サドルの高さを決めるのは、簡単なようでそうではない。ママチャリで短距離しか走らないのであれば、テキトーでもなんとかなるが、100キロとかそれ以上の距離を走ろうとするとそうはいかない。
わずかなポジションのズレがボディブローのように効いてきて、臀部やヒザや腰、肩など、あらゆる部分に痛み&違和感を生じさせてしまう。
自転車動画コンテンツにかけては世界でも屈指のレベルを誇るGlobal Cycling Network が、「サドルの高さを決めるためのコツ(How To Set Your Saddle Height - Tips For Getting Your Saddle Position Right)」で誰でもできるサドルの高さの求め方を紹介していたので、翻訳してお届けしよう。
まずはバイクにまたがり、両足のかかとをペダルに置く。
その状態でヒザが伸びているのが望ましい。さて、両かかとでペダルを回してみよう。骨盤が上下や左右に揺れていないか確かめること。というのも、骨盤を動かせば少々サドルが高すぎてもペダルを回せてしまえるから。
※ヒザが伸び切りそうで、伸び切らないくらいが望ましい
いきなり余談に入るけど、これはかつて自分が犯したミスである。ロードバイク購入1年目、極端に高いサドル位置をかたくなに下ろそうとしなかった。「だって、かかとでペダリングできているもん」と思い込んでいたのだが、実際はできておらず、骨盤を動かすことで「回せている」と思い込んでいただけであった。
詳しい話は下記リンクからどうぞ…
>> 【ロードバイク初心者に読んでほしい】プロショップ・タカムラ製作所でポジションを徹底的に改善してもらった話
>> 【ロードバイク初心者あるある】サドルを適正ポジションより約2センチ上げていた恥ずかしい理由を告白します
なぜ骨盤を必死に動かしてしまったのか?それは、「自分の短足を認めたくなかった」から。サドルを下げる=短足であるとなってしまうので、なるべく下げずに済むよう愚かな努力をしていただけに過ぎない。
私のようなおバカさんもいるので、くれぐれも「ペダリングは骨盤を固定した状態で!」と覚えておいてほしい。自己診断ができなければ、誰かに後ろから見てもらい、お尻が左右ににヒョコヒョコ動いていないかチェックしてもらうことをおススメする。
まずは自転車本体が水平状態にあること。固定ローラーに装着するなら、水平位置をきちんと出せているか確認しよう。難しいのであれば、いっそ地面に下ろして作業するほうがいいかもしれない。
※膝頭から糸を垂らします
シューズをクリートに装着して通常の走行ポジションをとり、クランクを水平にする。糸に垂らした五円玉を使ってサドル位置をチェックするのだが、糸をひざの骨の部分にくっつけ、そこから真下に下ろす。そのとき、五円玉がペダルの付け根(回転軸)の中心にくればOK。
KOPS method(コップス・メソッド) と呼ばれるこの手法、完全&絶対的な正解ではないそうだが、ひとつの目安にはなる。ただ、これはあくまで目安なので、もしもリラックスしたアップライトなポジションで走るのであれば、サドルはやや前目に。
逆に、腕をしっかり伸ばして走るのは好みであれば、サドル位置はKOPSメソッドが示すよりやや後ろのほうにズラすと良いだろう。
あと、レースをする人には常識だと思うけど、UCIは「サドルは平行に取り付けられるべし」と定めているそうな。(知らなかった)
※UCIとは「Union Cycliste Internationale」の略称で、サッカーでいうFIFAみたいな団体です
こだわるのであれば、不動産屋さんが床の並行を計測する製品を使うのもアリだが、サドルが平行になっているかどうかは目視でも充分可能。わざわざ買う必要はないと思う。
…と、以上で終わりなのだが、サドルの「高さ、前後位置、平行かどうか」は一発でバシーンと決まることは少ない。というのも、高さを合わせたつもりでも、前後位置がズレてたせいでもう一回高さ調整が発生したり、その逆が起こったり…ということはままあるから。
面倒くさがらず、時間をかけて調整しよう。できれば一人でやるよりも、二人一組で撮影しあうとよい。互いのクセもわかるし、きれいにペダリングしていたつもりが「意外にぎこちないな、俺…」と驚くこともできるから。自分のペダリングって、なかなか見る機会がないのでいろんな発見があると思う。
以下、他のメソッド
↓
もうひとうが「inside leg method(インサイドレッグ・メソッド)」といい、股下の長さを計測する方法。シューズを脱ぎ、裸足の状態で計測する。ここではじき出した数字から10センチ引くと、それが「ボトムブラケットの中心 ~ サドルのてっぺん」までの長さとなる。なかなか複雑である。
※どうしてもシュールな画になってしまう
いろいろな手法を紹介したが、どれが絶対とかではなく、自分でチューニングしていくものである。たとえば、上記のメソッドのどれもクランクの長さを検討に入れていない。
172.5ミリから170ミリのクランクに交換したらサドル高は変わるのか?たぶん変わる。シューズをシマノのSPD-SL からスピードプレイに交換したら?たぶん変わる。セットバックサドルに新調したら?たぶん変わる。サドルをプロロゴからフィジークに替えたら?やはり調整は発生する。
と、まあかくもポジションとは面倒かつデリケートなものなのだ。「1回やったら二度としなくていいんだ~」ではないし、「パーソナルフィットをしてもらったから、もうお世話になることはないんや~」ってわけでもない。パーツを変えたら調整するし、乗り方が変わればステムの長さを伸ばしたり(縮めたり)、スペーサーを抜く(増やす)などしたら都度見なおす必要がある。
まずは、基本の数字を記録しておこう。方法は簡単で、「1.ボトムブラケットの中心~(シートポストをつたって)サドルのてっぺん」までの長さと、「サドルの先端~ハンドルバーの中心」までの長さの2つだけ。ベースデータがあれば、いつでも基本に立ち返ることができる。
※サドルの厚みによってこの長さは異なるので、サドルを交換したら都度計りなおすこと
げにポジションとは奥深きものなので、ロードバイクライディング強化本あたりの専門ムックでも読んでみようかと思っている。
>> 夏と冬でロードバイクのサドルポジションがズレてしまうのはナゼなんだぜ? >>> 謎が解けた\(^o^)/
★ツイッターアカウントはこちらヽ(^o^)丿<最近記事を常にお届け!
わずかなポジションのズレがボディブローのように効いてきて、臀部やヒザや腰、肩など、あらゆる部分に痛み&違和感を生じさせてしまう。
自転車動画コンテンツにかけては世界でも屈指のレベルを誇るGlobal Cycling Network が、「サドルの高さを決めるためのコツ(How To Set Your Saddle Height - Tips For Getting Your Saddle Position Right)」で誰でもできるサドルの高さの求め方を紹介していたので、翻訳してお届けしよう。
サドルの高さを決める
できればバイクが固定できる状態にしよう。屋外で走りながらでもできないことはないので、大丈夫。まずはバイクにまたがり、両足のかかとをペダルに置く。
その状態でヒザが伸びているのが望ましい。さて、両かかとでペダルを回してみよう。骨盤が上下や左右に揺れていないか確かめること。というのも、骨盤を動かせば少々サドルが高すぎてもペダルを回せてしまえるから。
※ヒザが伸び切りそうで、伸び切らないくらいが望ましい
いきなり余談に入るけど、これはかつて自分が犯したミスである。ロードバイク購入1年目、極端に高いサドル位置をかたくなに下ろそうとしなかった。「だって、かかとでペダリングできているもん」と思い込んでいたのだが、実際はできておらず、骨盤を動かすことで「回せている」と思い込んでいただけであった。
詳しい話は下記リンクからどうぞ…
>> 【ロードバイク初心者に読んでほしい】プロショップ・タカムラ製作所でポジションを徹底的に改善してもらった話
>> 【ロードバイク初心者あるある】サドルを適正ポジションより約2センチ上げていた恥ずかしい理由を告白します
なぜ骨盤を必死に動かしてしまったのか?それは、「自分の短足を認めたくなかった」から。サドルを下げる=短足であるとなってしまうので、なるべく下げずに済むよう愚かな努力をしていただけに過ぎない。
私のようなおバカさんもいるので、くれぐれも「ペダリングは骨盤を固定した状態で!」と覚えておいてほしい。自己診断ができなければ、誰かに後ろから見てもらい、お尻が左右ににヒョコヒョコ動いていないかチェックしてもらうことをおススメする。
サドルの前後位置を決める
高さが決まれば今度は前後の位置決めだ。これも何気に重要で、ほんの1ミリのズレでも快適性がグンと変わる。気持ちよく漕げる場所を見つけよう。まずは自転車本体が水平状態にあること。固定ローラーに装着するなら、水平位置をきちんと出せているか確認しよう。難しいのであれば、いっそ地面に下ろして作業するほうがいいかもしれない。
※膝頭から糸を垂らします
シューズをクリートに装着して通常の走行ポジションをとり、クランクを水平にする。糸に垂らした五円玉を使ってサドル位置をチェックするのだが、糸をひざの骨の部分にくっつけ、そこから真下に下ろす。そのとき、五円玉がペダルの付け根(回転軸)の中心にくればOK。
KOPS method(コップス・メソッド) と呼ばれるこの手法、完全&絶対的な正解ではないそうだが、ひとつの目安にはなる。ただ、これはあくまで目安なので、もしもリラックスしたアップライトなポジションで走るのであれば、サドルはやや前目に。
逆に、腕をしっかり伸ばして走るのは好みであれば、サドル位置はKOPSメソッドが示すよりやや後ろのほうにズラすと良いだろう。
サドルは平行に取り付ける
サドルの取り付け角度にも正解はない。とはいえ、先端が上を向いていると股間が圧迫されて違和感しかないし、かといって先端を下げすぎるとハンドルに荷重がかかって腰が終始前に落ちてきて辛い。「水平に装着する」がまずはベストである。あと、レースをする人には常識だと思うけど、UCIは「サドルは平行に取り付けられるべし」と定めているそうな。(知らなかった)
※UCIとは「Union Cycliste Internationale」の略称で、サッカーでいうFIFAみたいな団体です
こだわるのであれば、不動産屋さんが床の並行を計測する製品を使うのもアリだが、サドルが平行になっているかどうかは目視でも充分可能。わざわざ買う必要はないと思う。
…と、以上で終わりなのだが、サドルの「高さ、前後位置、平行かどうか」は一発でバシーンと決まることは少ない。というのも、高さを合わせたつもりでも、前後位置がズレてたせいでもう一回高さ調整が発生したり、その逆が起こったり…ということはままあるから。
面倒くさがらず、時間をかけて調整しよう。できれば一人でやるよりも、二人一組で撮影しあうとよい。互いのクセもわかるし、きれいにペダリングしていたつもりが「意外にぎこちないな、俺…」と驚くこともできるから。自分のペダリングって、なかなか見る機会がないのでいろんな発見があると思う。
個人差のある要素
上記はあくまで一般論。それ以外にも考えるべき要素はいくつもあって、体の柔軟性とかペダリングのクセ(かかとを下げ気味に回す or 上げ気味に回す)等、も考慮すると、やはりプロの診断(有償のパーソナルバイクフィット)が必要になってくる。以下、他のメソッド
↓
holmes method(ホームズ・メソッド)
脛と大腿骨が25~30°になると、もっとも快適にペダリングでき、かつパワーを発揮できると導き出した。ただ、この方法を自分で確かめようにも方法がない。goniometerという巨大な分度器があれば計測できるが、こんなもの一般人は持っていない。よって、あまり現実味のないメソッドである。もうひとうが「inside leg method(インサイドレッグ・メソッド)」といい、股下の長さを計測する方法。シューズを脱ぎ、裸足の状態で計測する。ここではじき出した数字から10センチ引くと、それが「ボトムブラケットの中心 ~ サドルのてっぺん」までの長さとなる。なかなか複雑である。
※どうしてもシュールな画になってしまう
いろいろな手法を紹介したが、どれが絶対とかではなく、自分でチューニングしていくものである。たとえば、上記のメソッドのどれもクランクの長さを検討に入れていない。
172.5ミリから170ミリのクランクに交換したらサドル高は変わるのか?たぶん変わる。シューズをシマノのSPD-SL からスピードプレイに交換したら?たぶん変わる。セットバックサドルに新調したら?たぶん変わる。サドルをプロロゴからフィジークに替えたら?やはり調整は発生する。
と、まあかくもポジションとは面倒かつデリケートなものなのだ。「1回やったら二度としなくていいんだ~」ではないし、「パーソナルフィットをしてもらったから、もうお世話になることはないんや~」ってわけでもない。パーツを変えたら調整するし、乗り方が変わればステムの長さを伸ばしたり(縮めたり)、スペーサーを抜く(増やす)などしたら都度見なおす必要がある。
まずは、基本の数字を記録しておこう。方法は簡単で、「1.ボトムブラケットの中心~(シートポストをつたって)サドルのてっぺん」までの長さと、「サドルの先端~ハンドルバーの中心」までの長さの2つだけ。ベースデータがあれば、いつでも基本に立ち返ることができる。
※サドルの厚みによってこの長さは異なるので、サドルを交換したら都度計りなおすこと
げにポジションとは奥深きものなので、ロードバイクライディング強化本あたりの専門ムックでも読んでみようかと思っている。
>> 夏と冬でロードバイクのサドルポジションがズレてしまうのはナゼなんだぜ? >>> 謎が解けた\(^o^)/
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コメント
コメント一覧 (10)
最近では、カラダが固いという現実をやっと受け入れ、どんどん低くなり、かつ前進守備になってます。(T . T)
唯一、再調節かけたのはクリートの位置だけでこれは膝裏に軽く痛みが出てそれを是正する為でした。あんまりいじりすぎても良いこと無い気がするんだけどなあ、、、、
しまいには、レーパン新調したら、パット厚のへたり具合も違うから全部やり直し。
やらなくても人の体の適応力で何とか走れるけれど、快適に走るには絶対やった方が楽ですね。
体の硬さはサイクリングにはメリットないので、ストレッチおすすめです。私も身体が硬いので、ストレッチをこの1ヶ月ほどこまめに続けていまして、徐々に柔らかくなってきましたよ!
ななもりさん
いじることが目的ではないので、ある程度固めたら継続するのがいいかなと。ずっと乗っていて、違和感があったら見直す・・・くらいでよいのではないかと。まあ、サドルを変えたとか、クリートシステムをがらっと交換したら、高さがズレていないかのチェックは必要ですね。
(^o^)
take2さん
あ、レーパンはそのとおりですね。私の場合、冬用と夏用では変わる気がします。というか、実際にかわります。なので、微調整は季節の変化に合わせて行ってはいます。
それはそうと、骨盤を固定した状態でペダリングをすることの利点がよくわかりませんでした。先ほど、カンチェラーラ選手の動画を観たら、腰を捻りながらペダリングをしているようでした。また、フランキーたけさんの動画でも骨盤の使い方を解説してるものをお見受けしました。
ロードバイク初心者でいろいろな情報に当たっているのが現状です。
骨盤を固定したペダリングの利点を教えていただけますでしょうか。
(私の知っている限りの情報でいいますと)骨盤を固定できずに左右にひょこひょこ動くということはサドルが高すぎて骨盤が落ちてしまっているのだと思います。で、結果的に骨盤が安定しない・・・と。サドルを適切な位置にすれば、おのずと骨盤は安定する・・・のだというのが私の認識です。
でも、ポジションや漕ぎ方のメソッド、考え方も多種多様なので、人によっては「それ、ちゃうんでは?」と指摘されるかもです。
(;^_^A
そういった考え方もあるのですね。
ご返答ありがとうございました。
横から失礼します。
私もそれについて一時期調べていましたが今回管理人様が仰っている骨盤の動きは高すぎるために落ちてしまう、という現象ですがカンチェラーラの場合はサドルが低め(気持ち程度ではありますが一般に言われるより少し)で骨盤を意識的に"持ち上げている"のだと思われます。
カンチェラーラのどの動画をご覧になったかは存じ上げませんが2009 ITTならパッドにかなり加重してる様に見えます。
それに加え骨盤を持ち上げてペダリングすることにより体重をかなり効率的に乗せることが出来るということだと思います。
骨盤を固定する件ですが、一つはサドル高が適正か高めならまずカンチェラーラの様な動き方が出来ないから。
大半の選手はこれが理由であるとは思いますがウィギンスやマルティンなどのTT選手達もサドル高が低めらしいんです。
腰がローリングしないのは特にマルティンは骨盤が後傾気味(背中というか腰がかなり立っている)だから動きたくても動かないんじゃないのでしょうか?
人それぞれのフィーリングがありますし、ポジションによる違い、ケイデンスが低めだとトルクによる反力もそこそこ強めになるので骨盤を動かすメリットがなくなるとか何とか、、(笑)
管理人様の言葉と同じになってしまいますが、人それぞれやりやすい様にやるべきだと思うので色々試しているうちにいい方法が見つかるとおもいますよ!
ちなみに「カンチェラーラ 骨盤ペダリング」とか調べると良い記事いっぱいありますよ~
以上カンチェラーラの大ファン(笑)が答えさせていただきました。
拙い長文失礼しました。