サイクリングに限らず、趣味の世界は興味ない人には不可解な世界である。

たかが◯◯◯ごときにそんな大金を払うなんて、バカじゃないの

というセリフは趣味に限っては禁句。それが大切に人にとっては、「たかがとか言わないでよ。俺(私)にとっては大切なんだから」ってことなので。

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自分は趣味(サイクリング)にお金はケチらないほうだが、服とか靴とかお酒とか家電とかインテリアにはほとんどお金をかけない。趣味嗜好もこだわりもないので、適当に安いものを買う。要するに、ほどほどに衣食住が満たされていれば満足してしまうタチなのだ。

自転車以外で唯一こだわるのは、、、パソコンくらいだろうか。仕事で毎日使うものなので、スペックだけは高めのものにしている。車も嫌いではないが、高級車にはまったく食指が動かない。プラスチックだらけの内装&ブワンブワンうるさいエンジンのパンダで大満足。

ただし、趣味嗜好は人それぞれ。他人の趣味が理解できなくても、否定はしたくないものである。

totalwomencyclingで、「サイクリスト以外の人にはなかなか理解されないこと23選(23 Questions Non-Cyclists Ask about Cycling)」という箸休め的な面白い記事があったので、翻訳して紹介してみますね。
※長いので前後編に分けます。

1 何時間も走り続けて退屈しないの?(Don’t you get bored of riding for hours?)

傍から見ているぶんには延々とペダルを回しているだけなので、そう見えてしまうのかもしれない。しかし、これが退屈しないし、飽きないのである。

どんな趣味でもそうだが、好きなことは何時間でもできてしまうでしょう。ゴルフだってスキーだって登山だってドライブそう。常に景色が変わり、坂をひーこら言って上ったり、快適に下りを楽しんだり、、、。グループライドなら道中の会話も楽しみのひとつ。

自分は、「サイクリングは低空飛行のタケコプター」だと思っている。スピード域的にもまさに空を飛ぶように空間移動できる。ドラえもんを観たすべての子供が、「タケコプターで空を飛んでみたい」と思ったはずだが、それが自転車でなら実現できる。タケコプターが飽きるはずがないのである。

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2 なんでわざわざ山に登るの?(Why would you want to ride up that?)

なるほど、山登りは確かにキツイ。上っている間、ひたすら「早く終わってくれ…」と祈る。なんでこんな苦しい思いをしているのだろうとも思う。1円の得にもならない。しかし、損得だけで語れないのが趣味でもある。

自分の限界を知れる。無心になって己に向き合い、戦うことができる。不甲斐ない自分の体力に自然界からダメ出しされる。そして、登り切った瞬間に味わう圧倒的な達成感…。薄汚れた社会人がピュアになれる瞬間はあまりない。それができる数少ない場所がヒルクライムなのだ。

そして、登ったあとは必ずご褒美が待っている。気持ち良い「下り」である(笑)。

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3 なんで雨でも走ってしまうの?(Why would you ride in this weather?)

自分はあえて雨天時に走ろうとは思わないし、大半のサイクリストがそうだと思う。ただ、前々から予覚して、あるいは泊まりででかけるイベントだと、少々の雨なら決行してしまう。はっきり言って雨天時のイベントは気が重い。

しかし、一旦走り出してしまうと、不思議と「走る前のモヤモヤ」は吹き飛び、それはそれで楽しくなってくるから不思議なものだ。一種のヤケクソ感だろうか、「こーなったら、雨でもヤリでも持ってこいや!わはははは」みたいな気分になれる。

2016年は3回エンデューロに参加(ツインリングスもてぎ、つくばサーキット、富士スピードウェイ)し、2回大雨に降られてしまったんだけど、今思い返すと、もっとも記憶に深く刻まれ、いまだに「あの雨はすごかったなー」と仲間と盛り上がれるのは雨のイベントだった。

ただ、雨のイベントやレースはスリップと転倒事故の可能性が格段にアップするので、ヤケクソとはいえど、いつも以上に安全運転は心がけてほしい。

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4 なんでストラバ使うの?(What’s the deal with Strava?)

サイクリストはわりとデータとか数値好きな人が多い。よって、ストラバ上であかの他人と勝負することを楽しむ人も多い。チャレンジ精神を刺激されてしまうというわけだ。

自分はタイムトライアルにはあまり興味がなく、人と競うこともしないタイプなのでストラバは使わない。ただ、それに興味がある人が多いのは理解できる。

ストラバではないが、個人的に楽しみながら挑戦しているのは「年間走行距離」で、毎年前年を越えようとは努力している。2010年に始めてから、3000キロが4000、5000、6000と伸び、今年は年間走行距離8000キロのペースである。来年は年間1万キロを目標にしようと思う。

メンテナンスノートにロードバイクとミニベロの走行距離をサイコンから読み取って記録し、足して、「6月上旬で3700キロ走ったか…ということは半年で4000記録だな。このペースを守れば年間8000キロだな…ムフフ」とか1人でほくそ笑んでいる。

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5 ピチピチのサイクルジャージとショーツって裸みたいなもんじゃないの(Lyrca? Are you serious?)

totalwomencyclingは女性に特化したサイクリングメディアなので、こういう質問が来るのだろうが、非サイクリストから言われる最も多い問いのひとつが、「そんなうっすいウェアだけで走るなんて、恥ずかしいでしょ。裸みたいなもんじゃん」であるらしい。

男性の自分ですら恥ずかしくて、いまだにビブショーツで走れないのだから、女性が躊躇する理由はわからないでもない。男性らからジロジロみられるんじゃないかって心配にもなるだろう。

ただ、サイクリングウェアは厚手のものもあるし、実際走るとすぐわかるが、専用ウェアはむちゃんこ走りやすい。さすが特化して設計されているだけあって、快適なのである。

ちなみにではあるが、先日ついにビブショーツを買ってしまった…。清水の舞台から飛び降りるくらい勇気が必要だった。サイクリング歴8年目にして、ついにビブショーツに挑むつもりである。乞うご期待。(オッサンのビブショーツデビューを楽しみにする人なんて、地球上にいないだろうが…)

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※もうすぐビブショーツデビューの予定

6 なんでふつうのソックスを履かないの?(Why not wear normal socks?)

自分も最初はユニクロのショートソックスで走っていたし、それでなんの問題もなかった。サイクリングソックスを使い始めたのは、たぶん5年くらい経ってから。ぶっちゃけ、どんなソックスでも問題なしである。

ただ、サイクリング専用のソックスを試して初めてわかったことなんだけど、フィット感、薄さのバランスはユニクロソックスとは違う。履いていて気持ち良いし、ペダリングもしやすい。

あと、たいていサイクリング系ウェアは派手なデザインとカラーなので、それにマッチするソックスはふつうの服屋さんではなかなか見つからないという事情もあったりする。

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7 サイクリングキャップって意味あるの?(Are those little cycling caps an actual thing?)

十分に意味がある。サイクリングキャップはずっと昔から使われており、その目的は大きく「目を日光から守る」と「額からの汗が目に入ることを防ぐ」ためである。

個人的にもずーーーっとサイクリングキャップは使い続けており、いまは二つのキャップを代わり番こで使っている。ヘルメットも頭がしっかりフィットしてくれるのも、キャップが気に入っている理由の一つ。キャップのあるなしでずいぶん違うものだ。

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8 ヘルメット被るのってダサい。本当に必要なの?(Helmets make you look stupid, are they necessary?)

ダサくない。むしろ、かっこいい。そして確実に安全である。まあ、ヘルメットに意味があるの?なんて疑う人は普通はいないけど。

ただ、髪型が崩れるからヘルメットはできれば被りたくないという女性ならではの悩みはわかる。しかし、ヘルメットを被らなければ、それはそれで風でボッサボサになってしまうだけ。どのみち崩れてしまうなら、かぶったほうが良いではないか。

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9 あそこが痛くならないのかしら(Doesn’t it hurt your foof?)

これも女性サイクリストが同性から聞かれる質問らしい。男性にも同様の問題はあるが、パッド付きショーツとかビブを着用すればまず問題ない。あとは慣れである。

万全を期すのであれば、3Dタイプの厚手のパッドがあるショーツを選ぶのが良いと思う。それでも解決しなければ、サドルを交換する…とかだろうか。

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※オクサマも履いてます

10 自転車で通勤すると、汗まみれになって気持ち悪くない?(If you cycle to work, don’t you get sweaty and gross?)

記事本文では、「べつにプロ選手のようにスピードあげまくりで走れば汗だくになるけど、通勤くらいなら大丈夫。大半のオフィスにはシャワーが常設されているし、適度なスピードで走れば汗まみれにはならないの」 って書かれていた。

イギリスの企業の多くはシャワー設備を備えているのだろうか…すごく羨ましい。社員が使えるシャワーがあるオフィスなんて、国内ではほぼ聞いたことがない。

のんびり走ってもそれなりに汗はかく。十キロ以内(片道)で平坦路であれば着替えなくてもなんとか大丈夫かしら。十五キロ前後かそれ以上の距離だと、どんなにのんびり走っても汗はかいてしまう。

ただ、シャワーがなくてもべつに問題なくて、タオル、着替えのシャツ、デオドラントの3点セットがあれば大丈夫。(スーツ通勤だとちと厳しいですが…)

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11 ってことは、ツールドフランス観ているんでしょう?(So you must follow The Tour de France?)

自転車好き、サイクリング好きだからといって、全員がツールドフランスフリークってわけじゃない。

スポーツって大きく「やるスポーツ」と「観るスポーツ」に分けられるんだけど、サイクリングは「やるスポーツの代表格」だと思う。特に女性はそう。乗るのが純粋に楽しいのであって、プロの世界には1ミリも興味がない女性の方が圧倒的に多い印象。

ちなみにオクサマはその典型で、フルームとかコンタドールとかサガンとか別府とか名前も顔も知らない。新城だけは知っているが、それは単に同郷(オクサマは沖縄、新城は石垣島)出身ならではの心理がそうさせているだけであり、名前以外に何か知っているかというと知識ゼロ。

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※ツールド栃木会場にて(名前のわかる選手がほぼゼロ…><)

まあ、偉そうに書いている自分ですら、海外情報はとんと無知だし、有名選手以外は名前も顔も知らない。有料チャンネルに加入してまでツールドフランス(とかジロ、ブエルタ)を観ようとは考えない。NHKのダイジェストで十分。

男の自分ですらそうなのだから、いわゆる一般女性ホビーライダーのほとんどはプロレースは関心がないと思う。


以上、totalwomencyclingのサイクリスト以外の人にはなかなか理解されないこと23選(23 Questions Non-Cyclists Ask about Cycling)の前半を翻訳し、コメントを添えてご紹介しました。


ちなみにであるが、ねとらぼでこんな記事を書かせていただいたら、とんでもないシェアがされてビビった。マニアックなネタなのでさほど拡散しないだろうとタカをくくっていたのだが、いい意味で期待を裏切られた。

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