平地専門サイクリストだったオクサマが、奥日光、筑波山、太平山、物見山などを走っているうちに、すっかり山好きオバサンになってしまった。

人間、何事も慣れであるという良い例である。

いつか子の権現坂とか白石峠にも連れて行ってみたいのだが、たぶんまだ早い。埼玉県内でちょうどよい秩父の山はどこだったかな…と考えて思い出したのが、定番ヒルクライムコースの「定峰峠」。

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ということで、定峰峠越えをして100キロ走るライドにオクサマを連れて行きましたので、そのレポートです。

定峰峠とは

定峰峠とは、東秩父村にあり、比企郡小川町へと抜ける峠道で埼玉県内のサイクリストには有名な場所。白石峠、奥武蔵グリーンラインともつながっている。 ちなみに白石峠の斜度はもっと厳しいので、今回はパスしておいた。

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定峰峠の最大斜度は7.8%。平均は5%ちょい。斜度は割とマイルドで変化が激しくなく、淡々と登れると評判。5キロと短めなので、初めてのヒルクライムにも適している。

そういえば、2013年に自分が初めて(ダホンのMuで)ヒルクライムに連れられたのが定峰峠だった。
※登り方のコツを全く知らなかったため、けっこうキツかった記憶がある…


斜度とかコース特徴が詳しく書かれた記事で、参考になります( ◠‿◠ )

「定峰峠(東秩父村側)」~初心者から上級者まで楽しめる楽しい峠~(比企・奥武蔵CYCLE情報局)

定峰峠はミニベロでも普通に登れます

オクサマはダホンのボードウォーク、自分はタイレルのCSIで走る。

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組んだルート(108キロ)は以下のとおり。

入間市駅

日高市

越生

小川町

東秩父村

定峰峠

降って秩父市内へ

飯能

入間市駅


行きは登り基調、帰りは下り基調。全行程で108キロ。ヒルクライム付きで100キロ超えはオクサマは未体験ゾーンだが、なんとかなるでしょう。
※ビビらせたくなかったので、「峠を越える」とは伝えなかった

なお、入間市駅周辺のコインパーキングに駐車したのだが、終日駐車で700円前後だった。こんなものかと。

小川町までは緩やかな登り基調

多少のアップダウンはあるものの、越生まではゆるい坂しかないのでわりと楽チン。オクサマも余裕の表情。

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25キロ地点のときがわのコンビニで小休止し、補給食をつまみ、東秩父村を目指す。小川町を経由して行くのだが、道中にきつい場所はなく、景色を眺めながら走れるくらい。

ただし、休日だからか、交通量はそれなりにある。あと、トラックやダンプカーもけっこうな台数に出会った。片側1車線なので、それになりに気を遣う。

東秩父村からも緩やかな坂が延々と続く

息が上がってしまうほどではないが、終わりの見えない坂が延々と続くゾーン。定峰峠のスタート地点に着くまでもずっと登りである。

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…この坂、なかなか終わらないわね

「そうね。(峠を)越えたら秩父市だよ。もうちょい辛抱」

越えるって、目の前にあるあの峠のこと…?

「うん」

先は長いわね…

「焦らず、マイペースでいきましょう」


励ましながらゆっくり坂を登る。

※注意点※

飲み物は峠に入る前に購入しておきましょう。坂にばかり集中していると、ボトルの残量を忘れてしまう。夏場の峠越えをボトル一本で試みるのは得策ではないです。

自分は、小学校や公民館、市役所、村役場、郵便局等が道中にあるかを事前に地図アプリで探しておく。「それらがある場所=それなりの人口がある=自販機がある」という目安ですね。

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/ いったん登ると、もう自販機はない \

定峰峠は序盤がキツめで、徐々に緩やかになる

定峰峠は平均斜度が5%ちょっとで比較的マイルド。うれしいことに、序盤にキツめの斜度が来て、登り進めるに連れて緩やかになるのでペース配分がしやすい。

しかも、定峰峠は2015年春に舗装工事が施されているそうで(上記リンクの情報)、そのおかげで路面がキレイ。これ、地味にありがたい。

というのも、路面が荒れた状態でのヒルクライムはそれだけで神経を使うんですよ…。ガタゴト乗り越えるときのショックで疲労も増す。路面が整っているだけで、その坂が好きになってしまうほどだ。

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ただ、峠の交通量もそこそこあって、オートバイとスポーツカーでツーリングされる方々のも多い。ちゃんとキープレフトで登りましょう。(カーブで横着なライン取りをすると、マジで命取りになります)

定峰峠を登ってみての感想

想像より遥かにラクに登れたのが驚きだった。前に登ったのが4年前(2013年)で、当時は20インチ(406ホイール)のダホンMuだった。同じ20インチとはいえ、 タイレル(Tyrell)のCSI は451ホイールだし、重量はMuより1キロは軽い。

今のほうがずっと楽をさせてもらえるバイクではあるのでそれを差し引かねばならないが、「スイスイ登れた!」のが第一の感想。初の定峰峠は相当苦しかった記憶なので、ちょっとうれしい。

この4年で登りに慣れたというのもあるけど、それ以上に8月6日から始めたダイエットの効果が大きい。腹回りの重量が2キロほど落ちたせいで、ペダルがクルクル回った。体重落とすって、効果てきめんですね…。

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オクサマ

それぞれのペースで登ったので、オクサマはやや離れてしまったのだが、彼女も時間をかけてゆっくり、しかし足は着かずに登頂できた。

私でも楽しく登れた!筑波の不動峠や太平山は距離こそ短いけど、定峰峠よりずっとキツかった

ですって。それはよかった。筑波山(茨城)と太平山(栃木)はどちらも3キロそこらで、定峰峠は5キロ。登っている時間は定峰峠が長いが、斜度的に一定に近かったので、それもあったのかもしれない。

ただ、いつ終わるか全くわからないのはヒルクライムではストレスだね…。コーナーを曲がっても曲がっても坂が待ち構えていると、心が折れそうになる(笑)

走行距離、コースプロファイル、所要時間は登り始める前に共有していこうと思った。

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峠の茶屋からはひたすらダウンヒル。秩父市内を走り、昼食は「からあげ きすけ食堂」で。

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メイン料理にサラダバー、カレー、ドリンクが付いて980円とお値打ち。外から見ると、「狭そう」に感じるけど、入ってみると奥行きがあって過ごしやすい。なんとなくだが、沖縄にある料理屋さんなトロピカル感があってよかった。

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入間市駅まではひたすら国道299号線を走る。この道を走るのは初めてだったんだけど、「基本は下り基調だろうし、少々のアップダウンこそあれ、ラクに走れるのではないか」と想像していた。

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事実、登り3、下り7くらいの比率で気持ちよく走れる。しかし、振り返るとオクサマがいない。下りが苦手(怖いらしい)なのを忘れていた。走っては待つ、を繰り返したので想定以上の1.5倍の時間がかかってしまった。

長めの正丸トンネルが鬼門か

正丸峠まではやや登り基調。飯能市と秩父郡横瀬町の境界にある峠(標高636m)で、Wikipediaによると、江戸時代に江戸と秩父と結ぶ道の一つとして秩父札所巡礼などに用いられたらしい。

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で、その峠を越える山頂部分に、2キロ弱というやや長めの「正丸トンネル」がある。「2キロか…長いな」とは思ったものの、自転車進入禁止サインはなかったし、迂回のしようもないので行くしか無い。
※後日、迂回路の存在を知った…あったんだ…

トンネル内は狭い片側一車線で自転車の通行帯はなく、しかも道路中央に分岐用のポールが立っており、車が自転車を追い越しにくい構造になっている。ダメ押しとして、路肩が凸凹の構造になっているので、高速で走るのがとても怖い。

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走り終えて、オクサマを待つ。数分後現れた彼女は、

「死ぬほど怖かった…」

と話しており、申し訳ないことをした。次回以降は迂回路を通ろうと決心した。正丸峠を自転車で通過するサイクリストも多いと思うが、慣れていない人、女性は迂回路を使うほうが良いと思う。


正丸トンネルはこんなかんじ。自転車通行禁止を示す標識はない。 バッテンマークのサインは「駐停車禁止」を意味する。 

正丸トンネル
/ Google ストリートビューより \


正丸トンネルの次に現れたのが、「吾野(あがの)トンネル」。

吾野トンネル2

570メートルと短いが、明確に「自転車進入不可」の標識があったので、示されていた迂回路を通行。吾野トンネルは2015年に開通された比較的新しいトンネルだそうで、Google ストリートビューを見たら工事中(2014年の画像)だった。

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/ 直進できないので、右折して迂回 \

道路幅員が狭く大型車のすれ違いができない箇所やカーブが連続する箇所だったらしい。その旧道を自転車は走らねばならないが、迂回しても大した距離ではない。

その後は下りメインでたいして体力を使うこともなく、無事に入間市駅に帰着。秩父と飯能の間の数カ所のトンネルだけが危険だけど、それ以外はじつに楽しいサイクリングでした。

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山に苦手意識がある人は、ヒルクライム関連の書籍&ムックを読んでみるのもいいかもです。

「本格的なヒルクライムはちょっとな~、でもやってはみたいんだよな~。どっか優しすぎず、キツすぎない適度な坂はないかな~」という方、定峰峠がオススメですよ。(*^^*)


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