ロードバイクに初めて乗った日のことを覚えていらっしゃるだろうか?

いまでは当たり前に、あたかも体の一部のように乗りこなしているロードバイクも、最初は「うわ、すげえ前傾姿勢をさせられて怖いなあ」とか「お尻、首、腰があちこち痛くって仕方ないけど、みんななんで平気な顔で乗っているわけ?」って感じたはず。

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自分はまず腰が、そしてお尻が痛くてしかたなくなり、それに慣れたと思ったら首が痛くなって、ロードバイクに慣れるには2週間ほどかかったような記憶がある。

さて、お尻、腰、首以外にも痛む箇所はあって、それが「手のひら」である。前傾姿勢で長時間走り続けるロードバイクは、ブラケットを握る手のひら(掌)に常時圧がかかっており、グローブである程度は防げるが、完全ではない。

ということで、Global Cycling Network で見つけた「ロードバイクを運転しているときの、手のひらのしびれ&痛みを解消する方法」を翻訳して解説しようと思う。

How To Prevent Numbness Or Pain In Your Hands Whilst Cycling



身体をリラックスさせ、ブラケットを強く握らない

ロードバイクに乗り慣れないころは、緊張感のせいで身体がこわばり、それは肩、腕、指先にも伝わる。筋肉が張った状態だとバイク操作はしにくくなるので、なるべく身体から力を抜いてリラックスすることに努めよう。

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※ときどき、指を伸ばして血行を促進する

ブラケットをガッチガチに握りたくなる気持ちはわかるが、ハンドル操作逆効果。指がスッポ抜けない程度に軽く握り、ときどき指を開いて血行を良くしてあげよう。

リラックスできる環境という意味では、いきなり交通量の多にはい公道に出るのではなく、河川敷等で練習するのがよいかなと。関東圏にお住まいの方であれば、荒川CR、江戸川河川敷、多摩川沿い等が挙げられるだろうか。

穴場としては、彩湖をオススメしたい。周回5キロ弱で、視界も良いので、ロードバイクに慣れるには悪くない場所。ただし、サイクリング専用道路ではなく、歩行者やジョガー、子連れの家族も多数いらっしゃるので、譲り合いの精神でご走行願いたい。

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※彩湖は埼玉県&都内のサイクリストに有名

ポジションを変えてみる

ロードバイクのドロップハンドルの握り方は、

  • ブラケット
  • 下ハン
  • フラット部分

…と、3つの握り方がある。基本ポジションであるブラケットはブレーキにもシフターにもアクセスしやすく、大半の時間をここで過ごすことになるが、ブラケットだけを握り続けていると腕全体が疲れるので、ときどき持ち位置を変えてみると良い。

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ちょっとしたダウンヒルや空気抵抗を受けないように低いポジションをとるときには下ハンを、上り坂でゆっくり走るときはフラット部分を握るなどして、変化をつけて腕と掌を休ませ、同時に血行を促してみよう。

体幹で身体を支え、腕の負荷を下げる

腕だけで上半身を支えようとする行為は、ロードバイク初心者あるあるの筆頭かもしれない。自分もそうだった。上半身が前傾するのがなんとなく怖いので、「腕でしっかり身体を支えねば!」と気負ってしまい、肩と二の腕に体重がかかりまくり、疲労が早まるという負のサイクル。

腹筋回り(ヘソの奥という表現がピッタリ)の体幹で意識的に支えるかんじだろうか。感覚的な言い回しになるけど、体感で50%、腕で50%くらいの配分で支えるように自分は意識している。

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※手を離しても、体幹で身体を支えられる…くらいの力の入れ具合い

体幹を鍛えるには、意識的に取り組む必要がある。ロードバイクに乗っているだけでも鍛えられるけど、自宅でのスキマ時間を活用するのが効果的。

このへんの過去記事が参考になるのでどうぞ。

【体幹トレーニングが続かない人に朗報】 スキマ時間を活用すると習慣化できるよ

全サイクリストにオススメしたい、5つの体幹トレーニング・メニュー

Active Winner さんからヨガマットを提供いただいたので体幹トレーニングに使ってみた


オクサマはサイクリングしたてのころ、体幹がまったく使えておらず、「腕が痛い、腰が痛い」とよく訴えていた。その後、体幹トレーニング書籍を読み漁ってから体を鍛える喜びに目覚め、今では自分以上にトレーニングに精を出している。

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なお、オクサマのオススメは左上の2冊。筋肉の仕組み書籍は医学療法士に勧められたそうな。聞いたこともない筋肉の部位の名称がずらりと…。今度自分も読んでみようかな。

『体幹トレーニング関連の書籍』を1,2冊買って読み込むのもGOOD。オクサマはトレーニング書籍だけでは読み足らず、最近では筋肉の仕組みまで研究し始めている。彼女はどこに向かおうとしているのか…。 

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※ふつーの主婦の読む本ではない気がする(笑)

肘を軽く曲げて、衝撃を吸収する

肘を気持ち軽めに曲げて、路面からの衝撃を吸収してあげよう。ショックアブソーバーの要領である。腕を突っ張るのは逆効果。その際、肘は外で張り出さないように注意。「クリス・フルームは外に肘が出ているけど、彼は例外。真似しないようにね」とのことだった。

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※これはダメな例

バーテープを二重に巻く&グローブをする

ここまでは自分の体でできることを述べてきたが、バイクや装備面でのソリューションはないのか?手っ取り早くできる対策としては、バーテープを二重に巻くこと。自分はダホンのMuにブルホーンバーを使っていた頃、二重にしていた。フルアルミでガッチガチに固いフレームだったので、クッション性を高めたかったのが理由。

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もっと簡単な方法としては、クッション(パッド)が厚めのグローブを選ぶ、だろうか。厚すぎると路面からの情報が感じにくくなり、シフト操作にもやや影響が出てしまうので、そのへんのバランスは試行錯誤して試していただきたい。数ヶ月もすれば、「自分の好みのパッドはこれくらいだな」ということが感覚でつかめるはずだ。

あと、Global Cycling Network スタッフがオススメしていたのが、「タイヤの交換」だった。路面の突き上げを減らしたいなら、23Cを28Cにすると大きな効果を得られる。タイヤサイズが大きくなれば、空気圧を低めにしてもパンクのリスクが少ないし、ショック吸収性も向上するからね」とのこと。

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パリ・ルーベのレースでは、プロも28Cタイヤで走るそうだが、まあ、あの路面ならナットクかも。

ポジションを専門家に診てもらう

上記のあらゆることを試し尽くして、「それでも痛い!解決しない」ということであれば、ポジションがずれている可能性が高い。こればかりは自己診断できない。専門家に診てもらうか、身近なローディ先輩にチェックしてもらう等、他人の目線が必要。メカニックでなくとも、乗り込んでいる経験者であればおおよそのアドバイスは出せるはず。

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※ポジションは様々な要素が複雑に絡み合うので、素人判断は禁物

自分もロードバイク1年目にポジションで大間違いをやらかしていて、プロのメカニックさんに激しくダメ出しを食らった経験がある。自分では、「カンペキなポジションで走っているだろうから、べつに専門家に診てもらわなくてもいいんだけどな~」くらいのノリだったのが、大間違いを犯してしまった。診断を受けておいて、本当に良かったと思っている。


その辺の経緯はこちら

【ロードバイク初心者に読んでほしい】プロショップ・タカムラ製作所でポジションを徹底的に改善してもらった話

【ロードバイク初心者あるある】サドルを適正ポジションより約2センチ上げていた恥ずかしい理由を告白します


ゴルフのスイングと同じで、自分では「カッコイイ!様になってる!」と信じていても、動画で己の姿を見て、そのぎこちなさにショックを受ける…ってことはゴルファーあるあるだと思う。ロードバイクも同じ。(ゴルフはやったことないので、聞いた話ですが…)

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※オクサマも、すっかりブルホーンバーとバーコントローラーに慣れた様子


以上、皆様の掌のしびれ対策のお役に立てられれば幸いです。
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