過去にマーク・カヴェンデッシュとサガンのバイクを紹介してきましたが、今回はピナレロ DOGMA F10 X-Light に乗るクリス・フルームです。
/ マジカッコイイ \
>> ピーター・サガンの愛機、スペシャライズドの「Specialized S-Works Tarmac」とはどんなバイクか
>> マーク・カヴェンディッシュの駆る『サーベロ S5』をねっとりと鑑賞できる動画を翻訳しました
自分のピナレロのイメージは「超高級車」でして、自動車に例えるとポルシェとかメルセデス。フルームのF10なんぞ、さしづめフェラーリ。高嶺の花もいいところ。
今回取り上げるのは、クリス・フルームが実際にブエルタ・ア・エスパーニャ 2017 で使ったバイク。GCNの動画を翻訳しつつ「Chris Froome's Pinarello Dogma F10 | La Vuelta A España 2017」をご紹介しますね。
2016年のツール・ド・フランスはピナレロF8 X-Light だったのが、2017年にF10が登場し、さらにF10 X-light が登場。F8 X-Light とF10の両方が融合されて生まれたモデルらしい。
/ 紹介するのはダンさん \
ピナレロ公式サイトの製品ページから紹介文を抜粋すると…
フレームは760グラム、フォークは340グラム(サイズ53、塗装前)で合計1,100グラム。スタンダードのF10 よりもF10 X-light のほうが100グラム軽いそうな。
デザイン上の変更はスタンダードとまったく同じ。アシンメトリーなデザイン、凹んだダウンチューブの仕様、まんま同様に再現されている。ちなみにダウンチューブを凹ませている理由は、ボトルケージが受ける空気抵抗を減らすため。
どうやって軽くしているかの詳細説明はなかったが、カーボンのレイアウトの仕方で軽量化を実現しているそうな。
山岳が伴うステージでは、リムハイトが低く、やや軽めのホイールを履く。そうすると、6.85~6.87キログラムになる。
※トランスポンダ(Transponder):無線機器を含む
「なぜ6.8 キロジャストの重さで組まないのだろう?50グラムでも70グラムでも徹底的に削って、極限まで軽くするのがプロの常識なんじゃないか?」
って疑問に思ったんだけど、どうやらUCIの計量機器は完全に正確ではない(ヲイヲイ…)こともあり、ジャストで組んでしまうと規定重量以下が表示されるおそれがある。
そこで、チームのメカニックらは多少のバッファを持たせるために、意図的に「リミットよりちょっと重く」組み上げているというワケ。まるで試合前のボクサーのようなグラム単位の重量管理ですな。
ステムとハンドルが一体型の、「PRO Stealth Evo」を使っている。面白いのは、バーテープのエンドがテープではなく、接着剤で固定されている点。こちらの方が持ちやすいのだろうか。それとも、剥がれにくいのだろうか。
ステムとハンドルの根っこには「Di2 クライマーボタン」が用意されている。フルームはこの位置に変速ボタンを置くのが好みだそう。プラスチップの外装は排除され、計量化が徹底されている。
チェーンリングは思い切り楕円形(54-42T)。楕円形リングは、2012年のツール・ド・フランスでブラッドリー・ウィギンズが使って脚光を浴びたのが記憶に新しい。
ちなみに自分はRotor社の楕円リングを愛車のBOMA(リファール)で3年以上使っているんだけど、いまだに快調。
ロードでは楕円リング、ミニベロでは真円リングを使い分けていると「大丈夫?ペダリングの調子が狂うんじゃない?」と訊かれることがあるが、自分は全く影響なしです。
>> ROTORの楕円リング、「Q-RINGS」を継続インプレッションさせていただいています
ちょっと珍しいのは、チェーンウォッチャーがつけられている点。真円のチェーンリングを使う選手はまずチェーンウォッチャーは装着していないが、楕円リングは変速と回転のタイミングでチェーンが外れやすい。それを防止するためのものだ。
※自分は、3年で1回だけフロントディレイラーの操作の際にチェーンが落としたことが1回だけある。
コンポーネントはシマノの電動デュラエース(Di2 R9150)である。
フルームは登りでハイケイデンスで回すのが特徴だが、彼が使うカセットスプロケットは11-30T とかなりのワイドレシオ。しかも、平坦ステージでも30Tを用意しているところが興味深い。
※山岳ステージではどんなスプロケットを使っているんだろう…
パワーメーターは公認サプライヤーのStage社のモノで、フルームもチームメイトと同じものを使っている。
デュアルサイド方式のパワーメーターというものだそうで、より正確な数値を計測できるシロモノらしい。
ボトルケージはElite社からの提供。
セッティングの数字も見ていきますと、サドルの高さは「79.5センチ」
※BBの中心から、サドルの上端まで
サドルの先端から、ステルスハンドルバーの中心までの長さは「55センチ」。ステム長は120ミリで、ハンドル幅は芯~芯で400ミリ。
※ハンドル幅はごくごく一般的ですね(自分と同じ)
以上、クリス・フルームの愛機、ピナレロ DOGMA F10 X-Light を紹介しました。
ピナレロが超かっこいいバイクであるのは間違いなく、憧れのあるメーカー。自分もいつか試乗してみたい。
(メーカーとか選手の知識はゼロの)オクサマも、「うまく説明できないんだけど、ピナレロのドグマは痺れるほどカッコいい。ロードバイクフレームの中でも最もステキだと思う。フレーム単体だけでもうっとり見とれてしまう…。え、チームスカイのフルーム?誰それ」
って感じなんですが、理屈とかロジックとかどうでもよくなるほど、ピナレロはカッコいいってことでしょう。
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>> ピーター・サガンの愛機、スペシャライズドの「Specialized S-Works Tarmac」とはどんなバイクか
>> マーク・カヴェンディッシュの駆る『サーベロ S5』をねっとりと鑑賞できる動画を翻訳しました
自分のピナレロのイメージは「超高級車」でして、自動車に例えるとポルシェとかメルセデス。フルームのF10なんぞ、さしづめフェラーリ。高嶺の花もいいところ。
今回取り上げるのは、クリス・フルームが実際にブエルタ・ア・エスパーニャ 2017 で使ったバイク。GCNの動画を翻訳しつつ「Chris Froome's Pinarello Dogma F10 | La Vuelta A España 2017」をご紹介しますね。
ピナレロ ドグマF10 X-Light とはどんなバイク?
ひとことで言うと、2017年シーズンでフルームが乗っているバイク。ピナレロの中でも、ザ・フラッグシップモデルですね。2016年のツール・ド・フランスはピナレロF8 X-Light だったのが、2017年にF10が登場し、さらにF10 X-light が登場。F8 X-Light とF10の両方が融合されて生まれたモデルらしい。
/ 紹介するのはダンさん \
ピナレロ公式サイトの製品ページから紹介文を抜粋すると…
DOGMA F10 Xlight は、DOGMA F10 の自然な進化であり、剛性とエアロダイナミクス特性はそのままに大幅な軽量化を実現しています。※「プリプレグ」、「レイアップ方式」は初めて耳にするので意味がわからない…
DOGMA F8 Xlight でも使用されたTORAYCAR T1100G UD カーボンファイバーを樹脂含量の低いプリプレグで使用し、新しいレイアップ方法、より慎重に制御される成形プロセスと新しい専用モールドを使用し、フレームの重量を60g削減しました。
DOGMA F10 Xlight はどれくらい軽いのか
(ウィキペディアによると)フルームの身長は186センチで、フレームサイズは53センチ。フレームは760グラム、フォークは340グラム(サイズ53、塗装前)で合計1,100グラム。スタンダードのF10 よりもF10 X-light のほうが100グラム軽いそうな。
デザイン上の変更はスタンダードとまったく同じ。アシンメトリーなデザイン、凹んだダウンチューブの仕様、まんま同様に再現されている。ちなみにダウンチューブを凹ませている理由は、ボトルケージが受ける空気抵抗を減らすため。
どうやって軽くしているかの詳細説明はなかったが、カーボンのレイアウトの仕方で軽量化を実現しているそうな。
映像のF10 Xlight は平坦ステージで使われたもの
動画に映っているF10 Xlight はフルームがブエルタ・ア・エスパーニャの平坦ステージで実際に使ったもので、巡航速度を維持しやすいディープリムホイールを履いている。(ホイールのせいで、UCIのリミットである6.8キログラムよりやや重い)山岳が伴うステージでは、リムハイトが低く、やや軽めのホイールを履く。そうすると、6.85~6.87キログラムになる。
※トランスポンダ(Transponder):無線機器を含む
「なぜ6.8 キロジャストの重さで組まないのだろう?50グラムでも70グラムでも徹底的に削って、極限まで軽くするのがプロの常識なんじゃないか?」
って疑問に思ったんだけど、どうやらUCIの計量機器は完全に正確ではない(ヲイヲイ…)こともあり、ジャストで組んでしまうと規定重量以下が表示されるおそれがある。
そこで、チームのメカニックらは多少のバッファを持たせるために、意図的に「リミットよりちょっと重く」組み上げているというワケ。まるで試合前のボクサーのようなグラム単位の重量管理ですな。
ハンドルとサドル周り
サドルはフィジーク(Fizik)のアンタレス(Antares)で、レールはカーボン製。ステムとハンドルが一体型の、「PRO Stealth Evo」を使っている。面白いのは、バーテープのエンドがテープではなく、接着剤で固定されている点。こちらの方が持ちやすいのだろうか。それとも、剥がれにくいのだろうか。
ステムとハンドルの根っこには「Di2 クライマーボタン」が用意されている。フルームはこの位置に変速ボタンを置くのが好みだそう。プラスチップの外装は排除され、計量化が徹底されている。
タイヤ、ドライブトレイン周り
タイヤは25c のコンチネンタル Pro Limited (チューブラー)。チェーンリングは思い切り楕円形(54-42T)。楕円形リングは、2012年のツール・ド・フランスでブラッドリー・ウィギンズが使って脚光を浴びたのが記憶に新しい。
ちなみに自分はRotor社の楕円リングを愛車のBOMA(リファール)で3年以上使っているんだけど、いまだに快調。
ロードでは楕円リング、ミニベロでは真円リングを使い分けていると「大丈夫?ペダリングの調子が狂うんじゃない?」と訊かれることがあるが、自分は全く影響なしです。
>> ROTORの楕円リング、「Q-RINGS」を継続インプレッションさせていただいています
ちょっと珍しいのは、チェーンウォッチャーがつけられている点。真円のチェーンリングを使う選手はまずチェーンウォッチャーは装着していないが、楕円リングは変速と回転のタイミングでチェーンが外れやすい。それを防止するためのものだ。
※自分は、3年で1回だけフロントディレイラーの操作の際にチェーンが落としたことが1回だけある。
コンポーネントはシマノの電動デュラエース(Di2 R9150)である。
細かな装備類
フルームのクランク長は175ミリ。足が長いので、クランクも長めのようだ。フルームは登りでハイケイデンスで回すのが特徴だが、彼が使うカセットスプロケットは11-30T とかなりのワイドレシオ。しかも、平坦ステージでも30Tを用意しているところが興味深い。
※山岳ステージではどんなスプロケットを使っているんだろう…
パワーメーターは公認サプライヤーのStage社のモノで、フルームもチームメイトと同じものを使っている。
デュアルサイド方式のパワーメーターというものだそうで、より正確な数値を計測できるシロモノらしい。
ボトルケージはElite社からの提供。
セッティングの数字も見ていきますと、サドルの高さは「79.5センチ」
※BBの中心から、サドルの上端まで
サドルの先端から、ステルスハンドルバーの中心までの長さは「55センチ」。ステム長は120ミリで、ハンドル幅は芯~芯で400ミリ。
※ハンドル幅はごくごく一般的ですね(自分と同じ)
以上、クリス・フルームの愛機、ピナレロ DOGMA F10 X-Light を紹介しました。
ピナレロが超かっこいいバイクであるのは間違いなく、憧れのあるメーカー。自分もいつか試乗してみたい。
(メーカーとか選手の知識はゼロの)オクサマも、「うまく説明できないんだけど、ピナレロのドグマは痺れるほどカッコいい。ロードバイクフレームの中でも最もステキだと思う。フレーム単体だけでもうっとり見とれてしまう…。え、チームスカイのフルーム?誰それ」
って感じなんですが、理屈とかロジックとかどうでもよくなるほど、ピナレロはカッコいいってことでしょう。
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コメント
コメント一覧 (4)
お詳しいでしね…勉強になります!ありがとうございます。
(^o^)
ジャイアントやBMCやTIMEは、カーボン糸から繊維を編むところからやってます。
ジャイアントが一から紡ぐとは有名な話ですが、BMCやタイムもそうだったとわ…初めて知りました。ありがとうございます!
\(^o^)/