初めてロードバイクを選ぶとき、ほぼ100%の人が「カーボンにすべきか、それともアルミでいいのか」と素材で迷うことだろう。

10万円単位の高額な買い物なのだから迷って当然。自分は2014年1月にBOMA の Refale(リファール) を買ったんだけど、どのフレーム(メーカー&素材)にするかで半年近く悩んだ。

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メーカーの話は今回は置いといて、素材に限って書くと、カーボンへの憧れが8割、アルミとクロモリも捨てがたいという気持ちが2割、といったかんじだった。

カーボンのほうがいいよとさんざん吹きこまれていたので、深く考えることなく「そうなのか。じゃあカーボンで」って思考になっていたんだけど、同時に「でもカーボンは壊れやすいって聞くし…、耐久性はどうなのかなあ」って不安もなくはなかった。

だから、一瞬クロモリにも心は揺らいだもんね。「一生モノって言うし、細身の鉄パイプの美しさも捨てがたいかも」と、パナソニックのPOS(パナソニックオーダーシステム)でORCで行こうかなって真剣に考えたこともある。

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公式サイトより引用

カーボンではLOOK、FeltのARシリーズも検討した。夜な夜な画像検索して人様のバイクの画像を検索しては、よだれを垂らしていたのもいい思い出(笑)。

自分がいかにしてアルミでもクロモリでもなくカーボンで組むことを決意したか、なぜBOMAを選んだのかは以下の記事を読んでいただくとして、「アルミとカーボンはいったいなにが違うのか?具体的にどんな差があるのか?」はロードバイク選びの永遠のテーマだ。

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さて、Global Cycling Network
がそんな疑問を解消してくれる動画を紹介してくれていたので、翻訳してお届けしたい。

Carbon Vs Aluminium Bikes | What's The Difference On The Road?


カーボンはアルミより優れているという考えが一般的。少なくとも価格的にはカーボンのほうが上を行く。でも実際にコンポーネント、タイヤ、タイヤ圧、サドル、ハンドルバー等のフレーム以外の条件を同じにして、乗り比べて実験した方はほとんどいないだろう。

Global Cycling Network ではそれを実行したのだ。さて、結果はどうだったのか・・・?

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※左がダンさん(アルミ)、右がサイモンさん(カーボン)

用意されたのはトレックのエモンダSL6(カーボン)とALR6(アルミ)でコンポーネントはアルテグラ、タイヤはボントレガー。どちらもロードバイクショップに吊ってある、いわゆる完成車である。

このバイクをダンさんとサイモンさんで1時間づつ乗り比べ、カーボンとアルミの差を発見しようというわけだ。

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価格

カーボンの価格はこなれてきたとはいえ、アルミよりはお高い。フルカーボンの完成車が20万円前後で手が届くのに対し、アルミであれば同等のコンポで14~15万円で買える印象。(個人的な感覚値です)

とりあえずロードバイクを始めたいけど、なるべく価格は抑えたいって人であれば、アルミを選んでおくのがいいだろう。ただ、これも考え方次第では積極的にアルミにするって方法もあって、カーボンとアルミの完成車で値段が同じ場合、アルミバイクのほうが1クラス上のコンポーネントがアッセンブルされている(ことが多い)。

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たとえば、「カーボンフレームだけど、コンポはティアグラ」に対し、「アルミフレームに105」って差ね。フレームが安いぶん、グレードの高いコンポがあてがわれるというわけ。

カーボン完成車なのにびっくりするほど安いってのもあって、そういうのはたいてい安いコンポーネントと重いホイールで組まれていることがほとんど。リアディレイラーとシフターは105だけど、クランクはFSAでフレーキはノンブランドとかね。あと、フロントディレイラーとリアディレイラーでグレードが違うってこともあったりする。安いってことは必ず理由がある。安いには必ず理由があるのだ。

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ちなみに、アルミフレームを買ったローディや、軽い気持ちでアルミのクロスバイクで妥協した周囲の友人らは、1年越えた頃に「ロードバイクにしとけばよかったなぁ」と苦笑している比率が高い(笑)。

快適性

「カーボンはアルミより乗り心地がいい」というフレーズ、たいていの方が耳にタコができるほど聞いたことがあると思う。しかし、本当にそうなのか?科学的に証明できるのか? ダンさんが動画で語っていた衝撃のセリフがこちら。

僕の友人の科学者が、「アルミとカーボンでのロードバイクの乗り心地調査」をしたんだけど、カーボンのほうが優れているって結論には至らなかった。

科学者の彼が言うには、タイヤ、空気圧、サドル、シートポストの影響度合いのほうがはるかに大きく、アルミとカーボンの材質そのものだけでもって快適性を数値化することは不可能という結論に達したそうだ。

これは驚きだった。自分は体感的にカーボンのほうが乗り心地がいいとは思うけど、ハッキリと断言できるかと問われたら、「うーん、よくわかんない(´・ω・`)」って答えるかも。 「カーボンのほうがきっといいに決まっている、だって皆がそう言っているから」ってプラシーボ効果もないとは言い切れない。

ダンさんとサイモンさんはアルミとカーボンのロードバイクにそれぞれ1時間づつ乗り比べてみたんだけど、ダンさんの意見としては、「ほとんど違いは感じ取れない」であり、サイモンさんは「カーボンのほうが若干乗り心地がいいね」と回答している。

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ただし、サイモンさんは「乗り心地をうんぬんするなら、フレームの素材をどうこうするより、幅広のタイヤを履いてちょっと空気圧を下げたほうがよほど効果的ではある」ともコメントしている。

硬さ

硬さは反応の良さとかコーナーリングでブレないか等の効果に繋がるので、フレームのキャラクターの差が現れる部分。高いカーボンフレームは反応が良いと形容されることが多いけど、それもじっくりと比較してようやく分かるレベル・・・でしかない。

重さ

同じコンポーネント、同じタイヤをつけたロードバイク同士であれば、一般論としてカーボンのほうが軽い。動画内では、トレックのエモンダSL6(カーボン)が7.58キロ。ALR6(アルミ)は7.87キロでその差は約300グラム。
※コンポーネントはアルテグラ、タイヤはボントレガー。

300グラムがどの程度の速さの差を生むかというと、1000分の1秒を競うトップレベルの選手ならまだしも、一般サイクリストの我々はぜんぜん気にしなくてよい。 もちろん、軽いほうがよりラクに走れる(&登れる)のは事実だし、所有欲は満たされる。

300グラムの軽量化のために大金を投じるもよし、そんな金があるなら他のことに使うわって考えてもOK。良し悪しではなく、好き嫌いと個人の価値観で決めればいい。

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ルックス

アルミ、カーボンでのルックスの差はあるといえばあるし、ないといえばない(笑)。最近のアルミフレームは継ぎ目もシームレスになっていたりして、パット見だけでは判別がつかないこともある。

素材がカーボンだからかっこ良くて、アルミだからカッコ悪い…なんてことはまったくない。ルックスに関して言えば、素材のことはいったん脇においておきて、「純粋に好きなデザインかどうか」で評価してみて欲しい。恋に落ちやたフレームがアルミなら、そのフレームで幸せになれると思う。

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※アルミだけどむっちゃ愛着あるCSIのフレーム

カーボンのほうが優れているって風潮がわりと蔓延していると感じるんだけど、個人的には 「好きなデザインのアルミフレーム > 好きになれないカーボンフレーム」 だと思うの。素材が良くても、惚れられないフレームでは乗る気が失せる。逆もまたしかり。

自分のミニベロ(タイレルのCSI )はアルミ製でシートステーとチェーンステーとフォークがカーボンなんだけど、むちゃくちゃかっこいいいって思っているし、アルミであることの引け目とか負けた感(?)は微塵も感じない。

タイレル(Tyrell)のCSI を走らせているときは、この上ない幸福感に包まれている。今、CSI以外に所有したいミニベロはなく、CSIを何年にもわたって大事に乗り続けたい。心底そう思っている。

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話があちこち脱線したけど、言いたいことはただひとつ。アルミとかカーボンとか、気にはなるだろうけど、いったん買ってしまえば素材のことなんて気にしなくなり、ただ純粋に愛車と走ることが楽しいって思うようになる。だから、延々と悩まずに、えいやって決めてしまっていいと思うのだ。

素材はないがしろにはできないけど、ぶっちゃけどれで走ってもサイクリングは楽しいものである。

関連しまくるので、合わせてどうぞ( ^^) _旦~~

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