いつも読ませていただいている女性向けサイクリング情報メディア、『totalwomenscycling.com』に、男性も気になるであろう記事を見つけた。

安全に自転車通勤するために身につけるべき7つのスキル」である。自転車通勤する人すべてが読むべき記事だと思ったので、翻訳してご紹介したい。

>> 7 Things You Need To Be Able To Do To Commute By Bike Safely


16

自転車通勤をしてみたいって考える人は少なくないと思うんだけど、躊躇する人も同じくらいいる。「路上でパンクしたらどうしよう(機材トラブル)」とか「事故が心配だ(安全面)」等、不安要素はいくつもあるからね。

それ以外の不安要素として、「自転車で何キロも安全に車道を走る自信がない」が挙げられる。いくつかのスキルと知識を身につければ誰にでも実践できることなので、ぜひ怖がらずにチャレンジしてみてほしい。

直進しながら、後方確認する

公道では、後方を確認するシチュエーションは何度も訪れる。車が近づいていないか、他のバイクが自分を追い越そうとしていないか、その都度確認しなければならないからだ。交通量の多い場所であればあるほど、その回数は増える。

左側通行においては、後方確認は「首を右に曲げて、振り返る」ようにおこなう。バイクは自然と視線のほうに動いてしまう傾向があるので、何も考えずに振り返ると、バイクは斜め右前(つまり車道側)に進んでしまいかねないので注意。

55 HDR-2

「いや、振り返るのなんてカンタンっしょ。ママチャリでさんざんやってるし」というご意見はもっともなのだが、これがドロップハンドルやブルホーンバーで身体が前傾姿勢になった途端、「あれ?振り返るのがツライ」ってなるはず。

アップライトなママチャリ(ミニベロ、クロスバイク)ではなんてことなかった後方確認が、前傾姿勢だと難しい。首を真横に曲げるやり方だと苦しいので、「アゴを肩にくっつけるようにして振り返る」のがオススメ。首を大きく回転させることなく後方確認ができ、上半身を動かす必要もないので直進もしやすい。

自転車での後方確認って、長時間じーっと見つめ続けるよりも、瞬間瞬間で危険が察知できればよいわけなので、「いつでも何度でも、苦もなく、振り返ることができる」のが重要。

16
※後ろは、さっとだけ見る

自転車用のバックミラーも豊富にあるので、補助用に取り付けるのもアリかもしれない。※自分はまだ使ったことがないけど、知人によると「便利だよ」とのこと。通勤マシンでもあるタイレル(Tyrell)のCSI に装着を検討中である。

路上での走行ライン(ポジション)のとり方

車道を走るということは、乗用車、大型車(バスやトラック)、業務用車両、二輪車、貨物車ナドナド、多種多様な車両と並走することっを意味する。自転車はそれらすべての車両に追い抜かれていくわけで、「上手な抜かれ方」の技術が問われるのだ。

サイクリスト初心者の方がやってしまいがちなのは、「車との距離をおきたいがために路肩に寄りすぎてしまう」、である。オクサマが車道デビューしたときがこれだった。 これ、一見安全に思えるのだが、ドライバーには自転車のスレスレの追い越しを誘発させてしまう。

あえて1メートルほどマージンをとることで、自動車側に自転車の存在を認識してもらい、やや膨らむように追い越してもらうのがよい。車が自分に寄せてきたときに、そのマージンを利用して避けることもできる。

54
※いまでは車道への恐怖もかなり薄れたオクサマ

オクサマは車道に慣れるまでに、ざっと半年近くかかった。ついつい路肩に近づく癖が抜けず、ペダルが路肩にかすって、あわや落車仕掛けたこともある。あと、砂利やガラス片が雨水で流されて路肩に溜まるので、安定も良くないし、パンクリスクも高まるので良いことはひとつもない。

記事内で紹介されていた方法として、「狭い道を走る場合、クルマに抜かれないよう、あえて道路の真ん中を堂々と走る」も紹介されていた。これはべつに失礼なことではなく、意図的にこうすることで接触リスクを減らすというもの。

たとえば、個人的によく遭遇するケースとして、道路工事とか街路樹の剪定除去のため、カラーコーンで道路の一区間が完全に閉鎖されてしまっている現場がある。

38
※こんなかんじのとこ

区間は(長くても)せいぜい50メートルあるかないかなので、自分はあえて車に追い抜かれないよう道路の真ん中近くに入らせてもらい、「ごめん、車道が狭いのでちょっとだけ真ん中を走らせてもらいます」とハンドサインで意思表示してライン取りさせてもらうこともある。

ドライバーさんもこっちの意図はすぐ汲み取ってくれるので、すみやかに減速してくれる。もちろん、こんな走り方を長時間やってはいけないし、あまりにも細い道が続くのであれば、その道は自転車で走らないほうがいいだろう。

あと、もうひとつ記事内で指摘されていたポジション取りのアドバイスは、信号待ちにおいて、「左折車の真横に並ばないこと」があった。ドライバーに見落とされやすい場所だし、信号が青になったとき、「この自転車、オレの先に行くのかな?それとも、こちらが左折するのを待ってくれているのかな?」と迷わせてしまうことにもなるからね。

待つのであれば車の後ろで、先に行くのであれば車より前に位置取りしておきたい。

53
※大型車両、業務用車両の真横には位置取りしないようにしている(本来はもうちょい前に出て、ドライバーさんに自分の存在を知らせている)

正確なコミュニケーションを取る

車両や歩行者には、ノンバーバルコミュニケーションで意思疎通することになる。「ハンドサイン」と「視線」がそのための手段だ。右折は右手で、左折は左手で進行方向を示す。これが基本。

ただ、狭い車道で右手を横に出すときは、後方確認しつつ…がよいだろう。ウソみたいな話だけど、すぐとなりを走り抜けようとするオートバイにウエスタン・ラリアットを食らわせてはいけないからね。

ラリアットとは プロレス技の一種。相手の首元や胸に自分の腕の内側部分を打ち当てる打撃技のこと。ラリアートと表記される場合もある。アメリカではクローズライン(Clothesline)と呼称される。(引用元はウィキペディア) スタン・ハンセンのラリアットはこちら。



自分はウエスタン・ラリアットをカマしてしまった経験はないが、ちゃんと後方確認せずに右手を横に伸ばし、車のサイドミラーに指が当たりそうになって焦ったことはある。まあ、本当にラリアットが決まってしまったら、ふっとばされるのは自転車側。良かれと思って出したハンドサインのせいで他の方々の迷惑になっては本末転倒なので、サインを出すときはご注意を。

14 HDR

あと、路面が荒れているとか、キツいカーブ&下りであれば無理してハンドサインをしなくてもかまわない。片手運転はバランスを失いやすいので、危険を感じる場所では、しっかりとブラケットを握って走ろう。

視線も何気に大事なコミュニケーション手段で、交差点ではドライバーさんと必ずアイコンタクトをとるよう心掛けている。

アイコンタクトしてくれない=こっちを認識していない=接触事故リスク」だと思っているので。夜間は社内の顔がはっきり見れないので難しいんだけど、そのぶん十分に減速して、ライトも使って自分の存在に気づいてもらえるように努めているよ。

後編に続きます!