ロードバイクで山に登る……サイクリスト以外には苦行以外のナニモノでもなく映る行為だ。いや、サイクリストの中にも平地専門な人は多いし、「山は行かない」って決めている人も少なくない。
でもですね…ヒルクライムでないと味わえない快感というものが存在するんですよ。坂を登ると、自分の体力の限界をイヤというほどハッキリと思い知らされる。これは、体力がある人もそうでもない人も同じ。 誰にだって限界はあるし、限界がなくなることはない。
そして思うのだ。「もうちょっとだけ、ラクに登れたらな…」と。自分のようなまったりヒルクライマーからすると、豪脚の主には「あんた、もう十分すぎるほど速いでしょ。それ以上速く走る理由なんてないじゃないすか」と言いたくあるが、それは無粋というもの。
己の限界を超えたいと思う気持ちは年齢、性別、レベルを問わない。ということで、Global Cycling Network の「ヒルクライムをもっとラクにするコツ(Climbing Made Easy)」という動画を翻訳して紹介しよう。
スタート直後にみんなが一斉に飛び出して、おいてけぼりを食らいかけると、「遅れるわけにはいかねえっ!」って衝動に襲われる。しかし、惑わされてはいけない。序盤は意識してゆっくり、リズムを守って軽めにペダリングすること。息が整い、リズムが安定してきたら、徐々にスピードアップしよう。
小さな坂が連続して現れるコースプロファイルの場合、ペースを上げてアタックし、下りで回復するもよし。ただし、筋肉系の疲労は心肺機能よりも回復しにくく、パワー任せに走ると後半にタレる可能性が大。丘レベルの小さい山を複数上り下りするコースであっても、ペースを守ることが大事。
好き嫌いがあるし、骨格や筋力の差もあるし、得手不得手があるもの。ダンシングを多用して登るのが好きな人もいるけど、傾向としてはシッティングを好む人の割合が高い。
ただ、スタートからゴールまで一度も立ち上がらず、シッティングのみで走り切るのはちょっとありえないかなと。ときどきダンシングを織り交ぜることでお尻の血行をよくしたり、足のストレッチをしたり、シッティングでは使わない筋肉を使うことで、疲れた筋肉を休ませることができる。
ダンシングはオラオラと力任せに踏み込むイメージがあるけど、もがかない、筋肉をリフレッシュさせることを目的とした「休むダンシング」もあって、それができるとヒルクライムはグッとラクになる。
以前参加した講習会@宮ヶ瀬湖で学んだので、その時の記事もどうぞ
↓
実走セミナーでプロに指導を受けたら、ダンシングと体重移動が劇的に変化した
あと、斜度が瞬間的にきつくなったときは、あえてダンシングで出力を上げて、サクッとクリアするのもよい。
>> ロードバイクで激坂を上手に走るノウハウ
注意したいのは、「初心者サイクリストは、坂でも重めのギアでゆっくり回す傾向が高い」こと。でも、それではすぐに疲れてしまう。
目安としては、ケイデンス80(1分間のクランクの回転数)が初心者でも走りやすく、かつペダリング効率もよい。それ以上のケイデンスで回すには、慣れと練習が必要で、初心者にはちょっとキツイだろう。
「ケイデンス80とか90とか、いちいち数えられんし、それが計れるサイクルコンピュータもない。自分のケイデンスってどうやって知るの?」
…という方は、ハイテンポな音楽を脳内再生してみよう。童謡の「おさるのかごや」の、エーサッエーサッエッサホイノサッサ、お猿のかごやだホイサッサ…のリズムに合わせて漕げれば、少なくとも低すぎるケイデンスにはならない。 (高めのケイデンスで回そうとすれば、お猿のかごやさえゆっくりに聞こえてしまうが…)
余談だが、「ケイデンスが高い=効率が高いとは科学的には証明できていない」そうな。(へぇー)
「平地で負荷を高めれば、それでもヒルクライムの練習になるでしょ?」
たしかにその通りで、やらないよりはずっと良い。こないだ「坂がない地域に住んでいる人向けのヒルクライムトレーニング法」という記事にもしたくらいである。
しかし、登りで使う筋肉と平地でのそれはちょっとばかし異なるそうで、となると、やはり山でトレーニングするのが手っ取り早いし確実。
要するに、「効率的で効果的なヒルクライムとは何なのか…」と脳内でいくら考えても答えは出ない。「考えすぎて行動できないんじゃ意味がない。まずはやってみること」が大事。
1960年代末に結成したファンクバンド、『ファンカデリック(Funkadelic)』は、こんなセリフを残している。
「Free your mind, and you ass will follow(心を解放しろ。そうすりゃケツはついてくるものさ)」
つべこべ言わずに走る。そして登る。Just Do It の精神だ。
出発前にグーグルマップでチェックするのもいいし、現地でいざ登るぞってタイミングで頂上までの距離を測るのもアリ。というか、これをせずに登るのって、自分ならちょっと躊躇する。初めて予備知識無しで登る坂が辛い理由はコレで、その証拠に同じ坂をもう一度登ると、「あれ?初回より楽だぞ…。体力が上がったわけでもないのに不思議だな」と感じるだろう。人間のメンタルなんてこんなものだったりする。
走り慣れるうちに、きっと山が好きになるはず。何度走ってもぜんぜん楽しくない!という方は…ごめんなさい。平地専門を目指してください…><
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でもですね…ヒルクライムでないと味わえない快感というものが存在するんですよ。坂を登ると、自分の体力の限界をイヤというほどハッキリと思い知らされる。これは、体力がある人もそうでもない人も同じ。 誰にだって限界はあるし、限界がなくなることはない。
そして思うのだ。「もうちょっとだけ、ラクに登れたらな…」と。自分のようなまったりヒルクライマーからすると、豪脚の主には「あんた、もう十分すぎるほど速いでしょ。それ以上速く走る理由なんてないじゃないすか」と言いたくあるが、それは無粋というもの。
己の限界を超えたいと思う気持ちは年齢、性別、レベルを問わない。ということで、Global Cycling Network の「ヒルクライムをもっとラクにするコツ(Climbing Made Easy)」という動画を翻訳して紹介しよう。
ペースを一定に保つ
出だしは体力があるので、ガッとねじ伏せてやりたい気持ちになるだろうが、まずは落ち着こう。しゃかりになってはダメ。イベント参加でのあるあるなのだが、スタート直後はアドレナリンが出まくっており、つい他の参加者に引っ張られてハイペースで走り、早々にバテてしまう、がある。スタート直後にみんなが一斉に飛び出して、おいてけぼりを食らいかけると、「遅れるわけにはいかねえっ!」って衝動に襲われる。しかし、惑わされてはいけない。序盤は意識してゆっくり、リズムを守って軽めにペダリングすること。息が整い、リズムが安定してきたら、徐々にスピードアップしよう。
小さな坂が連続して現れるコースプロファイルの場合、ペースを上げてアタックし、下りで回復するもよし。ただし、筋肉系の疲労は心肺機能よりも回復しにくく、パワー任せに走ると後半にタレる可能性が大。丘レベルの小さい山を複数上り下りするコースであっても、ペースを守ることが大事。
シッティングか、ダンシングか
どっちが正しいのか、どっちが効率的か、けっこう意見が分かれる部分。ハッキリ言ってしまうと、どっちも悪くないし、どっちも使おう。好き嫌いがあるし、骨格や筋力の差もあるし、得手不得手があるもの。ダンシングを多用して登るのが好きな人もいるけど、傾向としてはシッティングを好む人の割合が高い。
ただ、スタートからゴールまで一度も立ち上がらず、シッティングのみで走り切るのはちょっとありえないかなと。ときどきダンシングを織り交ぜることでお尻の血行をよくしたり、足のストレッチをしたり、シッティングでは使わない筋肉を使うことで、疲れた筋肉を休ませることができる。
ダンシングはオラオラと力任せに踏み込むイメージがあるけど、もがかない、筋肉をリフレッシュさせることを目的とした「休むダンシング」もあって、それができるとヒルクライムはグッとラクになる。
以前参加した講習会@宮ヶ瀬湖で学んだので、その時の記事もどうぞ
↓
実走セミナーでプロに指導を受けたら、ダンシングと体重移動が劇的に変化した
あと、斜度が瞬間的にきつくなったときは、あえてダンシングで出力を上げて、サクッとクリアするのもよい。
>> ロードバイクで激坂を上手に走るノウハウ
ギアの選択
どの斜度であれば、フロントはこのギアを選んで、リアはこれを選ぶ…といった法則はない。体力やレベルや疲労度はみんなバラバラなので、人によりけりとしか言えない。注意したいのは、「初心者サイクリストは、坂でも重めのギアでゆっくり回す傾向が高い」こと。でも、それではすぐに疲れてしまう。
目安としては、ケイデンス80(1分間のクランクの回転数)が初心者でも走りやすく、かつペダリング効率もよい。それ以上のケイデンスで回すには、慣れと練習が必要で、初心者にはちょっとキツイだろう。
「ケイデンス80とか90とか、いちいち数えられんし、それが計れるサイクルコンピュータもない。自分のケイデンスってどうやって知るの?」
…という方は、ハイテンポな音楽を脳内再生してみよう。童謡の「おさるのかごや」の、エーサッエーサッエッサホイノサッサ、お猿のかごやだホイサッサ…のリズムに合わせて漕げれば、少なくとも低すぎるケイデンスにはならない。 (高めのケイデンスで回そうとすれば、お猿のかごやさえゆっくりに聞こえてしまうが…)
余談だが、「ケイデンスが高い=効率が高いとは科学的には証明できていない」そうな。(へぇー)
坂道は練習あるのみ
ヒルクライムに慣れるには、楽に走れるようになるには、それはもう場数を積むしかない。「平地で負荷を高めれば、それでもヒルクライムの練習になるでしょ?」
たしかにその通りで、やらないよりはずっと良い。こないだ「坂がない地域に住んでいる人向けのヒルクライムトレーニング法」という記事にもしたくらいである。
しかし、登りで使う筋肉と平地でのそれはちょっとばかし異なるそうで、となると、やはり山でトレーニングするのが手っ取り早いし確実。
要するに、「効率的で効果的なヒルクライムとは何なのか…」と脳内でいくら考えても答えは出ない。「考えすぎて行動できないんじゃ意味がない。まずはやってみること」が大事。
1960年代末に結成したファンクバンド、『ファンカデリック(Funkadelic)』は、こんなセリフを残している。
「Free your mind, and you ass will follow(心を解放しろ。そうすりゃケツはついてくるものさ)」
つべこべ言わずに走る。そして登る。Just Do It の精神だ。
登坂の距離を予め(ざっくりでもいいので)把握しておく
体力とかテクニックとは別次元のメンタル面の話なのだが、なるべく楽にロードバイクでヒルクライムするには「坂道の距離を知っておく」ことがわりと大事。何キロ走るかわからないのに、ペース配分もへったくれもない。それに、人間はなにかしら目標があったほうが頑張れるものだ。出発前にグーグルマップでチェックするのもいいし、現地でいざ登るぞってタイミングで頂上までの距離を測るのもアリ。というか、これをせずに登るのって、自分ならちょっと躊躇する。初めて予備知識無しで登る坂が辛い理由はコレで、その証拠に同じ坂をもう一度登ると、「あれ?初回より楽だぞ…。体力が上がったわけでもないのに不思議だな」と感じるだろう。人間のメンタルなんてこんなものだったりする。
走り慣れるうちに、きっと山が好きになるはず。何度走ってもぜんぜん楽しくない!という方は…ごめんなさい。平地専門を目指してください…><
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コメント
コメント一覧 (5)
自分の場合向かい風は通勤路が海が近いので街中抜けたら常にあるけどヒルクライム行くと別のきつさがあるので風がトレーニングになるってのがピンとこないんだよね
むしろ何度も登って地形、斜度、景色に距離感なんかの頭と体に覚え込ませてペース配分身に付けるのほうが納得できる
7%程度がちょっと続くと34T-28Tでも60切っちゃうし、15%とかだと下手すりゃ30くらいになっちゃうwww
正直、私も風って自然現象を利用するのは難しいし、そう思い通りに風なんてふいてくれないしな・・・って思いました。まあ、ほしくないときに来るのが向かい風なんですが(笑)
まさん
私も山ではケイデンスもへったくれもないです。とにかく登りきることが目的になります(^_^;)
アスタナさん
そんなひんぱんには登ってないですねえ…埼玉南部はとにかく平坦なので、気合い入れて秩父とか多摩まで出かけない限り(*^^*)
なのでなかなか速くなりません…