ぼっちライドにはぼっちライドの、グループライドにはグループライドの、それぞれの良さがある。

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グルーライドには大きく2種類あって、斜度アリ(ヒルクライム)とナシ(平坦基調)である。

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平坦基調のライドであれば、体力差は顕著には現れず、わりと全員が一緒に走りきることが亜できるのだが、ヒルクライムが混じると途端にフィジカルの差がハッキリしてしまう。

つまり、中には遅れてしまう人がいるわけですね。体力差はあって当然で、誰かが誰かを待たせてしまうのは致し方ない。速い人は遅い人を励ましたり、サポートしたりして共同で登ることになるのだが、どうせなら全員が楽しく走れるように工夫したいものだ。

そこで、Global Cycling Network で紹介されていた「グループでヒルクライムするとき、速い人も遅い人もいっしょに仲良く登るコツ(The Best Way To Climb In A Group)」を翻訳して紹介しつつ、自分なりのHackもお伝えしよう。



遅い人は、無理にペースを上げて速い人を追いかけるべからず

(そのグループの中で)体力が劣る人は、「速い人に山頂で待たせてしまっては申し訳ない」と考えてしまいがち。その意識が働くせいで、無理して追い込んで後を追い、序盤で脚が売り切れてしまっては元も子もない。

一所懸命に走るのはいいのだが、他人のことはいったん忘れて、まずは自分のペースを守ること。ヒルクライムで無理すると、後で必ずツケを払わされる。

ちなみにだが、先頭が待っている時間なんてたいしたものではない(せいぜい数分)。ちょっとおしゃべりしていたら経ってしまう程度の時間しか待たないので、待たせている方は心理的負担があるかもだが、あまり気にしなくても大丈夫です。

出発前に合意しておく(待ち方)

出発前に確認しておくべきなのが、集団内のルール。山頂で待つのは当然のこととして、道が分かれる(T字路とかY字路とか)場所では後続を待つべき。

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万が一、後続が道を間違えたら、互いに探し合うために多大な時間とエネルギーを浪費する羽目になる。(あと、後続者の不安を煽ることになるので、無茶な走りと事故を誘発しやすい)

全員が道を知っていれば、「◯◯◯で待ち合わせね」と合意することでかなり先に目標を置けるが、そうではないのなら、道に迷う可能性のある手前で待つことを取り決めておこう。
※あと、パンクによる予想外の足止めリスクもあるし

コースを知ってるのなら、知らない人にドンドン教えてあげよう

坂の情報ってものすごく大切。

そのルートが初めての人は、山頂まで何キロあるのか、最大斜度はどれだけか、斜度の変化は大きいのか、一定の斜度なのか、アップダウンの変化が激しめなのか、ひたすらアップなのか、途中で足を休ませられる区間があるのかないのか…何の情報もないまま走るのは、終わりのない苦行になり、心理的にきついし、ペース配分もわからない。

コースを知っている経験者は、積極的にプロファイル情報を提供してあげよう。

序盤は楽だけど、ラスト300メートルで激坂になるから体力温存させながらね

休む場所はない代わりに、斜度はほとんど変化しないから、一定ペースで行けば大丈夫

って具合に教えてもらえると、心がラクになって、ぐっと走りやすくなる。

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あと、距離情報も大事。ラスト2キロ!とか教えてくれると、歯を食いしばって登れるものだ。


「あのコーナーを過ぎたら、その先がきっとゴールのはず…ハアハア…違った…(涙)…くっそ…あの次のコーナーで最後だといいな…ちくしょう…ぜんぜん最後じゃない…ハアハア…このつづら折り…いつまで続くの…(涙)」

……という不毛な希望→絶望→希望→絶望ループを繰り返さずに済む。
※人はなぜか、「コーナーの先はきっと頂上」という勝手な希望を抱くものなので(笑)。

ゆっくり降りながら、追いつくのを待つ

冬以外の季節であれば、頂上で待つのはさして苦ではない。ところが、冬に標高の高い場所でじっと待つのはかなりきつい。体温が下がって身体が自由に動かなくなるため、ダウンヒルのときのバイク操作が危険でもある。

なので、気温が低ければ、「山頂で待つのではなく、ゆっくり下りながら待つ」という待ち方も可能。あらかじめ、そういう取り決めにしておけば、後続はダウンヒル途中でペースを落としてくれていた先頭に合流できる。

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ただ、この場合も道が分岐しているポイントではきっちり待つほうがよいのは当然である。

たた、個人的には、冬の間はヒルクライムは積極的には出かけないほうがよいと考えている。理由は、気温差による路面凍結、落ち葉(&落石)による路面コンディションの悪化、登坂時の発汗&そこからのダウンヒル時の身体の冷え…があるから。

頂上まで登ったら来た道を下り、お代わり

先の登頂した人が、元来た道を戻って(降って)後続に合流し、坂道をお代わりするパターン。体力に自信のある人だとか、体力差が激しいグループであれば、この方法は何気に使える。
※ただし、体力に自信のある方限定でどうぞ(^○^)

全員で一緒に登ることができるし、励ますこともできる。後続の人にとっても、「待たせて申し訳ない感」が薄まるし、ひとりぼっち感もないので楽しく登ることができる。

遅い人は、誰かの後ろについて走ろう

不思議なもので、ヒルクライムのように「(かなり低速で)ほぼ空気抵抗なんて関係ない」状況であっても、先頭を牽くのは心理的にきつい。目の前に目標物(前を走る仲間)があるのとないのとでは、「こんなに心理的な差があるの!?」ってくらい違う。

なので、遅い人は仲間の後ろにつかせてもらい、目の前を走る仲間を利用してペダルを漕ぎましょう。それだけで、気持ちがかなり楽になるだけでなく、実際のペダリングもしやすくなる。

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あと、可能であれば、遅い人を速い人2人が前後から挟むようにしてあげると、前の人は目標物になり、後ろに人がいることで「自分は最後尾ではない」という安心感も持てるのでベストではある。

イベントでバラバラになるのは仕方ない

最後に、ロングライド系イベントであるが、体力差が著しければ、バラバラになってしまうのは受け入れるしかない。長距離イベントでの無理はご法度なので、各自が出せるペースを守って走ろう。

いったんはぐれたら、無理に探し合うのはやめておいたほうが良いと思う。注意散漫になってしまうし、それが原因で事故やトラブルになるのも本望ではない。

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有料イベントであれば、ルートで間違うこともまずなく、補給食や水分切れで立ち往生する危険もほぼない。

せめてエイドステーションで待つとか、LINEグループで互いの現在地を共有し合うことで、

「事故は起きてない」
「DNF(Did Not Finish;途中棄権)してない」
「わりと近くにいるっぽいので、では待とう」

ってことがわかるので、判断ミスが少なくなる。
※まれにではあるが、ケガやタイムオーバーによって、「回収車にドナドナされてしまった」ってケースもあったりするので、それも可能性の一つとして想定しておく

このへんの「待つか、待たないか」とか「エイドステーションに着いたらLINEで現在地を共有し合おう」ってことも事前にとり決めておくのがオススメである。


最後に、登頂後は「ちょっとオーバーじゃないか?」ってくらい大げさに「思いっきり、互いに労をねぎらう」のがとても気持ちよくてオススメ。体力差はあれど、全員が等しく苦しい坂を登った事実に変わりはないですからね。

大人になると、仕事も何でも「できて当たり前」ってなってしまい、なかなか労いあうってことをしなくなるので、せめてヒルクライムでは思う存分褒め称えあいましょう。日常生活では味わえない、グッとくるものがありますよ。


以上、Global Cycling Network の「グループでヒルクライムするとき、速い人も遅い人もいっしょに仲良く登るコツ(The Best Way To Climb In A Group)」と自分なりのノウハウのご紹介でした。


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そろそろ暖かくなってきて、ヒルクライムが楽しめるシーズンになりますが、どうかお気をつけて…。


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