こないだイーベイ公認のオークションサイト、「セカイモン」でRaphaのHard Shell Jacket Grey BNIBを買った。今回はその続きで、実際に着て走ってみてのインプレッションをお届けしよう。

eBay公認サイトの「セカイモン」でRaphaの冬用ジャケットを購入するにいたるまで

持って驚くその軽さ、そして素材の薄さ

冬用ウェアはどうしても生地が厚くなりやすく、ゴワゴワ感が出てしまうものだが、それがない。軽くて薄くて、そして肌触りがよい。肌触りの良さは外側も内側も両方だ。

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着用したときのフィット感も秀逸で、ほどよい締め付けられ具合が良い。うまく言葉で表現できなくて歯がゆいのだが、明らかに「上質な衣類をまとっている」感があってとても心地よい。

今持ってるクラフト社のウィンタージャケットもぜんぜん文句なく、かれこれ5シーズンほど使っているんだが、気持ちよさと質感の高さはRaphaの圧勝。家の中で着用しただけでまだ外に出ていないのに、ハッキリとモノの良さはわかってしまう。

実走してその高い機能性に感激

薄くて軽いのはスポーツウェアの揺るぎない正義。そしてしなやかであることももうひとつの条件だ。Hard Shell Jacket Grey BNIB を着てバイクの上でのポジションをとる。ツッパリ感、引っ張られている感覚はナッシングで、上ハンでも下ハンでも自然に形が決まる。この時点ですでに幸せ。

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身体にフィットしているのに、しなやかさのおかげで窮屈感は皆無。腕の上げ下げ、体をひねっての後方確認、ダンシング時のパワーをかけたときの上半身のねじれ…どんなシチュエーションでも気持ち良く走れる。ウェアが走行を一切邪魔してこない。ハッキリ言って、快適すぎる。

カラーとデザインの高級感にも満足

面白いもので、Raphaのデザインとカラーって「一見地味?」、あるいは「ちと派手じゃね?」って感じるものなんだけど、よーく見ると、「上質さと落ち着きを兼ね備えた大人向けのデザイン」だと思う。

ロゴは控えめ(もしくは最小限)で、キャラクターラインもほぼ無く、見方によっては退屈なデザインと感じるかもしれない。プロロードレースのチームジャージもカッコいいが、こういうミニマムなデザインのジャージが1枚あってもいいのではないだろうか。

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Raphaのモノの良さは、写真やカタログだけでは伝えにくい。実物を手にすれば、「あ、こりゃ高いだけあるわ。やっぱすごいわ」ってわかると思う。実際、Raphaを着ている知人サイクリストは漏れなく全員が絶賛している。それも購入を後押しした理由だったのだが、やはり間違ってはいなかった。

防寒性はどうか?

薄手でしなやかなので防寒性がやや不安だったが、風はしっかりシャットしてくれる。2月下旬~3月上旬の気温5~9度ならノープロブレム。

下に冬用インナー(アンダーアーマーコールドギア)を着て、その上にHard Shell Jacket Grey BNIB を羽織って走ってみたが、それで十分。すでに400キロほど走ってみて、ウインドブレーカーは一度も必要ではなかった。

ただ、5度以下だとHard Shell Jacket Grey BNIB だけではやや寒い。0~5度はウィンドブレーカーと組み合わせる必要はありそうだ。

気温10~15度のちょい暖かめの3月頭に、きっかさん&夫者さんと川越行ったときは暑さを感じたが、ジッパーを開けて温度調節すれば問題なかった。

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その後、宇都宮まで餃子を食べに走ってみたとき(気温6~10度)もいたって快適に走り終えることができた。

あと、細かい部分だが、手首の部分は二重構造になっており、冷たい空気が入ってこないようになっている。

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止水&オフセンターのジッパーが渋い

Hard Shell Jacket Grey BNIB の細かな特徴も挙げておこう。

特徴はオフセンターのジッパーで、普通はど真ん中にあるのがわざとセンターからずらすことで体に圧迫感を与えない工夫である。

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ジッパーのラインに圧をかけず、フィットしつつも優しい着心地が実現できているのは、こういう細かな造りのおかげ。

しかも、アゴにかかる部分には革製のカバーがあり、留め具がアゴに当たってチクチクしないのも実にありがたい。これ、サイクリングウェアを使い始めて初めて気付くことなのよね。こーゆー細部の工夫とこだわりが「Raphaのこだわりは徹底しているな…」と思わせる所以(ゆえん)だ。

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ちなみにジッパーは止水タイプで剛性感&高級感がある。その反面、走行中に片手でスッと開くゆるさはなく、ガッチリ感があるぶん両手を使わないと開閉は難しい。慣れてくれば走りながら開閉できなくもないが、信号待ちなどの停車時に上げ下げするほうがいいと思う。

ポケットが深く、荷物をしっかりホールドしてくれる安心感

raphaのウェア全般の特徴だと思うが、背中のバックポケットの深さがかなりある。そのため荷物がたくさん入るし、しっかりホールドもしてくれる。

自前の他のウェアと比べてみたら、3割り増しくらいの容量があった。

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たまに、ポケットの深さが不足して、ウィンドブレーカーの袖がポケットから飛び出してヒラヒラさせているローディーさんを見かけることがあるが、Raphaのウェアは大容量なのでそれが起きにくい。

ポケットが深いことはメリットだらけで、財布やスマホなど絶対に落とせない貴重品をしっかりとホールドしてくれる。この安心感はでかい。

まあ、これまで浅いポケットのジャージでも一度も荷物が落ちたことはない。でも、浅いと「大丈夫かな…落ちかけていないかな…」とひんぱんに手で触って確認する回数が増えるのよね。

個人的には、Raphaのたっぷりサイズのポケットはとても気に入っている。唯一のデメリットは、荷物の出し入れで多少手間取るくらいかな。

貴重品を入れるさりげないジッパー付きポケットが2箇所も

無くせない貴重品の筆頭は家の鍵。その鍵を確実に守ってくれるのが右側ポケットの上に備えられたジッパーポケット。指を引っ掛けやすいリング付きだ。

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それと左脇腹にももう一つ、目立たないが小さなジッパーがある。最初は「ベンチレーション用の穴?」かと思ったが違った。サイズは小さいが、ここにも貴重品を入れられる。
※スマホはムリ

3つのバックポケットと2つのジッパー付きポケット、合計5箇所もスペースがあるので、手ぶらでのライドでも十分な容量がある。

400キロほど走ってみた感想&まとめ

控えめに言って、Raphaものすごくいいです…。大事なことなのでもう1回言います。すごくいいです…最高です。悔しいけど、文句をつける部分がない。何から何まですべてが良すぎて、冬の間はずっとこれだけ着ていたい気分。

数年前、初めて店頭でRaphaの価格を見たときは「オイオイ、高級ブランドを標榜しているのはわかるけど、いくらなんでもこの値段はお高すぎでしょ?」と訝しんだものだったが、今は「うーん、もちろん安いとは言えない価格帯だけど、高いだけの理由はちゃんとあるし納得と満足できるプライシングだと思うからアリだな」と考えが変わった。

あ、ひとつだけ不満というか、「これがあれば最高だったのに…」ってことがあった。

それは、ベンチレーション用のジッパーが無かったこと。Rapha広報さんにお借りしたクラシックソフトシェルジャケットには両脇にベンチレーション用のジッパーがあって、暑くなったときにウェア内部の熱を放出することができた。

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/このベンチレーション、内部の熱放出にすごく効果がある\

残念ながら、Hard Shell Jacket Grey BNIB にはそれがなかった。

私服としてもいけるんじゃないか説

着心地と防寒性がすばらしすぎて、「ひょっとして私服としてもいけるんじゃないか?」と考えた。

ほら、ノースフェイスとかアークテリクスとかのマウンテン系アウターを街でジーンズと組み合わせて着こなす人っているじゃないですか。かっこいいじゃないですか。

Hard Shell Jacket Grey BNIB でもそれができるんじゃないかと思ったのだが、背中のバックポケットが街中では違和感ありまくりなのと、腰のサイクルウェア特有のプラスアルファの丈も普段着としてはちょっと変だ。

ということでやめておいたんだけど、普段着としても着たくなるくらいステキなウェアであるということである。

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以上、Hard Shell Jacket Grey BNIB のインプレッションでした。Raphaのウェアは総じてお高いですが、高いだけの理由があり、買ったらきっと満足すると思う。

サイクルウェアは長く使うものなので、本当に好きになれるウェアをまずは1枚持ってみてはいかがでしょうか?


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