なるべく隔週くらいの間隔で「電車に乗って遠くに行ってサイクリングする」ように心がけている。土地勘のない場所で、ざっくりなルート&計画で1日走り回り、自走(もしくは輪行)で帰宅。ちょっとした小旅行。これが自分にとってのベストのストレス解消法である。

10月の中旬に、勤務先の同僚と河口湖から富士宮市まで日帰りサイクリングしてきたのだが、素晴らしいコースだったのでぜひ共有したい。


こんなルートで走った。 
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※河口湖駅から新富士駅まで走る

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目次


新宿駅から河口湖駅へ輪行する

新宿駅から特急(名前忘れた)で移動。それにしても登山客の方々が多く、巨大なリュックサックがあちこちに。サイクリストはほぼ見当たらない。

2時間ほどかかるので、指定席を確保する。さすがに立ちっぱなしはきついので。バイクは最後尾の座席後ろに置く。他の人が座っていらっしゃる場合、一言声をかけて許可を取りましょう。

自分は早朝、輪行で遠くに行くときは「ちょっぴり豪華な朝食」を電車内で食べることにしてて、これが密かな楽しみなのだが、

  • コーヒー(500ccくらいの大きめのボトル)
  • 菓子パン(2個)
  • おにぎり

というラインナップで用意する。和と洋を同時に食べる…のが自分にとってはわりと贅沢な行為。あと、菓子パンはハイカロリーで糖分も多いのでふだんは一切食べないのだが、サイクリングする日の朝限定で許可するというマイルールがある。これだけでかなり幸福感を味わえる。(安上がりな男…)

河口湖駅に到着

10時くらいに河口湖駅に到着。駅前は少々寂れた雰囲気だが、登山客でごった返していて賑やかな様子。列車を撮影したりしている人も。

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どうやら輪行客は我々以外はほんの数名だけのようで、完全にマイノリティ。富士山って、サイクリングするの楽しい場所なんだけどなー。べつに富士山に登らなくても、富士五湖周囲を走るだけでも相当楽しいので、未体験の人はぜひ。(冬場はお勧めしませんが)

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ちなみに、河口湖から富士山五合目まで登るのは2017年の夏にトライした。とても楽しかったんだけど、河口湖駅からはジャスト30キロあって延々と上りが続く。斜度は緩めなものの、距離はふつうのヒルクライムの3回分くらいあるので、坂が苦手な方にはお勧めしない。
※オクサマは尻込みしてて行きたがらない(笑)

ミニベロで富士山に登るときのコツまとめ(登り方&下り方編)


さて、河口湖駅の標高は857メートル。気温は13度。東京の10月中旬はわりと暖かい(19度)くらいだが、すでに5~6度も低く、この時点ですでに肌寒い。

着ているのは

  • 夏用半袖ジャージ
  • アームウォーマー
  • 秋用ジャケット(モンベル)
  • レッグウォーマー
  • 自転車用短パン

無題

これだけで十分。
あとは、ダウンヒル用にウィンドブレーカーも背中に忍ばせておく。

サイクルパンツも履いているが、これは防寒ではなく、輪行マナーとして。駅や列車内で上下ピチピチはちょっと…という気がするので輪行する際は常にこうしている。

青木ヶ原樹海を目指す

バイクを組み立て、さっそくGO。あ、そうそう。駅を数キロも離れるとコンビニはないので、補給食はしっかり用意しておきましょう。自分はカロリーメイトとドーナツを買っておいた。(自販機はあります)

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河口湖駅から西方面へ。富士山を中心に反時計回りで富士宮市を目指すんだけど、本栖湖、精進湖、西湖の横を通過していくルート。

10分もしないうちに風景はこんなかんじに。

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緩やかな斜度がダラダラと続く。汗ばんでくるので、秋用ジャケットのジッパーを下ろして風を入れつつ登る。

徐々に青木ヶ原樹海へと入っていく。子供の頃は樹海って響きが怖かった。自殺名所というのもあって、心霊スポット的なものを想像していたんだけど、実際に来てみるとぜんぜんふつうの森。

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道路はキレイに整備されているし、GPSあるし、磁石が効かなくっても問題ない。オートバイのツーリング客がいたり、観光バスが走ったり、オカルト的な雰囲気はゼロ。

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※街灯はまったくない

道はずっと上り基調だけど、斜度はかなりゆるいので、初心者でも問題ないだろう。ミニベロでも余裕で登れる。ヒルクライムってレベルではなく、緩めのアップダウンを繰り返しながら登っていくかんじ。

獲得標高をGoogleマップで示すとこんな感じ。序盤は登るが、早々に下りになる。

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景色は基本、樹木ばかり

樹海の間を走っていくので、両サイドは基本的に樹木ばかり。これは富士山あるあるで、富士山は近くに寄るよりも、遠くから見たほうが美しい。広大な景色が走行中に見えるわけではない。あと、巨大な溶岩がゴロゴロ落ちている。

そういえば、富士山は江戸時代に噴火したそうだが、ウィキペディアで調べてみたところ「宝永大噴火(ほうえいだいふんか)」と呼ばれているらしい。

江戸時代中期の1707年に起きた富士山の噴火で、現時点で最も新しい富士山の噴火とされてる。つまり、311年前に起きたのが最後というわけ。

噴火は約2週間続いて、噴火による直接の死者は記録されていない。噴出した溶岩石による火災などで甚大な被害をもたらしたそうな。農産物が収穫できず、飢饉も起きたとか。

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ちなみに宝永大噴火は「富士山三大噴火」の一つで、他の二つは平安時代に発生した「延暦の大噴火(800年 - 802年)」と「貞観の大噴火(864年 - 866年)」。最初の2回はわりと立て続けに起きたようだ。

なんでも、噴煙の高さが上空20km(!)も伸びて大量の火山灰が噴出した。なんと100 kmも離れた江戸にも火山灰が積もったほどで、ちょっと想像できない規模だ。

坂を登り切ったとこに展望台(大室山西展望台)が

さて、いつ終わるかわからない坂を登り続けると、大室山西展望台にたどり着いた。ここを起点にあとはほぼ下り。正面に見えるのが本栖湖で、右の小さいのが精進湖。見晴らしが良くて気持ちいい。

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河口湖駅からここまでは15キロ(獲得標高は250mくらい)。緩い上りだったので、脚に疲れはほぼない。軽く補給し、ここからは下る一方だ。

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路面は基本的にキレイで走りやすい。そのせいか、車やバイクのスピードもかなり高め。バンバン勢いよく追い越していく。

ただ、たまに「うそっ!?」ってレベルのでかい穴ぼこがあるので、スピードの出し過ぎには注意。街灯もほぼないので、夜中にここを自転車で走るのは自殺行為だと思う…。ゼッタイに明るい時間帯に通り抜けましょう。時間配分にはお気をつけください。

ふもとっぱらキャンプ場に立ち寄る

下山の途中で「ふもとっぱらキャンプ場」に立ち寄ってみる。

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キャンプするわけではなく、会社のキャンプ部の仲間と合流するためだ。できればBBQでもつまませてもらおう…という魂胆で行ってみたら、なんと「渋滞にハマっててまだ到着すらしていない」と判明。車移動はこれがあるのよね…。

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気の毒なことに、キャンプ場入り口手前でも長蛇の列が。ここ通過するだけでも1時間くらいかかるのでは。複数の入り口があればいいのに…とは感じた。(自転車は列に関係なく歩いてそのまま入れる)

車で乗り入れて利用するオートキャンプ場らしいのだが、行ってみて驚いた。なにしろキャンプ場が広大!そして絶景!視界を遮るものが何もなく、空がドーーン!と広がる。「ゆるキャン△」ファンにとっては聖地(?)だそうな。

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※おお!

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※おおおおおおおお~

ふもとっぱらキャンプ場にいると、キャンプに縁のない自分ですら「やりたい!テントと寝袋ほしい!」って思った。家族連れ、カップルや友人グループで溢れており、幸せがパンパンに充満した素敵空間だった。ここでソロキャンをするのはメンタルに来るかもしれない…。

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※富士山の裾がちょっと見える

さて、まだ到着してない車組を待つのもナンだし、ジッとしてると寒い。河口湖駅で13度だったので、たぶん一桁台かなと。背中に入れておいたウィンドブレーカーを着て凌ぐ。

あと、ボヤボヤしてると暗くなる。まだ下山せねばならないのであまりゆっくりはできない。ピザだけ食べて退散することにした。

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※結局、車組の仲間らとは会えずじまい(笑)

富士宮市を目指して下山

ふもとっぱらキャンプ場からもひたすら下りが続く。ウィンドブレーカーを着用したまま下るのだが、さらに斜度が上がったような印象で、かなりスピードが出やすい。路面がきれいなのでつい飛ばしたくなるが、ブレーキング多めに慎重に下った。

富士宮市まで来ると気温は一気にアップし、暖かくなるのでウィンドブレーカーを脱ぐ。冷えた体をコンビニコーヒーで温め、道路沿いにあった温泉(富嶽温泉 花の湯)に立ち寄る。なぜかエイリアンやロボットの巨大オブジェが飾られていて、不思議な空間だった。

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※なにげにクオリティ高い

あと、昭和な雰囲気を残す卓球台とゲーセンコーナーが味わい深い。

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いろいろユニークで印象に残った温泉であった。

せっかくなので、名物『富士宮焼きそば』を食す

B級グルメで名高い「富士宮焼きそば」を食べようということで、いつものごとくGoogle Mapsで検索。

「富士宮焼そば」で検索するといっぱいヒットし、評価のやたら高いお店「はっちゃん」に行ってみることに。最近、迷ったときはほぼほぼGoogleマップだけで決めている気がする。

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「はっちゃん」の店舗情報


ご夫婦で切り盛りされている小さなお店。こういう雰囲気、好き。焼きそば目的で来たのだが、「しぐれ焼き」という聞いたことのないメニューが気になる。

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しぐれ焼き・・・?聞いたこともないメニューだ。

女将さんに訊いたところ、しぐれ焼きとは、お好み焼きと焼そばが合体したようなモノなのだが、モダン焼きとはちょっと違う。焼そばをぐいぐい押し付けてパリパリに焼くのがポイントだそうな。わざわざこれを食べに来る人もいたり、広島の人もその味を認めるほどなのだそう。同僚は「富士宮焼そば」、自分はしぐれ焼きを注文した。

結果、どっちも美味しい!ボリュームも十分。まったくインスタ映えしないが、味はよい。

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食べ終わる頃に、壁に「餃子」というメニューがあるのに気づく。焼そば、お好み焼き、そばめしのお店なのに? 

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なんでも、奥さんの手作り餃子が評判が良かったのでメニューに加えたらすごく人気になったんですって。全部手作りなので仕込みに時間がかかるのが難点で、金土日曜のみ限定メニューらしい。浜松餃子のような、円盤状に並べられたスタイルで、すごく美味しそう。
※この日は週末だったが、たまたまご夫婦で出かける用事があり、仕込みの時間がなかったとの。残念。

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※ごちそうさまでした!今度は餃子を食べに来よう

新富士駅を目指し、そこから新宿駅へ

新幹線(こだま)で戻るので、新富士駅まで走る。はっちゃんから15キロほど走って 新富士駅に到着。店を出たのは18時過ぎですでに日は落ちている。知らない街を夜間走るのはちょっと緊張感があるが、Google Mapsでルートを確認しながら進めば迷うことはない。ということで、河口湖駅から新富士駅までの走行距離は65キロだった。

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久しぶりにこだまに乗ったのだが、むちゃくちゃ空いてる…。週末の夜なのでそれなりに混んでいる(or ぎゅうぎゅう詰め)と覚悟していたんだけど、閑散としててびっくり。駅員さんの「自由席で問題ない」って言葉の通り、余裕で座れた。

1時間で東京駅に到着し、ぜんぜん疲れていなかったので自走で東京駅から自宅(川口市)へ。これでちょうど90キロ。下りがメインだったこともあって、自転車人生でもっとも楽チンな90キロだった。体感で6割下り、2割平坦、2割登り…といったとこ。「このルートなら、ダホンのEEZZ D3 でも来れるような気がする」と思いかけたが、青木ケ原樹海→富士宮市間の下りの斜度が激しめなのでたぶんしないかなと。

天気が曇りで富士山が拝めなかったのが残念だけど、大自然を満喫できる富士五湖ライドは楽しくてオススメです。


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