サイクルガジェット ロードバイクが100倍楽しくなるブログ

ロードバイクとミニベロを徹底的にユーザー目線で解説するブログ &YouTubeチャンネル。面白さ国内No1を目指します。大学生の娘と運営。インプレ、イベントレポ、安全で楽しいサイクリングのコツ、メンテのノウハウ、海外記事&動画の翻訳も。ねとらぼ、産経サイクリスト、MarkeZine等で連載も。

2015年09月

自分はソロでマイペースで走るのも、仲間とグループでツーリングするのも好きなんだけど、初対面の方といっしょに走るときは、ちょっと緊張する。走りながらの意思疎通ができるかどうかを気にしてしまうのだ。うまくできないと、事故や落車の原因になるからね。 ※街中の ...

自分はソロでマイペースで走るのも、仲間とグループでツーリングするのも好きなんだけど、初対面の方といっしょに走るときは、ちょっと緊張する。



走りながらの意思疎通ができるかどうかを気にしてしまうのだ。うまくできないと、事故や落車の原因になるからね。

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※街中の集団走行はかなり気を使うよね。


グループライドでの走行中のコミュニケーション手段は大きくふたつあって、ひとつは声、もうひとつはジャスチャー。あるいは両方のコンビネーション。



サイクリングティップスという海外の自転車メディアに、「How To: Verbal and Non-Verbal Communication(言語&非言語コミュニケーションのノウハウ)」という記事があって、参考になったので翻訳しつつご紹介したい。



まずは言語編。


ローリング!(ROLLING!)

赤信号で止まるのは常識だけど、トレイン走行中の急停車もじつは危ない。たとえば、自分がトレインの先頭で走って(しかもけっこうなスピードで)いて、後ろに数人並んでいたとする。


あなたが交差点に差し掛かる手前で黄信号になった場合、急停車するのがよいか、そのまま走り抜けるほうがいいかは判断が難しい。道交法を順守するなら、停車するべきだろうが、後続が間に合わず、追突&落車という事態もありえる。


場合によっては、そのまま走り抜けたほうがよい場合もある。そういうときは、「ローリング!(ROLLING!)」と言って、ペダリングを止めずに、渡り切る。


クリアー!(CLEAR!)

信号のない交差点で、車は来ていないので横断できると先頭が判断したとき、「クリアー!」と言う。


このとき、「ゴー!(Go!)」と言ってはダメ。なぜなら、「ノー!(No!)」に聞き違える可能性があるから。英語の場合だけでなく、日本語でも聞き取りにくい言葉はあるよね。「(安全なので)行きまーす」と「(車が)来まーす」は似ているわりに逆の意味だし。



カー バック!(CAR BACK!)

車がトレインを後方から追い抜こうとするとき、最後尾のライダーが前に向かって、伝言ゲームよろしく「車が来たよ」と伝える言葉。


スローイング!(もしくは)ストッピング!(SLOWING! or STOPPING!)

赤信号に引っかかり、わりと急停車しなければならない状況では、「ストッピング!」と後続に伝える。手のひらを広げて、上下させることで「スピード落とせ」というメッセージになるので、余裕があるときは言葉とジェスチャーのコンボでおこなうのもOK。


カー アップ!(CAR UP!)

トレインを組んで走ってて、側道に車が駐車してあった場合、「カー アップ!」と言って、後続に「避けてね」と伝える。手を平をヒラヒラさせて右(or 左)に避けろとサインをしてもよし。


ライダーズ アップ!(RIDERS UP!)

「ライダーズ アップ!」は高速トレインで走っていて、前方の別のグループを追い抜きたいとき、後続に知らせる言葉。



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※ただ、人数が増えると、言葉で意思疎通するのは限界がある。あと、街中は雑音&騒音も多く、聞き取りづらいことも。



お次は非言語(ジェスチャー)編


前方に側溝あり

前方に溝など避けるべき物があった場合、指先で移動するべき方向を指し示す。 こういうハンドサインは初めて見た。自分の周囲でよく見るのは、「手のひらを後ろに向けて左右に振る」だね。


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障害物&危険物

路面に危険な障害物や穴があった場合、指先で指し示す。後続が余裕を持って避けられるよう、直前ではなく、十分な距離をおいて知らせよう。直前にサインを出されると、慌てさせることになる。


ガラス片&砂利

ガラス片や砂利を見つけた場合。上記の障害物の場合に似ているが、ちょっとちがうバリエーション。点で指し示すのではなく、指を地面に向けてクルクル振って、「広範囲で注意ね」という意図を伝える。


先頭交代

肘を動かし(外に開き)、後ろを走るライダーに「先頭を牽いてくれ」と合図する。 本格的にトレインを組んで走ることをしないので、こういうハンドサインがあるってことは知らなかった。日本でも通用するのだろか?


パンク

片手を挙げ、「パンクした」とアピール。ペダリングを止めて直線に惰性のまま走り、後続の仲間を先に行かせてから停車する。




以上、サイクリングティップスの声とジェスチャーのコミュニケーションの記事の翻訳紹介でした。

自転車事故の法律相談 (法律相談シリーズ)



※こういう書籍のお世話には、なるべくなりたくないものだ……。



なお、ハンドサインに関する個人的な心がけとして、「ダウンヒル中はハンドサインを出さない」と決めている。なぜなら、高速移動中の片手運転はかなり危険なので。



同じ理由で、後ろを振り返ることも基本的にはしない。一瞬のよそ見が命取りにもなるから。ダウンヒル中は、己の走行にのみ神経を集中させ、後続はあまり気にしない。(したくでもできない)



ということは、自分の前方を走る人も同じ事情であることは容易に想像がつく。よって、ダウンヒル中は人にくっついて走らないほうがいいだろうと思い、わざと距離を開けて下るようにしている。


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乗車中のコミュニケーションはむっさ大事。初対面でお互いをよく知らないまま走りだしてしまうと、ハンドサインを出すのか出さないのか、理解し合えるかどうか不安を抱えたままになってしまうこともあるだろう。



恥ずかしいからハンドサイン出さないとか、声での意思疎通をためらうのはご法度ね。サイクリングはケガなく、楽しく終えるのが鉄則なので。


画像引用元

How To: Verbal and Non-Verbal Communication

2014年6月にパンダが納車されて1年と4ヶ月になる。走行距離は15,000キロを越えた。自分はパンダをとても気に入っており、大事に大事に乗り続けるつもりなのだが、オクサマの感想を聞いたことがなかった。そこで、改めて「フィアット・パンダのよい点・イマイチな点」を彼女視 ...

2014年6月にパンダが納車されて1年と4ヶ月になる。走行距離は15,000キロを越えた。



自分はパンダをとても気に入っており、大事に大事に乗り続けるつもりなのだが、オクサマの感想を聞いたことがなかった。そこで、改めて「フィアット・パンダのよい点・イマイチな点」を彼女視点で教えてもらった。


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オクサマ・インプレッション 『フィアット パンダのよい点』

運転席の見晴らしがよい

身長が150センチに満たないオクサマは、背の低い車を嫌う。背が低いというよりは、シートが寝た車を嫌っている。よってアップライトな姿勢で座らせる(以前乗っていた)ゴルフやPOLOはけっこう気に入ってくれていた。



パンダになったことで、ハッチバック等の乗用車より15センチほどアイポイントが上がったわけだが、遠くまで見渡せて安心して運転できるのが良いとのこと。

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※パンダの全高(全高1550mm)はとFFのフィットの全高(全高1520mm)より高い。


内外装がポップでカワイイ

チョロQ的なルックスがキュートであるのと、ポップで愛らしい内装が気に入っているとのこと。つまり眺めてよし、中に入ってよし、である。これは夫婦同意見で、初めて試乗のために乗り込んだ瞬間、声を揃えて「いいねー」ってなった。



安っぽいプラスチックしか使っていないのに、なぜにこうもステキなデザインが出来てしまうのだろう。イタリア人のアーティスティックさに脱帽である。

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狭いはずの後席なのにそう感じさせない

ホイールベースが2,300ミリとマーチ(2,430ミリ)、フィット(2,530ミリ)より短いにもかかわらず、4人が窮屈な思いをせずに快適に座れる。アップライトに座らせることでスペースを稼いでいるのだが、その姿勢も違和感ない。



あと、ボディがキレイなボックス形状のため、頭と肩の周辺のスペースもちゃんと確保されている。ドアも真四角に近い形状なので、乗り降りもしやすいのだ。以前乗っていたVWのポロよりも、パンダは数値上のスペースは少ないはずなのに、開放感では優っている。



つまり狭いはずなのに、窮屈に感じない。パンダのパッケージングの妙である。ただし、身長180センチ以上の人にはオススメしない。

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※いくらパッケージングが良いといっても限界はある(ちなみに自分の身長は173センチ)


小さなスキマでも駐車できる

運転に自信がないオクサマは、とにかく大きい車を運転することを嫌がる。スーパー等のせまい駐車場でも切り返しなしでスッと入るのが便利で、不安感無く運転できるそうだ。



全長3655mm×全幅1645mm×全高1550mm というジオメトリは、軽自動車より大きく、日本のコンパクトカー(ヴィッツ、マーチ、フィット、デミオ)よりやや小さい。絶妙なサイズ感である。また、見切りがよいのもGOODである。

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オクサマ・インプレッション 『フィアット パンダのイマイチな点』

他の車にナメられる

「赤くて軽自動車に毛が生えた程度のサイズ=女性っぽい=他の車にナメられる」らしい。街中で割り込みはしょっちゅうされてしまうそうだ。



たしかに自分も高速道路でそれを感じる。が、デメリットと呼ぶほどのことではない。安全運転を心がけるキッカケとし、どんどん割り込んでいただけば良いだけである。


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ヘッドライトが暗い

ヘッドライトが若干暗いような気は買ったその日からしていた。自分だけかなあと思ったら、オクサマも同じ意見。流行りのLEDにしたいなーとは思いつつも、アップグレード費用が6万円ほどかかってしまうので、現状で我慢している。



ディーラーの営業さんに訊いたら、「同じようにおっしゃる方は少なくないですね」とのこと。

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サンバイザーにライトがない

運転席も助手席もサンバイザーにライトは内蔵されていない。暗いときに化粧直しができないのが、たまに困るらしい。自分は別に困ったことはない。


サイドミラー&リアウィンドウの開閉が手動

パンダはリア窓とサイドミラーが手動である。手動であることで、狭い駐車場でサイドミラーを「いちいち畳むのがちょっとめんどう」であるとのこと。が、裏を返せば故障の可能性がゼロなので、自分としてはむしろ手動でよかったと感じている。


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スモールライトを付けられない

パンダでライトオンすると、スモールライトとヘッドライトが両方点灯する。スモールライトだけを点けることができないのだ。オクサマはこれを「なんだかなー」と面白く思っていない。



「スモールライトだけを点けられないことで、どんな不便があるの?」と聞いてみたら、「いや、とくにないんだけどさ」と笑っていた。デメリットにさえならないていどのことである。


ワイパーの間欠モードが開きすぎている

ワイパーはモードが2つしかない。速いか遅いかである。大雨のときは速いモード、しとしと雨のときは遅いモードで凌ぐのだが、いわゆるフツーの雨のときにほしい中間モードがない(笑)。ちょい速いモードがあればなって感じることは月に1回くらいあるそうな。



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助手席側の窓の開閉ボタンが操作しにくい

オクサマに指摘されて自分も気づいたが、助手席側の窓を開け閉めするボタンが微妙に使いづらい位置にある。ふつう、ドアに窓のボタンってあるんだけど、パンダはATシフトノブのそばにある。



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※上の写真は運転席側の窓のボタン


運転席側のボタンは手の届く場所にあるのだが、助手席側のを運転席から操作しようとすると、シフトレバーがジャマをする。慣れてしまえば迂回して操作するようになるが、オクサマは指をシフトレバーによくぶつけるらしい(笑)。


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※助手席側の窓はこのように操作します


嫌いだったが、徐々に好きになってきたこと

エンジン音

二気筒エンジンのポポポポというアイドリング時の音が、オクサマには「気が抜けたような、車らしくないふざけた音だな」と感じられてしまったそうだ。



自分は可愛い音だから好きだったんだが、音ひとつで夫婦でこうも意見が分かれるのがおもしろい。ただ、いまではオクサマも「愛嬌があって、逆に好きになってきた」と笑っている。



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低速でギアがギクシャクする

じつはパンダ購入前にオクサマがもっとも気にしたのがこれだった。デュアロジックのマニュアルの癖で、変速時にカックンとしたショックが来る。



アクセルワークで変速ショックをいなすことを覚えればスムーズに走れるのだが、それを知らないままいきなり運転したときは、「なんだこのギクシャク感は!?」って感じたそうだ。


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自分はその癖が逆に「面白い!」って一目惚れしたのだが、オクサマは「運転しづらい…」って不安になったそう。



ただ、2~3速の変速タイミングは日本の渋滞にはマッチしていないのはたしか。ノロノロ運転時は2~3速の間でヒョコヒョコしてしまう。(時速50キロを越えてくる)3~5速で速度に乗れば、イッキに面白くなる。



パンダは、車の流れの速い幹線道路や高速道路のような高速域でエンジンをブンブン回してやるのが本領を発揮してくれる。

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以上、オクサマによる「フィアットパンダの良いとこと、イマイチなところ」をお届けしました。



200万円以下のコンパクトカーが欲しいけど、あまりに普及しすぎているフィットやマーチやデミオを選ぶのもどうかなーとお考えの方に、パンダは選択肢のひとつになり得ると断言したい。



ディーラーの数が少ないのが難点だが、ウェブサイトの店舗一覧ページでお探しになってみてくだされ。ちなみに埼玉県内は「大宮」、「所沢」、「三郷」、そして「むさし野(浦和)」の4店舗。店舗の少なさが玉にキズではあるね。



輸入車選びの本 2015―最新 30項目パーフェクト評価データブックで輸入車のすべてがわかる


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プロのサイクルロードレースを観るたびに不思議で仕方のなかったモノに「ニュートラルバイク」がある。事故やトラブルでバイクを失った選手が緊急時に使うバイクであることは当然わかる。しかし、どんなバイクなのか、どのメーカーのバイクなのか、どんなコンポーネントが装 ...

プロのサイクルロードレースを観るたびに不思議で仕方のなかったモノに「ニュートラルバイク」がある。



事故やトラブルでバイクを失った選手が緊急時に使うバイクであることは当然わかる。しかし、どんなバイクなのか、どのメーカーのバイクなのか、どんなコンポーネントが装着されているのか、選手の体格にどう合わせるのか、知らないことだらけである。



Global Cycling Network(GCN)で「ニュートラルバイクとはどんなバイクなのか」を解説する動画を見つけたので、翻訳しつつご紹介する。

Shimano Neutral Support Bike





ブエルタ・ア・エスパーニャに投入されたニュートラルバイクはシマノ製。シマノのスタッフによれば、過去2年間のブエルタ・ア・エスパーニャにおいては「だれもニュートラルバイクを使う事態にはなっていない」とのこと。事故がないという証拠なので、よいことではあるね。


どんなフレーム? コンポーネント? メーカーは?

フレームにブランドロゴはなく、シマノのDi2ロゴが代わりに載っている。コンポーネントは電動デュラエース。 チェーンリングの歯数は「52-38T」、ちなみに大半のプロ選手は「53-39T」を使っている。


Shimano


使われている機材は?

スプロケットの歯数は「11−28T」あるので、ほぼどんなシチュエーションでも対応できる。ホイールはデュラエースのC50。クリンチャータイヤである。

※カーボンクリンチャーのC35も用意されている。


Shimano3


なお、なぜニュートラルバイクにクリンチャータイヤが装着されているかというと、単純に「メンテナンスがラクで、ホイールがダメージを受けにくいから」だとのこと。



タイヤはコンチネンタル。ステムはPRO(11センチ)。ハンドルバーも同じくPRO製だ。シートポストもPRO。すべてPROで統一されている。


Shimano4


1点、通常のプロ選手用バイクにはない特長として、シートの高さを調節できるよう、クイックリリースで調整するようになっている。


Shimano5


シートの高さは調整できるとして、フレームサイズは? その点も抜かりはない。シマノのニュートラルカーには、サイズの異なる4種類のバイク(XS、S、M、L)が積載されている。



あと、ビンディングペダルも各種取り揃えられており、シマノ以外にもLOOK、スピードプレイ、タイムが車内に用意されている。よって、基本的に誰が緊急事態に陥ろうとも、バイクを提供できるのだ。


Shimano6



重さはどうか?

プロのバイクはUCI規定である6.8kgちょいに収められているが、ニュートラルバイクは「7.7kg」である(フレームサイズで若干の差はあるが)。よって、重さ的にはやや不利なのだ。



これまで、ニュートラルバイクなんて気にもしたことがなかったので、勉強になった。それにしても、Global Cycling Network さんの着眼点には感服させられる。


栗村修の100倍楽しむ! サイクルロードレース観戦術



あと、いつも動画紹介させてもらっているので、GCNのオンラインショップでパーカーを購入させていただいた。


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※サイトドメインはイギリスなのに、商品はなぜかドイツから届いた




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※ビニールなどには包まれていない、そのままの状態で入ってた(笑)




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※厚めのしっかりした生地でできているYO! プリントの質も良い!

ロードバイクを2014年1月に買ったとき、あまり深く考えずにビンディングをLOOKにした。たまたま中古のペダルを知人から頂戴したのがキッカケだったのだが、「せっかくいただいたんだし、じゃあLOOKでいくか」とポンと決めた。初めてのロードバイクにタイムとかスピードプレイ ...

ロードバイクを2014年1月に買ったとき、あまり深く考えずにビンディングをLOOKにした。

たまたま中古のペダルを知人から頂戴したのがキッカケだったのだが、「せっかくいただいたんだし、じゃあLOOKでいくか」とポンと決めた。初めてのロードバイクにタイムとかスピードプレイは凝り過ぎかなと考えたのもある。

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PD-A600はアルテグラ・グレードです


ミニベロはずっとSPD(PD-A600)を愛用してきたので、一瞬は「同じのにしようかな?シューズも一足で済むし」とも考えたのだが、せっかくのロードバイクだし!というよくわからない意気込みでLOOKをチョイスした。


LOOKのペダルを1年半使った結果、「なんか違う、窮屈だ…」と思って、今年の夏にミニベロと同じSPD(PD-A600)に交換した。

SPD(PD-A600)をロードバイクでも使い始めて3ヶ月ほど経つが、「交換してよかった!」と思っている。ミニベロで使い慣れているものだからそりゃそうだろという気もするが、それだけではない気もするのだ。

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ということで、SPD(PD-A600)をロードバイクで使ってみて感じたことをまとめてみます。


SPD(PD-A600)に交換してよかった点

キツすぎず、ユルすぎずのほどほどな固定感

LOOKペダルは3種類あって、固定の硬さを3段階で選べるのだが、自分が使っていたのは真ん中のほどほどにカカトが動くタイプ。

それでも、ビンディングをクリートにはめ込むとがっちりと固定されている感じがあった。本格的にレースでぶん回すならこの固定力はありがたいし、むしろ安心感があるのだろうが、自分には窮屈に感じることが多かった。

SPDはキツくもゆるくもない、ちょうどよい固定力が心地よい。100キロを越えるツーリングになってくると、その違いをハッキリと感じ取れるよ。

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ただし、SPDの固定力を「ゆるすぎる。スプリントに向いていない」と評する人も少ないくない。レース向けのビンディングシステムではないので、レース志向の人はシマノやLOOK等のロードバイク用を使うことをオススメする。

クリートの脱着がやりやすい

クリートのバネ調整次第なので、何を使おうとも脱着はしやすくできる。

とはいえ、SPDはLOOKよりはるかに外しやすい。あまり力をかけなくても、ちょっと足首を外側にひねるだけで「パチンッ」と外れる。

ロングライドでは道中で何度も付け外しを繰り返すわけで、LOOKだと終盤は足首が疲れてくる。SPDくらいの脱着のしやすさだと、足首に優しく、苦にならない。あと、外しやすいことでとっさの停車時でも足が回しやすく、立ちごけ防止になると思う。

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偉そうなこと言ってますが、三本ローラーでコケてます……(汗)

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まさかの原因で三本ローラーから二度目の落車したYO!

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※再現写真です(笑)


信じられないくらいクリートが長持ちして経済的

2012年7月からDMTのマウンテンバイクシューズを使い始めたのだが、シューズはボロボロなのにSPDクリートがまったく摩耗していない。

買ったときについてきたクリートを今も使っている。ミニベロとロードバイクでガシガシに使い倒しているつもりなのだが、耐久性の高さに(いい意味で)呆れている。

もうシューズをそろそろ交換する時期なんだけど、結局クリートは1回も交換せずにすみそうだ。よって、個人的なアドバイスとしては、予備のSPDクリートは(壊れるとかしないかぎり)いくつも予備を在庫しておく必要はないだろう。安いし、必要になったときに1ペア買うだけでいい。

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※ソールはボロボロだけど、クリートはぜんぜん摩耗してない


SPD(PD-A600)に交換してイマイチだった点

シューズの選択肢が少ない

ショップでシューズコーナーを見ればわかると思うが、たいてい8対2か9対1でSPD以外のラインナップが棚を占めているだろう。SPD-SL とかタイム、LOOK、スピードプレイなど、いわゆるロードバイクでは主流の製品が目立ち、SPDは選択肢が少ない。

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シューズがあまりかっこ良くない

ありていに言ってしまうと、野暮ったいシューズもある。中には「ロードバイクには似合わないなあ」と感じる商品もあるね。

まあ、もともとマウンテンバイク用のビンディングシステムなので、当然といえば当然だが。でも、さがせばロード用シューズに引けをとらないデザインもあるよ。

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SPDを3ヶ月間、ロードバイクで試してみての結論

というわけで、ロードバイクでSPD(PD-A600)を使い出して3ヶ月になるけど、このままでいるつもり。たぶん、LOOKに戻すことはないし、タイムやスピードプレイに浮気する気もない。

初めてロードバイクを買う人って、「なんとなく」とか「周囲がそうだから」という理由でSPD-SL を選ぶ人が多い気がするけど、SPDも選択肢に入れて考えられてはいかがでしょうか?

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ロードバイクのペダルをLOOKから『PD-A600』に交換したら、すっごく快適になった

ロードバイクに乗ると汗をかく、汗をかけば風呂に入りたくなる。そこで銭湯である。個人的に「交互浴」が好きで、温泉であろうが銭湯であろうが、必ず湯と冷水に交互に入って疲れを取る。よって、初めて行く銭湯には電話して、水風呂の有無を確認している。 関連記事 【疲れ ...

ロードバイクに乗ると汗をかく、汗をかけば風呂に入りたくなる。そこで銭湯である。



個人的に「交互浴」が好きで、温泉であろうが銭湯であろうが、必ず湯と冷水に交互に入って疲れを取る。よって、初めて行く銭湯には電話して、水風呂の有無を確認している。

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今回は、仕事帰りに四ツ谷駅近くの「塩湯」に行ってきた。(ロードバイクではなく、徒歩で)



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もちろん、水風呂があることは事前に確認済み。ではさっそくレビューしよう。


四ツ谷駅から徒歩3分

アクセスのよい銭湯は、それだけで好きになってしまう。塩湯はなんと四ツ谷駅から徒歩3分。四ツ谷駅周辺に銭湯なんて、あったっけ…?。何度も行ったことあるけど、見たことないぞ。



しかし、地図を見て合点がいった。入り組んだ路地にあるからである。入り組んでいるとはいっても、駅チカなのは間違いない。大通りを歩いているだけでは、その街の表面しか見ていないことがわかる。



Photo



しんみち通りが食欲を刺激する

駅を出てすぐ、しんみち通りを通り抜けた先に塩湯はある。しんみち通りは初めて通ったのだが、新橋のような哀愁とノスタルジーに満ちたグルメ通りで「こ、ここは…なんかいい雰囲気だぞ」と直感した。


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しんみち通りのまとめページが便利そうなので、貼っておくね。

東京・四ツ谷でちょっと一杯! 「四ツ谷・しんみち通り」の安くてうまいグルメなお店 (Naver まとめ)



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焼き鳥、寿司、イタリアン、焼き肉、居酒屋だけでなく、メキシカンとか1970年代から続いている洋食屋さんもあって、胃袋が鳴ってしまったね…。入ってみたいなって思えるお店がいくつもあったよ。



塩湯でさっぱりしてから、しんみち通りで食事するのも乙なコースだと思う。



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「塩湯」の特長1 見落としやすい場所にある

しんみち通りを抜けた先に塩湯はあるのだが、最初は路地がわからずに通り過ぎてしまった。こんな細くて薄暗いとこにあるのか…?って恐る恐る入っていったら、コインランドリーの横にあった。



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スマホのマップを使えば間違いないが、現地でなんとなく探すとちょっと迷うかも。



「塩湯」の特長2 ロードバイクの駐輪は無理

一見して、「ロードバイクの駐輪はムリ」と判明。ロードバイクはおろか、駐輪スペースさえない。ここは徒歩で来るべき場所だ。



写真を撮っていたら、皇居ランナーとおぼしき方々が何組か入っていかれた。皇居から四谷までは1キロちょっとあるが、ランナーの方々なら問題にならない距離かなと。


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「塩湯」の特長3 入り口で男女が左右に分かれて入店する

入り口で男女がいきなり分かれるシステム。傘用の下駄箱があって便利。ドアを開けると目の前が脱衣所で、すぐ横に番頭さんがいらっしゃる。そこで支払い、着替えるという寸法だ。中の雰囲気はとても昭和チック。30年くらいタイムスリップした感覚を味わえる。



「塩湯」の特長4 広くはないが、閉塞感はない

都内の駅近くの立地というせいもあって、さすがに浴場は広々ではない。そこはトレードオフと割り切ろう。その代わり、天井が高いので閉塞感はない。壁画に山々が描かれているのもいい(富士山ではない)。



あと、男湯と女湯を隔てる壁がかなり低く、双方の声がよく聞こえてきた。ご夫婦らしき方が壁越しに「もうすぐ出るよ~」、「はーい」と会話する姿は、なんとも微笑ましい。これも昭和な雰囲気に一役買っている。


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「塩湯」の特長5 お湯は熱めで湯船は小ぶり

3つの湯船、1つの水風呂があるのだが、どれも小さめだ。大人2人以上入るのはキツイ。ふつうの湯、ジェットバス、泡バス、水風呂の並びである。



のんびり手足を伸ばして、ゆったりのんびり浸かるよりも、ざっと汗を流してパッと湯船で温まり、短時間で切り上げるのに向いている。



ささいなことだが、シャンプーが備え付けなのはマルである。あと、お湯はやや熱めだった。なお、お湯に塩は含まれていない。


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GOOD

  • 抜群のアクセスの良さ(四ツ谷駅から徒歩3分)
  • 昭和なThe銭湯!な雰囲気


POOR

  • 湯船の小ささ


仕事帰りに短時間でひとっ風呂浴びる使い方にはすごく適している。駅から近いだけでなく、飲み屋街にも近いのが便利。ぜひ、しんみち通りとセットで訪れていただきたい。


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塩湯の店舗情報

  • 住所 〒160-0008 新宿区三栄町1
  • 電話番号 03-3351-9179
  • 公式サイトは見つけられなかった(リンク先は東京銭湯マップ
  •  
  • アクセス 中央線「四ツ谷」駅下車、徒歩3分
  • 休日 月曜
  • 営業時間 15~23時

三船雅彦さんがパリ~ブレスト~パリを振り返るトークショーが、Rapha Cycle Club Tokyo で開催されたので取材させていただいた。あまりに盛りだくさんだったので、3記事に分けて書いている(今回はラストの3回目) >> その1はこちら >> その2はこちら さて、今回は ...

三船雅彦さんがパリ~ブレスト~パリを振り返るトークショーが、Rapha Cycle Club Tokyo で開催されたので取材させていただいた。



あまりに盛りだくさんだったので、3記事に分けて書いている(今回はラストの3回目)

>> その1はこちら

>> その2はこちら



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さて、今回は三船さんのパリ~ブレスト~パリの道中の補給食やバイク、装備について書こう。



ライトは全行程での電池はもたないので、途中で交換する。そこはサポートカー(矢野さん)の出番だ。GPSのバッテリーもレース途中で渡し、三船さんはバーテープに固定しておく。



補給食はおもにバナナ、フランスパン(ハムとチーズのサンドイッチ)、そしてパスタ。



マカロニを塩水で茹でてオリーブオイルをかけただけなのだが、「現役時代は飽き飽きしていたのに、むちゃくちゃ美味しかった」とのこと。トークショー会場でも同じものが振る舞われ、試食させてもらえた。

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※Raphaさんのこういう演出が心憎い




補給食でパスタを出すときのコツは、「アルデンテにしない」こと。食べにくく、消化に時間がかかり、胃の負担になるからだ。喉に流し込めるくらい、柔らかく茹でるのがよいとのこと。

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ものすごく美味しい! ほっぺたが落ちる!……なんてことはなく、ただのオリーブオイルがかかったマカロニであった(笑)。



終盤でカップラーメンを食べたが、「あれは失敗だった」とのこと。味が濃くて、ものすごく美味なのだが、弱った身体には重すぎて、胃がもたれてしまったそうな。やはり、油を多く含む食事はレース時の補給には向いていない。



カップ麺ではなく、スープにすべきだった」とは矢野さんの弁。レース後半は温かい食べ物が欲しくなる。スープなら食べやすく、消化もよく、身体もあたたまる。

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※カップ麺をすする三船さん

あと、機材の点で失敗したこともあった。



それは「昼用のアイウェアを用意し忘れた」こと。昼はシェードの掛かったアイウェア、夜はクリアレンズで走るのだが、夜が明けたところでサポートカーが交換の手伝いをする。



が、昼用のアイウェアを渡しそこねたことが1回あって、三船さんは夜用のクリアレンズで昼間を走ることを余儀なくされた区間があった。



不幸中の幸いだったのが、逆ではなかったこと。昼から夜だったら「シェードの掛かったレンズで走るわけにも行かず、アイウェアを外すことになっていた」と胸をなでおろしたそうな。

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※サポートする矢野さんも、始めての体験でてんやわんやだったそうだ。




2011年はソロだったので、夜間はアイウェアをはずして裸眼走行していたそうだが、目に入る砂や埃、風圧がとてもキツかったそうだ。アイウェアは必ずせねばと思わされたね。



服装はかなり気を遣ったとのこと。夏であっても昼夜の気温差が激しく、夜間はかなり冷え込む。それに天気予報がぜんぜんアテにならないほどコロコロ変わるので雨対策も必須。今回はRaphaの半袖のメリノウール製ジャージを着用し、アームカバー、レッグウォーマーを持って走った。




ちょっとカワイイなと思ったのが、三船さんといえどもレース終盤は愚痴をこぼすこと。



もうヤダ、走りたくない」、「なんでこんな苦しいことをしているんだ、オレはなにをしているんだ」、「(脱いだ靴を)履きたくない」って子供のように駄々をこねては、矢野さんに「つべこべ言わず走れ!とにかくサドルにまたがれ!」と叱咤されつつ、しぶしぶ走ったらしい(笑)。

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※疲れて駄々をこねる三船さん




1,000キロ地点で、矢野さんに「ラスト200キロだ、行ける!がんばれ!」って激を飛ばされたときは、「200キロを“ラスト”とは言わないよ…」と思わず突っ込んでしまったらしい。たしかに200キロは1日で走るにしてもなかなか大変な距離だ(笑)。


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※サンドイッチを噛む気力すら失っている三船さん



最後に、質疑応答の様子をば。


Q 「疲労が極限にまで達すると、幻覚を見るそうですが本当ですか?」

A 「今回はたぶん見ていません。知人で、途中でカッパの街を見たって言い張る人はいました。パリ~ブレスト~パリではないですが、岡山のブルベを走っていたとき、耳元で”家はアンテナ付きを買え”と助言が聞こえてきたことがあります。なぜアンテナ付きの家なのかはナゾです(笑)」


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※ゴールインした三船さん(足元の紙切れは完走証明書)


Q 「トラブルはありましたか?」

A 「ほぼなかったです。パンクもしませんでした。というか、ブルベでパンクした経験は数えるほどしかありません。テールライトがよく落ちるので、ビニールテープでぐるぐる巻きにして落下防止しました」


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Q 「メカや機材で“こうしておけばよかった”という反省や後悔はありますか?」

A 「機材に関しては、トラブルもなく、よい選択をしたと思っています。電動コンポ(カンパニョーロのレコードEPS)は操作しやすかったです。指のしびれは残りますが、ワイヤーに比べたら段違いに疲労は少ないですね」


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Q 「リアカセットのギア比は?」

A 「なるべくインナーにしたくなかったので、ローギアは29Tを使いました」


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じつに貴重な体験をお聞きでき、感激だった。



Raphaジャパンさん、三船雅彦さん、取材させていただきありがとうございました!


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三船雅彦さんがパリ~ブレスト~パリを振り返るトークショーが、Rapha Cycle Club Tokyo で開催されたので取材させていただいた。



今回はその続き。

>>その1はこちら



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※CCTYOでしか飲めないドリンクもあるんです



パリ~ブレスト~パリは、1,200キロというありえない距離を走る。パリからブレストに向かい、ブレストで折り返して同じ道を走ってパリに戻る。折り返し地点では小休止と補給を行うのだが、その時間はわずか4〜5分(!)しかない。そんなの、もはや休憩とは呼べない……。



もちろん、上位を狙わない大半の選手は一分一秒を争ったりはせず、横になって仮眠したり、ゆっくり食事をしたりする。



が、三船さんを含む上位を狙う強者らはこんな場所でも時間短縮を第一に考えているし、虎視眈々とライバルの様子(疲労具合や今後の展開の読み合い)を伺っている。心理戦と駆け引きは常に行われているのだ。


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※三船さんのマシン、リドレーヘリウムSL



パリ~ブレスト~パリはレースではないので、勝者はいない。



しかし雰囲気は確実にレースのそれで、とくに開催地フランス人の「勝ちたい」、「勝たねば」という意地とプライドはハンパなく強烈らしい。



選手同士のナショナリズムは、(ときに国籍よりもチームオーダーが優先される)世界選手権よりもくっきりと現れる。そういう意味で、パリ~ブレスト~パリは純粋で正直な気持ちがぶつかりあう場所だといえる。



まさに、ロードレースの原点と呼んでもいいかもしれない。



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※苦悶の表情を浮かべて走る三船さん




さて、先頭集団のレース展開はこんなかんじで進む。

  • 1.残り700キロで一人がアタックをかける。※残り700キロという表現が、現実離れしすぎて笑うしかないが……

  • 2.先頭集団は逃げを容認する ※だって、700キロよ?それも一人のアタック。「そのうちバテる」と思われていた

  • 3.折り返し地点(ブレスト)に先頭集団が着いたとき、逃げていた選手はちょうど出発するところだった ※集団はそれを見て、「まだ大丈夫、捕まえられる」という雰囲気だった

  • 4.逃げている選手にはサポートカーがおらず、すべて自分一人で用意していた。「もしや、ソロ出場か?」と気づかれる

  • 5.周囲が急にざわつきだし、「あの選手は誰だ?国籍は何だ?」とネットで調べ始める ※ソロで出場しているのに強すぎる、有名選手かも?という焦り

  • 6.結果、レースアクロスアメリカという長距離ロードレースで2位になったスゴイ選手であると判明

  • 7.誰かが「ドイツ人で登録されてる!」と突き止める。しかし、他の誰かが「違う、スロベニア人だ!」と主張し、情報が錯綜する

  • 8.真相は、彼はスロベニア人であった ※「ドイツ人だと偽装することで、ライバルらに気づかれないようにしたんだ、ズルい!」などと周囲がさらにざわつく


※国籍を意図的に伏せていたかどうかの事の真意は定かではない。勝手な言い分かもしれないことを補足しておく


※ちなみに、スロベニアという国は持久力系の競技がめっぽう強い。学校教育~軍隊など、幅広く持久力を鍛える教育をしているので、国家として持久競技が得意とのこと


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※短時間の休憩時間でもシューズを脱いでマッサージ


先頭集団にいた三船さんは、当然ながら逃げの選手をいっしょに追っていた。そこにいる一団の選手同士は、協調体制とって先頭交代をすることになるのだが、ここでも選手同士は一枚岩ではなく、さまざまな思惑が錯綜する。



ベルギー人とフランス人はいがみ合う。それでも逃げに追いつきたい思惑は一致するので、なんとかローテーションはしていた。で、途中で三船さんにも「お前も牽け」と外国人選手が声をかけてくる。



しかし、あまりにも巡航速度が速すぎ(時速40キロ)て、「牽いてしまうとこっちが消耗させられてしまう」と考えた三船さんは、外国語がわからない振りを見せ、日本語で話し返した。



外国語は堪能な三船さんの作戦である。いくらしゃべりかけても日本語でしか返事をしない選手に対し、周囲はとうとうコミュニケーションを諦め、結局三船さんは先頭で牽くこと無く走った。


なお、三船さんの名誉のために付け加えると、三船さんは「(英語やフランス語を)しゃべれない」とは言っていない。つまり、ウソはついていないのだ。三船さんの駆け引きの勝ちである。



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ちょっと脱線するけど、三船さんは走りながら「寝落ち」している。集団について走っているのに、ふと気づくとペダリングしておらず、集団が20メートル先に行ってしまっている。あわてて漕いで追いつく…を何度も繰り返した。



1回だけ完全に値落ちした瞬間があって、脇道にバイクが突っ込んでしまった。間一髪でクリートを外し、落車せずに済んだが、「一歩間違っていたら、大けがしていた。あれは危なかった」とのこと。



で、最終的にレース展開がどうなったかというと、逃げていたスロベニア人選手が1位でゴールする。なんと、700キロの逃げを決めてしまったのだ。結局、先頭集団は彼を捕まえ切れなかった。つまり、今回もフランスは自国選手が勝者になれなかった。




まだまだ面白いお話を聞けたので、続きは次回書きます!

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9月6日にRapha Cycle Club Tokyo(CCTYO)で開催された三船雅彦さんのトークショー「三船雅彦が語るパリ~ブレスト~パリ2015」に参加し、三船さんと現地でサポートを務めたRapha代表の矢野さんのイベントの振り返りを取材させていただいた。 ご存知の方も多いと思うが、 ...

9月6日にRapha Cycle Club Tokyo(CCTYO)で開催された三船雅彦さんのトークショー「三船雅彦が語るパリ~ブレスト~パリ2015」に参加し、三船さんと現地でサポートを務めたRapha代表の矢野さんのイベントの振り返りを取材させていただいた。



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ご存知の方も多いと思うが、パリ~ブレスト~パリ2015で三船雅彦さんがすごい記録をたたき出した。1,200キロを43時間23分で走りきったのだ。それも不眠不休で。



ロードバイクに乗らない方は、「それってすごいの?」と首を傾げるかもしれないが、とんでもない偉業である。



参加直前の取材記事を掲載した時点では、「50位以内は難しいだろう」とお話していたが、終わってみれば2番でゴールイン。もちろん、ぶっちぎりで歴代日本人トップタイム。

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ラファサイクルクラブ東京が主催するトークイベント、「三船雅彦さん パリ~ブレスト~パリの走り方」を取材させていただいた



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アイスコーヒー、ごちそうさまです! この日は120キロのロングライドに行ってすごく疲れていたんだけど、ぐったりした身体に染みて美味しかった! サッパリ&すっきりなお味だった。




パリ~ブレスト~パリってどんなサイクルイベント?

フランスで4年に1度開催される、1200km(!)を走る長丁場にしてブルベの最高峰。2015年は第18回めの開催になる。

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※パリから出発し、またパリに戻ってくる




どれくらいの人が参加したの?

全体で6,000人くらい。日本人参加者は230名ほどで過去最大数だったとか。



三船さんの事前の目標タイム

当初の目標は「46時間」だった。つまり、目標を2時間半以上も上回ってしまったのだ。順位は全体で2位(!)。6,000人中で2位である。


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※三船さんのマシン、リドレーのヘリウムSL。コンポーネントはカンパニョーロのレコードEPS。ホイールはゾンダ。タイヤは26Cだ。



同じ道を引き返してくるコース設定

パリから西に走り続けてブレストという港町(600キロ地点)で折り返し、来た道を戻ってパリまで帰る。合計で1,200キロの道のり。



1,200キロのコースと言われても、長すぎてピンとこないかもしれない。日本列島に置き換えると、秋田市から広島市がほぼ同じ距離。軽く日本列島を縦断していることになる。



秋田市から広島市まで43時間ちょいで走る」ことを想像してほしい。しかも一睡もせずに……気が遠くならないだろうか?



ちなみに、折り返し式のコースなので、先頭集団の選手らは、対向車線の後続選手をずっと見続けることになる。


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※スタート直前の三船さんの腕が一番前に出ている。勝利への執念の現れである。



レースではないのだが、まぎれもない闘いの場

パリ~ブレスト~パリは、厳密にはレースではない。しかし、本質はレースといっても過言ではない。



ヨーロッパで9年間、プロの実績のある三船さんをして、「パリ~ブレスト~パリはサイクルイベントと定義されているが、実際はレースの雰囲気をビシビシ感じる」場であったそうだ。ただのブルベではない、「現役時代に引き戻されたかのような感覚」を味わったとのこと。


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民家や集落の町並みは昔から変わらない様子で、まるでタイムスリップしたような風景の中を走る。日本で言えば、さしづめ城下町を走るようなかんじだろうか。



出場選手間でもライバル心むき出しで、ベルギー人は「ベルギー同盟」、フランス人もこれまた同盟を組んで互いに潰しあうんだって。国旗カラーのジャージを着込んだりして、やる気は満々。



なお、フランスはベルギーを格下扱いする(自転車の世界でね)そうだ。2011年のときも、トップ集団のフランスとベルギーは協調体制をとらなかったとのことで、「牽けよ」、「やだ」、「牽けっつてんだろ」、「うっせ」みたいな会話を繰り返していたんだそうな(笑)。



プロでもない選手であっても、個人間でのナショナリズムが激しくぶつかりあう場所なのだ。こういう話を聞くと、興奮でゾクゾクくる。



とはいっても、パリ~ブレスト~パリで本気でトップを狙う選手は40〜50人程度で、それになんとか食らいついていこうとするシリアスライダーが100名かそこら。大半の出場者が勝ちを狙いに行くわけではない。


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※三船さんの両隣には、ベルギーのナショナルジャージを身にまとった選手らが




最初のコントロールポイントが不安だった(矢野さん)

前回(2011年)、三船さんはソロで出場したが、今回はRaphaのバックアップを受けて走った。ただ、矢野さんはパリ~ブレスト~パリが初体験で、どこで何を提供すればいいのか、どんなサポートをすれば三船さんが喜ぶのか、未知の世界だった。



スタートして最初のコントロールポイントでボトルをリフィルしたり、補給食を手渡す手はずになっているのだが、そこまではクルマで移動。コース内はクルマは走ることを許されていないので、大回りする形で先回りし、物資を運んで、食事や機具を並べて待ち構える……のだ。



前回はハンガーノックになってしまったそうで、同じ轍は踏まないよう細心の注意を払って物資を用意した。


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ただ、補給食を用意するにせよ、三船さんが何キロ地点で何を食べたくなるか?どんな物資が必要になるかが想像を絶する世界なのでわからない。



三船さんに訊いても、「うーん、走ってみないとわからないよ…」としか答えられない。よって、いろんなケースを想定して、考えつくあらゆるものを持参した。面白いところでは、カップラーメンとサッポロ一番味噌ラーメンも同梱したとのこと。



主催者に渡された工程表が雑シンプル極まりない

矢野さんがナーバスになっていたのは、「万が一、サポートカーの到着が遅れて、三船さんが補給を受け取れなかったら…」という不安。



なにしろ、主催者がくれたスタート~ゴールの工程表がA4ペラ一枚。「え、これだけ?」である。地図はなく、各自で調べるしかない。地図とスマートフォンとカーナビを駆使してなんとかルートを決めたが、予想外の作業で3時間近く取られてしまったそうな。


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※矢野さんが指差しているのが工程表。紙一枚。テキストのみというシンプルさ(笑)



コントロールポイントでもレースの雰囲気

パリ~ブレスト~パリのような超ロングなブルベの場合、自分は「ゆっくり補給食を食べて10分くらい休憩するとか、横になって疲労回復するんだろうな」と思っていたが、そうではない。



選手は駆け足で通過証となるスタンプをもらいに行き、補給を受け取ったら脱兎のごとく走り去るのだ。その間、わずか2~3分。まるでF1のピットインのようだ。



スタンプは屋内で押されるんだけど、入り口と出口が別。要領を得ているサポート隊は、スタンプをもらうまでの時間を使ってバイクを出口近くまで運んだりと、時間短縮のためならなんでもやってくる。



この辺も初サポートとなる矢野さんは気づけず、最初のコントロールポイントで慌ててしまったそうだ。



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※7月まで、自分も履いていたカンパニョーロのゾンダ。三船さんとの共通点があって、すこし嬉しい (*^^*)




まだまだレポートは続きますが、いったんここで終了。とにかく三船さんと矢野さんのお話が面白すぎてしかたない。(取材ノートを6ページも使ったのは初めて)



検索しても出てこない話とは、まさにこのこと。

続きを読む

その2はこちら

その3はこちら


ランドヌールVol.3 究極のロングライドへあなたを招待します

※「三船さんのブルベ道」が読めるよ!




新潟で開催された120キロのヒルクライムイベント『ツールド妻有』に参加してきた。そのレポートは2回にわけてお届けしてきたが、そこれは伝えきれなかったことを書く。イベントを準備ししてくださったツールド妻有実行委員会と、笑顔で盛り上げ、サポートしてくださった地元 ...

新潟で開催された120キロのヒルクライムイベント『ツールド妻有』に参加してきた。



そのレポートは2回にわけてお届けしてきたが、そこれは伝えきれなかったことを書く。



イベントを準備ししてくださったツールド妻有実行委員会と、笑顔で盛り上げ、サポートしてくださった地元ボランティアの方々には深く感謝している。



ただ、「もうすればもっとステキなイベントになったんじゃないかしら」と感じることもあったので、感謝の意を表しつつ、僭越ながら述べさせていただきたい。



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ツールド妻有は100点満点中、95点

最初に断っておくと、ほぼ満点に近いのよね。3日間滞在したんだけど、その間ずっと気持ちよく、美味しく、楽しく過ごすことができた。




例えば…


心が折れそうで折れない、絶妙なコース設定

エグい登坂に苦しめられたが、そのぶんダウンヒルは気持ちよかった。120キロもの長さのアップダウンをよくぞ用意してくれたものだと感心。迷いそうになる分かれ道にはスタッフの方がいたり、道路にクッキリと矢印が描かれていた。迷子の心配はゼロだった。


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うますぎてカロリーオーバーになる補給食

120点を差し上げたい。サイクリング中で空腹だったことを差し引いても、すべてが美味しかった。消費したカロリーよりも、それ以上を食べたはずだ。



味もさることながら、オニギリやお漬物、冷や汁、パエリア、豚汁、おソバ等が手作りだったことがうれしかった。文句がないどころか、買って帰りたいと思ったもんね。


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温かいホスピタリティ

地元の方々の声援、運営の方々の人懐こい人柄がジーンときた。赤の他人なのに、温かい声をかけてくれるなぁって滞在中に何度も感じた。地域が一体になって盛り上げようって意気込みが伝わってきた。


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風光明媚な景色&環境

日本人ならほっこりせずにはいられない、山々と田んぼの風景は素晴らしい。イベント当日は小雨~曇り、しかも少し霧がかってやや残念な天候だったんだけど、逆にそれが風情ある雰囲気を醸していた。



晴天下でのサイクリングもいいけど、しっとりした田園風景を愛でながらもまた乙なものだ。


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運営のスムースさ

前日の受付、当日のアナウンス、道中のエイドステーション、トラブルで立ち往生する人のバイク隊のサポートなど、総じてとてもスムーズだったと思う。何かを待たされたことはなかった。



1,000人という大人数を巧みにさばいてくださったのは、これまでの経験値が高いからだと思う。


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※前倒しで予定より早く受付を開放してくれていた。



参加費用が安すぎない?

120キロコースは1万円だったんだけど、これは破格だと思う。いや、安すぎるんじゃないかな。というのも、参加者全員にジャージが配られているんだよね。着心地もいいし、バックポケットもしっかり造られていて、クオリティもしっかりしている。



ジャージが付いて、エイドステーションが充実しまくってて、1万円はコストパフォマンスよすぎる。ちゃんと黒字になっているか、こちらが心配してしまうくらい。まあ、たくさんの企業が協力&協賛しているので大丈夫とは思うが。


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で、ここから本題なんだけど、「こうだったら、もっとよかったのに」って点をいくつか。


感謝の意を表せない

ボランティアの方々に「ありがとう」と伝えられないのが心苦しい。



大会前はものすごい量の食材を買い込んで仕込んで冷蔵庫で保管して当日にテントを設営してそこまで車やトラックで運んでお皿やコップや火を用意して配膳してゴミを回収して残り物を処分して…って、途方もない作業が発生しているのよね。それも1,000人分よ。



参加者はただうまいうまいって食べて、「美味しかったです、ありがとう!じゃあサイナラ」って走り去るだけ。


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そこで考えたのが…


買い物をして、地元に還元したい

地元の食材や食料を購入できる仕組みがほしかった。参加者が感謝を伝えるのにちょうどいい方法がコレだと思うんだよね。



お米や野菜って生の状態でもよいけど、それ以上に買いたかったのが地元の方々手作りのお漬物。キュウリとナスに味噌をつけて提供してくれたんだけど、あの味噌もセットにしてほしいな。



エイドステーションの漬物(or 豆腐)だよっ」、「エイドステーションで食べた魚沼産コシヒカリのオニギリをご家族にも!」って売ってくれたら、そしてお金が地元に還元されるなら、買う人は大勢いると思うんだ。少なくとも、自分だったら家族と両親用に買う。絶品だったもんね。



地元の人々には「毎日食べているし、珍しくもなんともない」かもしれないが、別の土地の人間はそういうのに感激したりするのよね。


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※こうやって炊いたお米が、美味しくないわけがない!




公式サイトでは、映画上映会とかDVD販売はあったが、正直、「買う人っているのかな…?」と首を傾げてしまった(すんません)。



あと、越後妻有オンラインショップはあったが、ツールド妻有に関連はしていない感が強く、またツールド妻有公式サイトの深くにしかリンクされていないので、大半の方は見つけられないであろう。これもイベントと連携させてもいいかなと。


ゴール地点で豚汁をふるまってくれたテントでは、お米の販売をしていたんだけど、さすがにサイクルウェアの状態で2キロの米袋を担ぐわけにもいかない。



それに、疲労困憊で「欲しいけど、今は倒れこんで休みたい・・・」って人ばかり。よって、爆売れしている感じではなかった。なぜなら売るタイミングはそこではないから…。


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理想は、地元に戻った翌々日くらいに、「お疲れ様!筋肉痛は取れましたか?」ってフォローメールが届き、「越後妻有の味を自宅でも!」ってECを案内する…のがベストタイミングだと思うんですが、いかがでしょうか。




関係者のみなさまに感謝したくても、できなかったのが最大の心残り。



改めて、ツールド妻有実行委員会とボランティアの方々にお礼申し上げたい。


ありがとうございました!

\(^o^)/

ローディの中には足の毛を剃る方々は少なくない。なぜ剃るのかは諸説ある。ケガしたときに処置しやすいためとか、見た目が美しいからとか、空気抵抗を減らすためとか。ちなみに自分は剃る派である。 サイクリストの記事で栗村修さんが解説しているので、くわしくはこち ...

ローディの中には足の毛を剃る方々は少なくない。



なぜ剃るのかは諸説ある。ケガしたときに処置しやすいためとか、見た目が美しいからとか、空気抵抗を減らすためとか。ちなみに自分は剃る派である。

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サイクリストの記事で栗村修さんが解説しているので、くわしくはこちらをどうぞ。

30代男性「スネ毛って剃らなくちゃダメなんでしょうか?」 (サイクリスト)




さて、男性が足の毛を剃るとなると、疑問がいくつかある。



何を使って剃るべきのか? 女性用シェーバーを男性が使ってもいいのか? 石鹸でもいいのか、専用クリームを使うべきなのか? 剃った後の肌のお手入れは?



そこで、髭剃りでお馴染みのSchick(シック・ジャパン)さんのサポートセンターに電話して、「男性の脚の毛の剃り方」をご指南いただいた。



男性用シェーバーと女性用シェーバーは何が違う?

最大の違いは刃の硬さ。男性用は剛毛でも剃れるよう、硬めの材質で刃ができている。それに対し、女性用シェーバーは皮膚に優しく、柔らかめの刃が使われている。



見た目は似ていても、使う部位と毛の種類で刃の種類は変わるのだ。



女性用シェーバーを使ってもOK?

「男性であっても、女性用のシェーバーのほうが脚を剃る目的にはマッチしている」とのこと。男性用のシェーバーで足の毛を剃ってもいいが、「皮膚を痛めやすいので力を入れずに軽いタッチで剃ってください」と注意いただいた。



ちなみにSchickの 「Intuition」 は刃先から石鹸が出てくる仕組み。無くなったら交換できる。皮膚を濡らすだけでそのまま使えるカンタンさである。


シック(Schick) イントゥイション





男性用の髭剃りクリームを脚に使ってもいい?

使ってもぜんぜん大丈夫。同じ皮膚に使うものであるから、顔以外に使っても問題ない。よって、手持ちの髭剃りクリームを使い切ってから専用クリームを買ってもOK。ちょっぴり節約できますな。余っているシェービングクリームは脚剃りに使ってしまいましょう。



剃り方のコツってある?

顔と身体の剃り方」のページが参考になる。

毛流れにそって、軽くすべらせるように剃る」のがコツだ。ヒザなどの骨ばったところは、反対の手で肌を軽くひっぱって平らにすると剃りやすいとのこと。

親切なPDF資料まであった!

具体的にして詳細なガイダンスである。女性って、こんなふうにして毛を剃るんですね……。(見てはいけないモノを見てしまった感じ)



カミソリで剃るべき理由、シェービング剤の選び方、剃ったあとの肌手入れについて詳しく解説されている。

シェービングについて


カミソリの選び方、刃数が多いとどんなメリットがあるのか?等についての詳細情報。知らないことばかりで役に立つ情報だ。

カミソリについて



剃った後の皮膚のお手入れは?

「シェーブローションとかボディ用ローションで保護と保湿をしてくださいね」とのこと。



すね毛を剃ると毛が濃くなる?

都市伝説のように言われているが、結論は「濃くならない」だ。毛の断面が開くので毛が太くなったように見えてしまうだけで、毛が濃くなるわけではない。安心して剃ろう!



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以上、脚の毛を剃るローディの方々の参考になれば幸いである。


Schick(シック・ジャパン)さん、ていねいなご回答ありがとうございました!

プロのロードレースの世界では、ほとんどのチームが電動コンポ(シマノのDi2とかカンパのEPS等)を採用している。ワイヤー式より確実に変速するし、指も疲れないし、良いことしかない……というのが理屈だろう。自分もいつかは電動コンポを使ってみたい。スラムの出した無線 ...

プロのロードレースの世界では、ほとんどのチームが電動コンポ(シマノのDi2とかカンパのEPS等)を採用している。



ワイヤー式より確実に変速するし、指も疲れないし、良いことしかない……というのが理屈だろう。



自分もいつかは電動コンポを使ってみたい。スラムの出した無線電動コンポ「RED eTap」なんて、ニュースを見てワクワクした。



Global Cycling Network「電動コンポが本当にいいの? (メカニックさんには)仕事量が増えたりしていない?」とメカニックと選手に取材する動画があったので、翻訳しつつ紹介しますね。


Electronic Vs. Mechanical Groupsets | Dubai Tour 2015






「電動コンポが普及して、仕事はしやすくなりましたか?」

しやすくなったね。いったんバイクを組み立ててしまえば、あとはものすごく正確に作動してくれるよ。バッテリーを充電するだけで済んでしまうくらいさ。



電動化の最大のメリットは、雨に降られてもケーブル類の交換をしなくてもよいことだ。ワイヤー式のころはメンテナンスが大変だったけど、それから開放されたのは大きいよ。

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(BMCレーシングのチーフメカニック、ジーン・マーク・ヴァンデンバーグさん)


「ワイヤーと電動、どっちのコンポーネントが好き?」

(即答で)電動だね。ものすごく快適だよ。とくにフロントギアをインナーからアウターに切り替えるときが素晴らしいね。ジッって音がするだけで変速するんだ、クールじゃないか?


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(ティンコフサクソのミカエル・バルグレン選手)


慣れるまでにちょっと時間がかかったけど、今は電動を取るね。メンテナンスがも、一度やり方さえ覚えてしまえば問題ないさ。


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(チームスカイのベン・スイフト選手)


「エティックス・クイックステップはスラムからシマノDi2に変更したけど、ワイヤーと電動はどう違いますか?」

いったん組んでしまえば、後々のメンテはラクだね。電動化にして2ヶ月になるけど、誰一人としてワイヤーに戻したいって選手はいないよ。



清浄するときもとくに心配することってなくて、ステムの下のコネクションがちゃんと接続されているかどうかをチェックするくらいかな? 特別な配慮はいらないね。

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(エティックス・クイックステップのケニー・ラトメさん)


「ワイヤーと電動、どっちのコンポーネントが好き?」

まちがいなく電動だね。スプリントのときもシフトレバーを押し込む必要がなくって、下ハンを握った状態からシフトアップできるのさ。


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(エティックス・クイックステップのマーク・カベンディッシュ選手)


「電動コンポの感想を聞かせて」

もう2年使っているよ。TTバイクは電動コンポのままなんだけど、ロードレースのほうのバイクはワイヤーに戻したんだ。



僕は電動の正確で緻密な動作が好きなんだけど、どっちを選ぶかと言われたらワイヤーだね。なぜなら、ワイヤーはトラブルのときも修理しやすいし、チェーンがへんなとこに絡まっても自力でなんとか治すことができる。



バイクにトラブルはつきものだし、いつでも手動で対処できるよう、機械式のコンポが好きなのさ。

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(ユナイテッドヘルスケアのキエル・レイネン選手)


お金の心配をしなくてよいのなら、自分はいつでも「シマノの電動Di2」もしくは、先日リリースされたばかりのスラムの無線電動コンポ、「RED eTap」行ったるで!という気分なのだが、さすがにそうは我が家の問屋が卸さない(笑)。



RED eTapが登場したことで、シマノ。カンパニョーロも無線化対応するのは時間の問題だろう。新技術の価格がこなれてくれることを望みます…。



最新版 ロードバイクの修理と整備


電動よりはワイヤーのほうが「手動でなんとか出来る」のは確かだが、それにしたって知識と技術が身についていなければ意味が無い。

ということで、スキルに不安のある方(&まだ電動には手の出ない私のような方々)はコレを機会に学んでみてはいかがでしょうか。



モッズローラー(ミノウラ)で2度目の落車をしてしまった。前回はテレビを見ていて、よそ見した瞬間に前輪がローラーから落ち、右に倒れたのだが、今回はまったく予想だにしないことが原因で落車したのだ。 ※再現写真です。あまりにも予想外過ぎて、倒れる瞬間も、倒れた ...

モッズローラー(ミノウラ)で2度目の落車をしてしまった。



前回はテレビを見ていて、よそ見した瞬間に前輪がローラーから落ち、右に倒れたのだが、今回はまったく予想だにしないことが原因で落車したのだ。


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※再現写真です。



あまりにも予想外過ぎて、倒れる瞬間も、倒れた直後も「えっ、なんでオレ落車したの?ふつうに走ってたよね?なんで?何が起きたの?」って頭が混乱したくらいだから。



落車の原因を特定し、事故防止の対策を講じたので、再現画像を元に共有しますね。

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どのように落車したか

いつものようにモッズローラー(ミノウラ)を広げて床にセットし、身支度を整え、バイクを置き、よいしょと漕ぎ出した。そしたら、その3秒後、床に倒れていた。バイクはローラーから落ちてはいない。よそ見もしていない。しかし、右側にバッタリと倒れていた。



何を言っているのかわからないと思うが、自分も我が身に起きたことが理解できなかった。え、え?ふつうに漕いだだけなのに、どうして落車したの?って慌てた。



落車する要素がないまま倒れたので、危険予測するひまもなく、よって受け身を取ることもクリートを外すこともできなかった。



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※文字通り、スッテンコロリンだった。




最初に疑ったのはバイク。もしかしてチェーンが外れていて、タイヤが1ミリも回転していなかったのではと勘ぐった。しかし、そうではなかった。



次にホイールをチェックしたが、もちろん問題はない。つまり、バイクにはなんの問題もない。ではモッズローラーが故障していたとか?と思って確認したら、すぐ原因が判明した。



ゴムバンドが外れた状態だったのだ。



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※ちゃんとローラーに引っかかっていない!


落車原因は三本ローラー側にあった

三本ローラーの多くがそうだと思うが、ミノウラのモッズローラーはゴムバンドを前後のローラーの溝にはめ込んで回転させる。



しかし、後ろのローラーのゴムが、はめたつもりがはめ込まれていなかった。よって、後輪を回していたのにタイヤは全く回転せず、そのままポテッと倒れてしまったのだ。



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※このように、前後両方のローラーの溝にハマっている必要があります。



うーむ、なんたる初歩的なミス……。三本ローラーをお使いの方は、使用前に「ゴムバンドがちゃんとローラーにセットされているか」をチェックしてくだされ。


右側に布団があって助かった

4月から寝室でモッズローラーを回しているんだけど、布団が右側にあって助かった。マットレスがクッションになってくれたおかげで、まったく痛くなかった。もちろん、バイクも地面に接触させていないので、キズひとつついていない。


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※バイクも身体も無傷。お布団、ありがとう。




自宅で三本ローラーを回すときは、左右のどちらかを壁にし、もう片方はスペースを開けておくことをオススメする。万が一壁でない方に倒れた場合、物が置いてあるとケガの原因になるからね。


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※台所は便利だったが、家族に大不評につき2回で終了(笑)。




三本ローラーをお持ちの方は、回す場所で頭を痛めているかもしれないし、購入検討中の方はどこで回そうかお悩み中かと想像するが、寝室(布団の真横)は意外にグッドポジションかもしれない。布団のかわりにベッドでもいいかも。布団よりも高さが稼げるので、より安全に着地できるしね。(試したことはないけど…)


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※今は左がフスマ、右が布団という環境。


着地の瞬間、足を持ち上げてフレームを傷つけないコツが身についた

これまで、ロードバイクでは3回立ちゴケしたことがあるんだけど、1回はヒルクライム(@白石峠)、2&3回めはモッズローラー(ミノウラ)で。



立ちゴケの瞬間に考えることは、己の身以上にバイクの安全。手はブラケットから話さず、受け身を取るように身体を弓なりに曲げてゴロンと倒れつつ、着地の直前に足を5センチほど持ち上げて、バイクが地面に接触しないようにする。


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※右足を5センチほど持ち上げながら着地するイメージで。



この一連の動作はかなり板についてきたようで、無意識&スムーズにできるようになってきた。(自慢することじゃないけど…)



ということで、三本ローラーを部屋の中で使う場合、「万が一転倒しても大丈夫か?」、「バイクと己の身を守れるか?」、「壊れやすいもの&ケガの原因になるものを床に置いていないか?」をイメージしつつ、場所ぎめしていただきたい。




ロードバイクテクニック強化書




そもそも、ロードバイクの乗り方の基礎を知っておくのも重要。見よう見まねでロードバイクは乗りこなせないのだ。


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『ツールド妻有』の体験がとても素晴らしかったので、2回にわけてレポートしています。今回はその後編。>>前編はこちら前編では「会場に行くまで」、「宿の確保」、「天候にあわせた準備」、「補給食の美味さ」について書いたんだけど、今回はイベント中に感じたこと&イベン ...

ツールド妻有』の体験がとても素晴らしかったので、2回にわけてレポートしています。今回はその後編。


>>前編はこちら




前編では「会場に行くまで」、「宿の確保」、「天候にあわせた準備」、「補給食の美味さ」について書いたんだけど、今回はイベント中に感じたこと&イベント後のお話です。

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※全員が支給されるお揃いのジャージを着て走る。一体感がスゴイが、道中で知り合いを見つけにくくなる(笑)


ボトルは1本でOK

真夏の120キロのライドだと、水分補給が心配だが、ツールド妻有に限って言えばボトルは1本でOK。エイドステーションで水、スポーツドリンクをいくらでも補充してもらえるからだ。



エイドステーションの間隔は長くても14キロほどなので、1本あれば十分に持つ。ヒルクライムなので、2本持つと重量増になってしまうしね。



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走行中は、周囲と積極的にコミュニケーション&意思表示を

いくらバラけて走るといっても、1,000人規模のイベントとなると前後に人は常にいるし、ひんぱんに抜いたり抜かれたりする。



人を抜くときは「右通りまーす」とか、車が前後から来たら「車!」って周囲に警告したり、路肩をあるくお婆さんがいたら、ハンドサインで後続に伝える、といったことはせねばならない。



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公道を閉鎖しているわけではなく、人も車も普通に生活されている中を走らせていただくイベントなのだ。こちらは地元の道をお借りさせていただいている身分なので、感謝と礼儀を持って走らねばならない。


下りはくれぐれも安全運転で

あと、ツールド妻有はヒルクライムイベントなので、ダウンヒルもたくさんある。直線だったり、ワインディングだったり、見通しが良かったり、悪かったり、様々なシチュエーションを走るんだけど、やはり下りは事故が起きやすい。



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自分は目撃しなかったが、「下りで事故があった」と他の参加者が話しているのを耳にした。



あまりの気持ちよさについついスピードを出したくなるが、ダウンヒルでは飛ばしすぎず、自分の力量を越えた走りをしないようにしよう。大規模になればなるほど、サポートカーへの伝達や救急車の到着も遅れるだろうしね。



あと、雪国であるせいかもしれないが、路面が荒れている箇所もまずまずあった。くぼみでガツンときて、ブラケットを持った指がスッポ抜けそうになったことも数回あったしね。初めて走る道は路面の予測ができないので、ご自身のスキルを過信しすぎないようにしていただきたい。

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※えげつない斜度を登るということは、その後えげつないダウンヒルをすることを意味する


運営者とボランティアの方々のホスピタリティにうるっとくる

走行中に地元の人達が声援を送ってくれるんだけど、それがすごくウレシイよ」と聞いていたとおり、街中の方々が沿道で「がんばれ~」と手を振ってくれた。


Cheer

※ ツールド妻有公式サイトより引用


地元のおじいちゃん、おばあちゃん、小さな子どもたちが笑顔で見守りながら応援してくださる姿を見せてくれると、こちらも「ありがとうございます~!」、「おはようございまーす!」と喋りながら走ってしまうね(笑)。



道を占拠して走っている立場の我々を、このように暖かく迎え入れてくれるホスピタリティがありがたかった。



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坂道で苦しんでいるところを背中を叩いて励ましてくれたり、ブンブンと旗を振ってくださるパワフルなオバサマたちもいらっしゃった(笑)。



ツールド妻有は9年目で、サイクルイベントとしては歴史があるほうだが、これもきっと運営事務局の尽力の賜物のはず。イベントを1回だけやることはできても、毎年開催してしかも成長させていくのは相当な努力が必要だからね。

Chindonya

※ 盛り上げ役のちんどん屋さん。場所を移動しながらずっと応援してくれていた。(ツールド妻有公式サイトより引用)


イベント終了後、もう1泊する手もある

レースのスタートとゴールは「ミオンなかさと」という温泉宿泊施設だったんだけど、レース終了後はここに泊まることにした。この判断は正解だった。



なぜなら、7時20分に走りだし、16時20分ゴールの9時間を走り終わったあとは、疲労で1ミリも動きたくなくなる。そのまま会場横にあるミオンなかさとになだれ込み、温泉に使って生き返ることができた。



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ほとんどの参加者はイベント終了後にバラバラに帰っていくのだが、ローディ先輩と自分は有給を使ってミオンなかさとに宿泊した。お互いおっさんなので、「翌日は仕事にならないだろう…」という先見の明である(笑)。



ミオンなかさとは田園に囲まれ、すぐそばには信濃川の流れる開放感のあるロケーション。泉質は弱アルカリ性の単純温泉。湯船も露天も広々としていて、開放的なロケーションなので身も心も休まった。夕飯前、夕飯後、翌朝の朝食前の3回も入ってしまった。お食事は朝も夜も和食だったが、どちらも美味しかった。



埼玉に戻る途中で、「道の駅 南魚沼 雪あかり」に立ち寄ってお土産を購入。地元で採れた野菜と魚沼産コシヒカリ、お漬物やジャム、ヨーグルト、お菓子などなど販売されていた。食事できるスペースもあったよ。公式サイトには紹介動画もあったよ。


バイクは入念に洗い、注油しよう

今回のイベントは濡れた路面も多少走ったので、バイクがものすごく汚れた。


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ディレーラーとキャリパーブレーキには砂がびっしり入ってしまったし、タイヤを外し、水洗いで砂を完全に落とし、水分や埃をエアダスターで吹き飛ばして自然乾燥。その後、駆動部分にグリスを注油してピカピカに戻した。


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ひとつ驚いたのが、シャマルミレのホイールの汚れがすごく少なかったこと。あんなにも濡れた路面を走ったのに、ブレーキシューの黒みがないし、洗浄しても汚れがほとんど出ない。


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これがプラズマ電解酸化処理のおかげかどうかは分からないが、そういえばブレーキングは120キロの道中で常に思うように効いてくれて、不安を感じさせるシーンは一度もなかった。



シャマルミレのヒルクライム&ダウンヒルのインプレッションは別の機会に書くので、しばしお待ちを。




ツールド妻有の関係者のみなさま、本当にありがとうございました! 来年も参加させていただく予定です。m(_ _)m

新潟県の妻有地方で開催された『ツールド妻有』に参加してきた。勤務先のローディ先輩はこれまで8回参加していて、事あるごとに「ツールド妻有はいいよ!まず景色がいい、エイドステーションの補給食が絶品、でもって人々が温かい」と口癖のように語っていた。しかし、これま ...

新潟県の妻有地方で開催された『ツールド妻有』に参加してきた。



勤務先のローディ先輩はこれまで8回参加していて、事あるごとに「ツールド妻有はいいよ!まず景色がいい、エイドステーションの補給食が絶品、でもって人々が温かい」と口癖のように語っていた。



しかし、これまでエイドステーションで食事するイベントに参加したことがなかったので、話を聞いてもいまいちピンとこなかった。

Photo


「エイドステーションの補給食がいくら美味しいっていっても、しょせんバナナとかキュウリでしょ?」

「田舎の景色だったら、わざわざ新潟まで行かなくても、秩父の峠があるじゃない」

「人のぬくもりって、そういうのは昭和までの話では」


……と、ほんの少し思ったことは否定しない。




しかし、余りにも熱心に勧めてくださるので、「体験したことがない人間には想像のつかない世界があるのかも」と考えを改め、エントリーしたのだ。



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イベントを終え、川口市に戻ってこのブログを書いているんだけど、結論から言おう。



ツールド妻有サイコー! 新潟県の食事と景色に感激! イベント運営&ボランティアの人々のホスピタリティに感動!」だった。お世辞抜きで、素晴らしいイベントだった。





期待をはるかに上回るステキなイベントだったので、ぜひここでも紹介したい。あまりほめすぎると、来年のエントリーがしにくくなってしまうかもしれないが、やはり良い物は良いと伝えたいのだ。



そもそも、ツールド妻有とはどういうイベントか?

TOUR DE TSUMARI(ツールド妻有)は、新潟県妻有(十日町市・津南町)地方で、3年に一度開催される現代アートの祭典「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」において、建築家伊藤嘉朗氏が、2006年に企画・発案されたサイクリングイベントです。

伊藤嘉朗氏は、美しい里山の風景やアート作品、建築作品などを楽しみながら自転車で巡るアートツアーとして、移動そのものを作品のテーマにしました。

2006年以降、伊藤嘉朗氏を中心に、地元の大勢の皆さんのご協力のもと、毎年開催されており、2009年と2012年は「大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ」の開催年であり、芸術祭の公式イベントとして開催されました。

Start

ツールド妻有公式サイトから引用



ツールド妻有はただのサイクリングイベントではなく、芸術祭の一部なのだ。走っている我々サイクリストにとってはイベントでしかないかもしれないが、主催者からすると、走っているサイクリストたちも芸術作品の一部という位置づけなのである。コンセプトが大きい!



用意されているのは70, 90, 120キロと3タイプのヒルクライムイベントだ。レースではないので、順位やタイムを競うことはしない。12~14キロごとに用意されるエイドステーションでの補給食に舌鼓を打ちつつ、マイペースで制限時間内に走る。



マイペースで走ってよいとはいえ、高低差はけっこうある(120キロコースの獲得標高は2000メートルちょい)。平地はほぼなく、登りと下りをひたすら繰り返す。



ちなみにエントリーしたのは120キロコース。せっかく新潟まで出かけるのだから、思い切りもがきたいではないか。

Course


ということで、時系列&ポイント毎にまとめて、2回にわけてレポートしますね。


輪行で行くか?クルマで行くか?

これはかなり迷ったがクルマにした。今回は2泊するつもりだったので、荷物がそこそこの量になる。それらをすべて背負って移動するのはきっついので、パンダに全部詰め込んで移動することにした。



勤務先からは他に2名参加したのだが、輪行移動だったので現地合流することにした。



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結果的に、車にして正解だったと思う。まず現地の足にもなるし、買い物をしたり荷物を移動させるためにも使える。あと、イベント前日は雨だったのでなおさら助かった。車移動だと、バイクスタンドとかフロアポンプといった、「輪行ではどうしても運べない器具」も持っていけるのもGOODポイント。



車があったおかげで、宿から15キロ離れた『ナステビュウ湯の山』という日帰りの松之山温泉にも行ったんだけど、泉質も露天からの風景もよくてくつろげた。ちなみに源泉は95度(!)だけど、もちろんぬるめてあるので心配無用(笑)。



川口市から妻有まで片道210キロ。まずまずの距離ではあったものの、パンダでドライブも楽しめたと思えば悪い話ではない。藤岡ジャンクションまでは軽い渋滞があったけど、群馬に入ればほぼほぼスムーズに走ることができた。

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※もうちょい走れば日本海




宿泊先はレース会場の近くがいい

ツールド妻有の参加者は1,000名。これくらい出場人数が多いイベントになると、「ひとつの村だけでは、宿泊キャパが足りない」事態が起きる。



朝の7時に出走するので、どうしても前泊する必要があって、ちゃんと宿を確保しておかないと、「イベントにエントリーはできたけど、泊まる宿がない!」なんてことになり、会場から数十キロも離れた町まで走らねばならなくなったりする。(現にそういう人はいる)


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※会場のミオンなかさとからほど近い「和泉屋」さん




そこは(すでに8回もツールド妻有に参加している)ローディ先輩が機転を利かせて、スタート地点からたった2キロの宿を確保してくださった。これはすごく助かった。なにしろ、当日は4時半に起床したからね。



5時過ぎに食事をし、身支度を整え、バイクを用意し、荷物を預け、クルマを所定の位置に移動させ…なんてやっていると、あっという間に時間が過ぎてしまうものなのだ。遠くに宿泊していたら、3時起床で寝不足のまま走るはめになっていただろう。



ちなみに宿泊先は「和泉屋」さん。公式ウェブサイトかブログを探したのだが、発見できなかった…。家族で運営されている小さな旅館で、ボリュームある食事が美味しかった。

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雨を想定しておくべし

前日の昼に全員が宿に集合し、荷物を預けて昼食をとり、コースチェックを兼ねて試走したのだが、試走終わりと同時にザーッと雨が降ってきた。どうにか止むことを祈ったが、雨は夜通し降り続け、翌朝の起床時(4時半)もまだ降っていた。



路面はびしょ濡れ。「夏とはいえ、雨の中を120キロ走るのはしんどいな。下りはスピードも出るから身体も冷えるし、スリップの危険性も増すし」と心配してしまった。

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※スタート前まで小雨がシトシト




山の天気は変わりやすい。週間天気予報はアテにならない。経験豊かな先輩方は(ヘルメットにかぶせるための)シャンプーハットとかシューズカバー、アームカバー、袖なしのウィンドブレーカー等を用意していて感心した。こっちはといえば、なんの雨対策もしておらず、準備の甘さを反省した。



ちなみにレース開始直前に雨はやんでくれたからよかったものの、雨の中を走ることになっていたら、かなりつらい思いをしたであろうことは間違いない。雨対策は必ずしておこう。

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※あいにくの天気だけど、霧がかった山々と田園風景に見とれてしまう


パンク修理キットはぜったいに携行すること

まさかロングライドに出場する人で「パンク修理ができない」とか「修理キットを持っていない」なんてことはないと思う。実際、パンクはあちこちで起きた。120キロの道中で、ざっと30件はパンク修理を見かけた。



まずスタート500メートルでパンクしている人がいたし、数キロごとに修理している人を目撃したね。どなたも慣れた手つきで軽々と修理していたが、空気入れを持っておらず、主催者側のサポートバイクの空気入れを持ってきてもらっている人もいた。レース開始直前まで雨だったことも、パンク多発の原因だと思う。



100キロを越えるイベントではチューブ1本では心細い。予備は2本は持っておきたいところだ。

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※20キロ地点にて。左にはパンク修理中の方々が


日本の原風景を堪能せよ

新潟県には冬のスキーシーズンにしか訪れたことがなかったせいか、「新潟=雪国(白い)」という固定観念があった。(失礼にもほどがある)



ところが、夏の新潟の美しいことといったら!



坂の上から見下ろす延々と続く棚田。稲穂がなびく一面の田園風景、人の手が入っていない自然のままの山々、澄み切ったおいしい空気。まるで、日本昔ばなしのワンシーンを切り取ったような日本の原風景を味わうことができた。



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別に自分は田舎で生まれ育ったわけじゃないけど、にもかかわらず「これぞ日本!」って声に出したくなったね。秩父の峠も悪くはないけれど、スケールが違いすぎる。



この風景のおかげで、120キロの道中がまったく退屈ではなかった。この風景は、お金を払ってでも愛でる価値があるよ。



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エイドステーションの食事の旨さはハンパない

半信半疑だったエイドステーションの補給食だが、とんだ誤解をしていた。うますぎるのである。


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エイドステーションは8箇所あって、甘いもの、しょっぱいもの、温かいもの、冷たいものをこれでもかと提供してくれる。



バナナやグレープフルーツ、スイカ、トマト、桃はどれも甘かった。漬物類も充実してて、キュウリやナスにボランティアの方々手製の味噌をつけて食べるのだが、絶妙のお味なの。



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地元のオバちゃん、お婆ちゃんたちの手作りなので、さらに有り難みが増す。そして魚沼産コシヒカリでつくったオニギリにとどめを刺された…。


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炊いた米に塩を混ぜて握っただけなのに、なぜこんなにも人の心を打つのか…。塩握り飯だけではなく、鮭、昆布、梅と具のバラエティも豊富。たぶん、おにぎりだけで10個は食べた。


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※家に持って帰りたくなる美味さ!


途中、ツールド妻有名物の魚沼産コシヒカリで作った巨大パエリアにも出くわした。ほっくほくで具もジューシー。思わずおかわりしてしまった。


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パエリアの隣にあった冷や汁もいい仕事をしていたね。地元で採れた夕顔が入っていた。



「夕顔」とは聞いたこともない野菜だが、ウリ科の植物で巻き寿司などの具に使われる「干瓢(かんぴょう)」の原料である。冬瓜に似ているね。ホッとする味だった。


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あと、手作りの豆腐にも衝撃を受けた。



醤油かけずにたべてみてよ!」とオバちゃんに言われ、「味はするのかな?」と恐る恐る口に運んだら、なんと甘い!ほんのりではなく、ビシッとしっかり甘いの。これはもはや大豆のプリンと呼ぶべきお味だ。


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醤油をかけずにそのまま食べたほうが美味しいと思った。大豆の味がこんなにしっかりした豆腐は久しぶりだ。ふだん食べているスーパーの真っ白な豆腐とはまったくの別物。



昼ごはんに用意されたソバは、地元の蕎麦屋さんがわざわざ出張してこしらえてくれた。すごい行列だったのでさぞかし美味しいのかしらと並んでみたら、期待違わぬ味でビックリ。エイドステーションでこんなに本格的なソバを賞味できるとは…。

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ゴール後にもおにぎりと豚汁をいただけるのだが、疲れ切った身体にしみる。そしてひたすらにうまい。


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笹だんごやクッキー、あめ玉等のスイーツもあったし、チーズや魚肉ソーセージといったタンパク源も用意されていて、「胃袋がいくつあっても足りないよ~」状態。



ツールド妻有の補給食はもはや「グルメ」と呼ぶほうがふさわしいレベルだ。運営者&ボランティアの方々は押し寄せるライダーたちにバンバン食事を提供してくださっていた。



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※1,000人分の補給食を仕込むのは、とっても重労働だったはず。感謝である。


それも、事務的に渡すとかではなく、笑顔と応援の言葉をかけてくれるし、どこで採れた食材かも親切に教えてくれる。まさに街を上げてイベントを盛り上げるぞって意気込みがヒシヒシと伝わってくる。その姿は感動的ですらあった。


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食物のことを熱く語りすぎてしまったようだ(笑)。



後編はこちらからどうぞ!

ロードバイクは初めて乗ると、たいてい違和感があるものだ。ママチャリに比べてとんでもなく前傾姿勢になるし、羊の角のような不思議なハンドル形状をしているし、サドルは薄くて硬い。 ロードバイク初心者のころは、お尻(股間)、肩、腕、手首、首のどこかが痛くなる ...

ロードバイクは初めて乗ると、たいてい違和感があるものだ。



ママチャリに比べてとんでもなく前傾姿勢になるし、羊の角のような不思議なハンドル形状をしているし、サドルは薄くて硬い。

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ロードバイク初心者のころは、お尻(股間)、肩、腕、手首、首のどこかが痛くなるはず。そこでいろいろ試行錯誤するのも楽しさの一つだが、解決できなままでいると、「ロードバイク=不快な乗り物」という残念な結論を下してしまうかも。



なので、快適に走るためのコツとか知恵は知っておいて損はない。自分が愛してやまないGlobal Cycling Network(CGN)で、「ロードバイクで快適に走るためのコツ」という動画を発見したので、翻訳しつつ紹介しますね。




How To Be More Comfortable On Your Road Bike







自分にフィットしたサドルを 選ぶ

ロードバイクにおいて、身体とバイクが接触するコンタクトポイントは3箇所。足の裏、手のひら(と指先)、お尻だ。



サドルはロードバイク乗りには悩ましい問題で、ほぼすべての人が通る道。おしりの形状は千差万別なので、「これを買えばカンペキ!」とは断言できないのが心苦しいところ。

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いろいろ試してみるしかないというのがホンネだが、いくつも買って試すのも非現実的。動画内では、「フィジークは購入前にトライアルをさせてくれるし、他メーカーも同様のサービスを実施しているよ」とは書いてあったが、海外情報なので日本でどうかは不明。



メーカーに問い合わせるのもいいけど、それは面倒だろうから、一番のオススメはショップで試乗させてもらい、おおよその傾向(「少なくとも、この形状はNGだな」くらいの感触)はつかんでおくのがいいかも。



あとは知人・友人のバイクにまたがらせてもらうこと…くらいかな。



1点注意事項として、「大きくてクッションがある厚手のサドルは快適とは限らない」こと。もっとも重要視すべきは「サドルの形状」だ。見た目がイマイチでも、乗ってみたらあらステキ!となることもあるし、その逆もある。見た目だけで選ばないようにしよう。

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サイクルショーツ

高いショーツはそれだけ快適性が高い。良いものはどうしてもお高くなる傾向にあるが、快適に走るならば「お金をかけるべきは、高品質のサイクルショーツ」とのことだ。



自分も近いうちにビブショーツをトライしようと思うので、このことは覚えておく。素材の質もさることながら、フィット感も同様に大事とのこと。



バイクポジション

バイクのポジションもサドル同様、深い悩みである。自分は何度もポジションで迷い、知識も乏しいくせに勝手にサドルを上げたり、ブラケットをしゃくった結果、すごくアンバランスにさせてしまった経験がある。



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ラバネロの監督の高村さんにポジションを診ていただいたときは、バイクと自分を見比べて、ひと目で修正箇所を見抜いてしまった。

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【ロードバイク初心者に読んでほしい】プロショップ・タカムラ製作所でポジションを徹底的に改善してもらった話



バイクのフィットは我流は禁物。ショップのプロにチェックしてもらうことを激しくオススメする。



フィットしたポジションのバイクは、むちゃくちゃ快適。100キロ走ってもへっちゃらだが、ほんの数ミリズレているだけで、5キロ走るのもしんどく感じるほどなので。




ハンドルバーの形状

多くのメーカーが多種多様なサイズ、形状、深さ、長さ、幅のハンドルを提供しているので、ロードバイク初心者の方は、「どれを選べばいいの?」と途方に暮れるかもしれない。



動画では、「いくつか試して、どれが自分にマッチするか確認しようね」としか語っていなかった。

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個人的にショップで聞いた話で補足すると、幅については「自分の肩幅と同じか、ちょっと短いほうがコントロールしやすい」とのこと。ちなみに自分は幅40センチのドロップハンドルとブルホーンバーを使っている。



大きめのタイヤ&低めの空気圧

路面から伝わってくる振動がハンドルを通じて腕に響くと不快に感じる。そこで、タイヤサイズを大きめ(23cに対して25cとかそれ以上)にすれば、空気圧を下げることができる。よって、振動を低く抑えることが可能になる。



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バーテープを二重に巻く

バーテープの厚さに比例して振動は吸収される。アルミフレームのダホン(Dahon)のMu P8はカーボンのロードバイクに比べて明らかに硬く、振動がハッキリ感じられる。そこで、ブルホーンバーのバーテープは2重にしているよ。



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バーテープの上から、もう1回バーテープを巻いて太くした



ブラケットの位置を上げる

プロライダーは総じて低めのポジションをとっているが、そのまま初心者がマネてしまうとキツく感じるかもしれない。ドロップハンドルに慣れるまでは、スペーサーを入れてやや高めにして、アップライトなポジションを試してみてはどうだろうか?



ちなみにダホン(Dahon)のMu P8はややアップライトなポジションにしてあり、BOMAのRefale(リファール)はスペーサーをすべて取り除き、低いポジションにしてある。2台を乗り比べると、Mu P8はラクな姿勢で流せるので、街乗りには向いているなって思う。

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※写真は、まだスペーサーを抜いていなかった頃のモノ(ハンドル位置がマックスで高い)




ドラフティングで走る

人の後ろについて走ると、空気抵抗を低減でき、より少ない出力で高い巡航速度を維持できる。疲れているときなど、体力がある人に牽いてもらうことで、体力の消耗を抑えられる。ただ、個人的にはドラフティングで走ることはほぼしない。



というのも、ドラフティング効果を得るにはかなーり、前のバイクに接近する必要がある。公道でこれをすると、急ブレーキや路面の障害物(もしくは穴など)を避けることができず、接触&落車を起こしかねないから。



サーキットのような路面がキレイで邪魔者が入らない環境であれば、短時間だけドラフティングを試すこともある。でも、そうは言ってもいつなんどき前走者がスピードを落とすかわからない。ドラフティング走行する際は十分にお気をつけください。



バイクをいじることを恐れない

ポジションの項目でも触れたが、自分にマッチしたポジションを探し当てられれば、じつに快適なロードバイクライフを送ることができる。よって、サドル、ステム、クリート、ハンドル、ブラケット等、高さを替えたり、長さを調節することを恐れないでほしい。



でも迷ったら、初心者向けのロードバイクの書籍を読んで基本情報を仕入れて、ショップに相談しようね。(ある程度の知識がある方が、自分の意図を伝えやすく、話が早く進む)



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以上、GCN動画の解説でした。



GCNの「ハウツー動画コーナー」は本当に充実しているので、ぜひご覧あれ。
(英語だけど、字幕表示もできるし、見ているだけで面白いよ)




あと、土井選手が最近出した書籍もちょうど読み終わったところ。タイトルが仰々しいので、「ホビーレーサーの自分にはハイレベル過ぎる内容かも…」と恐る恐る購入したのだが、素晴らしく勉強になった。


土井雪広の世界で戦うためのロードバイク・トレーニング




本格的にレースに取り組んでいる人はもちろん、自分のようなツーリングメインのローディも真似できるアイデア、ポジション、運転のコツがたくさん書かれていたよ。

※1,836円(税込)とややお高めだが、それだけの内容があったね。



あと、プロレースの裏話も後半に書かれていて、これはこれで検索しても出てこない話として、興味深かった。この書籍のインプレはまた別の機会に。