サイクルガジェット ロードバイクが100倍楽しくなるブログ

ロードバイクとミニベロを徹底的にユーザー目線で解説するブログ &YouTubeチャンネル。面白さ国内No1を目指します。大学生の娘と運営。インプレ、イベントレポ、安全で楽しいサイクリングのコツ、メンテのノウハウ、海外記事&動画の翻訳も。ねとらぼ、産経サイクリスト、MarkeZine等で連載も。

2024年12月

クラウドファンディングで公開中の「ニットウォータープルーフグローブ」を、メーカーであるMorethanさんから直々にご提供いただきました。 寒くなってきた年末年始を中心にガッツリ使わせてもらったので、インプレしてみます。 ※左が秋用 右が冬用 サイクリングアイテ ...
クラウドファンディングで公開中の「ニットウォータープルーフグローブ」を、メーカーであるMorethanさんから直々にご提供いただきました。

寒くなってきた年末年始を中心にガッツリ使わせてもらったので、インプレしてみます。

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※左が秋用 右が冬用

サイクリングアイテムっぽくないデザイン

派手さを抑えたシンプルなデザインで、ロゴも控えめ。合皮やテカリがなく、落ち着いた印象です。ぱっと見、サイクリング用ってわからないかもしれないです。

どんなウェアにも合わせやすく、普段着にもマッチしそう。ただし、手のひらの滑り止めはサイクリング専用に設計されており、日常生活での使用には使わないほうがいいでしょう(もったいないし)。まあ、これはサイクリンググローブ全般に共通することですが。

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※秋用です

ちなみに秋用と冬用でデザインはほぼ共通。
厚みが異なるので、触るとどっちかわかります。

着け心地がやさしい

フィット感がいい!初めて使うのにしっくりくる!が第一印象。サイクリンググローブ特有のゴワゴワした感触がまったくありません。適度な圧迫感とフィット感がちゃんとあって、着けた瞬間なのにすでに馴染んでいます。

指が動かしやすい

「着け心地が優しい=指が動かしやすい」ということで、全方向にスムーズに動きます。従来の冬用グローブって、厚みと素材の硬さのせいでレバー操作にやりにくさが残ったものでした。まあ、暖かさのためには仕方ないよねと割り切っていたわけですが、それがないです。

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実際に走り出した後も「慣らし」の必要性がないです。

というか、初ライドでグローブの存在を忘れてしまうほど手に馴染んでしまいました。「着けているのに着けていない」感覚の冬グローブってなかったな~。

手の平のグリップは十分

ブラケットを握る位置に滑り止め素材が配置されていて、手の平部分のグリップ性能は十分。一方で、手首付近にはグリップ素材がありません。なんでかな?と思ったんですが、原因はすぐわかりました。

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ロードバイクのレバー操作時って、指の動きに合わせて手首も動くんですが、滑り止めがあると逆に「動きが妨げられる」んですよね。

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つまり、レバー操作を邪魔しないよう、過不足のない設計が施されています。

手首にストラップはない

手首にストラップがなく、普通のグローブのように装着するだけ。

ストラップがあったほうが手首にしっかり固定されるから良いのでは?と思っていたんですが、フィット感は問題なく、ズレてくることもないです。手首部分の長さも適切で、ジャケットの裾をしっかりカバーし、風が入ってきません。

ただ、その優れたフィット感のせいで、外すときは指を一つづつ引っ張る必要があって、スポン!と抜けることはないです(当然)。

Roecklと比較してみた

ずっと愛用していたRoeckl(ドイツ製)の冬用グローブと比較しようと並べてみたら…

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Roecklがでかい!え、こんなにサイズが違うの?とビビりました。

Roecklがでかいのか、Morethanが小さいのか…?わからなくなってきました。

ちなみに、MorethanはMサイズで、Roecklは8サイズです。(表記方法が異なる)


改めてそれぞれの着け心地を比べましたが、もう圧倒的にMorethanのほうが快適です。そして軽い!

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意外に見落としがちですが、手元の軽さって重要です。Roecklってこんなにゴワゴワしてたのか…ずっと使っていたので疑問を持ったこともなかったです。

防寒力は大満足

一点、心配だったのが「防寒力、どうなんだろ?」でして、というのも見た目がポップでおしゃれ&ニット素材なので、「防寒性は犠牲にされているのでは…」と第一印象で思い込んでしまったんですね。

が、結論から言うと、防水メンブレンを採用した3層構造のおかげで防寒性能は非常に高いです。見た目とのギャップが大きくて、一番驚いた部分でした。(しかも防水仕様!)

秋用は気温5~8℃で、冬用は気温2~4℃でそれぞれ試したんですが、走り終えるまでずっと指先が快適。さっむ~となる瞬間はゼロ。

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※薄手なのに温かい(見た目とのギャップが大きい…!)

あまりに普通に快適なので、「秋用で気温3~5℃の早朝を走っても大丈夫かも」と思ってやってみたところ、大丈夫でした。南関東の冬なら秋用で乗り越えられそう。冬用は性能が高すぎて、私にとっては極寒専用仕様ですね。最も長い時期で使えるのは、秋用かなと思います。

「防寒力あるぜ!」って見た目じゃないせいで性能を心配する人もいるかもしれませんが、その心配はないよ!と声を大にしてお伝えします。

スマホ操作OK

スマホ操作にも対応しており、親指と人差し指がしっかり反応する…という触れ込みです。これまでの冬用グローブでも、スマホ操作を謳う製品はありましたが、反応が悪いものが多い中、Morethanのグローブはストレスなく使用可能。

もちろん、細かな操作は難しいですが、写真撮影時にストレス無くカメラアプリが開いてくれるのは助かります。

クッションはないけど、問題にはならない

サイクリンググローブによくある、手の平部分のクッション素材はありません。ロングライドだと疲れが溜まらないか?ショックが直に伝わりやすいのでは?とは最初思ったんですが、不思議と問題ないです。

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むしろその厚みがないせいで、レバー類の操作がしやすい。

よくよく考えて思い当たったのが、タイヤを28c にしたからかなと。23c 時代より1bar ほど下げていることもあって、バイク自体のクッション性が高まったからでしょう。

Morethanのグローブを使い始めてから、Roecklは押し入れにしまったまま、使わなくなってしまいました。今年の冬からは、「ニットウォータープルーフグローブ」のお世話になろうと思います。


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ホンダのフリード(2代目)を買って、1,500km ほど走りました。 買った直後のレビューは下記記事を参考にしてもらうとして、さらに気付いたことがあるので追記です。 >> サイクリスト目線でHondaの「フリード(2代目)」をレビューする やっぱり、エンジンはもっさり ...
ホンダのフリード(2代目)を買って、1,500km ほど走りました。

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買った直後のレビューは下記記事を参考にしてもらうとして、さらに気付いたことがあるので追記です。

>> サイクリスト目線でHondaの「フリード(2代目)」をレビューする

やっぱり、エンジンはもっさり

  • いったんスピードに乗ればスムーズだが、ゼロ発進の加速はいまいち
  • もあ~っと走り出す
  • よって、小刻みなストップ・アンド・ゴーは得意じゃない
  • 心躍るエンスー要素は皆無(ファミリーカーなので当然)
  • ただ、個人的に出だしがもっさりなエンジンのほうが、(無茶な運転をしないので)安全運転につながり、むしろベター

峠のワインディングは得意ではない

  • 伊豆半島のワインディング山道を走ったのだが、攻めた走りはできない(当然)
  • でも、ふらつく感じはなく、快適に走れる
  • ディーラーさん曰く、「現行シエンタとフリードを乗り比べたことがあるが、シエンタはサスが柔らかく、かなり沈む」そうな
  • フリードは低重心&サスがやや硬めなので、ワインディングは(シエンタよりは)マシだそうな

高速での巡航は快適

  • 変速ショックが(CVTなので)なく、一定スピードで淡々と走るのは得意(むしろ超快適)
  • 運転が楽しい車ではないが、快適性は素晴らしい
  • 長距離運転がぜんぜん苦ではない
  • パンダの頃の「運転は楽しいのだが、ノイズと振動が多すぎ」と対象的
  • 高速を流していると、「いま自分はLEXUSを運転しているのでは…」という錯覚に陥る
  • ちなみに、LEXUSを運転したことはない

横風を受けやすい

  • 風速10m を越える日に湾岸道を走ったら、横風はまあまあ感じた
  • 車高が1700mm あるので当然
  • ミニバンの宿命なので受け入れる

運転席の目の前の収納が便利

  • ハンドルの眼の前に収納がある(容量も大きい)
  • 財布や鍵を入れたサコッシュの置き場に困らない
  • これまではヘッドレストに引っ掛けていたが、後席の人の足に当たり、不評だった
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5ナンバーとは思えない広さ

  • いまだに「フリードって3ナンバーなんじゃないか?」って感じるほど車内が広い
  • 縦横だけでなく、上方向にも余裕があるせいかも
  • 外から見るとコンパクトなのだが、中の快適性は素晴らしい
  • 大人が3~4人乗っても圧迫感がなく、のびのびと過ごせる
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ウインカーを出すとヘッドライト横の補助ライトが点灯する

  • ウインカーを出すと、その方向を照らしてくれる
  • 「コーナーリングライト」と呼ぶらしい
  • 最初は気のせいかと思ってた
  • が、明らかに明るいので駐車場で降りて確認した(やっぱ点いてた)
  • 歩行者やバイクへの注意喚起にもなって、便利な機能だと感心
  • 純正機能かどうかはわからない
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スライドドアって便利

  • 生まれて初めてスライドドアを使ったのだが、狭いスペースで荷物を出し入れしやすい
  • 普通のドアだと隣の車に当たらないよう気をつけねばならないが、その心配がない
  • かさばるサイクリングアイテムの出し入れもしやすい
  • ロードバイクの積み下ろしもできる
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珍しいカラーだと気づく

  • フィヨルドミスト・パールという2022年に追加されたカラーを選んだ
  • 「氷河によって形成された地形(フィヨルド)の冷たい空気感(ミスト)をブルーで表現したパステルカラー」だそうな
  • 落ち着いた印象で気に入っている
  • 実車は見ずに買ったので(埼玉からの取り寄せ)、納車されるまではちょっとドキドキした
  • 納車時に「むしろ、ええやん」と思った
  • あんまり街で見かけないカラーだし、気に入っている
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燃費、ちゃんと計測したら悪くなかった

  • 一般道でリッター16~17km、高速道路だと23kmほどで、悪くない(パンダとほぼ同等)
  • ハイブリッド車も考えたが、ガソリン車で正解だった
  • バッテリー寿命&載せ替えコストという別の心配のためが増えるので、ガソリンモデルを選んだことに後悔はない


そんなかんじです~。


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ロードバイクのタイヤは細ければ細いほど良い…そう考えていた時期が自分にもありました。 つまり、長年ディスクもリムも23cを愛用していました。 28cとかありえないっしょ~、メーカーのマーケティングメッセージでしかないでしょ~、なんて思って、色眼鏡で見ていたんで ...
ロードバイクのタイヤは細ければ細いほど良い

そう考えていた時期が自分にもありました。
つまり、長年ディスクもリムも23cを愛用していました。

28cとかありえないっしょ~、メーカーのマーケティングメッセージでしかないでしょ~、なんて思って、色眼鏡で見ていたんですが、「まあ、ちょっとお試しで…」と、ディスクロードのほうに25cを履かせてみたら、思った以上にいいかんじでした。

何がいいかというと、「乗り心地が若干マイルド」になったのです。
ザラザラした路面、ちょっとした段差でお尻に来る衝撃が薄まり、走りやすくなりました。

それに気を良くして、28cならどう変わるんだろう?と再び浮気してみたら、さらにマイルドに。
太さのお陰でグリップも一気に増し、でもだからといって走りがスポイルされたわけでもなく、とにかく走りやすい。

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※カーボンもクロモリもお揃いに

「あれ?なにも悪い部分がない」と気づきました。
どうやら、食わず嫌いだったようです。

履いているのはIRCの「Jetty Plus」

物価高のせいで、タイヤも値上がりしており、有名ブランドの定番商品がやたら高いです。

そんななか、IRCの「Jetty Plus」は1本2500~3000円とじつにお値打ち。安すぎて不安になるレベルなんですが、下記記事にも書いた通り、ぜんぜん問題なし。

24年の夏からXELIUS(ゼリウス) SL ULTIMATE Discで使い始めて今に至りますが、何も悪いところがないです。

>> IRCのタイヤ「Jetty Plus (28c)」で600km走ってみてのレビュー

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XELIUS(ゼリウス) SL ULTIMATE Discで快調なので、パナモリにも同じタイヤを使うことにしました。25cから28cへのチェンジです。


コンポーネントはひと世代前のアルテグラ(※Di2のR8050 )のリムモデルなのですが、28cのタイヤは問題なく入ります。

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28cに慣れてしまった今、25cに戻すことはもうないですし、23cは何があっても使わないつもり。
タイヤは細いのがベスト!なんて考えていた頃が信じられません。

各太さ別の空気圧

最適な空気圧は乗り手や走行条件にも依存するので、絶対の正解はないですが、体重70kgの私はこんなかんじでした。

23Cタイヤ
  • 前輪:約7.0~7.5 bar(約100~110 psi)
  •   後輪:約7.5~8.0 bar(約110~115 psi)


25Cタイヤ
  •   前輪:約6.5~7.0 bar(約95~100 psi)
  •   後輪:約7.0~7.5 bar(約100~110 psi)


28Cタイヤ
  • 前輪:約5.5~6.0 bar(約80~85 psi)
  •   後輪:約6.0~6.5 bar(約85~95 psi)


23c時代に比べ、1.0 bar も下がったわけですから、そりゃあ乗り心地がよいのは当然っちゃ当然。

太いタイヤでも細いタイヤと同等の速度性能を発揮できる

転がり抵抗はタイヤの変形によるエネルギー損失から生じます。走行中、タイヤは接地面で変形し、この変形がエネルギー損失を引き起こします(転がり抵抗の約90%を占めるそうな)。同じ空気圧なら太いタイヤの方が接地面積が広いですが、太いタイヤは低い空気圧で使用できるので変形量が減少し、結果として転がり抵抗が低減されます。

SCHWALBEによれば、同じ空気圧で比較した場合、太いタイヤの方が転がり抵抗が小さいことが証明されています。例えば、37mm幅のタイヤと60mm幅のタイヤを比較すると、同じ空気圧であれば60mm幅のタイヤの方が転がり抵抗が低いとされています。

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まあ、こういう説明はさんざん各種記事や雑誌で読んでいましたが、じつはかなり疑っていました。でも、実践してみたら、あながち間違いじゃない…というか、28cのほうがすべての面においてベターだわ、という結論に至りました。

グリップと乗り心地は良好だし、段差のショックも少ない。ロングライド後の疲勞も少ない。
グレーチング等のちょっとした溝もさほど気しなくてすみます。

ということで、もし「28cを試そうか迷っている」サイクリストさんがいらっしゃったら、ぜひトライしてみてはどうでしょう(^^)


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チタンフレームと聞いて、どんなイメージを持つでしょう? 軽さや耐久性に優れた素材として知られつつも、その実態は謎めいているんじゃないでしょうか。実際に乗っている人も少ないし、周囲でその使用感や魅力について話を聞く機会はほとんどないのでは。(少なくとも私 ...
チタンフレームと聞いて、どんなイメージを持つでしょう?

軽さや耐久性に優れた素材として知られつつも、その実態は謎めいているんじゃないでしょうか。実際に乗っている人も少ないし、周囲でその使用感や魅力について話を聞く機会はほとんどないのでは。(少なくとも私はそうです)

そこで、チタンフレームの魅力を探るべく、長年チタンフレームの製造に携わってきたパナソニック サイクルテック社の中の方に、素材の特徴やギモンについてインタビューさせてもらいました。

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※取材させていただいたのは、画像の方ではないです(^^)

Q:メーカーが考えるベストのフレームってなんですか?

A:フレームを選ぶ際、素材の特徴や性能も確かに重要なんですが、それ以上に強調した いのは『フレームが自分の体にしっかりフィットしているかどうか』です。どんなに優れ た素材であっても、体に合わないフレームは性能を十分に引き出せず、快適さも大きく損なわれます。

一方で、体にぴったりマッチしたフレームであれば、どの素材を選んでも満足感の高い楽しいライドが実現します。フレーム選びでは、まずフィット感を重視することが大切で、自分に合ったフレームサイズを選ぶことが重要です。POSは460mmから630mmまで1cm刻みで選ぶことができます。これはPOSの基本理念でもありますね。

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Q:チタンフレームの快適性・ライディング特性ってなんでしょう?

A:チタンフレームの乗り心地は独特で、クロモリと比較するとその違いがすぐに実感できます。チタン特有の跳ね返りはクロモリよりも速く、振動吸収性に優れた快適さを保ちながら、スピード感のある走りを楽しめます。快適さと速さを両立しているのが、チタンならではの魅力ですね。

あと、チタンに限らないんですが、金属フレームに乗ると“ペダリングが上手になる”んですよ。

Q:金属フレームに乗るとペダリングが上手になるって、どういうこと?

A:ペダリング技術が自然と磨かれるんです。どういうことかというと、金属特有のしなりを活かして効率的に走るためには、フレームと息を合わせるように丁寧にペダルを踏む必要があって、結果的にペダリングが洗練されていきます。

一方で、カーボンフレームは雑なペダリングでもスピードが出せてしまうため、乗り手の技術を意識的に高める必要がさほどありません。上手なペダリングをマスターしたければ、金属フレームがオススメです。

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※こちらはクロモリです

Q:もう少し詳しく、チタンフレームの特徴について教えてください

A:鉄より軽量でありながら、鉄並みの強度を持つ点にあります。この特性のおかげで「鉄のように薄い肉厚」を維持しつつ、「鉄よりも太いチューブ」を作れます。結果、フレーム全体で高い強度としなやかさを両立できるのがチタンの魅力です。

特に、適切な設計によってチタンフレームは過剛性になることがなく、「小気味よく進む 」と表現される独特の乗り味を実現します。アルミやスチールと比較しても、チタンフレームは「弾力のある」乗り心地で、細かい話になりますが、しなった際の戻りが速く、 太いチューブ構造が可能なことに由来します。つまり、「太く&薄くできる」特性が、チ タンフレーム特有の乗り味を生み出しているのです。

「チタン特有のバネ感」と呼ばれる特徴は、単に素材そのものの性質によるものではなく、その特性を最大限に活かした設計にあります。薄肉大径のチューブ構造にすることで、 アルミやスチールでは得られない独特の振る舞いが生まれ、それがバネ感の強い、弾力のある走りを実現します。これこそが、チタンフレームの最大のメリットと言えると思いま す。

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※輝きが眩しい…

Q:チタンフレームにも種類があるんですか?

A:いくつか違いがあります。まず、フレームの硬さで分類される「H(硬い)」と「L( 柔らかい)」という分類。さらにパイプの構造にも「バテッド管」と「プレーン管」の2 種類があります。パナソニック サイクルテック社では、プレーン管とバテッド管の2種類のパイプを使っています。

バテッド管

パイプの肉厚が途中で変化する設計で、中央部分が薄くなっているのが特徴です。なので、軽量化にも効きます。乗り心地や加速性能に優れる一方、製造コストが高いため高価になります。

プレーン管

肉厚が均一で、衝撃に強く凹みにくい、肉厚0.9mmの均一のパイプです。衝撃に強く、凹みにくく、頑丈なので日常的に気兼ねなくガンガン乗りたい人におすすめです。塗装をしないポリッシュを選択するとキズを気にせず輪行できます。

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バテッド管はパナソニック サイクルテック社オリジナルの「3Dオプティマム・Xバテッド」といい、クロモリチューブでよくある、中央部分が薄くなっているダブルバテッドの両端の力のかかる部分にアウトバテッドをかましています。

両端から「0.9mm ~ 0.7mm ~ 0.5mm」と3段階の肉厚になっていて、しなやかな乗り心地、剛性の向上と軽量化を実現しています。このような手の込んだチタンパイプを使っているメーカーは他に存在しません。

ダウンチューブの太さを変えることによって、硬さを柔らかい「バージョンL」、硬い「バージョンH」と2種類から選べるようになっていて、さらにパイプの構成の見直しと、パイプの異形加工を施した軽量チタンフレームもあります。こちらはフレーム単体重量が550mmサイズで1230gになっています。つまり、パナソニック サイクルテック社のチタンフレームは4種類の硬さから選べるようになっています。

Q:チタンが高価な理由

A:チタンが高価である理由は、精錬プロセスにあります。チタンは酸化チタンの状態で 地殻中に豊富に存在する金属ですが、純度の高い素材を得るためのプロセスが非常に長く、複雑です。

酸化チタンを金属チタンに精錬する過程では、高温や特殊な装置が必要となり、多くの工程を経るため、製造コストが他の金属に比べて格段に高くなります。さらに、その後の加工や仕上げにも手間がかかるので、結果として製品価格が高くなります。

Q:チタンはメンテナンスフリーなのは本当ですか?

A:チタンフレームの魅力のひとつに、塗装しないポリッシュを選択すれば、手間いらず のメンテナンス性があります。錆びにくい金属なので、基本的にメンテナンスフリーで使用できます。錆びない=塗装、ワックス、コーティングも必要ありません。日常的な汚れ が気になった際に軽く拭き取る程度で、美しい状態を長く保つことができます。

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Q:チタンのメインユーザーは中高年ですか?

A:おっしゃるとおり、40~60代の中年以上のライダーが中心です。シンプルに経済的な余裕があるからだとは思いますが、軽さや快適性、そして長く使える耐久性を重視する傾向があり、チタンの特性がマッチしているのでしょう。

意外なことに女性ユーザーも少なくありません。チタンフレームの洗練されたデザインや 振動吸収性の良さが、女性ライダーにも高く評価されているようです。

Q:チタンフレームは、当然チタン100%なんですよね?

A:いえ、ほとんど弊社のチタンフレームは、純度100%のチタンではありません。かつては純チタンフレームも存在しましたが、非常に柔らかく、剛性が不足するので現在は製造されていません。

現在のチタンフレームは、微量のアルミニウムとバナジウムを加えた合金が主流です。こ の添加によってフレームの強度や剛性が大幅に向上し、快適さとパフォーマンスを両立で きる素材として仕上がっています。パナソニックのチタンフレームもすべてこのチタン合金を使用しています。

※補足情報
  • チタンは純度100%の状態では結晶構造が比較的柔らかく、衝撃や荷重への耐性が低い
  • アルミニウムとバナジウムを加えると、チタンの結晶構造に微細な歪みが生じ、金属の 内部での滑りや変形が抑制される
  • アルミニウムとバナジウムは、チタンの高温強度を高める効果もある(溶接や成形など の製造工程だけでなく、激しい負荷がかかる環境下でもフレームが形状を維持できる)

Q:パナソニック以外にチタンフレームメーカーはありますか?

A:日本国内でチタンフレームを製造しているメーカーは限られています。

いくつか挙げると、和歌山に工房を構えるKUALIS Cyclesさん。ハンドメイドで高品質なチタンフレー ムを製作しています。TOYOさん、Tigさんもチタンフレームを手掛けています。

チタンフレームの製造には高度な技術と時間が求められる一方で、製造コストが高く、利 益を上げるのが難しいため、多くのメーカーは手間のかかるチタンフレームには手を出さ ないのが現実ですね。

Q:チタンフレームがプロロードレースでほとんど使われないのはなぜでしょう?

A:いくつか理由があります。

1. 重量面での競争力不足

チタンは金属の中では軽量な部類ですが、カーボンフレームよりは重いのがまずひとつ。

2. 剛性の不足

プロレースではスプリントやクライミングなど、極限の力がかかる場面が多く、高剛性フレームが求められます。チタンはしなやかさと振動吸収性が優れている一方で、剛性ではカーボンに劣るため、全力疾走だとパワーロスします。

3. コストと製造の手間

製造コストが高く、手間がかかるため、大量生産には向きません。プロチームではスポンサー提供のフレームを使用するケースが多いですが、コスト面や生産性を考えると、スポンサー企業もチタンフレームを提供する選択肢を取りにくいのが現状です。

4. 設計の制約

チタンは加工が難しい素材で、カーボンのように自由度の高い形状を作りにくいです。空力性能を追求した複雑な形状が主流の現代ロードバイクでは、設計自由度が限られるチタンフレームは競技向きとは言えません。



以上、チタンフレームについて、パナソニック サイクルテック社さんに根掘り葉掘り取材させていただきました。ご協力、ありがとうございました!

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う~む、チタンフレームが欲しくなり始めてきたぞ…。
ディスクモデルのチタンフレームがエモい…!


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ロードバイクをバラさずに積めるフリードで、さっそく輪行サイクリングをしてきました。 固定方法をどうしようか悩んだ末、もっとも簡単であろう「廃チューブ」を選びまして、これがいいかんじなので、「もうこれでいいわ」という結論が出ました。 天井のグリップと床を廃 ...
ロードバイクをバラさずに積めるフリードで、さっそく輪行サイクリングをしてきました。

固定方法をどうしようか悩んだ末、もっとも簡単であろう「廃チューブ」を選びまして、これがいいかんじなので、「もうこれでいいわ」という結論が出ました。

2024-11-10 07.21.09

天井のグリップと床を廃チューブでつなぐ

天井と床にフックがあります。ここを使ってゴムを張ります。
廃チューブをかませるだけ。700cのチューブがちょうどいい長さです。

2024-11-25 13.44.31
※後席

2024-11-25 13.44.24
※トランク

2024-11-25 13.44.57
※床にフックがあるの便利~


2本のチューブをこんなかんじで張るイメージです。

2024-11-25 13.44.48

チューブ2本で固定すればOK。
秒で終わってしまった…。呆気なさすぎる。


2台積むなら、間にブランケットとか段ボール等の緩衝材を挟んでおきたいですね。キャンプをしていた頃に使っていたビニールシートを使いまわしています。

2024-11-10 07.21.33

ディスクロードだと、積み方によってはローターが車体に接触したり、隣のバイクのフレームに当たることもあるので、そこは要注意です。

木製のカラビナだと破断する

オシャレかなと思ってあえて木製カラビナを使ったら、チューブを引っ掛けたとたんに破断しました。弱すぎる…。100均だとこんなもんかもしれません。

なので、金属製に交換しました。100円無駄にしてしまった…。
たまに、100均のカラビナを登山で使う人がいるそうですが、絶対にまずいなと実感した次第。

移動中の固定力は抜群

2本のチューブで固定するだけのシンプルなやり方ですが、これで数百キロ走った感想としては、「問題ナッシング」でした。積んでいることを忘れるほど安定しているし、山道で左右に車体を振っても大丈夫。

なお、「運転席の真後ろ」に積んだほうが、リアの視界が確保できるのでオススメです。

2024-11-10 07.20.51

2台は余裕だし、もう1台いけそう

まだやったことはないですが、もう1台積めそうです。

バイクをクロスさせながら積めば…後席はまあまあ窮屈になりそうだけど、たぶん問題ないです。トランク部分にまだ余裕はあるので、ヘルメットやシューズはそっちに入ります。3人で輪行できるのはいいですね。

車に積むストレスって小さくなかった

パンダを使っていた頃は、車載ルーティンが正直おっくうでした。ホイールを外してフレームをひっくり返して、テトリスをやるかのように機材を隙間なく入れ込み、現地でその逆をし、帰るときも同じのを繰り返す…。疲れた状態でやるのはだるいな~って思ってました。

そのストレスが完全になくなって、とてもうれしい。あまりに簡単すぎて、これなら気軽にいつでも輪行したろう!って思えます。

なんなら、1台積みっぱなしにしておいてもいいかも?と思ったりしますが、夏場は車内が高温になってフレームに悪影響だと思うので、やらないほうがいいでしょう。冬は冬で、めっちゃ寒暖差もあるし、やはりフレームになにひとついいことはないと思うので、それはやらないでおきます。

ということで、フリード最高!です。

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