ツール・ド・フランスやジロ・デ・イタリア等のプロレースを観て、「かっこいいなあ。トッププロのように自分もロードバイクを操りたいなあ」と思うことはあるだろうか?

自分は速く走りたいとか、人に勝ちたい欲求はまったくないタイプだけど、プロの乗り方を真似してみたいって方は大勢いるとは思う。

Global Cycling Network に、「この6つはプロの専売特許だから、素人は真似しないほうがいいよ」と紹介されている動画があったので、翻訳してお届けしたい。


6 Things Pro Cyclists Do That You Shouldn't



トップチューブに座ってのダウンヒル

空気抵抗を限界まで少なくしたいのなら、合理的なポジションなのだろうが、ちょっとした穴ぼこや凹凸でカンタンにバランスを崩してしまう姿勢である。下りでの落車は、自転車事故の中でもかなりの高確率で大怪我になるのでくれぐれも真似しないように。

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Cycling-EX さんの「クリス・フルーム選手の斬新なライディングフォームが話題に」という記事内には、クリス・フルームがトップチューブに座ったままペダルを回す動画が掲載されている。

サガンとかクリス・フルームがこの姿勢で走っている姿を見ることがあるが、まさかペダリングまでしてしまうとは…。言うまでもないが、こんな芸当はトッププロの彼らだからできることで、我々が見た目だけを模倣するとろくなことはない。

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※マネしてはダメ!絶対

コンプレッションソックスを公衆の場で履く

コンプレッションウェアはランニングやサッカー、野球等のスポーツに普及しており、ショップでもよく見かける。外側からの圧によって筋肉を支え、血流を促し、疲労軽減と回復効果があってたしかに便利。自分もサッカーをするときには上下で当たり前のように着ていたものだった。

サイクリングの世界でもコンプレッションソックス等は出回っているが、他スポーツに比べ、圧倒的に浸透していない印象。自分はサイクリング用のコンプレッションソックスは持っていないが、リカバリー効果がいかほどかは気になるところ。

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※ダサい…

ただ、「ヒザ下までソックスを上げるのか…ううむ」と気後れしてしまい、当面試す予定はない。 サイクリングウェアとコンプレッションソックスの組み合わせは「ダサい」というのがGlobal Cycling Network の見解。自分も同意見。

まあ、ファッション性は人の好みなのであれこれ言うつもりはないが、サイクルジャージとビブショーツには似合わないのではないかなと。 ただし、こんな記事を書く自分にファッションを語る資格はないので、軽く聞き流していただきたい。 

ロードバイクにわざわざウェイトを取り付ける

UCIレギュレーションである6.8キロをクリアするために、プロは意図的にウェイトをバイクに内蔵させることはあるが、これは素人の我々には関係ない話。

「公式戦に出場するわけでもないのに、もともと軽いバイクにあえてウェイトを取り付ける人なんているのか?」とは思う。たぶん、まずいないはず(笑)。

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※プロは軽すぎるバイクにこんなオモリを装着する

今の技術では、ロードバイクメーカーは6.8キロ以下で十分に安全性と剛性を確保したバイクを作ることができる。よって、一般サイクリストは安心して軽量化の恩恵に与れば良い。

ハンドルに肘をついたまま走る

ママチャリでコレをする人、けっこう多い。体重を預けることができるので、きっと楽ちんな乗り方だとは想像できるんだけど、とっさにブレーキはかけられないし、ハンドル操作もできないので、危険回避能力が著しく落ちる。

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こんなママチャリに巻き込まれては大変なので、こういう乗り方をしている人とは距離を置くように気をつけている。 が!これをするローディもちょくちょく見かける。

車道ではまずいないんだけど、サイクリングロード等の「まあ周囲に誰もいないし、何かが現れたらすぐ対応できるからいいや」くらいの軽いノリなんだと思う。

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でも、この乗り方しているとこっちがハラハラしてしまうのよね。 Global Cycling Network も同様の指摘をしていて、危険回避ができなくなるのはもちろん、単独事故の危険性にも触れている。

路面の凹凸でバイクが暴れた瞬間、ただ肘を乗せているだけだと腕がポンと跳ね上がってバランスを崩し、あっけなく落車することになる。

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※段差で腕がこのように浮いてしまう

ブラケットをしっかり握らず、手を乗せただけで流してて、ふいにバイクが動いて腕がスッポ抜けそうになって慌てた経験がある人、きっといるよね?あれのもっと怖いバージョンだと思えばいい。

6個のうち4つを紹介した。あとのふたつは「わざわざ紹介するまでもないかな・・・」と思ったので割愛。ひとつは「落車はマネしなくていいよ」(当然だ)で、もうひとつは「走りながらのおしっこは慎もうね。風向きによっては尿が自分に飛び散るよ」(これまた当然)である(笑)。


蛇足だが、個人的な心がけなんだけど、プロは当たり前にやってて自分は真似しようとは思わないことがひとつある。

走りながらウェアの脱着をしない

ヒルクライムでたまにあるんだけど、温度の変化差が激しい山の場合、「ウィンドブレーカーを羽織りたいな」と感じることがしばしばある。あと、ダウンヒル時はかなりの風圧を受けるのと、書いた汗が身体を冷やす。よって、真夏を除いてウインドブレーカーはバックポケットにしこんでおく。
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※モンベルのウィンドブレーカーを愛用してます

そんなとき、ちょっと横着をして、手放し運転しながら腰に手を回してウインドブレーカーを取り出して着用したくなる…が自分はしない。着ている途中でグラっとしてもとっさにハンドルを押さえることができないと、即落車なので。変な姿勢のママこけたら、スピードが出ていなくても骨折してしまうかもしれない。
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※山では欠かせないウィンドブレーカー

スピードを争うプロでない限り、あるいはバイクスキルに絶対の自信がない限り、走りながらのウェアの脱着は謹んだほうがいいと思う。

以上、プロサイクストは当たり前のようにしているけれど、素人がマネしてはいけない6つのこと+アルファのご紹介でした。

我々アマチュアサイクリストは、本業の仕事に差し支えるような事故、ケガはしたくないもの。どうか安全運転でトラブルと無縁なサイクルライフをお過ごしください。