デイリーポータルZで最近グッと来た記事で、「椅子さえあればどこでも酒場「チェアリング」とは!?」というのがある。

BBQで使うような折りたたみ式の椅子を持って公園や河原に徒歩ででかけ、景色の良い適当なところで座って酒を飲む…のがチェアリングだそうな。もちろん、記事作者の造語。※すごくいい記事なので、特に酒好きには読んでほしい。

「チェアリング」とは、ホームセンターなどで安く手に入るアウトドア用の折りたたみ椅子ひとつを持って外に出て、好きな場所に置き、そこで酒を飲むという行為。

「だったらそのへんのベンチでいいじゃん」と思われるかもしれませんが、自らが選んだ場所、空間を椅子によって切り取り、ひとときパーソナルスペースとする喜びは、やってみるとわかりますが、ベンチに座って酒を飲むのとはぜんぜん違います。

あと、単純に座り心地も段違い!

だそうです。

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好きなだけひとつの場所にいてもいいし、飽きたら移動してもいい。どんな酒やツマミを楽しもうが自由、(人様に迷惑をかけない限り)どこに座ってもいい。自分は酒はまったく飲めないのだが、にもかかわらず「やってみたい!これはいい!」と感激した。

あと、ルールというか取り決め的にはこんなのがある。

・チェアリングとは、椅子を持って外へ出て、好きな場所に置いて酒を飲む、もしくは好きなようにすごす行為。

・装備が多すぎるとキャンプ/アウトドアに近づいてしまうので、なるべく手軽に。酒やつまみも現地調達が望ましい。

・なので、コンビニやトイレが近くにあると便利。

・その気軽さゆえ、気分次第で次々場所を変えてゆけるのも魅力。

・騒がない、汚さないはもちろん、街には酒を飲んでいる人間を見るのが嫌な人もいる。「市井の人々に威圧感を与えない」をモットーとした場所選びを。

堅苦しいこと言わず、基本はフリーダムだよって姿勢が好ましい。

ただ、ロードバイクでBBQ用のチェアを背負って運ぶのはちょいと無理があるし、そもそも飲酒運転になってしまうのでNG。「なにか代替案はないものか…」と思案して閃いたのが、


椅子の替わりに、音楽を持って行こう!


というアイデア。河川敷とか公園で休憩するとき、音楽を流せばいつもとは違ったリラックス効果を得られるのではないかと考えたわけ。

というわけで、ふだん家か車の中でしか使わない「Anker SoundCore ポータブル Bluetooth4.0 スピーカー」をメッセンジャーバッグに詰めて荒川サイクリングロードに出かけてみた。

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※メッセンジャーバッグに入れてきました(バックポケットはやや厳しい)

ツマミと飲み物を調達

いきなり河川敷に行っても仕方ないので、まず60キロほど走って軽く疲れた状態にしてからセブンイレブンで5枚入りマカダミアナッツクッキーを買う。んで荒川に向かい、自販機で缶コーヒーをゲット。

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飲み物をコンビニで買わないのは、移動中にぬるくなってしまうのがイヤだから。そのまま河川敷の草むらに座り込んで曲をかけながらモグモグ食べる。


おぉ……なんかピクニック気分で悪くない…。


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誰にも邪魔されず、一人でのんびり景色を眺めながら食べるクッキーとコーヒーはうまくないわけがない。無音状態も悪くないが、音楽があると手持ち無沙汰にならず長居できる。いつのまにか手足にアリが乗っかってたりして、それもまた良し。

いつもなら、ばくばくっと食べて飲み干して「さあ、行くか」ってなるところだが、リラックス目的であえてゆっくり食べつつのんびりと過ごしてみるのも乙なもんですな。「地面に直に座るんじゃなく、椅子があったらなぁ」と思わないでもないが、贅沢は言わない。

音楽を聴きつつ、Kindleリーダーに入れたままで積ん読状態だった本を読み進めてみる。じゃっかん日差しが眩しいっちゃ眩しいが、アイウェアを掛ければ問題なし。

サイクリング×音楽ってなかなか楽しいぞ。

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※テラス席で使うのも(状況によっちゃ)アリ@お台場のタコベルにて

サイクリングは『大人の遠足』 タコベルのためにお台場まで走り、豚まんのために中華街まで足を伸ばし、餃子のために宇都宮まで遠征するススメ

河原や河川敷で聴くのに適した音楽とは

アマゾンミュージックに加入しているので、ほとんどすべてここでまかなっている。自分は70〜90年代の洋楽ロックで育った世代でして、入れているのはだいたいそのへん。

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お気に入りはU2、レッチリ、エアロスミス、イーグルス、ヴァン・ヘイレン、オアシス、グリーンデイ、ニューオーダー、レディオヘッド、プライマルスクリーム、ザ・ローリング・ストーンズ、ジャーニーあたりなのだが、河川敷でまったり聴くには激しすぎ&忙(せわ)しすぎだろうということで、もうちょいバラード寄りでゆったり系に振ってみた。

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選んだのは、バニー・マニロウ、シャーデー、スティーリー・ダン、マルーン5、ドナルド・フェイゲン、シンプリーレッド、ビリー・ジョエル、チャック・マンジョーニ、ハーブ・アルパート。

テストしてみた結果、あれ?日常で聴くぶんには十分にスローモーだけど、河川敷だとこれですらノイズになるのもあるなぁと感じるのもあった。河原で流れる時間の速さと曲のそれがシンクロしないかんじ。

個人的にはマルーン5(Maroon 5)の「Sunday Morning」とビリー・ジョエル(Billy Joel)の「Stranger」なんてサイコーだろって自信があったのに、それですら「速すぎる&ボーカルが耳障り」だった。どんなにお気に入りでも、場所によって心の状態も違うわけで、ひいては曲の感じ方も変わるんですね。

意外にもベストマッチだったのが、シャーデー(Sade)の「Sweetest Taboo」、「By your side」。チャック・マンジョーニ(Chuck Mangione)の「Feels so good」もキレイにハマる。

通勤電車とか街中で聴くと「かったるい」「ゆったりすぎて調子が狂う」と感じる曲は、河川敷で聴くとちょうどいいリズムでしっとり感が味わえる。これは発見であった。

まだ試していないが、ノラ・ジョーンズ(Norah Jones)の「Don't know why」とかボズ・スキャッグス(Boz Scaggs)の「We are all alone」は完全に河川敷にフィットすると予想している。

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河川敷でまったりしたいときに合う(であろう)洋楽を勝手にセレクト

結論としては、かなりスロー&メローテンポで、かつ言葉がいっぱい詰まっていない伸びやかな曲が屋外での休憩時には合う。具体的なジャンルでいうとAORだろうか。

AOR(Adult-oriented Rock)とは、70年代半ばから80年代前半にかけて登場した、R&BをベースとしつつJAZZやラテン音楽の要素も取り入れたメロディアスで洗練されたロックのことですね。

日本ではAORという言葉が、70年代半ばから80年代前半にかけて、音楽用語としてよく使用された。さらに後の1988年にボビー・コールドウェルの大ヒット曲「Heart of Mine」が紹介される際に、「Adult-oriented Rock」の略語として「大人向けのロック」と独自解釈され、1990年のボビーのジャパン・ツアーに際しては、日本の広告代理店が「AORの代表」と称した。

以前から「Adult-oriented Rock」のジャンルにおいては、TOTOとボズ・スキャッグスがその代表であるとされていたが、さらにその印象が強められた。米国では、このジャンルは「Adult Contemporary(AC)」と呼ばれ、ノラ・ジョーンズなどが解りやすい例と言える。ACは近年では更にHot、Soft、Light、Urbanなどと分類されている。
ウィキペディア


試した曲、試してない曲混じっているが、河川敷で流すとさぞかしピッタリくると思う曲をAOR以外も含めて(備忘録を兼ねて)並べてみる。※順不同

ボビー・コールドウェル(Bobby Caldwell)

What You Won't Do for Love


クリストファー・クロス(Christopher Cross)

Arthur's Theme


TOTO

I'll Be Over You


ボズ・スキャッグス( Boz Scaggs )

Jojo


クリス・レア(Chris Rea)

On The Beach


ドゥービー・ブラザーズ(Doobie Brothers)

What A fool Believes


スターシップ(Starship)

Sara


ビリー・ジョエル(Billy Joel)

Just the Way You Are



アース・ウィンド・アンド・ファイア(Earth, Wind & Fire)

After The Love Has Gone


エブリシング・バット・ザ・ガール(Everything But The Girl)

Driving


イーグルス(Eagles)

I Can't Tell You Why


スウィングアウト・シスター(Swing Out Sister)

Now You're Not Here


ダブル(Double)

The Captain Of Her Heart


アラン・パーソンズ・プロジェクト(The Alan Parsons Project)

Eye in the Sky


アンブロージア(Ambrosia)

How Much I Feel


10cc

I'm not in Love



完全な個人的好みだが、どれも生涯にわたって聴き続けたい名曲である…。


なお、冒頭で紹介したデイリーポータルZのチェアリング記事は文字数が軽く1万を超えてむちゃくちゃスクロールせねばならない。スマホだと「どんだけ長いねん!」ってツッコミたくなるが、軽妙なトークで構成されているので読むのが苦にならない。あと、記事そのものも良いが、差し込まれている写真にも味がある。ぜひ読んでほしい。キャンピング用チェアを買いたくなること間違いなし。

たまにはサイクリングから離れて、チェアリングするためだけに郊外や川に出かけてみるのも悪くないかもしれない…と本気で思ってる。

まずは今度クルマで輪行するとき、「Anker SoundCore ポータブル Bluetooth4.0 スピーカー」といっしょにBBQ用チェアも積んでいき、現地の良さげな場所でチェアリングを楽しんでみるつもりである。もちろん音楽持参で。


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