皆様は、自転車通勤をされているだろうか?それとも、乗るのは休日のみで通勤はクルマや電車をお使いだろうか?

自転車通勤する日本人は少数派だが、それは英国でも同じらしく、ある調査によれば「自転車通勤人口はたったの9%」という結果が報告されている。 totalwomenscycling.comで「英国人が自転車通勤をしたがらない5つの理由」という記事を読んだのだが、興味深かったので翻訳して紹介したい。
※元記事はこちら >> 5 Top Reasons for Not Cycling to Work 

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※以前は川口~赤坂間の22キロを通勤してました

「雨」と「交通事故」の不安が自転車通勤を避けるトップ2の理由

英国内の機関が行なった「自転車通勤の意識調査」で、調査対象は1,000名強のビジネスパーソン。大半の方が、「雨の多い天候がちょっと…」、「事故が怖いので…」という理由で自転車通勤をしたがらないそうだ。

年代で比較すると、自転車通勤にもっとも消極的なのが18~24歳でわずか2%にとどまる。さらに女性は男性にくらべて、自転車通勤人口が半分であることもわかった。

5つの理由が明らかになったので、数回にわけてご紹介していきますね。あと、その克服対策も添えて。

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※赤坂見附駅前のジャンクションは自転車だと走りにくく、信号待ちがやたら長い

第1位: 職場が遠い(42%)

これは致し方ない理由。快適に自転車通勤ができる距離は、せいぜい20キロまで。10キロは楽ちん、15キロは適度な運動、20キロを越えると体力的にややしんどい。また、冬場は寒さでかじかんでくるね。

自分は体調と天候の両方が良いときのみ、タイレル(Tyrell)のCSI で通勤している。片道は26キロで所要時間は1時間40分ほど。人に26キロと言うと、「ながっ!」って驚かれるのだが、自分は往復で3時間ちょっとも平日に自転車に乗れてしまうわけで、むしろほどよい運動&ストレス解消になる。

疲れもほとんど無いし、とくにお腹もすかない。何事も慣れである。

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※五反田~白金高輪~麻布十番~赤羽橋~皇居の区間は舗装もキレイで、とても走りやすい


頻度は季節で変わり、春と秋は週2回、暑い夏場は週1回、冬場は月に数回…といったかんじ。

片道70キロの自転車通勤を毎日しています」ってクレイジーな人(実業団チームの監督さん)に出会ったことが一度あるが、明らかに超人のレベルなので、一般人はマネしないほうがいい。個人的には、初めて自転車通勤をするならば、15キロ未満にしておくのがいいと思う。

電車と組み合わせる自転車通勤

記事元の「totalwomenscycling.com」がオススメしている方法はユニークで、これなら職場から遠くに住んでいる人も可能かも。その方法とは、まず距離を短くする工夫をすること。カンタンに言えば、「通勤距離50キロのうち半分をフォールディングバイクで走り、もう半分は電車を利用する」というスタイルね。

交通量の少ない郊外は自転車で走って、混雑してくるロンドンに入る手前で地下鉄に乗るのはひとつアリな方法。ただ、これを実践したことのある自分の経験を述べると、「折りたたむ行為と電車の乗り降りがめんどくさい」ので、1回やって辞めた。

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※写真は浜松町駅です


輪行は楽ちんではあるのだが、電車に乗るまでがけっこうしんどい。想像してほしいのだが、フォールディングバイクを折りたたんで輪行バッグに入れて、駅構内を歩いて混雑した電車に乗り、目的地で降りて自転車を抱えて外に出て、輪行バッグから取り出して組み立てて、輪行バッグを収納して…って作業量が多すぎる。

ちなみにその1回とは、南北線の赤羽岩淵駅~後楽園駅の間。4年ほど前、この区間で輪行通勤の実験を行なったのだが、「とてもじゃないが、二度としたくない」と思った。

当時はダホンのMuに乗っていて、まずプラットホームまで持っていくのでひと苦労。(通勤時間帯は外したけれど)そこそこ混んでいたので周囲に迷惑をかけ、後楽園で下車して地上までバイクを運んだ時点でヘロヘロに疲れ。「二度とするまい…」と心に誓った。

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※輪行は階段の昇り降りが避けられない


都内の通勤の時間帯にフォールディングバイクを持ち込む行為は迷惑でしかなく、「だったら自転車で走ってしまったほうがいいや」ってなって、結局そっちが習慣化した。

英国だと輪行はしやすいのかもしれないが、都内で自転車通勤するなら、電車と組み合わせるのは不都合のほうが多いので、控えたほうがいいと思う。
※ただ、「ミニベロなら、お酒を飲んでも輪行で帰宅できる」ってことをメリットにされているサイクリストは多く、下戸の自分も「なるほどな」って賛同できる。

自家用車と組み合わせる自転車通勤

別の方法も紹介されていて、それは「クルマと自転車を交互に乗る」というスタイル。どういうことかというと、、、


月曜の朝:自転車をクルマに積んで、自動車で通勤する

月曜の夜:積んでおいた自転車で帰宅する(クルマは職場に置いておく)

火曜の朝:自転車で通勤する

火曜の夜:自転車をクルマに積んで、車で帰宅する


「クルマ>>自転車>>自転車>>クルマ>>クルマ>>自転車>>自転車…」のサイクルを繰り返すらしい。なるほど、理論上は問題ない。こうすることで距離を半分にでき、長距離であっても自転車通勤がしやすくなる。ガソリン代も節約できてよろしい。

しかし、雨が降ったらどうするのだろうか…。車は職場にあり、自宅には自転車しかない。で、外は悪天候…ううむ、雨天の多い英国ではあまり現実的ではないような気がする。

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※写真は上野駅(東側)。クルマがひんぱんに車線を変える走りにくいスポット


雨天時はカッパを着て走る!という気合と準備ができているならアリかもしれないが、考えてほしい。ドロドロに汚れたバイクをクルマに積みたいと思うだろうか?ルーフキャリアがあればまあなんとか…ではあるが、そこまでコストをかけ、作業を増やしてまでして自転車通勤したいか…という気もする。

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※ちなみに、ルーフキャリアは安くないので、自分は手が出せない(^_^;)

電動アシスト自転車という選択肢

疲労を軽減するという意味では、電動アシスト自転車という選択肢もあるが、充電の手間暇と走行距離の限界があるので、どのみち長距離の自転車通勤には向いていない。

ちなみにパナソニックのリチウムViViEX(12A)を例にとると、【パワモード=42km】で、【オートマチックモード=48km】で、【ロングモード=70km】である。走行可能距離はどのメーカーもさほど大差ない。

職場で充電することは難しいことを考慮すると、片道20キロそこそこまでが安心して通勤に使える圏内だろう。しかし、毎晩充電せねばならない手間暇、さらに毎日酷使することによるバッテリーの消耗を考えると、果たして万人にオススメできるのかどうか…。
※数キロの通勤とか、坂の多い地域にお住まいとか、小さなお子さんの送り迎えがある方には電動アシスト自転車は最適だと思う。

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まとめ

1.自転車通勤は片道20キロまでが快適
2.輪行を組み合わせた自転車通勤は(都内に関しては)現実的ではない
3.クルマを組み合わせる方法は理論上は可能だが、実際の運用は一筋縄ではいかないっぽい
4.電動アシスト自転車はTPOによってはアリ


つづきます!