頑丈な自転車の鍵が巨大カッターでぶった切られてしまう動画
「完全無欠の自転車のカギなんて、存在しない」 「プロの窃盗団に狙われたら、どんなカギをかけていてもムダだ」 …なんてセリフをよく聞く。 それは事実だとは思うけど、だからといって大切な愛車を無施錠で駐輪するサイクリストも(あまり)いない。 カンペキでは ...
「完全無欠の自転車のカギなんて、存在しない」
「プロの窃盗団に狙われたら、どんなカギをかけていてもムダだ」
…なんてセリフをよく聞く。
それは事実だとは思うけど、だからといって大切な愛車を無施錠で駐輪するサイクリストも(あまり)いない。
カンペキではないにせよ、ある程度、できる限りの盗難対策はとっておきたいものだ。
値段がかさむカギであればあるほど、丈夫で壊されにくい。ただし、重量も比例して増すので、携行性が犠牲となる。それぞれのサイクリストが、「まあ、堅牢性と重量をてんびんにかけると、現実的に考えてこの大きさまでだよな…」と妥協していると思う。
細いワイヤー錠はカッターで瞬殺できてしまうのは、(サイクリストの間では)わりと周知の事実だが、では丈夫なタイプであればどうか?本格的な大型カッターを使って、本気で壊しにかかっても、持ちこたえてくれるのだろうか?
それを実験していた動画があったので、翻訳してご紹介しよう。
実験をするのはもちろん窃盗団ではなく、自転車屋さんとおぼしき人物。交通量の多い道路、かつバイクショップの目の前で実演している。
動画撮影前にすでに数回、プレート部分の切断を試みたが、キズを付けることはできても完遂はできなかったらしい。
今回のアタック箇所はプレートではなく、”ブレート同士をつなぐコネクティングピン”の部分。ここにカッターをねじ込み、ぶった切ってみようという寸法。 たしかに、プレートそのものよりは突破しやすそうな気がする。
取り出したのは巨大なボルトカッター。長さは…50〜60センチくらいだろうか。日常生活ではまず目にしないサイズ。
最初の数回はうまく刃先をねじ込めず、力を加えようとしてもスコッと抜けてしまうが、キズをくわえていくうちに徐々に刃が入るスペースが生まれる。
やがて隙間が生じ、刃先をガッチリとピンに差し込むことができると、あっけなくピンが壊されてしまった。かかった時間はちょうど1分。動画を観ていると「けっこう手こずっているな…」と感じるが、わずか1分の出来事だ。
「このセキュリティレベルのカギが、1分で壊されてしまうとは…」とショックを受けた。
なお、コメント欄では賛否両論渦巻いていた。というか、批判のほうが圧倒的に多くて、「こういう動画をアップすることで、窃盗団に余計な知識を与えてしまっているだろうが!」という指摘が目立っていた。なるほど。 そういう気がしないでもない。
U字ロックは海外ではかなり普及していていて、Kryptonite Evolution Miniもそう。65~85ドルくらいの価格で出回っているらしい。(不思議と日本ではU字タイプは人気が薄い)
実験に使ったロックには差込口に亀裂が入っているので、そこではない金属棒の部分にアタックする。
最初に使ったのは全長25センチほどのボルトカッター。「そのサイズではムリだろ…」と思ったとおり、まったく歯が立たない。切るどころか、ろくにキズもつけられない。やはりU字ロックは頑丈だ。
次に、36インチ(約91センチ)の大型ボルトカッターで再挑戦。オバケのようなカッターだ。こんなの街中で担いでいたら、ソッコーで警官に職質されるのは必至。
これを両手に持ってガシガシさせるも、やはりロックはビクともしない。
手だけの力で切るのは厳しいと判断し、片方のレバーを地面に着け、もう片方に体重を乗せて力任せにぶった切ろうとするも…。
切れない。ぜんぜん切れる予兆さえ見せずに耐えきった。クリプトナイトのU字ロックの威力、すごい。
動画主は、「盗み方のハウツーを紹介しているんじゃないよ。友人からもらって使ってみたんだけど、鍵を差し込んでも外すことができないんだ。だから、致し方なく切ることにしたんだ」と訴えていた。
取り出したのは、かなり大型のボルトカッター。前の動画同様、これも全長90センチ近くありそう。
体重を乗せまくってエイヤエイヤと力任せにパワーを掛けたところ、パツンと弾けるように切れた。あれ?クリプトナイトのU字ロックなのに、切れるの?
両サイドから歯が食い込み、それぞれ3分の1ほど歯が入ったところで、金属側が堪えきれずに破裂するように切れた。所要時間はたったの1分27秒。
見るからにくたびれたロックだったので、「単純に古かったせいで、経年劣化していたのでは…」という気もしたが、金属部分は腐食していない。
これは、クリプトナイトのU字ロックが脆弱というよりも、大型ボルトカッターの威力を褒めるべきなような気がする。
動画に登場したABUSとクリプトナイトのロックは、そのへんのワイヤーロックとは比べ物にならないほど堅牢で信頼性の高いモノだ。にもかかわらず、この結果である。
「大型ボルトカッターに狙われたらかなりヤバい」ことは、わかっていただけたのではないだろうか。
/ 街中って、ホントに駐輪場所に困る… \
……と、ここで終わってしまうと悲しいというか、後味が悪いので、(知人に教わった)カギをかけるときのコツを紹介しておく。
それは、「鍵はなるべく高い位置にかけること」 である。
低い部分だとコソコソ作業できてしまうし、体重を利用したり、地面を使ってテコの原理でぶった切れてしまうからだ。
たとえばBBとかチェーンステー付近ではなく、トップチューブ周辺にロックを通す…という心掛けですね。周囲へのアピールにもなるし、鍵を壊そうとするとどうしても目立ってしまう。
まあ、おまじないレベルの効果しかないかもしれないが、覚えておいて損はないのではないだろうか。
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「プロの窃盗団に狙われたら、どんなカギをかけていてもムダだ」
…なんてセリフをよく聞く。
それは事実だとは思うけど、だからといって大切な愛車を無施錠で駐輪するサイクリストも(あまり)いない。
カンペキではないにせよ、ある程度、できる限りの盗難対策はとっておきたいものだ。
値段がかさむカギであればあるほど、丈夫で壊されにくい。ただし、重量も比例して増すので、携行性が犠牲となる。それぞれのサイクリストが、「まあ、堅牢性と重量をてんびんにかけると、現実的に考えてこの大きさまでだよな…」と妥協していると思う。
細いワイヤー錠はカッターで瞬殺できてしまうのは、(サイクリストの間では)わりと周知の事実だが、では丈夫なタイプであればどうか?本格的な大型カッターを使って、本気で壊しにかかっても、持ちこたえてくれるのだろうか?
それを実験していた動画があったので、翻訳してご紹介しよう。
Abus Bordo 6000 cut
金属プレートをつなぎ合わせた形状の「Abus Bordo 6000を壊す実験動画」。ドイツ製で、かなり丈夫な部類に入るカギだ。スチールのプレート(厚さ5ミリ)を重ねて連結された造りをしている。実験をするのはもちろん窃盗団ではなく、自転車屋さんとおぼしき人物。交通量の多い道路、かつバイクショップの目の前で実演している。
動画撮影前にすでに数回、プレート部分の切断を試みたが、キズを付けることはできても完遂はできなかったらしい。
今回のアタック箇所はプレートではなく、”ブレート同士をつなぐコネクティングピン”の部分。ここにカッターをねじ込み、ぶった切ってみようという寸法。 たしかに、プレートそのものよりは突破しやすそうな気がする。
取り出したのは巨大なボルトカッター。長さは…50〜60センチくらいだろうか。日常生活ではまず目にしないサイズ。
最初の数回はうまく刃先をねじ込めず、力を加えようとしてもスコッと抜けてしまうが、キズをくわえていくうちに徐々に刃が入るスペースが生まれる。
やがて隙間が生じ、刃先をガッチリとピンに差し込むことができると、あっけなくピンが壊されてしまった。かかった時間はちょうど1分。動画を観ていると「けっこう手こずっているな…」と感じるが、わずか1分の出来事だ。
「このセキュリティレベルのカギが、1分で壊されてしまうとは…」とショックを受けた。
なお、コメント欄では賛否両論渦巻いていた。というか、批判のほうが圧倒的に多くて、「こういう動画をアップすることで、窃盗団に余計な知識を与えてしまっているだろうが!」という指摘が目立っていた。なるほど。 そういう気がしないでもない。
Kryptonite Evolution Mini VS Bolt Cutters
お次は「Kryptonite Evolution Miniを壊す動画」。撮影者は上記とは別の人。U字ロックは海外ではかなり普及していていて、Kryptonite Evolution Miniもそう。65~85ドルくらいの価格で出回っているらしい。(不思議と日本ではU字タイプは人気が薄い)
実験に使ったロックには差込口に亀裂が入っているので、そこではない金属棒の部分にアタックする。
最初に使ったのは全長25センチほどのボルトカッター。「そのサイズではムリだろ…」と思ったとおり、まったく歯が立たない。切るどころか、ろくにキズもつけられない。やはりU字ロックは頑丈だ。
次に、36インチ(約91センチ)の大型ボルトカッターで再挑戦。オバケのようなカッターだ。こんなの街中で担いでいたら、ソッコーで警官に職質されるのは必至。
これを両手に持ってガシガシさせるも、やはりロックはビクともしない。
手だけの力で切るのは厳しいと判断し、片方のレバーを地面に着け、もう片方に体重を乗せて力任せにぶった切ろうとするも…。
切れない。ぜんぜん切れる予兆さえ見せずに耐えきった。クリプトナイトのU字ロックの威力、すごい。
Bolt cutters vs Kryptonite lock -- under 2 mins!
最後はKryptolok Series 2 という上記と同じクリプトナイト社のU字ロックの突破を試みる動画。動画主は、「盗み方のハウツーを紹介しているんじゃないよ。友人からもらって使ってみたんだけど、鍵を差し込んでも外すことができないんだ。だから、致し方なく切ることにしたんだ」と訴えていた。
取り出したのは、かなり大型のボルトカッター。前の動画同様、これも全長90センチ近くありそう。
体重を乗せまくってエイヤエイヤと力任せにパワーを掛けたところ、パツンと弾けるように切れた。あれ?クリプトナイトのU字ロックなのに、切れるの?
両サイドから歯が食い込み、それぞれ3分の1ほど歯が入ったところで、金属側が堪えきれずに破裂するように切れた。所要時間はたったの1分27秒。
見るからにくたびれたロックだったので、「単純に古かったせいで、経年劣化していたのでは…」という気もしたが、金属部分は腐食していない。
これは、クリプトナイトのU字ロックが脆弱というよりも、大型ボルトカッターの威力を褒めるべきなような気がする。
動画に登場したABUSとクリプトナイトのロックは、そのへんのワイヤーロックとは比べ物にならないほど堅牢で信頼性の高いモノだ。にもかかわらず、この結果である。
「大型ボルトカッターに狙われたらかなりヤバい」ことは、わかっていただけたのではないだろうか。
/ 街中って、ホントに駐輪場所に困る… \
……と、ここで終わってしまうと悲しいというか、後味が悪いので、(知人に教わった)カギをかけるときのコツを紹介しておく。
それは、「鍵はなるべく高い位置にかけること」 である。
低い部分だとコソコソ作業できてしまうし、体重を利用したり、地面を使ってテコの原理でぶった切れてしまうからだ。
たとえばBBとかチェーンステー付近ではなく、トップチューブ周辺にロックを通す…という心掛けですね。周囲へのアピールにもなるし、鍵を壊そうとするとどうしても目立ってしまう。
まあ、おまじないレベルの効果しかないかもしれないが、覚えておいて損はないのではないだろうか。
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