皆様は何台の愛車を持っていらっしゃるだろうか?もちろん、自転車限定の話であって車やオートバイはカウントしない。

非サイクリストさんからは、「自転車なんて1台で事足りるでしょう。なんで2台以上必要なの?おバカさんなの?」と不思議な顔をされるのだが、サイクリストならわかるはず。

「シチュエーションや目的別に乗り分けたいの!」

である。

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靴だってそう。ジョギングと冠婚葬祭では求める機能もデザインも材質も何もかも違う。そういうことである。

自分はすでにロードバイクを1台、ミニベロを1台所持しているのだが、少なくない金額をカスタマイズに投じた結果、愛着がわきすぎて「ちょいと気軽にそこまでお出かけ…」ができなくなってしまった。

先日、自転車でJリーグ観戦できないものかと大宮アルディージャのホーム、NAC5スタジアムを視察してきた。検証の結果、条件付きでアリだと判断した。その条件とは「下駄的に使えるお安めの自転車」であること。盗難リスクはなきにしもあらずでしょうからね。

クロスバイクではなくミニベロにした

理由は収納場所問題があるから。自転車を屋外保管するのは下駄車であっても許せない。雨ざらしなんてもってのほか。屋内にはもう置き場所がないので、クロスバイクの選択肢は自然消滅。

使い方としては、カスタマイズはしない(お金をかけない)ですっぴんで乗る。Jリーグ観戦以外にも日常の(駐輪が伴う)買い物やお出かけ。スピード性能は求めないが、輪行のしやすさは譲れない。

ということで、消去法でミニベロになった。機動力で劣るが、輪行を組み合わせれば問題ないだろう。

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/タイレルのIVEです\


下駄用ミニベロに求める条件は…
  • 本体で7万円台」: なるべく安く抑えたい
  • 7段以上のギア」: 平坦な南関東とはいえ、陸橋とかそれなりにアップダウンはあるので
  • 11キロ以下」: 輪行も積極的にしたいのでなるべく軽く。できれば10キロを切りたい
  • 小さく収納できる」: パンダのトランクに常備させる。たまに家に持ち込むかもしれない。よって、トランクスペースを丸々埋めてしまうサイズにはしたくない

で、この4つの条件を見て、ミニベロ好きならすぐ気付くはずだ。「全部を満たすミニベロなんてないだろ」と。その通りなのだ。

まず、完成車で10キロ以下のミニベロはすでにかなり優秀。優秀ということはコストもかさむ。あるいはシングルギアになってしまい、7段の条件に引っかかる。あちらが立てばこちらが立たず状態になるわけ。よって、何かを捨てなければならない。

まあ、何はともあれダホンの中からハイスペックバイクを除き、候補を探してみた。(※価格は税抜き)

Dove Uno

51,000円と価格クリア。重量は衝撃の8.8キロ。ミニベロで8キロ台はすごい。デザインも可愛いし、14インチなので折りたたむとかなり小さくなる。(公式サイト

しかし、UNOの名称からわかるようにシングルギア。平たい埼玉県と東京メインでの使用といえど、登坂性能は譲れないのでパスせざるを得ない。

Dove Plus

Dove Unoの上位版ですね。78,000円という価格はややお高め。これもタイヤは14インチ。カラーはオプシディアンブラック、プレミアムゴールド、コズミックブルーとお洒落な選択肢がある。(公式サイト

これの特徴はなんといってもその軽さ。なんと6.97キロとダホン史上最軽量。たいていの完成車ロードバイクよりもぜんぜん軽い。これは輪行しやすかろう。

ただ、軽さの理由はシングルギアだから。「Plusと書かれた上位版だから多段化されているのでは…」と一瞬でも思ってしまったのだが、そうではなかった。よって却下である。

ボードウォーク D7

60,000円でコスパ高し。ダホンの中で性能とコストのバランスが最もいいのがこれだと思う。(公式サイト

細身のクロモリのシルエット、7段ギア(シマノのTourney)、豊富なカラーラインアップ、すっぴんで乗ってちょうどいいシンプルなデザイン。12.3キロという重量はちょいとばかり重めだが、ギリ許せちゃう。

だが、すでにオクサマ車として家にあるのでわざわざ2台目も同じにする理由がない。よってさようなら…。

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ただ、ボードウォークは個人的にすごくおすすめ。「初めてミニベロを買うので予算は抑えつつ、でも長く付き合えるバイクがいい」という人には迷わずボードウォークを推す。オクサマのは2010年に買って、今でもバリバリ現役です。

Speed Falco

82,000円か…。一気に予算オーバー。クロモリフレームで8段(シマノのAltus)なので悪くない1台だが、やはり高い。(公式サイト

あと、451の20インチであるためサイズが大きくなってしまうのもマイナス要素。よって候補から外した。

Horize

79,000円。税込にすると8万円を越える(ディスクブレーキ仕様は90,000円)。うーん、性能には疑いの余地がないんだけど、予算的になあ…。(公式サイト

あと、20インチ(406)だと折りたたんでもそこそこ大きいので、パンダのトランクを9割を占めてしまうのよね…。車内保管する以上、少しは余剰スペースを作っておかないと「荷物がぜんぜん載らんやんけ」とオクサマに叱られる。

いったん保留。

Ciao

HorizeとSpeed Falcoよりはちょい安くて74,000円。Tourney装備なので7段あり、見た目によらず12.1キロと許せる重量感。(公式サイト

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しかし、女性のタウンユースを意識したママチャリ的なルックスが好きになれないので即却下。あと、折りたたんだときにけっこう大きそうな印象であるのもマイナス。

Dash系(AltenaとP8)

価格も高めだし、折りたたむのにやや手間取るので、候補外。

Lock JAWシステムの固定力は魅力ではあるが、そこまでガンガン走らせるわけでもないので、その辺の性能は二の次なのだ。

Route

唯一の5万円以下となる49,000円。価格は合格。シマノのTourney(7段)のリアディレイラー、12.1キロの重量もまあ許せる。(公式サイト

安いから重い…わけではなく、ボードウォーク D7よりわずかながら軽い12.2キロ。(ボードウォークは12.3キロ)

ルックスはこれといって目を引かないのと、20インチなのでトランク埋まっちゃう問題は残る。でも下駄車にはちょうどいいんだよな…。

ということで、これもいちおう候補。

Curve D7

69,000円とギリ6万円台(税込で7万円台だが)。16インチならではのかわいらしいデザインで、デフォルトで泥除けとキックスタンドもついてくるのはポイント高し。7段変速(リアメカはシマノのTourney)でありつつ、11.6キロはけっこうがんばっているのでは。

14インチでは物足りない、20インチはやや大きい…そんな隙間を絶妙に埋めてくる16インチミニベロ…悪くない。(まあ、ホイールベースがわりと確保されているため、折りたたんだ姿は20インチと大差ないのだが)

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よって、今のとこ最有力候補がこれ。



やれやれ、RouteとHorizeで悩んだけど、Curve D7というステキな選択肢があったじゃないか、これで決定だな…と思いかけたところで、お世話になっているショップの大将から


中山さんの用途なら、EEZZ D3がベストじゃない?

と待ったがかかった。

「そりゃああEEZZ D3はデザインは大好きだよ。折りたたんだサイズはダホンの中でトップクラスに小さいし、16インチも魅力。あと、なんといっても独特の縦方向のフォールディング機構がたまらない」

重量は9.8キロだから輪行もしやすいよ

「でも、定価で13万円もしちゃうから予算オーバーなんだよね」

そう、EEZZ D3 は定価で130,000円もしちゃうのだ。独特構造ゆえ、開発コストを回収せねばならないというメーカー事情がある。それは理解できるが、さすがに三段変速の近距離専用ミニベロの価格として破格すぎる。

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もちろん、モノとしての良さに疑いはない。3段ギアなので機動力はそこそこあるし、速くはないが坂もいける。チェーンリングは39Tでカセットスプロケットは9、11、13Tというユニークな組み合わせ(たぶん、EEZZ D3だけだと思う)。

もともとデザインが大好きなミニベロで、コスト度外視だったら迷わず選びたいのがEEZZ D3だった。唯一のネックがボードウォークが2台買えちゃうプライスタグ。



2017年のアウトレットモデルが25%オフでちょうどお店にあるんだけど

「え…?(トクン…)」

税込みで105,300円

「…だめ、誘惑しないで…」

2018年モデルにはもう存在しないイエローたよ

「よ、余計なこと言わないで…!」

…ずっと、欲しかったんでしょう…?

「……(コクリ)」

Curve D7で確定したのではなかったのか?Routeが下駄車としてベストとほざいていた舌の根も乾かぬうちにEEZZ D3とか何を抜かしているのか?突然現れた刺客に自分はどうなってしまうのか?

続報を待て!

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次回予告:「欲望に流されたオレ氏、土壇場でEEZZ D3に心変わりするの巻」


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