オススメのロードバイクって何かな?」と訊かれる機会が増えてきた。アドバイスを求めていただけるのはウレシイ反面、この質問はすごく回答に困る。(たぶん、ローディあるあるだと思う)

なぜなら、「なんとも答えようがない質問」だからなのだ。ロードバイクは最低でも10万円はしてしまう高価な買い物なので、何がオススメできる(できない)なんて、軽々しく返事できない。


で、この質問を受けたとき、自分が必ず伝えることが3つある。


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※イベントに出ると、人様のバイクを穴が空くほどガン見するよね…



【ロードバイクを選ぶときの鉄則 その1】 すべては用途しだい

ウェブの質問&回答サイトでもたびたび登場する質問であり、検索キーワードでも常にボリュームが多い。それだけ、車種選びで悩む人が多い証拠だと思う。

ただ、結論からいうと、万人にマッチしたロードバイクなど存在しない。使う人と目的次第でオススメは変わる。レースに出て速く走りたいのか、マイペースでツーリングしたいのか、通勤でも使いたいのか、全部をまんべんなくしたいのか、それによっていかようにも変わるからだ。


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自動車をイメージすればすぐ分かると思うんだけど、「オススメの車ってなんでしょね?」って訊かれても、漠然としすぎてて質問された側は困るはずだ。


ポルシェやフェラーリは高価でものすごいパワーを出せるし、マシンとしては間違いなく車の世界のトップに入るだろう。だけれど、それをふつうの主婦には勧められない。すべてはその人の用途と目的次第なのだ。ロードバイクもまったく同じ。


逆説的に言えば、「オススメのロードバイクを教えて」ってアバウトに訊いただけで、「これがいいよ。これにすべきだよ」って言われたら、その助言は鵜呑みにするべきではない。


用途をイメージしておくことで、質問されるほうも「だったらアルミでいいよ」といった素材の話や、「であれば、20万円前後のカーボン完成車で選ぶといいよ」とか「ロードバイクでなく、クロスバイクでいいんじゃね?」などと回答もしやすい。イメージは具体的であればあるほど、質問される側もより的確なアドバイスができる。


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※もてぎのエンデューロ会場にて


もしも具体的に用途が思い浮かばないのであれば、逆の視点から考えて、「しないこと」をハッキリさせる、でもOKだ。「ロードバイクを買ったことがないんだから、実際に使ってみないと、わかんないじゃん」って言い分もあるだろうしね。


たとえば、「少なくとも、レースに出て競い合うような乗り方はしない」とか、「輪行はぜったいしない」って絞り込みの仕方もある。


ただし、走っているウチに、「輪行したい」とか「やっぱレースに出たい」という欲望が湧いてくる可能性は無きにしもあらずだが(笑)。


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※仲間に誘われてエンデューロを体験するまで、自発的にやろうとは思わなかった(今は大好き)



【ロードバイクを選ぶときの鉄則 その2】 迷ったらデザインで決めよう

ここでいうデザインは、フレームのデザインね。(ホイールは後で交換できるので)

このフレーズ、ロードバイク購入前に聞いたときは「そんな無責任な!」って思った。「デザインで決めていいだなんて、そんなわけないでしょう! さてはあなた、手を抜いたアドバイスをしていますね!?」と訝しんだものだった。


しかし今なら言える。「完全に同意する」と。


名の通ったメーカーのバイクであれば、似た価格帯のものならどれに乗ってもよいものだ。アルミか、クロモリか、カーボンかってことすら二の次でよい。そのデザイン(カラーを含め)が好きかどうか、どの角度から見ても惚れぼれできるかで選んでぜんぜん構わない。


不思議なもので、自分が気に入ったデザインのバイクには乗りたくなる。値段ではなく、カッコよさで決めてOKだ。


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※フレームもシャマルミレも、最終的にはデザインに惚れて踏み切った


自分がロードバイクに乗りだしたことで、二人いる弟もマネして乗っているんだけど、2人には「コンポで妥協はしてもいいが、デザインだけは一歩も譲るな」とアドバイスした。


結果、一人はジャイアントを、もう一人はスペシャライズド(どっちもアルミ)を購入し、シアワセなロードバイク・ライフを過ごしている。スペシャライズド買った真ん中の弟なんて、トライアスロンに出まくっているほどハマっているしね(笑)。


デザインは完全に主観の世界なので、人がどうこう言おうが関係ない。他人の好みに動じてはならない。いくら他人がカッコイイと感じようが、乗る本人がそう思えなければ意味が無い。


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※左が弟のジャイアント



逆にデザインさえ惚れることができれば、ぶっちゃけアルミでもカーボンでも構わないと思う。バイクの見た目はそれくらい大事。


あと、どんなに経験者であっても、全てのロードバイクを乗り比べた経験があるわけでもなく、コンポーネントだって「シマノしか触ったこと無い」って人も少なくない。よって、絶対的なアドバイスがデキる人はかなり限られてくる。


自分だって、カンパニョーロとスラムの使い勝手を訊かれても、所有していないので答えられない(笑)。


【ロードバイクを選ぶときの鉄則 その3】 フレームだけでなく、ホイールもね

完成車の場合、ホイールは廉価版(いわゆる鉄ゲタ)ホイールがくっついてくるものだ。自分はフレームから組んでいったのだが、予算的に厳しい方は完成車から始めるのがよいと思う。

さて、オススメのロードバイクは?と自分が訊かれたら、声を大にして言うであろうことは、「ホイールもゆくゆくは交換するといいよ」だ。「ロードバイク=フレーム(&コンポ)選び」ではなく、ホイールも含めたトータルで考えるべき。だって、ホイールってむちゃくちゃ走りに影響するんですもの。


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自分はカンパニョーロのクリンチャーホイール「ゾンダ」から始め、1年半後の2015年夏に同じくカンパニョーロの「シャマルミレ」にアップグレードした。ざっくり18万円前後もするので、「フレームが買えるじゃん!!」と驚愕されるかもしれない。


しかし、それだけの価値がホイールにはあるのだ。「べつにレースに出るわけじゃないから、高級ホイールは不要」と考える方は多いが、結論を下すのは早い。ツーリングやポタリングだって、よいホイールの効果はふんだんに感じられる。


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よいホイールはいつまでも回り続ける。少しの力でびっくりするほどスイーーーーーーーーっと転がってくれる。平地巡航でも、ヒルクライムでも、ダウンヒルでも、ストップ・アンド・ゴーの多い市街地でも、ホイールの恩恵は受け続ける。勝ち負けを競うレースには一切出場しない自分が言うのだから、そこは間違いない。


シャマルミレは、2015年でもっとも高価な買い物になってしまったが、このホイールにしたことで、ロードバイク・ライフの幸せ度が2.5倍くらい増した。「シャマルミレにして本当に良かった」としみじみ思っている。


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※お世話になっているショップの大将も、ゾンダとシャマルのオーナーである


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ロードバイクオールカタログ2016



ロードバイクって、何を買おうかな、どのメーカーにしようかなと迷う間が楽しいものだ。皆さまにおかれましても、悔いのないロードバイクをお選びくだされ。