これまで何度か海外の自転車事故の動画を取り上げてきた。

自分がロードバイクを運転するとき、もっとも重視するのが「事故なく、五体満足で帰宅する」こと。


人よりスピードを出せるようになりたいという欲求は薄く、仲間よりも短時間で山の頂上に登れるようになりたいとも思わない。


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しかし、いつまでも健康で、楽しく自転車に乗り続けられる人生を送りたいとは人一倍思う。よって、安全こそが自分にとっての最重要課題。


ときどき自転車事故を動画を観ては、「なるほど、このパターンがあったか」とか「こいういう状況では、心に隙が生まれやすいのだな」と気を引き締め直している。


というわけで、4本の海外での自転車事故動画を紹介する。







ペルー(首都のリマ)での撮影らしい。道路の右側を走るロードバイク(STIではないタイプ)を走らせていると、右隣から小型車(日産マーチっぽい)が頭を出してきて、出合い頭の接触。


ロードバイク側がけっこうなスピードを出していたようで、ブレーキングが間に合わず、避けることもできなかった。クラッシュ後に救急車で運ばれ、処置された脚の様子も見えるが、あちこちに痣も作ってしまっていて痛々しい。


ただ、クルマがムチャな飛び出しをしてきたというほどではなく、ロードバイクを見落としていただけ…のような気がする。

学び

  • 交差点ではスピードを落とす
  • クルマ(歩行者、サイクリスト、ランナー)が来るかもしれないと気にする
  • ドライバーが自分に気づいていないかもしれないと肝に銘じる







ロサンゼルスから東にちょっといったところにある、Glendora Mountainを坂道を高速で下っているときの単独落車。どうやら、ダウンヒル中にクリートが外れ、スピードを落とさないままはめ戻そうとしていたときに、ハンドル操作を誤ってコケたようだ。

後輪のホイールが完全にはずれてしまっていることからも、かなりの衝撃であったことがわかる。同伴者は「動くな、動くな!」と焦りながら介抱しようとしていた。コケられた本人は苦しそうに呻いている…。


時速35mphくらいでていたそうで、時速56キロに相当する。ロードレースをする人なら「時速56キロでの落車はヤバイ…」とピンと来ると思う。「この状況でコケたら、ただではすまんぞ…」である。


自分はチキンなのでこんなスピードは出さないけど、もてぎエンデューロの直線などの下りでは、エイエイっ漕ぐと時速50キロは超えてしまうので、人ごとではない。


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※山のダウンヒルもスピードが出やすいので注意



学び

  • ダウンヒル中に異変が起きたら、なにはともあれ減速して路肩で止まる
  • 下りはついスピードが出るので、意識して抑え気味に







OCBC Cyclingというイベントで起きた事故。クルマもおらず、道路をいっぱいに使って見通しも良い状況なので、事故は起きにくいはずなのが、こういう事故もあるという良い例。


前を走るロードバイクが、斜め後ろに別のバイクがいることに気が付かず、大胆に車線変更する。後輪が後続の前輪に当たり、あっけなく落車。


後輪と前輪が接触した場合、かならず前輪が負ける。ちょっとの横からの圧で、脚を払われたかのように宙を浮き、倒れてしまうのだ。


前走者は後ろを確認してから車線変更すべき。しかし、近づきすぎてしまっていた後続車もまずかった。


前を走るロードバイクの後輪に自分の前輪がかぶるほど近寄ってはいけないとよく言われるが、こういう事故が起きやすいからである。


こういう「急な車線変更」は、公道よりも開放感の味わえるイベントで起きやすい。イベントのときほど、周囲のサイクリストの挙動には注意し、周りにおかまいなしで車線変更をする人には近づかないこと。


もてぎエンデューロにか過去3回出場したことがあるんだけど、ハスって(ハスられて)の事故は何度も目撃している。

学び

  • 慣れない集団走行は注意
  • 見ず知らずの人とであればなおさら
  • 急な車線変更は慎む
  • 車線変更時は、必ず後方確認する
  • イベントはつい気が大きくなってしまうので、油断しない







アメリカのオレゴン州での事故。動画を見る限り、信号のない交差点のようだ。交差点を通過しようとしたサイクリストが、出合い頭にトヨタのハリアーに弾き飛ばされる。


まだそんなにスピードは出ておらず、サイクリストもすぐ立ち上がった。バイクにも大きな損傷は見られない。(絶対にどこかが破損しているとは思うが)


サイクリストは、「一時停止サインがあるじゃないか」と主張し、ドライバーは「ごめん」と謝罪している。


互いに保険会社の連絡先の交換と、免許証の確認をし、その後警察を読んで現場検証に続く。「膝をかなり強く打ったけど、大丈夫だと思う」とサイクリストは証言している。


衝突の瞬間をよくみると、クルマはサイクリストの身体ではなく、バイクに接触している(ように見える)。そのおかげもあってか、打ち身だけで済んだようだ。あと30センチずれていたら、もっと深刻な怪我につながっていた可能性が高い。

学び

  • 車の陰に自分が隠れてしまい、ドライバーに見落とされることはよくある
  • 早く目的地に着きたいという気持ちを抑える
  • そのために、時間に余裕を持ったスケジュールを組む
  • 保険会社等の連絡先はスマホに入れたり、カードを財布に常備する


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いかに自分が正当であったとしても。怪我すれば痛いのは自転車の側だ。そして生活に支障が出るのも自分。


みなさまも、どうか無事故で楽しいサイクリングライフをお過ごしください。


過去記事はこちら

自転車事故コンピレーションその1

自転車事故コンピレーションその2