自分はBOMAのRefale(リファール)以外にロードバイクを持っていない。



ダホン(Dahon)のMu P8との2台体制だ。

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「いつの日か、自宅にマイ自転車ルームを持てたとき、2台目のロードバイクが欲しいなあ」と夢見ることはあるが、仮に2台目のロードバイクを持てるとしたら、街乗り目的で15万円くらいのエントリークロモリかカーボンのシクロクロスのどっちかにしたい。




当面購入の予定はないのだが、知識と情報だけは仕入れておこうと思い、Global Cycling Network(GCN)で紹介されていた「シクロクロスのロードバイクの組み方のコツ」をお届けしよう。




How To Set Up Your Cyclo-Cross Bike







ポジション

サドルの高さと前後位置はふだんのロードバイクと同じにするのが基本。ただし、あえて5ミリほどサドルを下げて乗ることを好む人もいる。理由は、荒れた路面を走るシクロクロスの場合、コントロール性を高めるために、ほんの少し腰を浮かせる必要があるから。このへんは好みで決めて良いとのこと。



動画に登場しているサイモン・リチャードソンさんは、「ロードでもシクロでもポジションを常に同じにしたいので、サドルの高さは変えていない」とのことだ。

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※ちなみにリチャードソンさんは、元プロサイクリスト。クロスカントリーマウンテンからキャリアを始め、2005年には23歳以下のチャンピオンにもなっている。


注意点として、クリートとシューズの変更がもたらすミリ単位の変化には気をつけるべし。サドルをロードバイクとまったく同じにしても、クリートとシューズの高さでズレてしまうことはあるからだ。



クリートのテンションも注意すべきポイント。泥や土のコンディションで走るシクロクロスの場合、テンションがきつすぎると砂がかんだときに外れにくくなる。かといってユルユルだとデコボコ道を走るときに外れてしまう。



よって、真ん中あたりがいいだろうとの結論だったが、ここも好みのわかれる部分なので、テンションを替えつつ、ちょいどよい場所を探そう。

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ハンドルバーの位置

シクロクロスとロードバイクの最大の違いはハンドルバーの位置に現れる。シクロクロスのほうが「1~2センチ高くし、1センチサドル方向に近づける」のがセオリー。


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理由は、シクロクロスではコントロール性がより求められるから。ハンドルバーが高くなるということは、下ハンが握りやすくなる。重心を下げて走るようなシーンがシクロクロスではよくあるので、下ハンを使う場面は多いのだそうだ。



ブラケット位置をすこししゃくって、角度をつける人もいる。これも同様にコントロール性を向上させるため。


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「ステムを短くするなら、シクロクロスでは小さめのフレームを選んだ方がいいの?」という質問には、「NO」だ。フレームサイズを替えるのではなく、ステムなどのパーツで調整したほうが良いとのことだ。



タイヤ

UCIはタイヤ幅を規制している。レースに出場するなら、コレは覚えておくべき数字。ちなみに「33ミリ」までである。タイヤに幅が記載されているから、それを見れば問題ないじゃんといいたいところだが、コトはそうカンタンではない。



というのも、空気圧によってタイヤ幅は微妙に変化する。もしもUCIがレース前にメジャーを持ってタイヤ幅をチェックしてきたら、「33ミリと記載されているけど、実際に計測したら34ミリありました。よって出場できません」となる可能性もなきにしもあらず。レースに出るなら、ここの確認は自己責任なので、注意されたし。

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なお、サイモン・リチャードソンさんは、トレーニングでは33~35ミリのタイヤを使っているとのこと。これくらいの幅があると、トラクションがよくかかるんですって。



テューブラーのメリットは、空気圧を下げつつ、スピードを犠牲にしない点だ。クリンチャーよりも高価で取り扱いに気を使うが、シクロクロスの世界でもプロはほぼチューブラータイヤを使う。



タイヤの空気圧

クリンチャーであれ、チューブラーであれ、空気圧はシクロクロスでは重要なファクター。一般的に、空気圧が低いとグリップがよくなる。ただし、トレードオフとしてパンクの危険性が増す。考慮すべきは、体重と路面コンディション。



ちなみに、動画に登場するサイモン・リチャードソンさんのオススメはこんなかんじ。

チューブラータイヤ

体重が70キロ……25PSI

※トップクラスはさらに低くする

※凹凸が激しい路面とか、スピードを重視したいなら、圧を高めにしてもOK



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クリンチャータイヤ

  • チューブラータイヤよりも高く入れなければならない(最低でも35PSIは入れるべし)
  • 40PSIが一般的
  • 体重が重い人やゴツゴツした場所なら、60PSIほしいところ
  • ただし、圧を高めるほどグリップと乗り心地が悪くなる


チューブレスタイヤ

これもシクロクロスではアリな選択肢。チューブの代わりにシーラントを入れるのだが、パンクの危険性がぐっと下がる。よって、かなり低い空気圧でも走ることができるのだ。ただ、選択肢が限られるのと、UCIの規定にマッチするかどうかを見極めなければならない。



ホイール

ロードバイクとさほど大きな違いはないが、体重のある人は頑丈なモノを選んでおこう。可能であれば、リム幅が広いホイールを使おう。そのほうが、幅が広いタイヤをしっかりサポートしてくれるし、ハンドリングもよくなるから。



ギア

プロは46−39Tのチェーンリングを使う。しかし、市販されているモノは46−36Tが主流。一般的なライダーであれば、46−36のほうが使いやすいだろう。


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スプロケットはワイドレシオなものが良い。11−28Tあれば十分だ。旧型のシマノユーザーは12-27Tしかなかったりするが、それもで問題なく使えるはず。


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注意点として、28T以上のスプロケットを選ぼうとすると、ディレーラーをロングケージ化する必要になる。ロングのデメリットとして、泥がつまりやすかったり、もげてしまうことが挙げられる。リアメカの砂や泥詰まりには注意し、いつも清潔に保っておこう。



ボトル

ふつう、シクロクロスではボトルを持たないことが多い。が、暑いコンディションでの練習だと水なしというわけにはいかない。ボトルを挿すのは「シートチューブ側」にすべし。


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ダウンチューブだと、下の写真のように、バイクを担ぐときに腕が干渉してしまうのだ。


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ロードバイクテクニック強化書





以上、シクロクロスのロードバイクを検討中の方々の参考になれば幸いである。それにしても、いつ観ても『Global Cycling Network』は面白い動画が満載だ。さすがプロの仕事である……。



まとめ

  • サドルはロードバイクと同じ
  • ハンドルバーは1~2センチ上げて、ステムは1センチ縮める
  • タイヤ幅は32−33ミリまで。(自己責任で確認)
  • スプロケットは11−28T、チェーンリングは46−39Tか46−36T
  • ボトルはダウンチューブではなく、シートチューブ