ロードバイクのカスタマイズは、遅かれ早かれすべてのサイクリストが直面する課題である。
「いや、今のままの状態で気に入っているので、とくに交換するパーツはないよ」
って人でも、消耗品はいずれ取り替えなくてはいけない。たとえば、タイヤ、チェーン、チューブ、バーテープ、カセットスプロケット、ブレーキシュー等ですね。
/ 3本ケージ体制に変更 \
「カスタマイズ」という表現はちょっと違うかもしれない。強いて言うなら、愛車を常にベストコンディションに整えておくための「整備の延長線上のお手入れ」だろうか。
※それも「カスタマイズ」の範疇に入れて書くことにします。
で、カスタマイズの際に悩むのが、「どこにどう予算配分」するか。限られたお金でパーツを買うわけなので、どれもこれも高価なパーツを…とはなかなかいかない。
どうせイジるのなら、意味のある場所に効果的に予算投下し、そうでもない部分は安めのモノで間に合わせる…そのさじ加減を知っておきたいのは人の性(さが)。
Global Cycling Network で見つけた、「Save or Spend? Cycling Upgrade Hacks(ロードバイクをカスタムするとき、お金をかけるべき場所、節約すべき場所はどこ?)」という動画がとても勉強になったので、翻訳してお届けしたい。
え、メーカーから無償でじゃんじゃん与えられるんじゃないの?高級パーツを無尽蔵に使い放題でしょ?プロが自腹で買うわけないじゃんって思い込んでいたんだが、「そういうこともある」のだそうな。
※プロが自腹で買うってどんなシチュエーションだろう…個人事業主として経費扱いにしてるとか…?
/ R9100デュラエースです \
で、そんなときにプロがやる技がありまして、「カセットスプロケットとチェーンはわざとワンランク落とす」んですって。シマノならデュラエースではなく、アルテグラ。スラムならREDではなく、FORCE…といった具合。
なるほど、ほんの少々重量増になるが、僅かなものなので無視できるレベルということか。
デュラエースのチェーンは、『シルテックコーティング』というテフロン加工が施されているが、そのメリットも一般サイクリストが体感できるかどうかでいうと・・・おまじないレベルかと。
どのみち消耗品なので、そこに使うパーツは安めのモノを使うというハックですね。あと、チェーンとカセットスプロケットは、パット見では「デュラエースかアルテグラか見分けがつかない」のもポイント(笑)。
自分はミニベロ(タイレルのCSI)にはデュラエース、ロード(BOMAのRefale)にはアルテグラで組んでいるんだけど、チェーンとカセットスプロケットは全部アルテグラにして、コストカットするのもアリだな…とは思い始めている。
サイモンさん 「1本のタイヤで10ワットもの差が生まれることもある。2本で20ワットだ」
だそうで、エネルギー効率も高いわけで、より省エネで走ることができるというわけ。最近はワイド化がトレンドなので、ホイールリムもそれにあわせて太くなる傾向にある。
経験値で言うと、自分はロードバイクのタイヤを4,000~6,000キロで、ミニベロのタイヤ(20インチ)を3,000~4,000キロで交換する。ちょうど1年に1回の交換サイクルだ。
つまり、1度交換すると、1年はそれを使い続ける。1年ってけっこう長いじゃないですか。であれば、数千円余計に払っても、充分に元は取れると思って、自分は「なるべくハイグレードなタイヤ」を選ぶようにしている。
ちなみに自分が愛用しているタイヤは…
である。
>>シュワルベ ワン SCHWALBE ONE(451)を7か月使い、2,000キロ走ってみてのインプレッション
>>パナレーサー(Race L Evo 3)からIRC の Aspite Pro(アスピーテプロ)にクリンチャータイヤを交換し、あるトラブルに気づく
かつてRefale ではパナレーサーの「Race L Evo3」(Evo3の前はEvo2を)も2年使い続けていて、それもお気に入りのタイヤ。すごく軽く、転がりが抜群にいい。
>>パナレーサー Race L Evo2 で4,800キロ走った劣化具合とインプレッション
>>ロードバイクでパンクしないために心がけていること(パナレーサーのRace L Evo2のインプレを添えて)
「このバイクはリアディレイラーがアルテグラなんですよ(他は105だけど…)」
とか
「105のパーツをあしらった完成車ですよ(リアディレイラー以外はティアグラだけど…)」
という見せ方ですね。
これが悪い方法って言うつもりはない。そうやってコストダウンして買いやすい価格設定にしてくれているって側面もある。
/ 現行のティアグラは質感が高い! \
ただ、リアディレイラーって目立つ部分なので、どうしてもそこに目が行きやすく、「おおっ!」ってぬか喜びしてしまう…ってこともあるのだ。
フル105のバイクとリアディレイラーだけアルテグラの→105バイクを比較した場合、パフォーマンスでは「ほぼ変わりなし」なので、であればフル105を選んでOK。リアディレイラーだけアップグレードすることで、見た目以外の能力アップは見込めない。
ウェット(湿度の高い)状態でロードバイクを走らせると、どうしても金属部分の劣化は早まる。よって「高価なインナーワイヤー類は使わない」のだそうな。
代わりにサイモンさんが実践しているのが、「(ブレーキワイヤー&シフトワイヤーを)スタックで買い置きして、ちょっと劣化したら躊躇せずにどんどん交換してしまう」という方法。
/ サイモンさん、業者かよ… \
自分で交換&調整できるスキルがあるなら、これもアリかもしれない。
サイモンさんも現役時代はさんざんハンドルは交換したそうだが、アルミをカーボンにする・・・のではなく、純粋に形状を最適化するための交換だったとのこと。
で、彼が選んできたのはずっとアルミ製。カーボンよりは少々重くなるのは事実。しかし、「使い心地には大きな差はないよ」とのことだ。
ただし、あえて軽量&薄手のチューブに投資するのも一つの判断で、そのメリットは「軽量化に直結する」から。削減できるグラムあたりにかかるコストが圧倒的に低い。軽量化を目指すなら、ホイールに投資するのもいいけど、まずは真っ先に軽量チューブに交換すべき。
空気が抜けやすいデメリットに目をつむるなら、ラテックスチューブも選択肢のひとつ。走り心地が良いし、路面抵抗も低減できる。ただ、自分は実用性を犠牲にしたデメリットが受け入れられないので、ブチルしか使わないって決めている。
実際、2017年のツール・ド・フランスで、チーム・カチューシャはLOOK Keo Max を使っていた。LOOK Keo Blades のほうが軽い(&高い)にもかかわらず、である。 (そういうこともあるんだ…)
/ カチューシャはキャニオンのディスクロードを使用 \
サイモンさんは「パワーメーターはたしかに高い。でも、これでトレーニングすれば、確実に結果を得られるよ」と断言していた。これはプロ選手も言い切っていることなので、間違いない事実なのだろう。
現役トレーナーさんから、「結果は出る代わりに、パワーメーターで真面目にトレーニングするのは死ぬほどキツいよ」と話していたのも聞いたことがある。購入される方は覚悟の上でどうぞ(笑)。
ちなみに自分の場合、「趣味にはケチらない」という個人的ポリシーがありまして、(分不相応と理解しつつも)ハイグレードのモノをチョイスしてる。あと、読みたい本は躊躇なく買う。 お金を惜しまないのはそのふたつ。
代わりに、洋服、靴、装飾品、腕時計、日々の食事や飲み会、家電製品、家財道具は徹底的に節約して帳尻を合わせる。サイクリング以外にこだわりがないので、お金を使いたい欲求が薄い。
月額料金の発生するモノ(フィットネスジムとか)も固定費になるので、何も加入していない。月額料金がかかるモノはスマホだけ。お酒、ギャンブルも一切やらないので、このへんの遊興コストはゼロ。 (自分は、オンオフをハッキリ区別するタイプなのだと思う。)
/ 古くなったシューズや服はなかなか捨てられないタイプです(笑) \
以上、Global Cycling Network の「Save or Spend? Cycling Upgrade Hacks(ロードバイクをカスタムするとき、お金をかけるべき場所、節約すべき場所はどこ?)」をお届けしました。
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「いや、今のままの状態で気に入っているので、とくに交換するパーツはないよ」
って人でも、消耗品はいずれ取り替えなくてはいけない。たとえば、タイヤ、チェーン、チューブ、バーテープ、カセットスプロケット、ブレーキシュー等ですね。
/ 3本ケージ体制に変更 \
「カスタマイズ」という表現はちょっと違うかもしれない。強いて言うなら、愛車を常にベストコンディションに整えておくための「整備の延長線上のお手入れ」だろうか。
※それも「カスタマイズ」の範疇に入れて書くことにします。
で、カスタマイズの際に悩むのが、「どこにどう予算配分」するか。限られたお金でパーツを買うわけなので、どれもこれも高価なパーツを…とはなかなかいかない。
どうせイジるのなら、意味のある場所に効果的に予算投下し、そうでもない部分は安めのモノで間に合わせる…そのさじ加減を知っておきたいのは人の性(さが)。
Global Cycling Network で見つけた、「Save or Spend? Cycling Upgrade Hacks(ロードバイクをカスタムするとき、お金をかけるべき場所、節約すべき場所はどこ?)」という動画がとても勉強になったので、翻訳してお届けしたい。
節約すべき場所:「カセットスプロケット&チェーン」
驚いたのは、プレゼンターのサイモンさんが言うには、「ワールドツアーの選手でも、パーツを自腹で買うことがある」とのこと。え、メーカーから無償でじゃんじゃん与えられるんじゃないの?高級パーツを無尽蔵に使い放題でしょ?プロが自腹で買うわけないじゃんって思い込んでいたんだが、「そういうこともある」のだそうな。
※プロが自腹で買うってどんなシチュエーションだろう…個人事業主として経費扱いにしてるとか…?
/ R9100デュラエースです \
で、そんなときにプロがやる技がありまして、「カセットスプロケットとチェーンはわざとワンランク落とす」んですって。シマノならデュラエースではなく、アルテグラ。スラムならREDではなく、FORCE…といった具合。
なるほど、ほんの少々重量増になるが、僅かなものなので無視できるレベルということか。
デュラエースのチェーンは、『シルテックコーティング』というテフロン加工が施されているが、そのメリットも一般サイクリストが体感できるかどうかでいうと・・・おまじないレベルかと。
どのみち消耗品なので、そこに使うパーツは安めのモノを使うというハックですね。あと、チェーンとカセットスプロケットは、パット見では「デュラエースかアルテグラか見分けがつかない」のもポイント(笑)。
自分はミニベロ(タイレルのCSI)にはデュラエース、ロード(BOMAのRefale)にはアルテグラで組んでいるんだけど、チェーンとカセットスプロケットは全部アルテグラにして、コストカットするのもアリだな…とは思い始めている。
投資すべき場所:「タイヤ」
100%同意。タイヤほどわかりやすい効果の出るパーツはない。良い(=高価)なタイヤは軽く、転がりがよく、摩擦抵抗も少ないので快適。サイモンさん 「1本のタイヤで10ワットもの差が生まれることもある。2本で20ワットだ」
だそうで、エネルギー効率も高いわけで、より省エネで走ることができるというわけ。最近はワイド化がトレンドなので、ホイールリムもそれにあわせて太くなる傾向にある。
経験値で言うと、自分はロードバイクのタイヤを4,000~6,000キロで、ミニベロのタイヤ(20インチ)を3,000~4,000キロで交換する。ちょうど1年に1回の交換サイクルだ。
つまり、1度交換すると、1年はそれを使い続ける。1年ってけっこう長いじゃないですか。であれば、数千円余計に払っても、充分に元は取れると思って、自分は「なるべくハイグレードなタイヤ」を選ぶようにしている。
ちなみに自分が愛用しているタイヤは…
- ミニベロのCSI(451):シュワルベの「シュワルベワン」
- ロードバイクのRefale(700c):IRCの「Aspite Pro(アスピーテプロ)」
である。
>>シュワルベ ワン SCHWALBE ONE(451)を7か月使い、2,000キロ走ってみてのインプレッション
>>パナレーサー(Race L Evo 3)からIRC の Aspite Pro(アスピーテプロ)にクリンチャータイヤを交換し、あるトラブルに気づく
かつてRefale ではパナレーサーの「Race L Evo3」(Evo3の前はEvo2を)も2年使い続けていて、それもお気に入りのタイヤ。すごく軽く、転がりが抜群にいい。
>>パナレーサー Race L Evo2 で4,800キロ走った劣化具合とインプレッション
>>ロードバイクでパンクしないために心がけていること(パナレーサーのRace L Evo2のインプレを添えて)
節約すべき場所:「リアディレイラー」
メーカー側のやり方として、完成車でよくあるのが「リアディレイラーだけワングレード高いパーツを付け、それ以外は低めのパーツで構成する」というワザ。「このバイクはリアディレイラーがアルテグラなんですよ(他は105だけど…)」
とか
「105のパーツをあしらった完成車ですよ(リアディレイラー以外はティアグラだけど…)」
という見せ方ですね。
これが悪い方法って言うつもりはない。そうやってコストダウンして買いやすい価格設定にしてくれているって側面もある。
/ 現行のティアグラは質感が高い! \
ただ、リアディレイラーって目立つ部分なので、どうしてもそこに目が行きやすく、「おおっ!」ってぬか喜びしてしまう…ってこともあるのだ。
フル105のバイクとリアディレイラーだけアルテグラの→105バイクを比較した場合、パフォーマンスでは「ほぼ変わりなし」なので、であればフル105を選んでOK。リアディレイラーだけアップグレードすることで、見た目以外の能力アップは見込めない。
投資すべき場所:「シフトワイヤー、ブレーキワイヤー」
イギリスに住むサイモンさんは、「この国は1年のうち359日は雨か曇りで天候が悪いから、そういうコンディションで走らなければならないんだよね(笑)」と冗談を言っていた。ウェット(湿度の高い)状態でロードバイクを走らせると、どうしても金属部分の劣化は早まる。よって「高価なインナーワイヤー類は使わない」のだそうな。
代わりにサイモンさんが実践しているのが、「(ブレーキワイヤー&シフトワイヤーを)スタックで買い置きして、ちょっと劣化したら躊躇せずにどんどん交換してしまう」という方法。
/ サイモンさん、業者かよ… \
自分で交換&調整できるスキルがあるなら、これもアリかもしれない。
節約すべき場所:「ハンドルバー」
ハンドルバーはそこそこ目立つため、ふとした瞬間に「交換したい誘惑」が心の隙間に入り込んでくることがある。サイモンさんも現役時代はさんざんハンドルは交換したそうだが、アルミをカーボンにする・・・のではなく、純粋に形状を最適化するための交換だったとのこと。
で、彼が選んできたのはずっとアルミ製。カーボンよりは少々重くなるのは事実。しかし、「使い心地には大きな差はないよ」とのことだ。
節約すべき場所:「チューブ」
サイモンさんは、「スタンダードなふつうのブチルチューブを使っている。気にするのは厚さかな。そのほうがパンクに強い印象がある。安めのチューブにしていることで、パンクしても精神的ダメージが少ないからね(笑)」と語る。ただし、あえて軽量&薄手のチューブに投資するのも一つの判断で、そのメリットは「軽量化に直結する」から。削減できるグラムあたりにかかるコストが圧倒的に低い。軽量化を目指すなら、ホイールに投資するのもいいけど、まずは真っ先に軽量チューブに交換すべき。
空気が抜けやすいデメリットに目をつむるなら、ラテックスチューブも選択肢のひとつ。走り心地が良いし、路面抵抗も低減できる。ただ、自分は実用性を犠牲にしたデメリットが受け入れられないので、ブチルしか使わないって決めている。
節約すべき場所:「ペダル」
ビンディングペダルもグレードが上がるに連れて軽くなるパーツ。ただ、節約したいならここのグレードは落としてOK。ちょっとの重量アップにはなるものの、機能性になんら変わりはない。実際、2017年のツール・ド・フランスで、チーム・カチューシャはLOOK Keo Max を使っていた。LOOK Keo Blades のほうが軽い(&高い)にもかかわらず、である。 (そういうこともあるんだ…)
/ カチューシャはキャニオンのディスクロードを使用 \
投資すべき場所:「パワーメーター」
パフォーマンス重視でトレーニングもがっつりやりたいサイクリストなら、パワーメーターは投資価値のあるパーツ。それなりの価格になってはしまうが、近年は値段は下がっており、手を出しやすくはなりつつある。サイモンさんは「パワーメーターはたしかに高い。でも、これでトレーニングすれば、確実に結果を得られるよ」と断言していた。これはプロ選手も言い切っていることなので、間違いない事実なのだろう。
現役トレーナーさんから、「結果は出る代わりに、パワーメーターで真面目にトレーニングするのは死ぬほどキツいよ」と話していたのも聞いたことがある。購入される方は覚悟の上でどうぞ(笑)。
ちなみに自分の場合、「趣味にはケチらない」という個人的ポリシーがありまして、(分不相応と理解しつつも)ハイグレードのモノをチョイスしてる。あと、読みたい本は躊躇なく買う。 お金を惜しまないのはそのふたつ。
代わりに、洋服、靴、装飾品、腕時計、日々の食事や飲み会、家電製品、家財道具は徹底的に節約して帳尻を合わせる。サイクリング以外にこだわりがないので、お金を使いたい欲求が薄い。
月額料金の発生するモノ(フィットネスジムとか)も固定費になるので、何も加入していない。月額料金がかかるモノはスマホだけ。お酒、ギャンブルも一切やらないので、このへんの遊興コストはゼロ。 (自分は、オンオフをハッキリ区別するタイプなのだと思う。)
/ 古くなったシューズや服はなかなか捨てられないタイプです(笑) \
以上、Global Cycling Network の「Save or Spend? Cycling Upgrade Hacks(ロードバイクをカスタムするとき、お金をかけるべき場所、節約すべき場所はどこ?)」をお届けしました。
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