カンパニョーロが、シマノとスラムより先に12速化を果たした。果たした…とはいってもまだスーパーレコードとレコードいう高級コンポーネントでのみなので、庶民がカンタンに手を出せる代物ではない。
12速化されたことに関してはすでに記事にしてみた。
◇ カンパニョーロが世界初となる12速化をスーパーレコードとレコードで実現
が、やはり文字だけでは物足りない。インプレ動画はないものか?海外ならあるんじゃないか?と思って探したらすぐ見つかった。何度か取り上げたことのあるCyclingTips の動画である。ということで、翻訳して紹介してみよう。
◇ First ride and review vlog: Campagnolo 12 Speed Groupset
チェーンリングのデザインが大胆に変更に変わったので好き嫌いが分かれるような気がするが、従来のモノよりもムダを削ぎ落とし、エアロダイナミクスが重視された様子。
※スーパーレコードです
キャリパーブレーキのデザインは評価者いわく「ジェネリックなデザインになって特徴が失われたのが残念」と語っていた。たしかに遠目からでも「カンパニョーロだ!」って見分けがついた過去のモデルよりは一般化されたルックスに落ち着いた気がする。
シフターはとても小気味よく、気持ちよく変速するとのこと。「こないだアルテグラ(R8000)に乗ったんだけど、それとは比べ物にならないほどいいね」ですって。現行アルテより遥かに良いとは……いったいどんなフィーリングなのか気になる。
ただ、ディスクブレーキ版のブラケットはかなり上に突き出た形状をしており、ここが一長一短とのこと。
※そそり立つようなブラケット形状
なお、シフトチェンジに関してはどっちも問題なく快適なようだ。
スーパーレコードのチェーンリングはホロー構造なのと、アームをつなぐブリッジ構造で補強されているので、剛性はレコードよりも高い。(まあ、ホビーサイクリストにその違いはさっぱりわからないだろうが)
※Joshua Riddle さん(右)
具体的にどのテクノロジーの進化がハイライト?との質問には、
と回答。目には見えない部分だけど、乗って確かめれば違いがきっとわかるのだろう。
レコードのリアディレイラーが動く様子の動画もどうぞ。
※リアメカがウネウネ動くのがエモくてすごく萌える…(*´Д`)
実際に複数のプロチームにも助言を求めたそうだ。彼らの多くはレースでもトレー二ングでも11-29Tのスプロケットをふだん使っており、11速よりも12速で同じギア比を実現できた方がいいに決まっている。よって、わざわざ11速に戻すこともせず、12速を選ぶようになる。12速化したことでコースプロファイルにあわせてギヤを変える…というメカニックの作業が省かれるので、これはうれしい。
※ちなみに12速化された新型は、スプロケットが「11-29T」と「11-32T」の2種類のみ。
プロチームがとくに気にするのは耐久性。でも、ここもクリアしているので、今後は12速化が当たり前になっていくだろう。まあ、シマノがこのまま指をくわえてカンパニョーロの独走を許すわけがないかなと。
ただ、カンパニョーロは「耐久性は十分で問題ない」と語っているけど、チェーンもカセットの歯も細く&薄くなるわけで常識的に考えれば摩耗は早いんじゃないかなあ…という心配はある。
カンパニョーロのBORAのホイールについても触れられていたのでついでに翻訳しておきますと、カンパニョーロによれば、「エアロダイナミクス的にもっとも優れたリムハイトの組み合わせはフロント60ミリ、リア77ミリ」である。この高さで横風モロに受けたらひとたまりもない…気もするが、空力テストではそう結論づけたそうだ。
タイヤの組み合わせとしては、路面抵抗をもっとも少なくするには、ベストはチューブレス。それに続くのがクリンチャー。でもってチューブラーと続く。え?チューブラータイヤって路面抵抗が少なくて回転性がよくって、プロ御用達じゃないの?なんで?って思ったのだが、それに対する解説は動画内ではなされなかった。
ちなみに自分は「いつかはチューブラーを……でも諸々の事情でクリンチャーで妥協」している。トラブルに強いし、メンテナンスしやすいし、リーズナブルなクリンチャータイヤが個人的にはベスト。
ということで、CyclingTips による自分にはまず縁のない高級コンポーネント、カンパニョーロの12速グループセットのインプレ動画翻訳版をお届けした。
個人的には現行の11速で十分だと感じてて、いますぐ12速モデルに飛びつきたい気持ちはない。貧脚なのでトップのギアなんて日常で使うことはほぼないし。というか、トップが14Tのジュニアスプロケット(14-28T)を愛用しているくらい。
ちなみに構成は「14-15-16-17-18-19-20-21-23-25-28」でして、トップから8枚目までがクロスになっている。つまり、すでに低速から高速までスムースなギヤ比でカバーされているのだ。
※11-28Tがクロスなのは5枚目までなので、よく使う真ん中くらいのギヤ構成で大きな違いがある。
ジュニアスプロケットであればトップを犠牲にしているぶん、かなりクロスレシオになるのでツーリングにはもってこい。反面、サーキットでぶん回すと回し切ってしまうが、そんなシチュエーションは年に1、2回しかないのでべつに気にならない。
◇ シチュエーションに合わせてスプロケットを交換するという楽しみ方(ミニベロ編)
それに、レコードもスーパーレコードも目が飛び出るほどお高いし…
↓
スーパーレコード(機械式、リムブレーキ)は2018年6月、それ以外が同年7月発売予定。が、Wiggle ではCampagnolo - Super Record (スーパーレコード) グループセット (12スピード)とCampagnolo - Record (レコード) グループセット (12スピード)は発売されていた。うーむ、買えないけど気にはなる…。
まあ、シマノやスラムが追随することは間違いなく、いずれ12速が当たり前になっていくのだろうけど、自分は当面静観することにします。
12速化されたスーパーレコードとレコードがどんなコンポーネントかくわしく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ…( ◠‿◠ )
◇ カンパニョーロが世界初となる12速化をスーパーレコードとレコードで実現
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12速化されたことに関してはすでに記事にしてみた。
◇ カンパニョーロが世界初となる12速化をスーパーレコードとレコードで実現
が、やはり文字だけでは物足りない。インプレ動画はないものか?海外ならあるんじゃないか?と思って探したらすぐ見つかった。何度か取り上げたことのあるCyclingTips の動画である。ということで、翻訳して紹介してみよう。
◇ First ride and review vlog: Campagnolo 12 Speed Groupset
テストしたのはスーパーレコードとレコードの2種
レコードのリムブレーキ(ダイレクトマウント&機械式)とスーパーレコードのディスクブレーキ(機械式)の2機種。チェーンリングのデザインが大胆に変更に変わったので好き嫌いが分かれるような気がするが、従来のモノよりもムダを削ぎ落とし、エアロダイナミクスが重視された様子。
※スーパーレコードです
キャリパーブレーキのデザインは評価者いわく「ジェネリックなデザインになって特徴が失われたのが残念」と語っていた。たしかに遠目からでも「カンパニョーロだ!」って見分けがついた過去のモデルよりは一般化されたルックスに落ち着いた気がする。
シフターはとても小気味よく、気持ちよく変速するとのこと。「こないだアルテグラ(R8000)に乗ったんだけど、それとは比べ物にならないほどいいね」ですって。現行アルテより遥かに良いとは……いったいどんなフィーリングなのか気になる。
ただ、ディスクブレーキ版のブラケットはかなり上に突き出た形状をしており、ここが一長一短とのこと。
ヒルクライム時には手のひらが突っ張る感じで握りにくさがあった。でも平坦で回すときはブラケットを持つこともできるし、ブラケットの先を握ってポジションを変えることもできる。
※そそり立つようなブラケット形状
なお、シフトチェンジに関してはどっちも問題なく快適なようだ。
スーパーレコードのチェーンリングはホロー構造なのと、アームをつなぐブリッジ構造で補強されているので、剛性はレコードよりも高い。(まあ、ホビーサイクリストにその違いはさっぱりわからないだろうが)
カンパニョーロの広報マンにインタビュー
カンパニョーロ・グローバル広報マネジャーの Joshua Riddle さんによると、「ただ単に1枚ギアを増やして12速にした以上の変化を起こしたと考えている。テクノロジー、構造設計、マテリアル、動きの正確さ&スムースさ、耐久性、どれを取ってもカンパ史上最高のモノが完成した」そうな。※Joshua Riddle さん(右)
具体的にどのテクノロジーの進化がハイライト?との質問には、
リアディレイラーがとくに進化してて、embraceテクノロジーという技術でもって上側のプーリーが常にカセットの近くに位置取るようにしたのと、さらに3D embrace テクノロジーというものもあり、縦方向だけでなく横方向のチェーンの動きも最適化してくれる。
そうすることで、どのギアに入っていてもチェーンとカセットが完璧にフィットした状態になるんだ。
と回答。目には見えない部分だけど、乗って確かめれば違いがきっとわかるのだろう。
レコードのリアディレイラーが動く様子の動画もどうぞ。
※リアメカがウネウネ動くのがエモくてすごく萌える…(*´Д`)
実際に複数のプロチームにも助言を求めたそうだ。彼らの多くはレースでもトレー二ングでも11-29Tのスプロケットをふだん使っており、11速よりも12速で同じギア比を実現できた方がいいに決まっている。よって、わざわざ11速に戻すこともせず、12速を選ぶようになる。12速化したことでコースプロファイルにあわせてギヤを変える…というメカニックの作業が省かれるので、これはうれしい。
※ちなみに12速化された新型は、スプロケットが「11-29T」と「11-32T」の2種類のみ。
プロチームがとくに気にするのは耐久性。でも、ここもクリアしているので、今後は12速化が当たり前になっていくだろう。まあ、シマノがこのまま指をくわえてカンパニョーロの独走を許すわけがないかなと。
ただ、カンパニョーロは「耐久性は十分で問題ない」と語っているけど、チェーンもカセットの歯も細く&薄くなるわけで常識的に考えれば摩耗は早いんじゃないかなあ…という心配はある。
BORAのホイールについて
ここからはオマケ。カンパニョーロのBORAのホイールについても触れられていたのでついでに翻訳しておきますと、カンパニョーロによれば、「エアロダイナミクス的にもっとも優れたリムハイトの組み合わせはフロント60ミリ、リア77ミリ」である。この高さで横風モロに受けたらひとたまりもない…気もするが、空力テストではそう結論づけたそうだ。
タイヤの組み合わせとしては、路面抵抗をもっとも少なくするには、ベストはチューブレス。それに続くのがクリンチャー。でもってチューブラーと続く。え?チューブラータイヤって路面抵抗が少なくて回転性がよくって、プロ御用達じゃないの?なんで?って思ったのだが、それに対する解説は動画内ではなされなかった。
ちなみに自分は「いつかはチューブラーを……でも諸々の事情でクリンチャーで妥協」している。トラブルに強いし、メンテナンスしやすいし、リーズナブルなクリンチャータイヤが個人的にはベスト。
ということで、CyclingTips による自分にはまず縁のない高級コンポーネント、カンパニョーロの12速グループセットのインプレ動画翻訳版をお届けした。
個人的には現行の11速で十分だと感じてて、いますぐ12速モデルに飛びつきたい気持ちはない。貧脚なのでトップのギアなんて日常で使うことはほぼないし。というか、トップが14Tのジュニアスプロケット(14-28T)を愛用しているくらい。
ちなみに構成は「14-15-16-17-18-19-20-21-23-25-28」でして、トップから8枚目までがクロスになっている。つまり、すでに低速から高速までスムースなギヤ比でカバーされているのだ。
※11-28Tがクロスなのは5枚目までなので、よく使う真ん中くらいのギヤ構成で大きな違いがある。
ジュニアスプロケットであればトップを犠牲にしているぶん、かなりクロスレシオになるのでツーリングにはもってこい。反面、サーキットでぶん回すと回し切ってしまうが、そんなシチュエーションは年に1、2回しかないのでべつに気にならない。
◇ シチュエーションに合わせてスプロケットを交換するという楽しみ方(ミニベロ編)
それに、レコードもスーパーレコードも目が飛び出るほどお高いし…
↓
- スーパーレコード(機械式、リムブレーキ) 40万円
- スーパーレコード(機械式、ディスクブレーキ) 44万500円
- レコード(機械式、リムブレーキ) 27万円
- レコード(機械式、ディスクブレーキ) 33万500円
スーパーレコード(機械式、リムブレーキ)は2018年6月、それ以外が同年7月発売予定。が、Wiggle ではCampagnolo - Super Record (スーパーレコード) グループセット (12スピード)とCampagnolo - Record (レコード) グループセット (12スピード)は発売されていた。うーむ、買えないけど気にはなる…。
まあ、シマノやスラムが追随することは間違いなく、いずれ12速が当たり前になっていくのだろうけど、自分は当面静観することにします。
12速化されたスーパーレコードとレコードがどんなコンポーネントかくわしく知りたい方は、こちらの記事をどうぞ…( ◠‿◠ )
◇ カンパニョーロが世界初となる12速化をスーパーレコードとレコードで実現
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★サイクルガジェットストア
コメント
コメント一覧 (2)
タイヤは単品では使えずホイールに取り付けて初めて意味を成す物。
車輪としての総合性能で速くなるかどうかを判断しないといけません。
そもそもロードレースは集団での高速走行が主です。
単純な路面抵抗の差を追求するよりも、空気抵抗の削減やアタックでの反応性や自分の走行ラインをキープできるグリップ感の方が重要度は高い。
結論として、軽量かつ高剛性なディープリム+乗り心地が良くグリップ感が自然なチューブラータイヤの方が総合的には速くなるため、プロのロードレーサーはレース本番では好んでチューブラーを使うのです。
詳しい情報ありがとうございます(*^_^*)