産経サイクリストで連載 『私の落車』 スタートさせていただきます
産経デジタルが運営する自転車メディア『サイクリスト』で連載を開始させていただきました。
連載名は「私の落車」。読んで字のごとく、ローディに落車体験、事故経験を語っていただき、その声を紹介することで、事故防止&予防につなげていこうという企画である。
※初回に登場してくださった方の鎖骨手術の痕
一発目の記事はこちら。
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峠の下りで後ろ荷重を失念 道路に投げ出され鎖骨と肋骨を骨折 50代男性 (サイクリスト)
なぜこんな企画を思いついたか? コトの経緯をお話しすると、身近なところで事故があり、そのときの体験を本人から聞いたときに、「こういう体験談って貴重だ。知人間だけではなく、ローディの世界全体で共有されるべき有益な情報だ」って思ったの。
誰だって落車ってしたくないじゃないですか。五体満足でロードバイクライフを満喫したいじゃないですか。そのために役立つ情報は、知人の輪を越えてシェアしたり、されたりして、広く共有したほうがいいに決まっているじゃないですか。
※見ているだけで痛々しい……。
落車とひとくちに言っても、パターンはいろいろ。初心者はもちろん、上級者だって事故はする。いくら気をつけているつもりでも、どんなに安全運転を心がけていても、巻き込まれることはある。それが事故である。
あらゆるパターンを想定することは不可能だけど、「こういう事故ってのがあるんだ」とか「こういう状況下では判断ミスを犯しやすいんだな」とか「ちょっとした心がけ1つで、トラブルを回避できるんだ」ってわかっておくのはデカイと思うんだよね。
落車体験って早く忘れたい過去だろうから、あまり人に言いたくないかもしれない。なるべく話さないでおきたいって思うのはムリもないと思う。でも、シェアすることで、明日起きる事故を数件減らすことができるかもしれない。それで助かる命があるかもしれない。
交通事故は、平和な日常を一瞬でぶち壊し、加害者と被害者を悲劇のどん底に叩き落とす。
※肋骨の数カ所折れてしまわれた……。
話は逸れるけど、元大型トラックドライバーだった古い友人は、高速道路を数百キロ走らせるのが日課だった。
彼は「週に数回、どこかで事故を目撃してしまう。事故直後の現場に遭遇したこともあるし、燃える車体を見たこともある。トレーラーとトレーラーの間に挟まれて、ぺしゃんこに潰された軽自動車もあった。人の形をしていない仏様を見たこともある。仏様を見た日は、飯が喉を通らなかった」って話していた。(もう20年前の話になるが)
あまりに生々しく話すので、いまだにその話を鮮明に覚えている。
「事故を起こすな。安全運転を心がけろ。コントロールできないスピードで走るな。疲れたら早めに休め。ムチャは禁物だ。事故は悲劇だ」
って、口癖のように、言ってくれたっけ。
いろんな記憶がごっちゃになり、いても立ってもいられず、サイクリスト編集部に企画を持ち込んでしまったのである。ありがたいことに、編集部にご賛同いただき、連載化が決まった。
自転車事故解決マニュアル
こういう書籍のお世話にはなりたくないけど、どうしてもってときに役に立つかも。
今後の展開は編集部と相談しつつ進めていきますので、乞うご期待。