ツーリングに行くときに悩ましいのが「どんな種類のポンプを携行するか」ではないだろうか。たいていは安くて軽い手動の小型ポンプに落ち着くと思う。高気圧入りにくかったり、数百回ポンピングしていると腕が痛くなる…というデメリットはあるが、やはり軽さは捨てられない。

CO2ボンベもあるじゃん?ってのは確かにそうなのだが、「失敗が許されない」かんじが怖いのと、いざというときちゃんと出るのか?冬場は大丈夫なのか?何気圧入ったかわからないのが不安(当然、ゲージは無いので)だったりして、常用する…までには至らなかったりする。

ということで、今はロードバイクにブリジストンの細くて長めのミニポンプ、ミニベロにかなり小型のミニポンプを装着させている。

軽くて小型で、かつロードバイク用のハイプレッシャー(100psiとか)が難なく入れられるポンプがあるといいなーとは思っていたが、「そんなんあるわけないし」と諦めていたのが、どうやら最近新たな「電動小型ポンプ」というものが登場したそうな。

それがFumpaとminiFumpaである。

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前置きが長くなったが、A-Trade LLC さんから商品を提供いただいたので、実際に使ってレビューしてみよう。

目次


Fumpa、miniFumpaとはどんな商品なのか

ひとことで言うと、電動で小型、しかも高気圧をあっという間に入れられるポンプのこと。電動なので充電して使う。オーストラリア発の新しい自動コンプレッサー・空気入れだ。

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見た瞬間に「これはツーリングに持参できそう!サイクリストの救世主となるのでは?」と思った。

目標金額 30万円に対し、なんと575万円の支援!達成率1919%。期待値の高さが現れている。(9月末時点)

FumpaとminiFumpaのサイズと重さ

サイズは2種類あって、ノーマルとミニがある。

Fumpaのサイズと重さ

Fumpaはサイズ: 縦7.3cmx横8.7cmx奥行4.2cm(サドルバックに入ります)で重さは約390g、サドルバックに収納可能。

390グラム。軽量の700cのタイヤを2本ぶんくらいの重量だ。重っ!ってまではいかないが、そこそこの重量感はある。手のひらサイズって呼ぶほどコンパクトでは無いが、これまでの常識からしたら十分に小さい。

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/下がFumpa\

miniFumpaのサイズと重さ

縦6.8cmx横5.6cmx奥行3.2cm(手のひらサイズ)、重さは約190gという世界最小の自転車用自動エアコンプレッサー。

190グラムなのでFumpaのほぼ半分。軽量ヘルメットくらいの重さ。これは文句なしに小さくて軽い。ツーリングに余裕で持っていける!と感じた。

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/右がminiFumpa\

FumpaとminiFumpaは持ち運びできそうか?

Fumpa の場合

バックポケットに入る大きさではあるけれど、重さ的に現実的ではない。ジャージがびろーんと伸びてしまう。ではサドルバッグか?たしかに入れられるサイズではあるものの、もともと予備チューブ、パンク修理キット、マルチツールなどが入っているわけで、余分なスペースはないのでこれも無理。

じゃあ、ツール缶は…確認するまでもなくサイズ的にムリである。

つまり、サイクリングに気軽に持参できるサイズと重さではない。しかも、ミニポンプって年間を通じて数回(下手するとゼロ)しか使わないわけで、使わない可能性が大きいモノを常時運ぶのは辛い。

自分はここ3~4年パンクを経験しておらず、なおさら「うーむ」と考えてしまった。あれば便利なのは間違いない。が、手ぶらのサイクリング(※バックポケットのみ使う)で軽く走る用途では運びにくい。(そして、手ぶらサイクリングがもっとも頻度が高いわけで…)

…ってここまで書いて、まてよ?っと思った。いや、サドルバッグに入れるのはアリではないか。チューブなどパンク関連グッズは全部ツール缶に入れてしまえば、サドルの下のスペースが空く。ということは、Fumpaだけのためのサドルバッグを用意すればいいではないか。

うむ、Fumpaの持ち運びは現実的である。

miniFumpa の場合

同じ理屈で、miniFumpaであれば超小型サドルバッグに入る。まだ余裕があるだろうから、補給食とか外付けバッテリーとかを入れてもいいだろう。

バックポケットはどうか?入れても気にはならないかな…とは思うが、個人的にポンプを背中に入れるのはしたくない(自転車に装着して、身体はなるべく軽量化したい)派。なぜなら、背中は極力軽くしたいから。使う頻度の少ないモノは、バイクに括りつけたい。

つまり、

  • ボトル1本
  • ツール缶(パンクキット一式)
  • サドルバッグ

の3箇所を利用すれば、FumpaでもminiFumpaでも運べることがわかった。

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最近、ロードバイク&ミニベロでのツーリングにはTopeakのBackloader(バックローダー) 6L を使うことが多いので、それであれば何の問題もない。

実際にFuma と miniFumpa を使ってみる

Fumpaの使い方

電源on → 計測する単位を選択( psi・kPa・Barの単位より選択可) → タイヤにノズルを差し込む → プッシュボタンを押す

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/psi・kPa・Barの単位を選ぶ\

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/挿してボタンを押すだけ\

miniFumpa の使い方

タイヤにノズルを差し込む → プッシュボタンを長押し(2秒程度)の2ステップのみで使用可能

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空気圧を圧縮している関係上、約65dbの音が出る。65デシベルと言われてもピンとこないだろう。とにかくでかい音とだけ言っておく。

印象としては、映画を観た翌朝にテレビを付けたら大音量に設定されたままでニュースの音量がすごく大きくなってて、急いで音量を下げる…くらいにはでかい。

すまない、あまり伝わらない気がしてきた。とにかく、部屋の中で使ったときは、うおっっ!と一瞬怯んだ。音を聞いたオクサマも「何事だ」とキッチンから飛んできたレベル。

が、考えてみれば、一瞬で高気圧のエアを入れるとなるとかなりのハイパワーが必要なわけで、これくらいの音が出るのは当然だと思う。

Fumpaのほうは、デジタル表示で気圧の確認ができるので、入れたい気圧でノズルを抜けばいい。ただ、ハイパワー&ハイスピードゆえ、エアの入るスピードがやたら早い。ぴったりのところで止めるには、数回練習したほうがいいだろう。

初めて使うのがパンクした時…はあまりオススメしない。練習してスピード感に慣れておけば、電気の消耗も少なくて済むし。

気圧単位の表示は、Bar、kPa、psi の3パターンに切り替えができる。だれしも慣れ親しんだ単位があるだろうから、それで入れられるのはありがたい。

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一方、miniFumpaはデジタル表示で確認できない(なんのゲージもない)。何気圧入っているかの確認ができないのは不安だが、入れられるのが100psiなので、一般的なロードユーザーの規定値までは入るので安心。少なくとも、入りすぎちゃってチューブが爆発…ってことにはならないのでご安心を。

なお、Fumpa、miniFumpaは両方共に120PSI(8.2Bar)までの空気圧を入れられる。0⇒100PSIまで空気圧を上げるのに要する時間は、Fumpaで22秒、miniFumpaは43秒だ。(700×23Cタイヤの場合)

満充電で何回入れられるのか?

Fumpaの場合

2時間の充電で、6回分の使用(0⇒100PSI)ができる。つまり、これはかなり安心できる。1人なら十分すぎるし、カップルとか夫婦で使うとしても余裕だろう。もちろん、グループライドで仲間を助けるときだって使える。

miniFumpaの場合

1時間の充電で2回分の使用(0⇒100PSI)が可能。最低限の回数は確保できていると思う。1回分だとミスが許されないが、2回分あればまあなんとか。人とシェアする使い方には向いていないかなと。

ただし、出先で充電できる場所があればその心配はない(通常のサイクリングだとそうもいかないだろうが)
※USBで充電可能

Fumpa と miniFumpa をどう使い分けるか?&現実的な携行方法は?

どちらを買うか、悩みどころではなかろうか。自分も悩む…なぜなら一長一短だから。重さを犠牲にして安心を取るか?ミニマリストに徹して軽さを追求するか?

一晩考えて出した結論は、「Fumpa」だった。
理由は下記3つ。

  • 気圧表示が確認できる(ミニベロだと規定空気圧が異なるので、自分でコントロールしたい)
  • 十分な電力が確保されている(6回分は安心&オクサマもカバーできる)
  • どうせ大容量サドルバッグで運ぶので、重さは受け入れられる

Fumpaがあるからといって、手動ポンプをなくすつもりはない。保険として、バイクには装着したままにしておく(重さは気にならないし)。

宿泊込みのサイクリング旅行だと、翌日に空気チェックをできないのが地味にストレスだった

たとえば日曜開催のイベントに出るとして、土曜に移動するとなると、土曜の朝に空気を入れた状態で翌日も臨むことになる。

個人的なおまじないレベルではあるが、自分は乗る日の朝に「規定値まできっちり入れ直す」をモットーにしていて、そのおかげもあって数年間ノーパンクで過ごせている。ただ、宿泊込みの場合だけそれができず、ふわっとした不安を抱えたままイベント参加…となっていたわけ。

車で移動するときはフロアポンプをトランクに放り込んでおけばいいが、電車輪行だとそうはいかない。手動ので入れるってのもなくはないが、手動は200~300回も手を動かさなくてはならないし、高気圧入れるのはかなりきつい。

あと、7Bar入れたいのに、6 Bar までしか無理とか、ロードバイクではやや心もとない圧しか入れられないものもある(小型だととくに)

自分のはいちおう7気圧までOKだけど、わざわざエアを抜いて手動で入れるのも…って思ってた。そんな状況下ではFumpaが大活躍するだろう。

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/一泊輪行旅行にFumpaを持参した(^^) やや重いけど安心感はでかい\

まとめ:空気入れは3種類あると最強

ひとつ:何は無くともフロアポンプ(家に常備)


※もっとも頻繁に使うので、多少高くても良いものがオススメ。

メリット:使いやすい、楽に高気圧入る
デメリット:重い、持ち運びしにくい

ふたつ:手動のミニポンプ

※自転車に常設しておこう(いちいち取り外す必要なし)
※ルックスを気にするのなら小型を選ぼう

メリット:軽い、持ち運びしやすい、どんな状況下でも使える
デメリット:腕が疲れる、高気圧入れにくい

みっつ:電動ポンプ

※上記の中間に位置する&いいとこ取り
※泊りがけのときに大活躍

メリット:楽に高気圧入れられる、ツーリングに持ち出せる
デメリット:やや重い、動力が電気のみ


こんな感じで、「家=フロアポンプ」と「外=手動&電動の二刀流」で使い分けると、最強だと思う。


以上、 Fumpa・miniFumpa のレビューをお届けしました(^^)


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