体幹トレーニングがロードバイク乗りにとって有効…というのは周知の事実。しかし、やる・やらないでいうと圧倒的にやらない派が多い。だって、キツくて面倒ですからね。

自分もやったりやらなかったりで、習慣にしているときは続くが、ふとしたキッカケでプツッと途切れる。そして再開するまでに時間がかかる。(で、チャリダー★観て、筧さんとか、猪野学さんの懸命な姿に刺激されて「再開しなくちゃ!」ってなる。この繰り返し)

ある程度ルーティンに落とし込めていると身体が勝手に動くというか、考えなくてもできるんだけど、「今日はどうしよう…やってやらなくもないけど休みたいっちゃ休みたい…ううむ…まあ帰宅してから時間があればやるか…」とか悩んでいるとやらずじまい。つまり、習慣化できてるかどうかの差なんですよね。

今回は Global Cycling Network が紹介する「Emma's Top 5 Core Exercises For Cyclists(ヒルクライムにとくに効果的な5種類の体幹トレーニング)」を取り上げる。暖かいシーズンになり、山に行く方々も増えると思うので、参考にしていただきたい。ちなみに紹介してくださる女性(エマさん)は、かなり実績のある元プロのイングランド人。



所要時間は15分。週2回でじゅうぶん効果を発揮する。週2回でいいって聞くと、「自分でもできそうだな」という気がしてくるのではないだろうか。

ふつう、体幹トレーニングには道具が必要ないが、今回のはややタフなやつ。バランスボール、ベンチ(なければソファとか)、あとチンアップバー(懸垂ができるやつ)を使う。

目次


1.バランスボール・プランク

ただでさえきついプランクを、バランスボールの上でおこなう。足と肘の位置をなるべく平行にしておこう。背中はまっすぐにキープ。楽をしようとするとお腹が落ちたり上がったりする。

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さらにキツくするには、膝を曲げて片足づつ胸に近づける。20回づつ(左右で40回)やってみよう。これすらもやってのけられるようになったら、肘を前後、左右にブルブルと動かしてみる。筋肉が広範囲に刺激され、ただのプランクより劇的に効果が高くなる(そのぶん苦しさは増すわけだが)

2.バランスボール・ローリングブリッジ

腕はまっすぐでつま先をバランスボールに乗せてじっと姿勢をキープ。このときも、背中と脚が一直線になるように。姿勢に自信がなければ家の人に見てもらおう。

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これができたら、両膝を曲げてボールを胸に近づける動作(20回ほど)を加える。このとき、お尻が上に上がりすぎないように注意。さらに足首を左右に捻って体幹を刺激してやるのもよい。

ちなみにこの動作、カンタンに見えるがエマさんいわく

動きをマスターするのに1週間かかったわ。慣れるまではちょっとむずかしいかもよ。
とのこと。

バリエーションとして、ダンベルを縦方向に持ってやるのも良い。

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なぜなら、これは「ハンドルバー(ブラケット)を握るポジション」なので、実際にロードバイクに乗っているときに使われる筋肉を、ダイレクトに鍛えることができるからである。なるほど。

なお、映像のダンベルは転がりにくい6角形のモノだが、球体形状のを使っても構わない。「転がらないように姿勢維持しなくちゃいけないから、むしろトレーニングになるわよ、フフ」とエマさんも語っている。

3.ベント・ニー・バックエクステンション

足の裏を壁に当てて固定し、膝はバランスボールに。背中をまっすぐ維持したまま腰を曲げてゆっくり前屈し、ゆっくり戻る。これを10回。

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それがカンタンにできるようになったら、両腕を頭上に伸ばして重しにしてやってみる。それさえこなせるようになったら、1~2キロ前後のウェイトを持ってやるとさらにハードになる。

ただ、腰痛持ちの人とか、腰や背中に不安のある人には負荷が高すぎるとは思うので、そこだけ注意をば。

4.バランスボール・ディップス

上腕三頭筋を鍛えるトレーニング。上腕三頭筋ってサイクリングに必要なの?という問いへの回答は「YES」。とくにダンシングで坂を登るときには腕の引きの力も必要になる。

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ふつうの腕立て伏せでもよいのだが、不安定なバランスボールを使うと周辺の筋肉も刺激される。来る日も来る日もまったく同じトレーニングしかしないと”特定の筋肉しか”鍛えられないという弊害もあるので、「今日は腕立て伏せ、明後日はこれ」といった具合に、日によって変化させるのはアリだろう。

5.ウィンドスクリーン・ワイパー

エマさんは「このトレーニングがもっともタフよ…」と言ってるが、見るからにきつそう。チンナップバーを持って肘を軽く曲げ、膝を地面に水平にまで持ってきて30秒間キープ。それができるようになったら、膝を左右にゆっくり振る動作を加える。

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※これ、めっちゃキツイです

ウィンドスクリーン・ワイパーができるようになると、ダンシングがとってもラクになるわ。あたしができるのはまだ10回なんだけど、もっとできるようになるよう鍛えているところよ、フフフ…。
ですって。

元プロのエマさんですら10回なので、ふつうの人がこれだけできたら大したものだと思う。


以上、Global Cycling Network が紹介する「Emma's Top 5 Core Exercises For Cyclists(ヒルクライムにとくに効果的な5種類の体幹トレーニング)」による、ややハード目の体幹トレーニングのご紹介でした。


1回15分で週に2回なら大したことはなく、誰でもそれくらいの時間は作れるはず。

エマさんも、「仕事や家庭の事情もあると思うし、そもそもサイクリングは時間を消費するスポーツだから、体幹トレーニングの時間をひねり出せないって人もいると思うわ。でも、これくらいの時間ならなんとかできるはず、やる気があればね。ハードに走らないサイクリストにも体幹トレーニングは有効よ。自分の弱い部分を見つけるのは大事だし、サイクリングが辛くなるときは弱い部分が原因になるものだから」と語っていて完全に同意。

ところで、しばらく休んでいた体幹トレーニングを再開&継続できている。やる時間を固定したことがうまくいってる理由で、「寝る前にやる」のが自分には合っていると判明。朝の寝起きはダルいし、出勤前は慌ただしい。日中は仕事場なので難しい。

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※外でやるのもいいかもしれない

となると帰宅後になるのだが、風呂の前でも後でもなく、まさに布団に入る直前におこなう。具体的には歯を磨く前。こうすることで「いつやろうかな、今やろうかな、もうちょい後にしようかな…」って悩むことがなくなる。ちなみに頻度は隔日。がっつり走った日はやらない。

トレーニングしないと眠れないって脳内設定しておくことで、自然と身体が動く。多少汗ばむので風呂入ったのがややムダになる気はしないでもないが、少し疲れて布団に入ることで寝付きもよい。トレーニングの後に活動や仕事が控えてないのは気が楽というのもあって、自分にはこの時間帯が向いている。

個人的なコツは、「トレーニングする場所と時間を固定」すること。自重でやるからどこでもかまわないのだが、たとえばリビングでやる!と決めておくことで意思決定をひとつ減らす。

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※勤務先になぜか設置してあるので使ってる

物事を習慣化するには、脳みそに決断・意思決定させない環境作りがキモ。小さなストレスを取り除いていくと身体が自然に動くものだ。


こんな動画もどうぞ。




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ということで、体幹トレーニングをサボりがち…な方々の参考になれば幸いです。 ( ◠‿◠ )


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