2016年のジロ・デ・イタリアにおいて、各チームがどんなサポートカーを使っているかを紹介していたGlobal Cycling Network の翻訳紹介、その後編です。

Who Has The Coolest Team Car? | Giro D'Italia 2016



後編は、チームスカイ、エージーツーアール、ティンコフ、キャノンデール、オリカ・グリーンエッジ、ロットの6チームである。 なお、採点は自分ではなく、Global Cycling Network のサイモンさんとマットさんによるものである。

Team SKY(スカイ)

  • メーカー: フォード
  • 車種: モンデオ

動画の評価をきく限り、クルマとしての評価はやや低い。あらゆる面でパサートに劣るようだし、それは自分も同意。 日本でも発売しているのか公式サイトで確認したら、なんと扱っていなかった。

フォードのラインナップはフィエスタ、フォーカス、マスタング、エコスポーツ、クーガ、エクスプローラーである。

ちなみにフォードは2016年を持って日本市場を撤退することが確定しているが、不思議なことに公式サイトではそのことについてまyったく触れていないどころか、ニュースやプレスリリースのページさえない。 「そんなことはないだろう…」と思いながらあちこち探したら、あった。しかし、そのページの作りはあまりにも手を抜きすぎているとしか思えないクオリティで、ひっくり返りそうになった。

mondeo


話がずれてしまったが、フォードモンデオはどのみち買うことはできない車である。


寸評

昨年までのジャガーからフォードに変更になったのだが、上品な雰囲気をまとっており、プロトンを牽くチームカーらしさはある。あと、過去のレースの勝者の名前(フルーム、ウィギンズ、キリエンカ)をボディに誇らしげに飾ってあるのもよい。

mondeo2

【得点: 8.0/10.0】

AG2R-LA MONDIALE(アージェードゥゼル)

  • メーカー: SKODA
  • 車種: Superb

Superbはミドルクラスのセダンとワゴンのラインナップがある。車好きではい人には、「なにそれ」なメーカー名だが、それもそのはずでSKODA(シュコダ)は日本では発売されていない。

ウィキペディアによれば、SKODAはチェコの自動車メーカーで本社は中央ボヘミア州のムラダー・ボレスラフ(Mladá Boleslav)。いまはフォルクスワーゲン社の子会社で、チェコ国内での自動車生産のシェア1位を占めるそうな。


寸評

デザインもカラーもイマイチ。ただの「白と茶のクルマ」でしかない。しかも、前半分が「チョコレートにディップされたよう」でイケていない。

ag2

【得点: 6.1/10.0】

TINKOFF(ティンコフ)


日本ではC5は発売されていない。日本でのラインナップはC3、C4 、C4ピカソ、C4グランドピカソのみ。C5はミドルクラスのワゴンで、日本だとわりとライバルが多く、販売しても「苦戦するだろうなあ」といった印象。

tinkoff

ちなみにDSブランドはシトロエンから切り離され、独立ブランドとなっている。ラインナップはDS3、DS4、DS5の3つ。 


寸評

全チームカーの中でもっとも目立つ。まぶしすぎるイエローカラーのせいで「サングラス無しでは直視できないYO!」とか言っているが(もちろん冗談でw)、この大胆な色使いはさすが。

tinkoff2

【得点: 8.4/10.0】

Cannondale Pro Cycling(キャノンデール)

  • メーカー: SKODA
  • 車種: Superb

SKODAのSuperbが大人気。いくつものチームに採用されているところを見ると、かなり実用的なクルマに違いない。

cannondale2

寸評

色がやや残念だが、ラインの使い方はうまい。しかし、ノーマルのアルミホイールが残念。もっとデカくて、黒黒しいのが使われて入ればよかった。

cannondale

【得点: 7.8(マットさん) 6.8(サイモンさん)/10.0】

ORICA-Greenedge(オリカ・グリーンエッジ)

  • メーカー: ルノー
  • 車種: LAGUNA

びっくりするほどLAGUNAのインプレ動画が見つからない。素人の方が公開している動画があったが、それをみる限り「あまり魅力は感じないな…」と思ってしまった。

laguna

日本公式サイトにもLagunaは用意されていない。あるのは、メガーヌ、キャプチャー、カングー、ルーテシアのみ。

 


寸評

部分的なラッピングしか施されておらず、デザイン性も工夫が見られない。しかも、レース後に洗車されておらず汚れが残ったままなのも減点。チームの顔であるサポートカーは、つねにピカピカ状態でレースを開始せねばならないのだ。

laguna2
※「お前ら好き勝手にわしらのチームカーをこけおろしやがって…」という目でマットさんらを睨む監督(笑)

【得点: 7.8/10.0】

LOTTO NL JUMBO(ロット)

  • メーカー: SKODA
  • 車種: OCTAVIA

SKODAのオクタビアという聞き慣れない名称のクルマも採用されていた。車格的にはSuperb のほうがやや上のようで、オクタビアは弟的なポジションのよう。


寸評

ソリッドなブラックではあるが、特筆すべき点はなく…。

lotto2

【得点: 6.4/10.0】



前後編を合わせて、高得点だったのはジャイアントアルペシンのMINI Cooper SD、ランプレ・メリダのアウトランダー、モビスターのXC70、ティンコフのC5 だった。

個人的には、日本のクルマにもっとがんばってほしいところ。レガシーなんてサポートカーとしてちょうどよいサイズ感のような気がするんだけどな。

あと、不思議とメルセデス、アウディ、BMWは1台も見かけなかった。絶対にEクラスワゴンとかA4バリアントとか3シリーズワゴンなんて、あってもおかしくないんだけどな。

どういう力学でサポートカーの車種が決定されているのかは闇の中なのだが、単純にコストの問題なのだろうか。いや、そもそもプロサイクリングチームは自前で購入しているのか、スポンサーシップを結んでいるのか?わからないことだらけである。

なお、本格SUVが1台も見当たらないが、これには理由があって「UCIのレギュレーションで車高に制限がかけられているから」 まあ、仮に制限がなかったところで、屋根に載せたスペアバイク&ホイールにアクセスしにくくなるだけで、メリットはない気がする。