自転車って、つくづく独学の乗り物だなって思う。
 

誰でも乗れる道具でありながら「誰も正しい乗り方、運転方法を教えてくれない」モノだよね。教習所に通うことはないし、教材があるわけでもない。

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小学校で安全講習を受けたことがあっても、乗り方というよりは交通マナー&危険回避がメインだったりするので、自転車の運転スキルとはちょっと違う。 書籍やウェブ上に学べるコンテンツはあれど、それらを積極的に読み込もうとする方々は極めて少数派。

なかなかスキルアップする機会も情報もないのが現実だろう。


3 Basic Skills Every Cyclist Should Work On – How To Be A More Skilful Cyclist



Global Cycling Network の「すべてのサイクリストが身につけるべき3つのスキル」という動画がとても勉強になったのでぜひ翻訳してご紹介したい。

1.【サイクリストが身につけるべきスキル】 “すごくゆっくり走る”

バイクスキルの有無は、早く走っているときよりも、意外にゆっくりのときのほうが顕著に現れるものだ。

一時停止の交差点に差し掛かってスローダウンするとき、スキルがない初心者は前輪がふらついてしまい、脚をすぐに地面についてしまうものだが、バイクコントロールの技術を持つ上級者はスタンディング・スティルに近い状態で一時停止し、左右を確認して発進できる。

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※画像よりも、動画を見たほうがわかりやすいね

初心者がふらつく理由は、体重をハンドルにかけ過ぎてしまっているから。あと、目線も前輪を凝視しがち。肩と腕をリラックスさせ、体重はサドルとペダルに乗せることを意識してみよう。

動画に登場する元プロサイクリストのダンさんは、「練習すれば誰でもできるようになる。練習と言ってもまとまった時間を確保する必要はなくって、ちょっとしたスキマ時間にすればいい。たとえば待ち合わせ場所に早く着きすぎたときとか、ただじっと待つのではなくて、(駐車場のような車が来ない場所で)数分間練習するだけでも効果があるよ」と話していた。

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ちなみにこのスキル、立ちごけ防止にもなるよ。人が飛び出してきたときにとっさにフルブレーキングしたとき、このスキルのおかげで一瞬の間を確保でき、自立した状態でクリートをペダルから外すことができる。

自分も初心者の人とグループライドしてたとき、前方を走っていたその方がハンドサインを出さずに急停止して、あわててこっちもフルブレーキングした。両足にクリートをはめた状態のママ1秒くらい時間を確保できたおかげで、「右の足を外そうかな、いや、通常通り左でいいや」と考えてから落ち着いて着地することができて助かった。

2.【サイクリストが身につけるべきスキル】 “片手(&両手)を放して運転してみる”

片手を手放しして運転することは、スポーツサイクルを楽しむ上で欠かせないスキル。ハンドサインを出す、ボトルに手を伸ばして給水する、アイウェアを外してヘルメットに挿す、バックポケットの補給食を取り出す……等、片手を放すシーンは多い。

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子供の頃に手放し運転して遊んでいた方であれば、造作も無いことなんだけど、「片手の手放しすらできない」ことのできない人はいる。

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オクサマがそうなんだけど、彼女は片手で運転できない。よってハンドサインが出せないし、走りながら給水もできない。給水するときは「水飲むから止まって!」と言い、道路脇に一時停止させられる。

彼女がなぜ手放しができないのか?バランスが身についていない、体重をハンドルにかけ過ぎている…等いろいろ理由はあると思うが、なにより体幹が弱いことが最大の要因だと思う。
※オクサマは体幹トレーニングに精を出しているところです

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両手放しができるとさらにできることが増える。(危険なので自分はしないけど)バックポケットからウィンドブレーカーを取り出して走ったまま着用できる。あと、長距離を同じ姿勢で走っていると肩や背中がこってくるので、両手を放して上体を起こし、腕を振ったり伸ばしたりしてストレッチができるのが地味に便利。

ただし、車の往来の激しい場所ではしないように。人様の迷惑にならない場所を選んでいただきたい。

3.【サイクリストが身につけるべきスキル】 “前を見て走る”

「前を見て走るなんて当たり前の話だろ」という気もしたが、動画でダンさんはその重要性に触れている。それだけ、「できているつもりでも、できていない人が多い」という意味なのだろう。

前を見るときのコツとして、「一定の距離に目線を固定しないこと」を挙げていた。たとえば30メートル先をじっとずっと見つめながら走るのではなく、コンスタントに目線の距離を変えること。100メートル先に現れるコーナー、10メートル先にある十字路があったとして、コーナーリングだけを意識しているのでは不十分。

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手前の十字路の安全を確認して通過しつつ、コーナーに備えなければならない。前を見るという表現よりも、きっと「目線を広くとって、周囲&遠近を常に観察すること」のほうがふさわしい気もする。

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走行方向に視線を送るのって当然ながら誰でも出来ているように思えるかもしれない。でも、目線って意外に進行方向に向いていないことも多くって、車道を走ることに慣れていない人は、右横を走り抜けていく大型車(バス、トラック)に気を取られ、目線が右寄りになって前方不注意に陥ることはあるあるな現象。
※初めて車道を走る方は、まず間違いなく右側にばかり気を取られてしまう。

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あと、ダウンヒルのコーナーは恐怖心が増す場所なので、慣れないうちは手前を凝視してしまい、本来進みたい方向を見ていないことがある。目線は常に進行方向に向けるようにしたい。


以上、「すべてのサイクリストが身につけるべき3つの基本バイク操作スキル」をお届けしました。ロードバイクトレーニング系の書籍を読んで、自分もさらに技術を磨きたい。