新作アルテグラ(R8000)がシマノからリリースされたが、「本物を見たことはまだない」という方も現時点(2017年9月)ではまあまあいるような気がする。
/ R8000です(完全に組まれてはいないけど) \
2017年1月から使い始めた前作(6800系)はまだ快調そのもの。丁寧にメンテしながら乗っていいることもあって、なんの不満もなく使えてはいる。というか、いまだかつて一度としてリアディレイラーがおかしな挙動をしたことはない。シマノの信頼性はさすがのひとこと。
/ 前作の6800系アルテグラです \
ただ、そういうこととは別の次元で、人のサガとして「新作は否が応でも気になる」ものだ。
イングランドを拠点に活動するBikeRadarの動画でR8000の紹介をしており、けっこうディープに紹介してくれていて興味深かったので、「New Shimano Ultegra R8000 - Weighed, Ogled & Fondled」翻訳してお届けしよう。
※ホストは、シニアライターのマシュー・アレンさん(優しい口調で説明がわかりやすい)
性能は両者はほぼ同じで、違うのは重さ。とはいえ、劇的な差ではない。デュラエースR9100のデザインを継承しており、シャドーデザインのリアディレイラーはスリム化され、ぱっと見ではデュラエースと見分けがつかないほどだ。
フロントディレイラーは全く新しいデザインでケーブルのルーティングが代わった。6800にはあった長いアームがなくなって、スッキリしてした見栄えになったいる。引きの軽さにどれくらい貢献しているのだろうか。
シフターも見直しがかかっている。デザイン上で大きな変更はないものの、エルゴノミックでスリムなブラケットは健在。動画で見た印象では、さらにスリムな握りとなっているようだ。さらにブラケット上部には、雨や汗で滑らないようパターンが施されている。
アレンさんが気に入っていたのがシフトチェンジの音。「パチンパチン」とくっきりしたやや金属感のある音が鳴る。「6800よりも良い音がする。音的には9000系デュラエースに近い」とのこと。
6800と9000のコンポーネントを使っている身からすると、たしかに9000系のほうがクリスピーで引き締まったサウンドがする。6800系は高級感がやや物足りないと言うか、「あー、デュラエースとは確実に違うんだな」ということがわかる。そう言う意味で、R8000の変速音に期待したい。
理由としては、9100デュラエースは6800アルテグラのように一色オンリーでまとめられているだけ。それに対してR8000アルテグラはツートーンカラーでのフィニッシュ。メタリックな部分とマットに塗り分けられており、自分も「たしかにアルテグラのほうがカッコイイな」感じてしまった。
/ 1色でまとめられたR9100のクランク \
4アームデザインは前作から引き継がれている。クランクはワイドになっていて、剛性アップは間違いないだろう。あと、目には見えない部分だが、チェーンリングの歯のプロファイルにも変更が加えられていて、より変速がスムーズであるそうな。
注意点として、デュラエース(R9100)もアルテグラ(R8000)も専用のリアディレイラー用の付属アウターを使うことがシマノから指定されている。
従来よりやや固めになっており、新型メカの動作に最適化してあるそうだ。まあ、リアディレイラー用のアウターぐらいであれば、そこまで神経質にならなくても十分に動くとは思う。
/ こっちは先代(6800系)です \
ひとつ大きなニュースがあって、初めてシマノがクイックリンクを発売したそうだ。日本ではどうかわからないのだが、少なくとも英国では、シマノがシマノ製チェーン用のクイックリンクを発売したことはなかったとのこと(へぇ)。
実は、重さ的には6800系より格段に軽量化されたわけではなく、むしろちょっと重くなっているそうな。
開封しただけでまだ組み上がってもおらず、走ってもいない状態でコンポーネントを評価するのはちょっと気が早いでもないが、いくつもの小さな改善が積み上がっており、R9100に相当近いフィーリングが得られるのではないかと予想している。
/ シャドーデザインもカッコいいな… \
Di2がアナウンスされるのは、おそらく2017年秋~冬と予想。いつかは自分も電動コンポーネントに手を出してしまいそう。一度その恩恵を味わってしまったら、機械式には2度と戻れないような気がして、まだ決心はついていない。
というか、そもそもアルテグラ(R8000)に交換するかどうかも未定なのではあるが…。
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/ R8000です(完全に組まれてはいないけど) \
2017年1月から使い始めた前作(6800系)はまだ快調そのもの。丁寧にメンテしながら乗っていいることもあって、なんの不満もなく使えてはいる。というか、いまだかつて一度としてリアディレイラーがおかしな挙動をしたことはない。シマノの信頼性はさすがのひとこと。
/ 前作の6800系アルテグラです \
ただ、そういうこととは別の次元で、人のサガとして「新作は否が応でも気になる」ものだ。
イングランドを拠点に活動するBikeRadarの動画でR8000の紹介をしており、けっこうディープに紹介してくれていて興味深かったので、「New Shimano Ultegra R8000 - Weighed, Ogled & Fondled」翻訳してお届けしよう。
アルテグラというコンポーネントの位置付け
知っている人には常識だけど、改めてておさらいするとアルテグラはセカンドグレード。トッププロはまあもれなくファーストグレードのデュラエースを使うけど、学生レーサーならアルテグラ使用者も少なくないはず。「コストと性能のバランスで言えば、アルテグラのほうがいい」って断言する人も多い。※ホストは、シニアライターのマシュー・アレンさん(優しい口調で説明がわかりやすい)
性能は両者はほぼ同じで、違うのは重さ。とはいえ、劇的な差ではない。デュラエースR9100のデザインを継承しており、シャドーデザインのリアディレイラーはスリム化され、ぱっと見ではデュラエースと見分けがつかないほどだ。
R8000アルテグラのメカの特徴
シャドーデザインのメリットは、リアディレイラーの外側への出っぱりが少なく、ホイールを外した際のクリアランスが確保されやすいこと。外に出ていないぶん、輪行の際にもぶつけにくい。あと、(ホビーサイクリストにはほぼ意味はないが)空気抵抗の低減にも一役買っている。フロントディレイラーは全く新しいデザインでケーブルのルーティングが代わった。6800にはあった長いアームがなくなって、スッキリしてした見栄えになったいる。引きの軽さにどれくらい貢献しているのだろうか。
シフターも見直しがかかっている。デザイン上で大きな変更はないものの、エルゴノミックでスリムなブラケットは健在。動画で見た印象では、さらにスリムな握りとなっているようだ。さらにブラケット上部には、雨や汗で滑らないようパターンが施されている。
アレンさんが気に入っていたのがシフトチェンジの音。「パチンパチン」とくっきりしたやや金属感のある音が鳴る。「6800よりも良い音がする。音的には9000系デュラエースに近い」とのこと。
6800と9000のコンポーネントを使っている身からすると、たしかに9000系のほうがクリスピーで引き締まったサウンドがする。6800系は高級感がやや物足りないと言うか、「あー、デュラエースとは確実に違うんだな」ということがわかる。そう言う意味で、R8000の変速音に期待したい。
R8000アルテグラのチェーンリング&クランクの印象
アレンさん的には、「クランクデザインは、アルテグラ(R8000)のほうがデュラエース(R9100)より良いのではないか…?」と語っている。理由としては、9100デュラエースは6800アルテグラのように一色オンリーでまとめられているだけ。それに対してR8000アルテグラはツートーンカラーでのフィニッシュ。メタリックな部分とマットに塗り分けられており、自分も「たしかにアルテグラのほうがカッコイイな」感じてしまった。
/ 1色でまとめられたR9100のクランク \
4アームデザインは前作から引き継がれている。クランクはワイドになっていて、剛性アップは間違いないだろう。あと、目には見えない部分だが、チェーンリングの歯のプロファイルにも変更が加えられていて、より変速がスムーズであるそうな。
R8000アルテグラのカセットとボトムブラケットは変更なし
このふたつには変更はない。ただし、SS(ショートケージ)だと32Tまでいけるのがトピック。ロングケージのGSだと11–34Tまでいけるんですって。これだけワイドなギアを操作することができるのなら、山岳でより楽に走れるギア構成を作ることができる。注意点として、デュラエース(R9100)もアルテグラ(R8000)も専用のリアディレイラー用の付属アウターを使うことがシマノから指定されている。
従来よりやや固めになっており、新型メカの動作に最適化してあるそうだ。まあ、リアディレイラー用のアウターぐらいであれば、そこまで神経質にならなくても十分に動くとは思う。
R8000アルテグラのブレーキも新デザインに一新
R8000に進化して、公式に28cタイヤが脱着できるようになった。6800アルテグラでもできなくはなかったが、シマノが公式にアナウンスしたのはこれが初。リリースレバーもかっこよく&スリムになった。ストッピングパワーやコントロール性の良し悪しについては、実走テストでは無いのでわからない。/ こっちは先代(6800系)です \
ひとつ大きなニュースがあって、初めてシマノがクイックリンクを発売したそうだ。日本ではどうかわからないのだが、少なくとも英国では、シマノがシマノ製チェーン用のクイックリンクを発売したことはなかったとのこと(へぇ)。
R8000アルテグラのグループセットの重量計測
動画内のはSS(ショートケージ)のメカニカルグループセットが紹介されていたので、計測もSSである。チェーンリングはコンパクト(50–34T)。 なお、計測はBikeRadar独自のもので、シマノの公式ドキュメントとは異なることをお断りしておく。- クランクセット(50–34T):685グラム
- シフター(セット):419グラム
- FB:183グラム
- RB:180グラム
- FD:89グラム
- RD:198グラム
- BB:76グラム
- チェーン:264グラム
- カセット(11–28T):246グラム
実は、重さ的には6800系より格段に軽量化されたわけではなく、むしろちょっと重くなっているそうな。
開封しただけでまだ組み上がってもおらず、走ってもいない状態でコンポーネントを評価するのはちょっと気が早いでもないが、いくつもの小さな改善が積み上がっており、R9100に相当近いフィーリングが得られるのではないかと予想している。
/ シャドーデザインもカッコいいな… \
Di2がアナウンスされるのは、おそらく2017年秋~冬と予想。いつかは自分も電動コンポーネントに手を出してしまいそう。一度その恩恵を味わってしまったら、機械式には2度と戻れないような気がして、まだ決心はついていない。
というか、そもそもアルテグラ(R8000)に交換するかどうかも未定なのではあるが…。
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コメント
コメント一覧 (5)
ちなみにクイックリンクは、シマノもかつて一度参入していたのですが、不具合があってやめました。今回再チャレンジということですが、再利用は不可とのこと。市販品はクイックリンク付属へ徐々に入れ替わっていくと聞きましたが、コネクティングピンは併売されるようです。
おおおお、貴重な体験談、ありがとうございます。そうですか、FDは目立った変化は感じられませんか…。メカの見た目的にはかなりスッキリしてますね( ◠‿◠ )
私はまだ長い目で考えております。時間をかけて絞り込んでいくイメージですね。
じつは、カンパとスラムの可能性も完全には捨てきっておりません。。。(笑)
と言うのも今作からフロントもリアもケーブルの取り回しの仕方が変わっています。
勿論マニュアルは各ショップに配られていますが、これが図だけでは分かりにくく各ショップのメカニックさんも四苦八苦してます。
ちゃんと取り回さないとキッチリと動いてくれない。
その代わりピタッと出来るとヌルヌル動くみたいで、最高傑作だとか。
つまりメカニックさんの腕次第になってます。
中にはトンデモナイ取り回しの仕方をしてるショップさんもあり、店で完成車を買う場合は注意が必要ですね。
メカニックさんも日々勉強されていますが、こう仕様が変更されると追いつかないみたいです。
現実的に使えるか使えないかで言えば11-32tスプロケ使えなくもないですが、シマノ公式としてSS型の新型RDが動作保証しているのはデュラもアルテも30tまでとなっています
リア最大32tまで対応しているRDが欲しければ6800か5800のGS型を使った方が良いです
あと、フロント変速は気持ち軽く早くなっていますが、FDの効果というよりはシフターの内部構造とチェーンリングの見直しによる部分が大きそうです
クランクセット交換する場合は互換性の都合上FDも交換必須ですが、旧型クランクセットのままパーツ交換する場合はFDやRDだけ変えても見た目以外ほぼ意味なし
ディレーラーに資金を投じるくらいならシフターだけ新アルテにする方が効きます
STIに関しては新型は素晴らしいです
あ、それはメカニックさんに聞きました。むちゃくちゃめんどくってまだ時間がかかるみたいです。ある程度、調整スキルが一巡してから・・・というのはたしかにそうですね。
Di2が出たら、この辺の問題は一気に解消しそう。むふふ・・・(と、妄想を膨らませていますw)
実物を見ると9100クランクの方が高級感あって良いですよさん(長いw)
じつは私も前日、9100と8000を見比べる機会がありまして、9100のクランクのほうが高級感がありました。アルテグラの梨地っぽいのがどうも好きになれないですね・・・(^_^;)
まあ、差別化なんでしょうね。
メカのご説明もありがとうございます。
シフターの内部構造でそんな違いを生み出せるとは・・・そこにも進化があるんですね。ぜひ試乗して体感してみたいです。(*^^*)
どこからどうイジるか、、まだまだ悩みはつきません。まあ、一気に全部交換できれば良いんですけど、なかなかそれも難しいですしね(資金的に…w)