2010年に買ったオクサマのミニベロ(ボードウォーク)が丸9年を迎えたので、「そろそろ買い替え時期かな…」という気がしている。折りたたみミニベロのわりにかなり持ったほうだと思う。

軽くオクサマのボードウォークに触れておくと…

  • ダホンの定番折りたたみ式20インチ(406)ミニベロ
  • フレーム材質はクロモリ
  • サイコンを付けていないので正確な走行距離はわからない
  • 年間走行距離は600kmくらいなので、たぶん5000~6000km前後

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カスタマイズはわりとしてて、

  • ホイールはFOLEX Pro
  • コンポーネントはアルテグラ(6700系の10速)
  • チェーンリング、クランク、シートポストはKCNCの軽量アルミ
  • フラットバーをブルホーンバーに交換
  • シフターはバーコン
  • タイヤはシュワルベのDURANO(28c)

総走行距離は1万キロすら届いておらず、まだぜんぜん乗れる。

今回は、オクサマの次期バイクは何がいいか考え、候補として挙がったstijncycles(ステインサイクルズ)Pegについて書いてみる。



ミニベロ好きなら耳にしたことはあるかもなメーカーだが、ふつうのロードバイク乗りの方は「なにそれ?」ってかんじかもしれない。

なお、オクサマはボードウォークで満足しており、買い替えを希望してはいない。自分が勝手に「Pegいいかも~」って思っているだけ(笑)。

蛇足だが、彼女は身長が146センチで背が低く、まともに乗れるロードバイクがほぼない。650cにすれば…と考えた時期もあったが、車種が限定的でホイールやタイヤの種類が少なく、700cと互換性もないので、「生涯、ミニベロに乗り続ける」つもりらしい。自分もそれが良いと思ってて、体のサイズに合った自転車で走ってほしい。

前フリはこれくらいにして、stijncycles(ステインサイクルズ)へ移りましょう。

目次


stijncycles(ステインサイクルズ)ってどこのなんていうメーカー?

2007年に創業したベルギーのブランドで、ミニベロの中でも新参者なほう。MTBダウンヒルのベルギーチャンピオンになったこともあるステイン・デフェルム氏が立ち上げた。日本にやってきたのは2018年。

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※画像引用元は公式サイト

ロードレース、シクロクロス、MTBクロスカントリー、ダウンヒル、BMXレーシングなどなど、多岐に渡る経験をお持ちで、世界選手権やワールドカップにも出場している有名な方らしい。学生時代から設計を学んでいて、引退後に工業デザインを学び、多くのメーカーの研究開発・品質管理を担当自転車の設計者として活動してきている(※Birdy のモノコックも手掛けたそうな!)。

なお、奥さんは日本人。


stijncycles(ステインサイクルズ)の日本語の字幕もついたわかりやすい紹介動画もある。

stijncycles Peg - short introduction -



Peg(ペグ)ってどんなミニベロ?

ぱっと見はドロップハンドルで折り畳まない20インチミニベロ。ロード用コンポーネントが組み込まれた仕様で、完成車はシマノの105になる。

シクロクロスやダウンヒルやってた元選手がなんでわざわざミニベロを?と思ったが、どうやら最初からミニベロを作ろうとしていたわけではなく、「自分が乗りたい、パフォーマンスを妥協せず、持ち運びしやすい自転車を開発したい」って思想で作っていったら、結果的にミニベロに帰結したそうな。

ラインナップは
  • フレーム単体
  • 105完成車
  • シングルスピード

があるが、シングルスピードはキャラが異なるのでこの記事では割愛する。

Peg(ペグ)の特徴

1.ロードバイク並みの走行性

様々なサイクリストやプロ選手にテスト走行してもらい、ロードバイク に引けを取らない走行性を実現している。もちろん、絶対的なスピードは同じにはならないものの、ジオメトリ的にはロードバイクのそれそのもの。

ちょっと異なるのは、「700cロードより荷重をやや前にかける」ことでハンドリングを安定させていること。

加えて、多くのミニベロロードがジオメトリを700cのロードに寄せていっているのに対し、Pegはレースバイクとしては初めて20インチミニベロ専用のジオメトリを創り出した。
※小径ホイール専用ジオメトリー(S.W.S.ジオメトリー = Small Wheel Specific Geometry)と呼ばれる。

2.ダウンヒルが得意

荷重を前目にすることで軽快なハンドリングを実現。登りでは他のミニベロと変わらないが、ダウンヒルでハッキリした性能差を感じることができる。このへんは選手時代の経験が活きているのかなと思う。ぜひ試乗してみたいものだ。

3.フレームもフォークも素材はあえての「アルミ」

フレームは軽量な7005番でフォークは6061番なのだが、アルミを選んだ理由は「コンパクトなミニベロのフレームには高い剛性が求められ、カーボンにすると剛性確保のために分厚くなってむしろ重量増になるから」らしい。なお、7005番のアルミはタイレルのCSIと同じである。

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※画像引用元は公式サイト

フォークも同じくアルミ製だが、こちらは6000番台のものが使われている。

開発中の3年間で試したフレームの数は10種類、フォークに至っては12種類。テスト走行距離は12,000km……と試行錯誤の痕が伺える。

105の完成車重量で7.9kgとミニベロロードにしては十分な軽さだ。アルテグラ、デュラエースにすればまだ軽量化を図れる。

4.向かい風に強い

前面投影面積を極限まで削ぎ落とし、エアロ効果を出している。とくに向かい風にめっぽう強いそうだ。下りの安定性に加え、平地での巡航も得意。

5.ブレーキがディスク

機材に目を向けると、真っ先に目を引くのは160mmの機械式のディスクブレーキ(TRPのSpyre-C)だ。機械式ディスクブレーキはふつうは(片側のパッドは固定、もう片方のみが動く)「シングルピストン式」であることが多い。TRPのSpyre-Cは油圧では一般的な「デュアルピストン式(対向ピストン式)」で、こっちのほうが片減りしないし、タッチの操作感もベター。機械式にもかかわらず、制動力はなかなかのものと聞く。

コンポは5800系「105」と十分なスペック。ケーブル類はフレーム内装式。



ディスクブレーキのおかげで、ホイールは451も406も選択可能。性能を追求するなら451ホイールを選択しよう。406ホイールなら40mm幅までのタイヤを装着できる。のんびり走るならこんな選択肢もあるということで。(451ホイールは28mmまで)

6.対応身長サイズの幅がびっくりするほど広い

なんと、1つのフレームサイズで身長145~200センチ(サドル高50cm~82cm)に対応できる。オクサマの身長が146センチなので、問題なく乗れる。

にわかには信じがたいのだが、じつはボトムブラケットとシートチューブの接合部分がオフセットしていることが理由で、こう設計にすることでシートポストがフレームを貫通でき、調整範囲が広く取れるわけ。

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※画像引用元は公式サイト

折りたたみ式ミニベロだと当たり前だけど、折りたためないバイクでそれをするって珍しい。つまり、輪行の持ち運びやすさと走行性を両立している。

Peg(ペグ)のネガポイント

1.お値段がまあまあ高め

価格は105完成車で250,000円(税抜)とけっこうする。タイレルと同等といったところか。フレームとホールセットにすれば198,000円(税抜)になるが、ここからコンポや他のパーツを揃えていくと30万円近くになるので、105完成車がベストな選択肢かな…。

ただ、Pegをミニベロと考えずに小径ロードバイクとして見れば、納得できる価格であるのも事実。ハンドル、ステムはFSAだし、サドルがチネリ製でフロントタイヤの上のラックは標準装備となる。人とかぶらないバイクをほしい人にはなかなか良い選択肢になる気がする。

2.国内での取扱いショップがまだ少ない

2019年11月時点で18店舗。正直、かなり少ないかしら…。しかし、取扱代理店のポディウムさんは公式サイト内で「リストにないお店でも、お取り寄せできる場合があります。お近く自転車店にご相談いただくか、代理店の株式会社ポディウムへお問合せください」と書いている。

お世話になっているショップが取り扱っていなくても、もしかしたらチャンスあるかも?気になる人はショップとポディウムさんに問い合わせてみよう。

株式会社ポディウム / PODIUM Co.Ltd.

  • 奈良県奈良市北之庄西町2-8-15
  • CINELLI、COLUMBUS、BOOTLEG、SANMARCO、CARRERA、CAMPAGNOLO、TIME、ORBEA、ORCA、HUTCHINSON、DE MARCHI、GAERNE、RUDYPROJECT、SPORTSBALM、3ACTION、BKOOL、LIGHTWEIGHT

ポディウムさんのお問い合わせフォームはこちら

Peg(ペグ)で輪行はできるの?

可能。なにしろ、デフェルム氏の「パフォーマンスに一切妥協することなく、旅行や持ち運びに適した実用的なバイクを作る」が開発の原点なので輪行するのは想定内。

付属される5mmアーレンキーでエクステンションコラムをフォークコラムから外し、シートポストを下げる。(下げないとチェーンリングが地面に触れてしまう)

フロントホイールを外してフレームに固定するだけ。折りたたみ式ミニベロよりは手間がかかるが、前後ホイールの脱着を要するロードバイクよりは楽。


※こんなふうにキャリアの装着もOK

タイレルのCSIとstijncycles(ステインサイクルズ)Pegの比較

タイレルのCSIと比較検討する人がどれくらいいるかわからないが、価格も似ているし、ミニベロロードってキャラもかぶるのでいちおう載せておくと…

◇ フレーム価格

  • Peg 198,000円(税抜)
  • CSI 177,000円(税抜)

◇ 105完成車の価格

  • Peg 250,000円(税抜)
  • CSI 290,000円(税抜)

あれ?Pegのほうがフレーム価格が高いのに完成者だと安いって感じるのは、Pegはホイールもセットだから。CSIは別。そう考えると、CSIよりはちょっとお得な買い物になりそう。

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※CSIです

あと、見落としそうになるが付属品もPegは充実しており、「ラック、輪行カバー、輪行用カートンボックス、5mmアーレンキー、輪行用チェーンテンショナー、輪行用ベルクロストラップ×8、パッキング用スペーサー」が付属される。ラックとカバーだけでも、普通に買えば1万円以上するわけで、これはかなりお得。

◇ 重量(ペダル含まず)

  • Peg 7.9kg
  • CSI 7.5kg

CSIの特徴であるカーボンフォークとカーボンバックのおかげだろうか。400グラムの差がある。

CSIを検討する人にとっては、選択肢が増えたわけでいいニュースではないでしょうか?最後に、細かなスペックも載せておきます。

◇ スペック

ステインサイクルズ Pegロード(フレーム単体)
  • フレーム:AL7005アルミ製専用トリプルバテッドチューブ
  • フォーク:AL6061アルミ製専用トリプルバテッドチューブ、1-1/8″- 1-1/2″
  • ブレーキ:フラットマウント・ディスクブレーキ 160+160mm対応
  • ホイール:100 & 135mm 6ボルトディスクハブ、451×28タイヤ + 軽量チューブ、ディスクブレーキ
  • 価格:198,000円(税抜)

ステインサイクルズ Pegロード(105完成車)
  • コンポーネント:シマノ105(5800)
  • ブレーキ:TRP Spyre-C フラットマウント・ディスクブレーキ 160+160mm
  • ハンドル:FSA
  • サドル:チネリ
  • 重量: 7.9kg
  • 価格:250,000円(税抜)

なお、どちらを買っても

  • ラック
  • 輪行カバー
  • 輪行用カートンボックス
  • 5mmアーレンキー
  • 輪行用チェーンテンショナー
  • 輪行用ベルクロストラップ×8
  • パッキング用スペーサー

が付属される。

日本国内のカラーはメタリックフレークホワイト(左)とペトロールグレー(右)の2色が展開。海外はもっとあるっぽいが。


※身長148cmらしき女性も乗っている

今すぐ買うことはないですが、将来のオクサマ用ミニベロとして候補に入れておきます。

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