7年間使い倒したシマノのSPD(PD-A600)をクランクブラザーズの「エッグビーター」に交換して3ヶ月になります。最初はパナモリロード(FRCC22)にエッグビーター3を、次にタイレルのCSIにエッグビーター1を。

エッグビーター3で1,000キロ以上、エッグビーター1で500キロほど走ってみました。目立った変化や劣化はまだないですが、気になるのは「将来の劣化具合」。どのパーツが磨耗してくるのか…ということでして、シマノのPD-A600が頑丈&優秀すぎて7年使ってもびくともしなかったので、エッグビーターも同じように持つといいな…と期待しています。
※ちなみにPD-A600は7年間で1回もクリートを交換してません。なぜならその必要がなかったから。今も全然現役なので保管してあります。

そこでネットで検索してみまして、一番参考になったロングタームインプレッションが「MTB.guide」というYouTubeチャンネルの「Crankbrothers Eggbeater 3 Long-Term Review: Did They Become Reliable?」という動画でした。英語なので翻訳して(自分の経験も交えつつ)お伝えします。



目次


エッグビーター1〜3、どれも性能は似たようなもの

チャンネルのオーナーさんは1年間、MTBにエッグビーター3をつけて4300キロ走り、6回のクロスカントリーレースに出場してみて「どれも性能は同じようなもの」と断言しています。これは自分も100%同意。

エッグビーター「1」と「3」で違いはあるのか?レビューしてみた」でも触れましたが、エッグビーター3と2の差はほとんどなく、重量差が5gってのとウィングの素材が3のほうがやや頑丈なくらい。
※2はスチール製、3はステンレス製

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※左が3、右が1

エッグビーター1と比較しても、3が10g軽いくらいで違いはごくわずか。リリース角度が「15度か20度」で選べるのも共通。フロートの角度が6度なのも同じ。1と3を代わり番こで何度も乗り比べてみましたが、見た目の差以外は「違いが微塵もわからない」のが正直な感想です。

エッグビーターはカスタマイズ性が高い

自分は買ってから知ったのですが、スピンドルは長短2種類あって、デフォルトでついてくるのは短いほう。別売りのロングスピンドルを使えば、外側に5mm(つまり両足で1cm)ワイドに伸ばせます。

他にも「シューシールド」というクリートとカーボンソールの間に敷くステンレス製のシムのようなものも売られています。靴底を傷つけたくない人にオススメ。それとはべつにプラスチック性のシムはデフォルトで同梱されていて、クリートの高さを少し上げたい場合に差し込んで使います。

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※シムは使わずダイレクトに装着

さらに「Tread Contact Sleeve」というパーツもあって(税抜1,650円)、ボディに靴底がしっかり密着するよう隙間を塞いでくれるスペーサーですね。踏み込んだときにぐらついてパワーロスするのを防いでくれる仕組み。自分は使っていませんが、ちょっと気になっています。踏み面が安定してペダリングしやすい代わりに、リリース時に多少の摩擦が生じるのはトレードオフということで。チャンネルオーナーさんは「100キロほど走ったらTread Contact Sleeveは馴染んできたけど、摩擦はあるっちゃある」とコメントしていました。

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最後に「ゼロフロートクリート(ZERO FLOAT CLEATS)」もあります。デフォルトの6度フロートは試してみるとわかるんですが、かなりゆるいです。SPDで慣れている自分でも最初は「ガバガバやな」と不安になったほど。まあ、いったん走り出すとなんの問題もないんですが。

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しっかり走りたいロードをゼロフロートにし、ゆったりめのミニベロでノーマル版にしてみたい気持ちもあります。ペダリングスキルが高いXCライダー向けっぽいですね。今のクリートがオシャカになるタイミングで試してみたいかも。ただ、そうなるとそれぞれのクリートをつけたシューズが必要になってしまう…。しかもエッグビーターのクリートってノーマルもゼロフロートも税抜で3,270円もします。SPDの2倍以上……。

エッグビーター3のロングタームインプレッション

で、ようやく本題なんですが、チャンネルのオーナーさんが1年使ってみての劣化具合はこんなかんじ。

  • ステンレス製のシューシールドが凹む
  • クリートはかなり変形する
  • ペダルのウィングは多少摩耗したようだが使用上は問題なし


4,000km時点で分解清掃したそうで、アーレンキー1本で分解可能。30分もあれば左右の掃除ができます。中に砂の侵入はなかったのは◯。しかしスピンドル(軸)が部分的にペイントが剥がれ、錆びていたそうです。

5年の保証があるとはいえ、1年の劣化にしては早いと感じたオーナーさんがクランクブラザーズ社に写真を送って問い合わせたところ、「たしかに保証対象となりうるかもしれない。ただ、画像だけでは判断が難しい」と返事が来て、「オーナーさんが住む近くのショップまで代替品を送付するので、現物確認させてください」となり、結果的に「保証範囲です」ということで無料交換となりました。8日間ほど送付に時間がかかったそうですが、十分に満足の行く対応だったとのこと。

ただ、「エッグビーター社は1~3のスピンドルになぜ錆びやすいクロモリを採用したのかわからない」とも語っていました。
※ちなみに11のみスピンドルがチタン製

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あと、ペダルのウィングの摩耗に関しては、2,000km時点でスプリングがちょっと弱まったけれども、その後の変化はとくに無し。「軽くて、シンプルなルックス、メンテナンスしやすい構造なのは◯だけど、メンテナンスの頻度とコストが少々悩ましい…」という総評でした。さらに「摩耗はともかく、錆びが発生するのは✕」とのこと。うーむ、自分のエッグビーター3と1はまだ全然快調ですが、今後の変化に注目せねば。

概算で、もしもMTBで1年間に8,000km走るとして、4,000kmごとのリフレッシュが発生するとなると、シューシールド2個、Tread Contact Sleeve2個、クリート2個、リフレッシュキット1個…で15,000円くらいのコストになります。であれば、廉価版のエッグビーター1(税抜7,260円)をダメになるまで使い倒して都度交換…のほうが手っ取り早くて安い…という話になるかもしれません。

MTBやグラベルはしない自分の場合、もうちょっと長持ちするんじゃないかとは思います。エッグビーター1と3も引き続き長期でインプレしていこうと思います。

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