日本人ドライバーもマネよう!オランダ発の自転車接触事故防止プロジェクト「Dutch Reach Project」という素晴らしい取り組み
車と自転車の接触事故の典型例のひとつに、「開いたドアに自転車がぶつかる」がある。タクシーの乗客を下ろす瞬間とか、路肩駐車した車から出ようとしたタイミングでドアが自転車に接触するアレである。 英語には「dooring」という動詞があるくらい日常茶飯事だそうで、そ ...
車と自転車の接触事故の典型例のひとつに、「開いたドアに自転車がぶつかる」がある。タクシーの乗客を下ろす瞬間とか、路肩駐車した車から出ようとしたタイミングでドアが自転車に接触するアレである。
英語には「dooring」という動詞があるくらい日常茶飯事だそうで、それは日本でも変わりない。
YouTubeで「dooring bicycle」で検索するとこんな感じのが見つかる。
↓
これに相当する適当な日本語ってなんだろう?「ドアバンかな?」と思って調べてみたけど、どうやら駐車場でドアを開けたときに隣の車に当たることを指すようで、ちょっと意味が違う。
前触れなくドアが開くのに対して、サイクリスト側はなかなか対処がしようがないのが苦しいところ。いつでもかわせるようにマージンをとっておく…くらいしか対策はない(後述する)。
「いくらサイクリストが注意してても、完全には防げないよなあ」と思っていたある日、こんな記事を見て「この方法があったか!」と膝を打った。
◇ 車のドアと自転車の接触事故を減らすには? オランダ発の知恵がコレ
読めば一発でわかるが、要は「降車の歳、ドライバーはドアから遠いほうの手で開けるのを習慣化する」わけ。そうすることで「自然と上半身がツイストするので目線が後ろに行く=自転車の存在に気付きやすい」のだ。この方法は「ダッチリーチ(Dutch Reach)」と呼ばれている。
絵にするとこう。
検索してみたら、Dutch Reach Project というオランダで全国展開している交通事故予防運動のサイトが見つかった。(英語です)
「こういう交通安全運動は掛け声だけで終わるんじゃない?本当に浸透しているの?」
と思うかもだが、オランダでは自動車免許取得の際にダッチリーチを学ばされる。ドライバーになる人全てがダッチリーチを認知する機会があることで、国家レベルで普及を図っているというわけ。さすが自転車大国だけある。
さらに、子供らは学校でダッチリーチを教育されている。幼少期からやっていれば身につくのは間違いない。
なお、ダッチリーチをしようがしまいが、車のドアを開けるときの習慣として「まずほんの少し開いて自転車やオートバイに”ハイ、出ますよ~いまドアを開けましたよ~”」とアピールするのは大事。これがあるとよける準備ができる。いきなりグオッ!と一気に全開にしないこと。上記動画はそれをやってしまったがために起きた。
何かを習慣化するとき、個々人の努力とか心がけという曖昧なモノに頼るとうまくいかないのでシステムに組み込め、とはよく言われるがまさにそれだと思う。早起きしかり、ダイエットしかり。
運転席にいる状態で左手でドア解除ノブに手を伸ばすと、ステアリングホイールに腕が触れてしまうけれど、できなくはない。車の構造によってはやりにくいかもしれないが、不可能ではないはずだ。もちろん、助手席や後席であればダッチリーチはしやすい。
実際、導入前と比べてオランダでの事故発生件数は大きく減少したとのこと。 機材も不要でノーコストですぐできるのもGOODだ。これ、どの国でも誰でも今日から真似できる。右側通行か左側通行かも関係ないし、大人も子供も老人も誰でも実践できる。
日本でも「自転車は車両」という意識がかなり浸透しているし、車道を走る自転車は増えてきた。とくに人と乗り物が密集する都内では歩道を自転車で走るのは難しい。おのずと車道側に追い出される格好になり、つまりは接触事故が起きやすい環境が整いつつある。
車に乗る機会が多い人はぜひマネてほしいし、ご家族にも伝えて欲しい。
もっと怖いのは対向車線からの右折車。これまた死角なので逃げられない。タイミングが合致するとふっとばされる。車の列の間を通過するときは横方向(とくに右)にも目線を送るようにしている。
車から1メートル距離を取りましょうって言われるよりイメージしやすいのではないだろうか。
ということで、ダッチリーチは日本国民全員がやるべきだし、自転車側も予防策はしておきましょうねというお話でした。
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英語には「dooring」という動詞があるくらい日常茶飯事だそうで、それは日本でも変わりない。
YouTubeで「dooring bicycle」で検索するとこんな感じのが見つかる。
↓
これに相当する適当な日本語ってなんだろう?「ドアバンかな?」と思って調べてみたけど、どうやら駐車場でドアを開けたときに隣の車に当たることを指すようで、ちょっと意味が違う。
前触れなくドアが開くのに対して、サイクリスト側はなかなか対処がしようがないのが苦しいところ。いつでもかわせるようにマージンをとっておく…くらいしか対策はない(後述する)。
「いくらサイクリストが注意してても、完全には防げないよなあ」と思っていたある日、こんな記事を見て「この方法があったか!」と膝を打った。
◇ 車のドアと自転車の接触事故を減らすには? オランダ発の知恵がコレ
読めば一発でわかるが、要は「降車の歳、ドライバーはドアから遠いほうの手で開けるのを習慣化する」わけ。そうすることで「自然と上半身がツイストするので目線が後ろに行く=自転車の存在に気付きやすい」のだ。この方法は「ダッチリーチ(Dutch Reach)」と呼ばれている。
絵にするとこう。
検索してみたら、Dutch Reach Project というオランダで全国展開している交通事故予防運動のサイトが見つかった。(英語です)
ダッチリーチが生まれた背景
自転車大国であることで知られるオランダは、当然ながら自転車と車の接触事故も起きやすい環境にあるし、実際に大きな社会問題になったそうな。「こういう交通安全運動は掛け声だけで終わるんじゃない?本当に浸透しているの?」
と思うかもだが、オランダでは自動車免許取得の際にダッチリーチを学ばされる。ドライバーになる人全てがダッチリーチを認知する機会があることで、国家レベルで普及を図っているというわけ。さすが自転車大国だけある。
さらに、子供らは学校でダッチリーチを教育されている。幼少期からやっていれば身につくのは間違いない。
ダッチリーチ(Dutch Reach)は後席の乗降にもとても有効
ダッチリーチはドライバーだけではなく、むしろ後席の人にこそ有効。なにしろ後席はサイドミラーがないので危険度が高い。ドライバーだけが気をつければいいのではなく、車に乗る人すべてが実践する必要があるのだ。なお、ダッチリーチをしようがしまいが、車のドアを開けるときの習慣として「まずほんの少し開いて自転車やオートバイに”ハイ、出ますよ~いまドアを開けましたよ~”」とアピールするのは大事。これがあるとよける準備ができる。いきなりグオッ!と一気に全開にしないこと。上記動画はそれをやってしまったがために起きた。
何かを習慣化するとき、個々人の努力とか心がけという曖昧なモノに頼るとうまくいかないのでシステムに組み込め、とはよく言われるがまさにそれだと思う。早起きしかり、ダイエットしかり。
試しに自分もダッチリーチ(Dutch Reach)をやってみた
上半身がドア側に向くので後方視界を確保しやすい。首だけを回すよりも自然に目線が後ろを向く。運転席にいる状態で左手でドア解除ノブに手を伸ばすと、ステアリングホイールに腕が触れてしまうけれど、できなくはない。車の構造によってはやりにくいかもしれないが、不可能ではないはずだ。もちろん、助手席や後席であればダッチリーチはしやすい。
50年前からオランダではダッチリーチ(Dutch Reach)が常識という衝撃
驚いたのは、なんと「50年前からオランダではダッチリーチが常識」という点。そんな前から取り組んでいたならば、ダッチリーチがかなり普及していることだろう。実際、導入前と比べてオランダでの事故発生件数は大きく減少したとのこと。 機材も不要でノーコストですぐできるのもGOODだ。これ、どの国でも誰でも今日から真似できる。右側通行か左側通行かも関係ないし、大人も子供も老人も誰でも実践できる。
日本でも「自転車は車両」という意識がかなり浸透しているし、車道を走る自転車は増えてきた。とくに人と乗り物が密集する都内では歩道を自転車で走るのは難しい。おのずと車道側に追い出される格好になり、つまりは接触事故が起きやすい環境が整いつつある。
車に乗る機会が多い人はぜひマネてほしいし、ご家族にも伝えて欲しい。
自転車側でやれる予防策3つ
ダッチリーチからはちょっと離れるが、ドア接触事故を避けるために自転車側にもできる対策はある。個人的に実践しているのは3つ。1.挙動の読みにくいタクシーとは距離を取る
タクシーは危険。自転車などお構いなしに前に割り込んだりドアを開けたりする。乗客の指示に従わなくてはならないので致し方ない面もあるが、そのぶんこっちはより注意しないとダメ。自分はタクシーの左側はなるべく通過しないようにしている。後席ドアは客の意思とは関係なくドライバーが開け締めするので、ダッチリーチもへったくれもない。2.渋滞で停止中の車の列を通過する際はスピードは控えめに
信号待ちなどで車の列がズラーーーっとできているとき、側道を勢いよく通過してしまいたい気持ちになるが、いつでも止まれるくらいまでスピードは落とす。車のドアが開く可能性はあまりないが、車と車の間から横断歩行者がヌッと現れることがある。死角なので非常に危険。かわす余裕もない。もっと怖いのは対向車線からの右折車。これまた死角なので逃げられない。タイミングが合致するとふっとばされる。車の列の間を通過するときは横方向(とくに右)にも目線を送るようにしている。
3.右側を通過するときは十分なマージンを取る
路肩駐車した車の右側を通過するとき、「ドアがいきなり開くかもしれない」と意識しておく。そのためにはスレスレを走らずマージンをとる。自分がとる距離は「成人が正対するように立っていたとしても当たらない」くらい。車から1メートル距離を取りましょうって言われるよりイメージしやすいのではないだろうか。
ということで、ダッチリーチは日本国民全員がやるべきだし、自転車側も予防策はしておきましょうねというお話でした。
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