サイクリングにおいて、もっとも辛いことのひとつが「お尻が痛くなる」である。

ローディでもミニベロサイクリストでも、「お尻の痛みを経験したことが、一度もない」という方はおそらくいないのではないだろうか。それくらい、誰しもが一度は経験する悩みである。


自分が初めて購入した、Dahon(ダホン)のMu P8の完成車に付いてきた純正サドルは、2~3ヶ月で交換した記憶がある。走行距離が伸びるにつれ、お尻の不快感も比例して増したものだった。


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ちょうど Global Cycling Network に「お尻が痛くならないための10の対策」というタイムリーな動画があったので、翻訳してお届けしよう。


Top Ten Ways To Avoid A Sore Ass When Cycling





いっそ、休んでしまう

「どうしても痛みが引かない、お尻に違和感がある」のであれば、いっそ家で休もう。

身もふたもないアドバイスのような気もするが、お気に入りのスナックと飲み物をつまみながら、Global Cycling Networkの動画を視聴するのもよい。無理して乗っても楽しくないし、後々尾を引いてしまっては日常生活に支障が出るからね。


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※ふだんサボりがちなメンテをやってしまえば、一石二鳥



下着を履かない

ビブショーツやパッド付きショーツを履く場合、ゼッタイに下着を着用しないこと。


サイクリング用ショーツは素肌にそのまま着用するよう設計されている。初めは猛烈な抵抗感があるかもしれないが、くれぐれも下着は使わないように。見た目も悪くなるし、傷みの原因にさえなってしまう。


フィットするショーツを使う

サイクリングショーツは、とても薄いし、身体にピッタリとフィットするように作られている。理由は、「素材のよじれによる摩擦を引き起こさないため」だ。

タイトすぎると股間に食い込んでしまうし、緩いと安定せずに動いてしまい、これまた不快だ。試着させてくれるお店も多いので、サイズで迷ったら店員さんに相談してみよう。(さすがに試着時点では下着着用がマストだけど、フィット感は確かめられるはず)


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※「世界に一つだけのDAHON」のKeiさんといっしょに霞ヶ浦を走ったとき



ショーツはしっかり洗う

汗や油の付着したショーツになにもいいことはない。乗ったら洗おう。泊まりこみのイベントだと、前日に到着し、試走することもあるだろう。そんなとき、「本番は明日だから」と洗わずにそのままにしている方もいらっしゃる。


が、幸いにもサイクリングウェアは(ショーツに限らず)すぐ乾く素材でできているので、一晩部屋干しで乾かせばたいてい朝にはしっかり乾いているよ。


シャモアクリームを使う

股が衣擦れのようになってヒリヒリするような傷みにお悩みであれば、シャモアクリームに助けを求めるのもアリ。クリームを股下に塗ることで、皮膚とショーツ(&パッド)の摩擦係数を減らすことができる。

ちなみに、自分はそこまで股間が擦れるシチュエーションに遭遇したことがないので、こういったクリーム剤を使ったことはない。


マッドガードを使う

ロードバイクにマッドガードを付けるのはあまりスタイリッシュではないが、濡れたコンディションで走る場合、ショーツがずぶ濡れになってしまう。濡れたショーツに加えて、濡れたタイヤが砂や砂利を拾ってお尻に当たってくるので、不快なことこの上ない。


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※脱着そのものはカンタンそうに見える


自分に合うサドルを見つける

たぶん、最も影響が高いのがサドルだろう。幸いにして、マーケットにはありとらゆる形状、素材でできたサドルが溢れている。問題は、どれが自分のお尻にフィットするかだが、こればかりは多少の試行錯誤が伴う。


1~2回の失敗は授業料だと思って、どうにもこうにも合わないサドルは交換してしまうのも方法だ。


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※タイレル(Tyrell)のCSI についてきた、Prologoの「ナゴEVO パス TiroX」 というサドル。



取扱代理店であるインターマックスのウェブサイトを見ると、「中央にくぼみを持たせ、圧迫を軽減し快適性を向上させてある」とのこと。定価で15,700円(税抜)する、なかなかよさげなサドルである。


CSI はまだほとんど走らせていないのでハッキリ断言はしないけど、いまのとこ「ナゴEVO パス TiroX」は使い心地のよいサドルである。



速く走る

速く走ることがなぜお尻の傷みの軽減につながるかだが、単純な話で、ペダルにパワーを掛けるほど、サドルへの荷重が減るから。これに似た話で、あまりにもアップライトすぎるポジションだと、お尻にがっつり体重がかかり、痛むのが早くなる。


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※エンデューロであれば、思い切りもがけます(笑)

ハンドルを下げて、あえてアグレッシブなポジションをとると、お尻が多少は楽になるだろう。ただ、この方法は体力に直結しているので、ずっと続けられないのが玉に瑕だが(笑)。


クッションを巻く(最後の手段)

小さめのクッションを股下に入れて、ビニールテープ等でぐるぐる巻きにする。ダサいこと甚だしいが、どうしようもなくなったら、この方法を覚えておいてほしい。なるほど、たしかに強制的にクッションを敷けば、きっとお尻は快適になるはず。


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※シュールすぎる……

問題は、そんな状況で都合よくクッションが手元にあるかだが(たぶんない)…。あと、サドルの高さが極端にズレてしまうので、調整は必要になってしまうだろう。


10個目の対策として、ビブショーツの中にクッションを押しこむという方法も紹介されていたが、これはビブショーツが伸びてしまいそうだったので、こちらの判断で割愛しておく(笑)。せっかくのショーツを傷めてしまわないだろうか……。


ということで、Global Cycling Networkによる「サイクリングでお尻が痛くならないための10の対策」でした。


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お尻の傷みは不思議なもので、いったん慣れてしまうと、「そんなこともあったなぁ…(遠い目)」となるものだ。自分も最初の数ヶ月は悩まされたものの、今は全然大丈夫。


結局は、「習うより慣れろ」ってことですよ (^^)