ママチャリはとんでもなく安く手に入るが、スポーツバイクの価格にはビックリする。初めてロードバイクを買おうとなって、価格を調べて、目が飛び出した方も多いと思う。

自分も、(自転車にハマる前は)ロードバイクは安くないだろうとはふんわり思っていたが、「100万円を越えるバイクがあること」、「50万円もするホイールが存在すること」は知らず、「ふざけるのもたいがいにせい!ママチャリ何台買えると思うねん!」と憤慨したことがある。(今では金銭感覚が麻痺しておりますが…)

Global Cycling Network の動画で、「How To Save Money When You Buy A Bike(なるべくお金をかけずにロードバイクを買う7つの方法)」を視聴して、有益だったので翻訳してご紹介したい。



1.中古を手に入れる

eBayやGumtreeのようなサイトを利用するのも良いが、穴場は「地元サイクリングクラブが放出している中古バイク」を狙う。これ、海外では一般的なのかもしれないが、自分の知る限り、日本国内のサイクリングクラブが中古バイクを販売するのって聞いたことがない。(実際、どうなんだろう)

では、このアイデアが完全にムダかというとそんなことはなくて、「知人から買う」ことを想像すればいい。地元のクラブと知人、どっちから買うのであれ、売り手は顔の見えるわけで、ある程度の信用は担保できている。

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もちろん、バイクの状態はしっかりと見極めなければならないし、事故歴の有無は確認しておくべき。オーナーに質問するのもぜんぜん失礼に当たらない。まったく縁もゆかりもないネット上の相手から買うよりは安心感がある。

自分にピッタリのフレーと出会えるかどうかは時の運だが、周囲に「ロードバイクがほしい」と意思表明するのはひとつの方法だ。手放したい人と巡り合える可能性は意外に多い。

2.フレームからバイクを組む

フレームから組むのって、完成車より高くつくのでは??」って思う人が多いと思うが、組み合わせ次第では「その限りではない」のだ。フレームだけを中古で入手できるなら、浮いた予算をコンポーネントやホイールに費やす事ができる。その逆もまた然り。

つまり、中古パーツと新品パーツを混ぜて組み立てるのだ。

自転車の最大のすばらしさは、「パーツのお引っ越しが自由自在」であること。規格さえマッチしていれば、ホイール、フレーム、サドル、シートポスト、ハンドル、コンポーネントを好き勝手に合体できてしまう。

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※購入直後のボードウォーク@2010年

自動車を想像してみてほしいんだけど、こんなフリーダムはありえない。エンジン、プラットフォーム、サスペンションなんて、素人ではいじりようがないし、そもそもバラでパーツを入手できないもんね。(厳密にはあるんでしょうが、ハードル高すぎ) 

もちろん、自転車をイチから一人で組むには、それなりのスキルと知識が必要だが、持ち合わせなければショップに相談するなどしよう。(受けてくれるかどうかはお店のポリシー次第だけど)「中古フレームを入手しまして、ホイール、コンポーネント、その他もろもろのパーツでお世話になりたいんですが…」と掛けあってみる価値はある。

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※2016年時点のボードウォーク(べつのミニベロからパーツをぜんぶ移植した)

3.型落ちモデルを狙う

中古を買うとか、パーツを集めて組むとか、ハードル高すぎるわ…」という方向けには、もっとカンタンかつ確実に安くバイクを手に入れる方法がある。型落りモデルを狙うのだ。

自転車って、別に年度が切り替わっても、中身はまんま同じで、変更点はカラーリングだけ…ってことが多い。家電製品のように、スペックが毎年細かく進化するようなこともない。「どーしても最新モデルじゃなくっちゃイヤ!」ってことでもないのなら、「あえて昨年モデルを買う」ことをオススメしたい。

実際、自分がダホンのMuとボードウォークを2010年に買ったときも、2011年モデルも変えたが、変更点は色のみだったので、わざわざ前年モデルを選んだ。

カラーにこだわりのなかった自分とオクサマは、昨年モデルを選ぶことと引き換えに、30%オフで手に入れることができたのだ。これはデカかった。 

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ロードバイク(BOMA の Refale )のときもそうで、意図的に型落ちを買うようにして割引をゲットした。そこで浮かせた予算をホイールに配分することができたので、たいへん満足している。
※当時はカンパニョーロのゾンダを選んだ

ただ、型落ちモデルは当前ながら数に限りがある。「ちょっと検討しよう」と購入を先延ばしにして、しばし考えて購入の意思決定をしてから翌週にお店に訪れたときには、「もう売れてしまっていた…」ってことは典型的なサイクリストあるある。
※前年モデルは、売り切れたらオシマイ。追加生産はされないので、自動的に最新のイヤーモデルから選ぶしか方法はない。当然、大幅値引きは期待できない。

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型落ちバイクは一期一会なところがあるので、サイズがぴったりでカラーが気に入ったら、思い切ってその場で契約して、手付を払ってもいいと思う。

4.プロチームの放出バイクを狙う

「こんな方法があったとわ…」と目を丸くしたのがこの方法。なんと、プロチームのお下がりを買う手段が(海外では)わりと浸透しているらしい。

シーズンオフを迎えたプロチームが、移籍や引退で持ち主のいなくなったバイクを、チームがセールにかけることがあるらしい。キャニオンのサイトでは、スポンサードしているチームのバイクを代行販売していることもあるし、なんならチームのウェブサイトで直に販売していることもあるそうな。

日本のチームがバイクを販売することなんてあるのかしら…?もしかしたら、自分が知らないだけで、実は競売にかけられていたりして・・・?

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※2014年のジャパンカップ@宇都宮

プロ選手が乗っていたバイクに乗れるのは魅力だけど、プロレースで使われていたバイクでしょう?ハードに使われていただろうし、寿命が心配だなあ」という不安はごもっとも。

しかし、プロのバイクはプロのメカニックに日々ケアされてきたのも事実。状態はけっして悪くないはずだ。

さらに狙い目は、「使われることのなかったプロ選手用のバイク」の存在。チームカーのキャリアの上に置かれただけの、ほぼ未使用のバイクも売りに出されることがあるんですって。まさに新古車ですな。この方法なら、超ハイスペックモデルをびっくりするほどお値打ちにゲットできる可能性がある。(ただ、狙っている人もさぞかし多そう…)

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※こういうやつですね

5.英国政府の補助制度を利用する

「これはステキな制度」と思ったのが、英国が国をあげて取り組んでいる補助制度「Cyclescheme(サイクルスキーム)」である。日本人には無関係なのだが、仕組みはこうだ。  

自転車通勤のために自転車を買う、という条件でなら、最低でも25%の割引が効き、しかも非課税で購入できる。 実にお得ではないか。従業員は安く自転車を手に入れることができるし、企業側にもメリットがあって、税金補助がされるらしい。

金銭的インセンティブを企業と従業員それぞれに用意して、国家レベルで環境保護、国民の健康促進、都市部の渋滞緩和に取り組んでいるのだそうな。

6.警察が行う盗品オークションをチェックする

盗まれた自転車で、なおかつ持ち主が現れなかった場合、英国では「警察がオークションにかける」ことがあるそうな。これも面白い制度。 「そんなん、許されるの?人のバイクを警察とは言え、勝手に売ってしまっていいの?」って気がしないでもないが、持ち主がいないわけだし、きっとそういう法律があるのだろう。

持ち主が現れないままで何年も保管されるコストを考えれば、よほど合理的でしょ、という理屈なのかも知れない。

なお、盗品バイクはたいてい「安物のMTB的な下駄バイクなのがほとんど」。ただし、まれに高価なロードバイクがオークションにかけられることがあるので、「ときどき警察のウェブサイトをチェックしておくと掘り出し物が見つかるかも」とのことだった。

7.地元の自転車屋さんで探す

実際にショップまで足を運ぶよりも、ネットのほうがはるかにカンタンにディスカウントされた自転車は探しやすい。よって、「リアルのショップでは、どうせネットほどは安く買えないに決っている」と思うかもだけど、ちょっと待ってほしい。

というのも、上記で触れたように、「型落ちバイクを放出している」ことがあるから。タイミングがよいと、2~3割り引きはふつうに見かけるし、ちょっとキズがよかったりすると、それだけで追加値引きをしてくれたりする。

こういうお買い得情報を、ショップ側がネットに積極的に発信してくれているとユーザーとしては助かるのだが、実際問題、お店のメカニックさんらはそこまで手が回らない。店頭に出向くと、「まじで!?」ってお買い得バイクに意外にひんぱんに遭遇できるものだ。

これ、不動産探しと似てて、店頭にも出向くほうが、ネット(&雑誌)だけよりも、よい物件が見つかりやすいもんね。

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あと、バイク本体での値引きが芳しくなくても、チェーンロックやグローブ等のアクセサリーをオマケしてくれたり、メンテナンス費用を割安にしてくれたり、結果的に割引と同じ効果がある。

故障修理、消耗品買い替えタイミングのアドバイス、自分でもできる日常メンテナンスのコツ…ナドナド、購入後にも専門家の助けが欲しくなることは多い。初心者の方とか、「バイクいじりは自信ない(&したくない)」って人は、リアル店舗に足を運ぶことをオススメする。

しかし、である。 「スポーツバイク専門店って、なんか敷居が高いんだよね…」と二の足を踏む人がいるのも事実。

「ちゃんと接客してもらえないのではないか」
「素人はバカにされるのではないか」
「客の知識不足を利用して、売れ残りとか不人気車種を購入させられるのではないか」

といった不安があるのだと思う。自分もそうだった。

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自分も、人生初のスポーツバイク購入を検討していた時期にいろんなお店を回った。こっちに知識がないのが分かるやいなや、露骨におざなりな態度をする店員とか、こちらの要望を汲まずに、「好きなの買えばいいんじゃないっすか?」と投げやりな接客をされたことも何度かあった。

でも、そんなお店ばかりではない。経験則からいうと、8:2で良い感じのお店がある。(もちろん、8が良いほうね)

なので、面倒臭がらず、怖がらずに地元のお店を探してみましょう。メーカーのウェブサイトには、まず間違いなく「取扱店舗一覧」とか「オーソライズドディーラー」といったページがある。まずはそこを見ることから始めましょう。


以上、Global Cycling Network の「How To Save Money When You Buy A Bike(なるべくお金をかけずにロードバイクを買う7つの方法)」を、コメント入りで翻訳紹介してみました。  

2017年の新シーズン、皆様のステキなサイクルライフの参考になれば幸いです。
(*^^*)