バトンホイールに使っているタイヤはシュワルベワン(SCHWALBE ONE)。451サイズの23cタイヤとして貴重な存在だ。というのも、20インチホイール(451も406も)で、23cの細さのタイヤはほとんど市場にないから。

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これまで、ミニベロでは28cか23cばかりを履いてきて、ちょうど中間の25cの選択肢がほぼなかった。(自分の知る限り)

2010年〜2016年秋までずっと28c。23cを使い出したのは、シュワルベワンが初めて。できれば25cを選びたかったが、なかったのでもう1段細い23cにしたというわけ。

今のタイヤの交換時期になったとき、23cを履き続けるか、それとも28cに戻すか?ということも含め、20インチ(451ホイール)ミニベロで23cタイヤを7ヶ月間使ってみた感想を書きます。

シュワルベワンってどんなタイヤ?

インプレの前に、そもそもどんなタイヤ化説明しておくと……ラルフボール社(ドイツ)が展開するタイヤブランド。シュワルベ(SCHWALBE)はドイツ語で「ツバメ」という意味だそうな。ロードバイクだけではなく、ミニベロやMTB用も製造している。

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2014年まで存在したULTREMO(アルトレモ)という上位版モデルがあったのだが、こいつの評判が悪く、「すぐに劣化する」、「サイドウォールが速攻で割れる」…という悲鳴を周囲で何度も聞いていた。そのため、アルトレモにはずっと手を出さないでいた。

シュワルベワンはその改良版である。“抜群の転がり性能”と“最高の耐久性”を実現した「ワンスタートリプルコンパウンド」を採用し、 「Vガード」とのマッチングで高レベルの走行性能を実現している…そうだ。要するに、シュワルベが本気を出して作ったフラッグシップタイヤである。

重量は175グラム。デュラノ(20×11/8 451 ワイヤービード)が255グラムなので、80グラムも軽い。両輪合わせると160グラム!タイヤ交換だけで一気に軽量化が進んでしまう。

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なにしろ速い。しかし、路面に気は遣う

23cのメリットとデメリットははっきりしてて、巡航スピードは速いけど、路面の凹凸や割れ目、轍には注意が必要。まあ、ロードバイクと同じ細さなので、当然ですね。

ミニベロならではのほんわか感とかポタリング感はなく、「速く走らねば!シャカリキに回さねば」という気持ちになる。リラックスして走る気持ちになれず、どうしてもロードに乗っている時と同じ緊張感、高揚感を味わうことになる。

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下りもかなりスピードが出てしまうので、意識して小刻みにブレーキをかけてしまうレベル。でも、20インチミニベロでの下りはロードバイク以上に気をつけるべし。安定性に劣るので、ハンドリングはぐらつきやすく、路面の小さなコブに乗り上げたりすると、ポンと手が外れてしまいそうになることも。

同じ時速30キロで下っているとして、タイヤの直径が小さいぶん、タイヤは高速で回転するしね。

23cで走ると、速く走れるけど、ミニベロの限界を超えてしまいそうになる瞬間もあるので、ご注意あれ。

ヘアピンカーブのグリップが気持ち不安

同じ23cでも、ロードバイクでは安心して曲がれるコーナーが、ミニベロだとちょっぴり不安。前輪がグリップを失って、ステーンと倒れてしまいそうな不安に襲われる。

ちなみにここで指しているコーナーとは、つづら折りダウンヒルでたまに見かける、急激な180度のヘアピンカーブの話。街中で見かけるふつうのコーナーでは何の不安もない。

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※23cなのでかなり細身のルックスになる

28cを履いていた頃は安心してバイクを倒すことができていたような気がする。

まあ、23cでも一度も倒れたことはないし、滑ったことすらないので、気分の問題ね。これはタイヤの太さだけ原因じゃないので、シュワルベワンのせいだけではない。タイヤ径もおおいに関係してはいると思う。

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※こちらはデュラノ。28c相当なので、それなりのボリューム感


圧倒的なカッコよさ

シュワルベワンを実際に装着させてみるまでは、「ミニベロに23cなんて、おおげさかなあ、やりすぎかなあ」と躊躇したのだが、やってみたら正解だった。むちゃくちゃカッコいいからである…。

美醜の感覚は個人差あるし、絶対的正解は存在しないので、個人的な主張になるけど、スポーティなバイクであればあるほど、細いタイヤを履かせたほうがシュッとします。不思議なもので、タイヤが太いだけで(ほんの少しではあるけど)鈍重なルックスになってしまうのよね。

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23cを履かせた瞬間に、けっこうよく走るミニベロが、ミニベロロード、つまりタイヤ径だけが小さくロードバイクに返信するかんじ。

タイヤ交換って、もっとも安価で手っ取り早く、しかも効果をたいかんしやすいカスタマイズ。ホイール交換はそりゃあいいですが、まずはタイヤをワンランク上にする、ちょっと細くするから始めるといいかなと。

気になる劣化スピードは?

シュワルベワンの前身のアルトレモはけっこう悪評が高かったようで、周囲で良い評価はあまり聞かなかった。それもあってアルトレモは短命でおわり、シュワルベワンに進化したのだと思う。

これまで、デュラノ(28c)は4,000キロを越えるくらいまでは使えていたので、そこまではいかないにしても、まずは3,000キロが目標。3,000キロ以上走れたら御の字。2,500キロで終わったら、「えーーー、高かったのに…」と落ち込む。

自分の年間走行距離は6,000キロで、ロードバイクとミニベロがそれぞれ半々くらい。3,000キロもってくれれば、ちょうど1年間走れることになる。1年間楽しませてもらえるなら、少々お高くはあるが、シュワルベワンを使い続けたい。

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2016年8月から使い始めて、2017年3月下旬時点(つまり丸7ヶ月)で2,000キロ走った。劣化具合はたいしたことなく、まだ目立った磨耗はない。サイドウォールにひび割れなども見られない。ちなみにパンク歴はゼロ。まだまだいけそうだ。

話は逸れるが、パンクするかしないかの分かれ目って運よりも、日頃の心がけのほうがはるかに大きいと思う。乗る前にフロアポンプで規定値(フロント7.0 bar 、リア7.5 bar)までしっかり入れる。面倒くさがらず、習慣化すること。あと、タイヤに異物がハマっていないか、目視でときどきチェックする。それで充分。

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BOMA の Refale ではパナレーサーのRace L という軽量タイプを、タイレル(Tyrell)のCSI にはシュワルベワンを、どちらも軽量タイプなので、理屈で言えばパンクリスクはやや高いタイヤ。なのに、このふたつのタイヤでパンクを一度もしていないことが、習慣の大切さを証明している。

まとめ:ロードバイクで23cに慣れているなら問題なし

シュワルベワン(というか、20インチタイヤ全般)の欠点はヘアピンカーブでの急激なコーナーくらい。路面状況に気を配るのは、23cタイヤでロードバイクに乗っている人には当たり前の習慣なので、すでにロードユーザーなら改まって心配することはない。

ミニベロをロードのように軽快に走らせたい人、長い距離を速く移動したい人には、シュワルベワンは強くオススメできる。

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「23cはどうしても細すぎるな~」とか、「シュワルベワンは良いんだけど、単価が高いんだよな~」という場合、28c相当のデュラノを推したい。コスパもよく、走りと耐久性がバランスよく両立するタイヤだ。

デュラノは、ミニベロで5年以上お世話になり続けたタイヤだし、シュワルベワンの前はずっとデュラノだった。オクサマのボードウォークはデュラノを履かせている。オクサマも「100キロのロングライドが快適!よく走るわ!」と喜んでくれている。

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※オクサマは406のデュラノを履かせています


追記: シュワルベワンが23c から 25c に変更される!

これまでのシュワルベワンは23c だったのが、今後生産されるモノは25c になる。そんなウワサがサイクリストの間でささやかれていたので、代理店の公式サイトを調べたらたしかに本当だった。なぜ23c を廃止するのか、理由はわからない。(お問い合わせフォームから背景をお尋ねしたが、返事はない)

23cが欲しい人は、市場に出回っている分しか存在しないので、早めに買い付けておくほうがいい。自分は「25cでもいいし、むしろミニベロにとってのベストバランスは25cじゃないか」と思っているので、べつに23cを買い占めようとは思わない。

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ただ、1点気になるのが、デュラエースのキャリパーブレーキを解放しただけで、空気を抜かずしてタイヤの脱着ができるかどうか…。目視した限りでは、いけそうなマージンがあるので、たぶん大丈夫のはず。


以上、シュワルベ ワンを7カ月使ってみたインプレッションでした。走りにこだわるなら、シュワルベワンはいいですわよ…( ̄▽ ̄)