ。ふだん食べているスーパーの真っ白な豆腐とはまったくの別物。



昼ごはんに用意されたソバは、地元の蕎麦屋さんがわざわざ出張してこしらえてくれた。すごい行列だったのでさぞかし美味しいのかしらと並んでみたら、期待違わぬ味でビックリ。エイドステーションでこんなに本格的なソバを賞味できるとは…。

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ゴール後にもおにぎりと豚汁をいただけるのだが、疲れ切った身体にしみる。そしてひたすらにうまい。


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笹だんごやクッキー、あめ玉等のスイーツもあったし、チーズや魚肉ソーセージといったタンパク源も用意されていて、「胃袋がいくつあっても足りないよ~」状態。



ツールド妻有の補給食はもはや「グルメ」と呼ぶほうがふさわしいレベルだ。運営者&ボランティアの方々は押し寄せるライダーたちにバンバン食事を提供してくださっていた。



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※1,000人分の補給食を仕込むのは、とっても重労働だったはず。感謝である。


それも、事務的に渡すとかではなく、笑顔と応援の言葉をかけてくれるし、どこで採れた食材かも親切に教えてくれる。まさに街を上げてイベントを盛り上げるぞって意気込みがヒシヒシと伝わってくる。その姿は感動的ですらあった。


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食物のことを熱く語りすぎてしまったようだ(笑)。



後編はこちらからどうぞ!

スプロケットのギア比は、ロードバイク乗りにとって悩ましい問題である。もちろん、フロントのクランクのヒア比も影響するが、前側はノーマルかコンパクトの二択に近いものがあり、そうそう交換するものでもない。初心者とか体力にさほど自信がない方、オジサンなどはコンパ ...

スプロケットのギア比は、ロードバイク乗りにとって悩ましい問題である。

もちろん、フロントのクランクのヒア比も影響するが、前側はノーマルかコンパクトの二択に近いものがあり、そうそう交換するものでもない。初心者とか体力にさほど自信がない方、オジサンなどはコンパクトクランクをお使いであろう。

ちなみに自分はコンパクト(50-34T)CS-6800である。

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※リアスプロケットは12-25Tです。


難しいのはやはり、ヒルクライムにおけるリアのスプロケットの選択。


それも、一番軽いギアを何にするのか? 個人的イメージでは、スピードを求める人は23T、オールラウンドな人は25T、ヒルクライマーは28T(&それ以上)を選んでいる気がする。

自分は「12-25T(アルテグラ6800系)」を使っているが、峠でよいしょよいしょともがいているときに、「もう1枚軽いギアがほしいなあ…」と思ってしまう。28Tがあれば、もっとラクに、心肺で登ることができるんじゃないかと夢見てしまう。

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8月には『ツールド妻有』にも出場するのだが、経験者からは「それはもうびっくりする激坂が待ち受けているからねっ。斜度? ナ・イ・ショ(ウフ)」って言われているので、交換する良い機会かなあと思うのだ。


ちなみに、26Tとか27Tは存在しない。(なぜだろう?)

デュラエースだと、

  • ワイドレシオギア: 11-28T もしくは 12-28T
  • クロスレシオギア: 11-23T もしくは 11-25T もしくは 12-25T


アルテグラは「11-23T 11-25T 12-25T 11-28T 11-32T」が存在する。


スプロケットを「12-25T >> 11-28Tに交換しようかな」と考えた。そこで職場の坂バカ氏にアドバイスを求めた。すると、


28Tは不要、25TのままでOK」とおっしゃるではないか。

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※困ったときは、経験豊かな先輩が頼りになる。


以下、ローディ先輩とのやりとり。

(´・ω・`) 「なんで?軽いギアがあれば、筋肉を疲労させずに心肺で登れるじゃないすか」

( ´_ゝ`) 「軽いギアは、ひとつひとつの動作不可は低いんだけど、デメリットもあって、遅すぎて慣性が生まれないの」

(´・ω・`) 「ほほう」

( ´_ゝ`) 「ペダルをこいでもこいでも、漕ぎきったとこでスピードが死んでしまう」

(´・ω・`) 「軽すぎて、スコスコスコスコ~~ってなりそうね」

( ´_ゝ`) 「そう、軽すぎるてかえって疲れるって人もいる。僕はそのパターン」

(´・ω・`) 「ある程度のスピードに乗るほうが、走りやすいってことかしら」

( ´_ゝ`) 「そのほうがいいと思う。もちろん、軽いギアを保険でもっておきたい気持ちはわかるよ」

(´・ω・`) 「そう、怖いんです」

( ´_ゝ`) 「その場合のマイナス面として、28Tを使うと1~2速が開きすぎてしまい、段差の隙間が気になるんだよね」

(´・ω・`) 「そっか、クロスレシオならではの変速の気持ちよさが失われるから、トレードオフなんだね」

( ´_ゝ`) 「山だけのために、軽いギアを用意するのはもったいない。よっぽどの激坂であれば別だけど」

(´・ω・`) 「妻有は終盤に斜度20%の激坂があるけど、12-25Tのままでいいのかな」

( ´_ゝ`) 「20%なら大丈夫! 人並みの体力があるサイクリストなんだから、後ろは12-25TなままでOKだよ」

(´・ω・`) 「(20%は十分な激坂だと思うけど…)じゃあ、いまのままもうちょいがんばってみようっと」

( ´_ゝ`) 「ただ、(女性とか自分より極端に体力が低い)人のペースに合わせて走るのであれば、軽いギアは必要」

(´・ω・`) 「え、それはどうして?」

( ´_ゝ`) 「こちらが重いギアのままで、遅いスピードに合わせて走るのは無理がかかるでしょ? すると、こっちが先にバテてしまう」

(´・ω・`) 「なるほど、勉強になる」

( ´_ゝ`) 「遅い人と走るなら、その人にあわせたスプロケット選択をすること。だから、2個のスプロケットを使い分けるのもありかもね」

(´・ω・`) 「アルテグラだと11-28Tがあるけど、クロスレシオにしたいとなるとデュラエースの12-28Tを選ぶしかないか…。値段がアルテグラの3倍もするけど(笑)」

( ´_ゝ`) 「あと、トレーニングでオススメなのが、下ハンをもって、重めのギアでシッティングで登る練習をするといい」

(´・ω・`) 「えっ、下ハンで重いギア?それなんて拷問?」

( ´_ゝ`) 「苦しそうなイメージがあるけど、意外にできてしまうものだよ。下ハンで登るコツをつかむと、普段のギアの選択も変化してくるから、だまされたと思って試してみて」

(´・ω・`) 「はーい」

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ヒルクライムトレーニングの極意



ということで、11-28T(CS-58800)のスプロケットの購入はいったん保留。

ツールド妻有(120キロ)は今のままのギア比で出場します。終盤にバテないことを祈りつつ……(笑)。

※追記:2016年8月についに買いました(^_^;)

あわせて読んでください

12-25Tのスプロケットを2年半使ったものの、激坂に耐え切れず11-28Tに変更してみる※2016年08月30日記

【ツールド妻有・参戦記】 新潟で日本の原風景を愛でつつ、魚沼産コシヒカリに舌鼓を打つ ~前編~
【ツールド妻有・参戦記】 新潟で日本の原風景を愛でつつ、魚沼産コシヒカリに舌鼓を打つ ~後編~
 

会社のローディ先輩らと、嬬恋パノラマラインを走ってきた。2015年で最高の景色といって良いほどの素晴らしい景色を堪能できたよ。坂はそこそこしんどかったけど、キツイ思いをして登っただけの甲斐がある風景だった。スタート地点は群馬県の「長野原草津口駅」で、嬬恋パノ ...

会社のローディ先輩らと、嬬恋パノラマラインを走ってきた。



2015年で最高の景色といって良いほどの素晴らしい景色を堪能できたよ。坂はそこそこしんどかったけど、キツイ思いをして登っただけの甲斐がある風景だった。



スタート地点は群馬県の「長野原草津口駅」で、嬬恋パノラマラインを走り、北軽井沢まで南下し、坂を下って出発地点の長野原草津口駅まで戻るという周回コース。

Tumagoi





初めての場所、初めての新幹線輪行、初めて使う輪行バッグといくつか不安はあったものの、とてもよいライドだったので、そこで得た経験をお伝えしよう。


Tumagoi2

こんなルートで走ってきました。全行程で70キロ。



初めての新幹線輪行

長野原草津口駅に8時50分に集合したのだが、埼玉県から向かうにはけっこうな距離と時間である。逆算していくと、鈍行だと3時間半もかかり、4時に起床せねばならない。



「えー、睡眠不足になっちゃうよー」と不安をローディ先輩に伝えたら、「行きだけ、新幹線を使うんですよ。ちょっと高くなるけど、早く現地に到着できればそのぶん多く走れますから」とのこと。なるほど。



ということで、ロードバイクを初めて新幹線に乗せてみた。大宮~高崎間はなんとたったの23分。この距離であれば自由席で立っていても苦にならない。他の乗客の方々の迷惑にならないよう、最後尾の1号車の通路にバイクを置き、ガラガラの自由席で朝食。パンを食べ終わった頃に高崎駅到着。

※まあ、高崎~長野原草津口の間はローカル線なのでここからが長いんだけど(笑)。

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※長野原草津口駅にはコンビニも何もない。改札そばのキオスクが唯一の補給場所。






輪行中はボトルを空にしておいた

輪行中はボトルは空っぽにしておいた。そのほうが運びやすいのと、ナナメに傾いたボトルから水がタレてしまうことを恐れたため。



現地の駅に自販機があることは事前にわかっていたので、出発直前に調達することにしたのだ。そのほうが、冷えた状態で飲めるしね。



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夏場のヒルクライムは「ボトル2本体制」が必須

登りは汗をかく量が増えるので、距離のわりに水分消費量がハンパなく多い。坂道で水が切れたら、ハンガーノックかそれ以上に命に関わることになる。自分は1本しかボトルを持っていないので、急遽「キャメルバック(CAMELBAK)のポディウム チル」を追加購入して臨んだ。



結果、これが大正解。この日は35℃近くの気温でダラダラと汗をかき、ハイペースでボトルが軽くなった。田舎の山は都合よくコンビニや自販機があるわけではない。よって、補給チャンスがあれば常にそこで2本をリフィルすること。余ったらその場で消費する。



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次の補給ポイントまで、水が持つかどうかを気にしながら走るのは精神衛生上よろしくないだけでなく、無意識に飲むことをセーブしてしまうものだ。ケチらず、常に2本のペットボトルを買うつもりでいよう。



オーストリッチの輪行バッグ「L-100」は使いやすい

初めて使う輪行バッグって、実際に使ってみるまでは「ちゃんと入るかな? 使いにくかったりしないかな?」と不安になるもの。キッツキツになって、バッグの生地が破れそうになることは、モノによってはあるからね。フレームはちゃんと入るけど、ホイールがなかなか滑り込ませられなかったりとかね。



オーストリッチの「L-100」は容量が十分にあり、フォークもドロップハンドルも突き出ることなく、バラしたフレームとホイールを余裕で飲み込んでくれた。スペース的に遊びのある輪行バッグで助かった。



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リアホイールを外し、エンド金具を装着する作業だけが気を遣ったが、やってしまえば大した作業ではない。行きと帰りで2回試したら、もう慣れてしまったね。




フリーカバーって便利じゃん

スプロケットがフレームに当たると傷がつくとさんざん脅かされていたので、オーストリッチ(OSTRICH)のフリーカバーを買っておいた。こいつをひょいとかぶせておくだけで、手が汚れない。輪行バッグの内部も汚れないのもマルだね。クルマに積んでいくときも使えそうだ。



むき出しのスプロケットには実は悩まされていて、シートに当たって痕をつけてしまったことがある。しつこい油汚れはなかなか落ちないものだ。200円そこそこと安いので、輪行の際にはぜひ用意しておくことをオススメする。



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※あ、スプロケットカバーが撮れていなかった…(笑)。

オーストリッチ(OSTRICH)のフリーカバー

※こんなのです。




嬬恋パノラマラインは路面も景色も最高

緩やかな起伏&つづら折りを登ったり下ったりしていると、嬬恋を象徴するキャベツ等の高原野菜畑が文字通りドーーーンと現れる。その背後には浅間山や、白根山、四阿山、万座山が鎮座する。



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360度を青々とした自然に囲まれた中を走っていると、「ここはどこの国だ?」と錯覚を覚えるほど。しかも、路面がすごくキレイなの。おかげで登りはもちろん、下りも安心して走らせることができた。


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※(体感だけど)平均斜度は7~8%、最大で10%くらいだった印象。激坂ではなく、がんばればフツウの体力の人でも問題ない。




じゅうたんのように地面一面に広がるキャベツ…たぶん一生分のキャベツを見ることができた(笑)。



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クルマが少ない広域農道

パノラマラインは、パルコール嬬恋ゴルフ場から始まる南ルートと、国道144号線の田代付近から始まる北ルートがある。浅間山を眺めつつ、嬬恋のキャベツ畑の中を爽快に走り抜けることができる。



適度にアップダウンがあるワインディングロードなので、ロードバイクで走っても楽しいし、クルマのドライブにも最適だ。オートバイで走っているグループは多数いたね。



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農道なので、農業用のトラクターも走っているが、台数は少なく、気にならない。秋には紅葉も抜群にキレイとのことだ。今度はパンダでドライブしに来ようと決意した。


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※「愛妻の丘」の展望台からの風景。日本愛妻家協会という団体があるらしい・・・。




キャベツ畑の中心で妻に愛を叫ぶキャンペーン実施中(笑)。ふざけたことを大まじめにやるのは個人的に大好き。公式サイトは面白いので、ぜひご覧あれ。


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※丘に背を向け、かたくなに愛を叫ぼうとはしない2人の仲間(笑)。



残り20キロのポイントで、帰りの電車のダイヤを確認する

田舎から都内への上りのダイヤは、地味に少なかったりする。土日祝日であればなおさらだ。よって、最終休憩ポイントで腰を落ち着ける前に、駅探等でダイヤを確認しつつ、現在地から駅までの距離と勾配、(輪行の作業を含めた)所要時間を逆算しておこう。



電車に乗り遅れてしまった…次の電車は……い、1時間後??」とならないよう、時間配分には気をつけようね。



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幸いにも、週末の夕方の上りの列車は席にも余裕があり、高崎から座って浦和まで戻ることができた。



空と高原のロングライド SKY RIDE IN SUMMER



もう一回言うけど、嬬恋パノラマラインは素晴らしいロードバイクツーリングコースだよ。



抜けるような景色、適度なアップダウンと走り易いカーブが多数。ロードバイクで行くもよし、オートバイや車でドライブを楽しむもよしである。紅葉の季節に再訪したい。